アサルトリリィ Thousand Flower 作:汐風波沙
遅くなりました!
よろしくお願いします!
「ところで、結局貴女の力は、一体何なの?」
百由は、疑問を投げ掛ける。
「私の力は、呪われているようなものです……」
美夢は、そう切り出した。
「私には、元々マギを空間からたくさん補給できる体質だっただけでした。でも、ゲヘナは、それをいいことに私を捕らえ、実験の為にたくさんの負のマギを吸収させられ続けた。それによって、私はとあるレアスキルに近いブーステッドスキルを手に入れることが出来たのです」
美夢は、暗い表情と暗い声色で語り始めた。
「それが、消えそうなマギを持ち主から引き継ぐことが出来るという、自分でもあまり好きになれないスキルが発現し、私は戦場の死体漁りや、死神と呼ばれるようになったのです……」
「……」
百由は、言葉が出なかった。
正しくは、言葉にしていいことがひとつもなかった。
彼女が生きてきた人生は、少女達10数歳の子が体験してきた人生の中で最も濃いものとなっており、そして、もう二度と経験したくもない人生なのである。
「そして、実験を受けていたある日、私はふとこういうことを思った。『もし、ここにヒュージが攻めてきたら、私もこの苦しみが楽になれるのかな?』と思った時、研究所の防壁内にケイブが発生したのです」
「防壁内に!?どうして……」
「まあ、そこもこれから話します。それにより、研究所では、何故いきなり防壁内にケイブが発生したのか、わかりませんでしたが、結論は、その時が世界初の変異種のヒュージ、EXTRAヒュージが生まれました。そして、私の実験室にも入って来て、研究員は沢山殺されました。私は、実験中だったため、私は気がついていなかったのですが、ヒュージが、実験機器を破壊したことにより、私に負荷が安全装置無しでかかってしまい、私は、身体を動かすことが出来なくなりました……」
「絶体絶命ね……」
百由は、いつの間にかベットの上に座っていた。
「そこに、助けに来てくれたのは、川添美鈴というリリィでした」
「美鈴様が!?」
「知っているのですか?」
「あの人は、昔、夢結のシュッツエンゲルだったのよ!」
「そうだったんですね……」
「あら、知らなかったの?」
「はい、恥ずかしながら……」
少し恥ずかしそうに美夢は俯いた。
「話を続けて?」
「分かりました、それでは続けますね。
それで、美鈴様が助けに入った時に、双葉先生もそこに加勢しました。2人を相手にしていても、余裕でチャームを捌くヒュージに対して、2人は両サイドから攻める作戦に移行したのです。でも、その時に、美鈴様にヒュージの大振りの腕が直撃し、10mほど後方に吹き飛びました。その際に、内臓が潰れたのか、美鈴様が様は血を大量に吐き出しました。私は美鈴様の元に駆け寄りました。『美夢、君は逃げるんだ。この場にいても、傷付いている君が出来ることなんて、何も……』そして更に血を吐き、倒れました。その時、何かが私の中に入ってきたんです。暖かいけど、冷たい。でも、
「やはり、マギを吸収しすぎて、記憶に障害が生まれているのでしょう。でも、ある程度見えてきたわ」
百由は立ち上がり、服を整えた。
「さてと、それじゃあ貴女が持ち帰ったチャームの解析をしますか!」
「もう、私の事はいいんですか?」
「そうね、私としてはこの事は、特に私の中でしまっておいて問題ないことがわかったし!それじゃあ、早く着替えて!」
「はい、わかりました……」
そう言うと、美夢は枕元に用意されていた制服に着替えた。
「あ、そうだ!言い忘れてたけど、一つだけ貴女に伝える事があったんだったわ、形式上のお説教ってやつよ!」
「はい!何でしょうか?」
美夢は、着替えるのを1度止めて、百由の方を向いた。
「あんまり、一人で抱え込まなくていいのよ。貴女には、貴女の信念があってそうしてるのかもしれないけど、命あるものは必ず最後には死ぬのよ。だから、貴女も死に対して責任を持つ必要は無いの!」
その瞬間、美夢の表情が一瞬でハッとなり、無言で涙を流していた。
「あ、あれ?なんでだろう、涙が……」
「それが、貴女の心の在り方なのよ。貴女は強くない。むしろ弱いくらいなの。だから、仲間を頼りなさい。それが、レギオンであり、仲間であり、友達であるのよ!」
そう言うと、美夢はその場に泣き崩れ、更に泣いた。
数十分後、泣き止んだ美夢の顔は何かが吹っ切れたような顔をしていた。
________________続く
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