アサルトリリィ Thousand Flower   作:汐風波沙

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今週はもう一本!


ズィーベンヴェルト戦術③

「さてと、そろそろ教えてくれないかしら、鶴紗ちゃん。あの子、一体何なの?」

誰もいない休憩所、そして、不必要な気がする防音室であるこの部屋は、秘密の会談をするのにピッタリの場所である。

「とりあえず、飲み物でも飲みながら話しましょうよ。奢りますから……」

「じゃあ、エナジードリンクをお願いするわね!」

「分かりました」

ピッという音がして、『ログインカクニンデキマシタ、アンドウタズササン、ノミモノヲセンタクシテクダサイ』という音声ガイドが鳴った。

「この世界の自販機は喋るようになったのね〜、これには私も驚きだわ!」

「珍しいですね、百由様は何があっても理不尽にキレるか、調べ尽くすかのどちらかだと思ったんですが……」

「本当に私のことを何だと思ってるの、貴女達は……」

百由は、少しガッカリとした表情をした。

「まあ、私もこの技術については、少しだけ研究して、あと一歩まで行ったんだけど、最後にAIが暴走したおかげで、全てパーよ!」

「なるほど、だから驚きだったんですね。これ、BEASTです。どうぞ」

「ありがとう、と言うよりもこの世界にもBEASTがあったのね、私は徹夜する度のこれに助けられているわ」

「ちゃんと寝てくださいよ」

「グロっぴが入学して来てからは、ちゃんと寝てるわよ、私!」

「そうなんですね、私からしたらもっと休んだ方がいいと思いますが、そんな事言ってもどうせ寝ないでしょ?」

「あら、わかってるじゃない!私は寝てる時間すら勿体ないから、寝てないだけよ!」

「まあ、死なない程度に無理してください。それでは、本題に入ります」

「そうね、美夢のレアスキルについてだったわね。教えてくれるかしら?」

百由は、近くのソファーに腰掛けた。

「じゃあ、私も失礼して……」

鶴紗は、百由の対面に座った。

「まずは、何故美夢が百由様達と出会った時に倒れていたのかについて」

「大体検討はつくけど、彼女がマギ切れで倒れることなんてあるのかしら?」

「確かに、あいつのマギの量は、他を凌駕、いや他を寄せ付けないほどに成長していて、尚且つ()()()()()()()()()()()()

「待って、どういうことか全くもって分からないのだけど!?」

「つまるところ、あの二人は対極なんです。仲間を守るための覚醒したカリスマが黒羽、()()()()()()()()()()()()()()()()()のが美夢なんですよ」

「マギを引継ぐ?一体どういうこと!?」

「そのままですよ、あの子が1人でズィーベンヴェルト戦術を行える理由がそれです。仮ではありますが、私は彼女のレアスキルに名前を付けました。()()()()()()()()と……」

「なるほど、ドイツ語で引き継ぐとか、譲り受けるとか、引き受けるという意味ね。それこそ、その力の名前に相応しいわね」

「それでも、リリィ達は皆、彼女の事がいいとは思っていません。『死体を漁る墓場荒らし』と呼ばれ、罵られ、1人で工房に引きこもってる。だけど本当は、アイツは、誰よりも他人を思ってやれる心優しいいい子なんだ!美鈴様が命を懸け、夢結様が全身全霊で育て、梨璃が最後まで守り通した。3人のリリィの魂の炎が引き継がれた正しく優しく強いリリィに、あの子は育ったんだ。だから、アイツはもっと仲間に、誰かと明日を生きるために戦って欲しい……」

「なるほどね、大体は理解出来たわ。一つ質問していいかしら?」

「ど、どうぞ」

「やっぱりどう考えてもマギの複数持ちは無理だと思うのよ。体内でマギ同士がぶつかり合って、本人の体がボロボロになるだけなんだとと思う……」

「それは、本人から直接聞いてください。でも、大体検討はついてるんでしょ?」

「まあ、そうね。これ以外考えられないけど……」

「じゃあ、戻りますか?」

「そうね、あまり長時間グロっぴを放置すると、あの子、糖分不足で更に可愛く小さくなってしまうわ〜」

「それじゃあ、戻りましょうか」

鶴紗は立ち上がり、ゴミ箱に飲んでいた紅茶のベットボトルを捨てた。

百由も、残っていたエナジードリンクを一気に飲み干し、ゴミ箱に入れ、鶴紗の後ろについて行くようなかたちで休憩室を出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

______________続く




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