アサルトリリィ Thousand Flower   作:汐風波沙

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力の真実と美夢のマギ③

「ところで、結局貴女の力は、一体何なの?」

百由は、疑問を投げ掛ける。

「私の力は、呪われているようなものです……」

美夢は、そう切り出した。

「私には、元々マギを空間からたくさん補給できる体質だっただけでした。でも、ゲヘナは、それをいいことに私を捕らえ、実験の為にたくさんの負のマギを吸収させられ続けた。それによって、私はとあるレアスキルに近いブーステッドスキルを手に入れることが出来たのです」

美夢は、暗い表情と暗い声色で語り始めた。

「それが、消えそうなマギを持ち主から引き継ぐことが出来るという、自分でもあまり好きになれないスキルが発現し、私は戦場の死体漁りや、死神と呼ばれるようになったのです……」

「……」

百由は、言葉が出なかった。

正しくは、言葉にしていいことがひとつもなかった。

彼女が生きてきた人生は、少女達10数歳の子が体験してきた人生の中で最も濃いものとなっており、そして、もう二度と経験したくもない人生なのである。

「そして、実験を受けていたある日、私はふとこういうことを思った。『もし、ここにヒュージが攻めてきたら、私もこの苦しみが楽になれるのかな?』と思った時、研究所の防壁内にケイブが発生したのです」

「防壁内に!?どうして……」

「まあ、そこもこれから話します。それにより、研究所では、何故いきなり防壁内にケイブが発生したのか、わかりませんでしたが、結論は、その時が世界初の変異種のヒュージ、EXTRAヒュージが生まれました。そして、私の実験室にも入って来て、研究員は沢山殺されました。私は、実験中だったため、私は気がついていなかったのですが、ヒュージが、実験機器を破壊したことにより、私に負荷が安全装置無しでかかってしまい、私は、身体を動かすことが出来なくなりました……」

「絶体絶命ね……」

百由は、いつの間にかベットの上に座っていた。

「そこに、助けに来てくれたのは、川添美鈴というリリィでした」

「美鈴様が!?」

「知っているのですか?」

「あの人は、昔、夢結のシュッツエンゲルだったのよ!」

「そうだったんですね……」

「あら、知らなかったの?」

「はい、恥ずかしながら……」

少し恥ずかしそうに美夢は俯いた。

「話を続けて?」

「分かりました、それでは続けますね。

それで、美鈴様が助けに入った時に、双葉先生もそこに加勢しました。2人を相手にしていても、余裕でチャームを捌くヒュージに対して、2人は両サイドから攻める作戦に移行したのです。でも、その時に、美鈴様にヒュージの大振りの腕が直撃し、10mほど後方に吹き飛びました。その際に、内臓が潰れたのか、美鈴様が様は血を大量に吐き出しました。私は美鈴様の元に駆け寄りました。『美夢、君は逃げるんだ。この場にいても、傷付いている君が出来ることなんて、何も……』そして更に血を吐き、倒れました。その時、何かが私の中に入ってきたんです。暖かいけど、冷たい。でも、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()は、わかったのです。そして、美鈴様を見ると、息を引き取った後だったのです。私は、何を考えたのか、美鈴様のダインスレイフを握っていた。指輪は、実験の時は強制的に付けさせられているので、私は、チャームと強制的に契約した。そこからの記憶は朧気で覚えていません」

「やはり、マギを吸収しすぎて、記憶に障害が生まれているのでしょう。でも、ある程度見えてきたわ」

百由は立ち上がり、服を整えた。

「さてと、それじゃあ貴女が持ち帰ったチャームの解析をしますか!」

「もう、私の事はいいんですか?」

「そうね、私としてはこの事は、特に私の中でしまっておいて問題ないことがわかったし!それじゃあ、早く着替えて!」

「はい、わかりました……」

そう言うと、美夢は枕元に用意されていた制服に着替えた。

「あ、そうだ!言い忘れてたけど、一つだけ貴女に伝える事があったんだったわ、形式上のお説教ってやつよ!」

「はい!何でしょうか?」

美夢は、着替えるのを1度止めて、百由の方を向いた。

「あんまり、一人で抱え込まなくていいのよ。貴女には、貴女の信念があってそうしてるのかもしれないけど、命あるものは必ず最後には死ぬのよ。だから、貴女も死に対して責任を持つ必要は無いの!」

その瞬間、美夢の表情が一瞬でハッとなり、無言で涙を流していた。

「あ、あれ?なんでだろう、涙が……」

「それが、貴女の心の在り方なのよ。貴女は強くない。むしろ弱いくらいなの。だから、仲間を頼りなさい。それが、レギオンであり、仲間であり、友達であるのよ!」

そう言うと、美夢はその場に泣き崩れ、更に泣いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数十分後、泣き止んだ美夢の顔は何かが吹っ切れたような顔をしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

________________続く




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