アサルトリリィ Thousand Flower   作:汐風波沙

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第14話 力の真実と美夢のマギ①

________理事長代行室

「さてと、話していただけませんか、美夢ちゃんの力について」

「はて、何を話すにしても、もう君が知っている通りの力なのだよ。まぁ、以前よりも強くなってるのは確かなのじゃがな……」

理事長代行は、百由にそう答えた。

「リリィのマギを引き継ぐ事が出来る力、つまり、レアスキルもその対象になるということなのじゃよ」

「そんなの、そのうち1人で抱えすぎて最後は彼女の中でマギ同士がぶつかり合って、爆発するだけじゃ……」

「そこで彼女自身がそれを望んだのか、はたまた彼女が無意識のうちに発現したのかは不明じゃが、やはり、その対応策としての彼女自身のスキルが、マギの暴走を抑えているという訳じゃよ……」

「レアスキル ユーバーネーメン、鶴紗ちゃんが言っていたアレね……」

「そうじゃな、だが、儂としては、レアスキルの名などどうでも良い。ただ彼女がその力のせいで傷付いていく姿が見ていられなのじゃ……」

理事長代行の表情が少し曇った。

「彼女の心に傷が付くのを理解している。しかし、彼女自身の願いが、私への決断をさせていたのじゃ。1人でも多くのリリィを救うとな……」

「理事長代行なりの優しい決断だったんですね……」

百由は、少し悲しそうな理事長代行を見ながら言った。

「百由君、君には彼女を、彼女が今後正しく力を使う事が出来るように支えて欲しい。君達に残されている時間がどのくらい残っているのかはわからんが、最後の瞬間までに、決断出来るくらいの、傷付かない彼女になれるよう、どうか、頼む……」

理事長代行は、そう言うと頭を下げた。

「私は、アーセナルですが、リリィでもあります。彼女も同じくアーセナルであり、リリィです。それなら、私とグロっぴで最後の決断をさせないといけないことくらい、この世界であの子と出会ってから、わかっていますから、理事長代行は、親のように見守ってくださればいいですよ!」

百由は、ニシシと笑う。

それを見た理事長代行は、目を大きく見開き、

「ありがとう、本当にありがとう……」

と連呼し、涙を流していた。

「それじゃあ、私は美夢ちゃんの回収に行ってきます」

「君も、無理しないようにな、百由君」

涙拭いながら理事長代行は、言った。

「ありがとうございます」とだけ言って、百由は、理事長代行室を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

________戦場

美夢は、地面に止まったまま動かない。

いや、マギが切れてしまって、動けないのである。

レアスキルの多重発動により、完全に動けない上に、かなりの高さから直下したので、足への負荷は相当なものになるだろう……

「美夢、お主、まだ動けるか?」

美夢を追いかけて、ようやく追い付いたミリアムは、問いかけるが、無反応である。

「おい美夢!?マギ切れで、気絶しているのか……」

ミリアムは、優しく身体を横たわらせ、頭を自らの太腿の上に乗せた。

「良く、頑張ったのう……」

優しく頭を撫でながら、ミリアムは呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

________森林内

「まさか、私まで駆り出されるとは思っていなかったよ。後で事情を説明していただきますからね、百由様!」

「ハッハッハー、細かいことは気にしないの!」

百由と鶴紗は、森林を走りながら会話をしている。

「今回はただ、少し、本当に少しだけなのだけれど、何か違和感を感じるのよね、あの子の目が、朝から少し変な感じがしたから……」

「目?」

「ええ、目よ。あの目は、全てを抱え込んで、今にもパンクしそうになってる夢結を思い出したわ。だから、無茶をしてないといいのだけど……」

「百由様、まるで親ですね……」

「そうね、親に近いのかもね。だって、あの二人が命を懸けて守った子をあの二人の元に送ったら、こちらの世界のあの二人に、顔見せ出来ないもの!」

「そうですね。それじゃあ、速度上げてください」

「これ以上は、朝食が全部出てきちゃうから、勘弁してぇぇぇぇぇ……」

そう言いながら、加速して、美夢の元へ2人は急いだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

________戦場

「美夢ちゃん!」

百由は、戦場に着くなり美夢の名を叫んだ。

「おー、百由様!いい所に来た!美夢なら、まだ寝てるぞ」

「何だ、ミリアムも居たのか」

「鶴紗、お主は相変わらず猫の近くにおったようじゃのう……」

「な、何故わかった!?」

「そんなの、マタタビと猫缶の匂いがするからじゃ!」

「グロっぴ、もしかして、前世は猫?」

「かもしれんのじゃ……」

「なら、ミリアムをにゃんにゃんしたら、猫をにゃんにゃんした事に……」

「ならんのじゃ!いきなり何を言い出すと思えば、儂を吸う気か!?」

「まあ、それは置いておいて……」

「百由様、見捨てるな〜!」

そう言うミリアムを放置し、話を始めた。

「一体何故こんな有様になってるのよ、美夢は……」

「それが、こやつが、一人で今日攻めてきたヒュージを倒したからじゃ……」

「なん、ですって!?」

百由は、言葉に詰まり、1人でブツブツ言い始めた。

「ミリアム、使っていたレアスキルは?」

鶴紗は、焦ったように問いかける。

「『ルナティックトランサー』『縮地』『この世の理』『ヘリオスフィア』の4つだったと思うのじゃが、空間のマギが、どんどん美夢に吸い込まれておったぞ!」

「そうか、やはり……」

鶴紗も考え込んでしまったが、

「とにかく1度学園に戻って考えよう」

と言って、美夢を持ち上げる。

「……、これは?」

鶴紗が、錆びれたチャームを持ち上げる。

「それは、あのヒュージを貫通して出てきた時に美夢が、持っていたのじゃ。何か妙な感じがするから、1度持ち帰って調べたいのじゃが……」

「私が持って行くわ」

百由は、地面からチャームを引っこ抜く。

そして4人は学園に戻った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

________________続く




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