アサルトリリィ Thousand Flower   作:汐風波沙

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お待たせいたしました、今週の更新分です。
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灰色の約束③

カーンッ!!

 

演習場にチャーム同士がぶつかった鈍い音が響く。

美夢と秋那は、一定の距離に離れた。

「流石だね、美夢。本当にチャームを握っていないのに、握って振っているように感じるよ」

「秋那様こそ、今の日本にいるリリィで最強だということが本当に分かります。それじゃあ、そろそろ本気で行きますよ!」

そう言うと、美夢は背中から太刀を引き抜く。そして、両手で1本ずつ握っていたナイフを宙に投げる。

「4本でも手強かったのに、6本に増えるのか……」

「いえ、正解は12本ですよ!電脳(レプリカ)!!!」

宙で舞っているナイフ型チャームは、それぞれが2本に分身し、12本になった。

「それでは、最優の称号、頂きます!」

「ちょっとそれは困るかな、仕方ないけど、本気で行くよ、美夢!!《ヘリオスフィア》!!!」

秋那は、レアスキルを発動する。

先程までとの動きが全くの別物のように速く、一撃一撃が重たい。

12本のチャームのうち、電脳(レプリカ)チャームは、全て砕け散った。

「さてと、あとは合計8本のチャームを相手すればいいのかな?」

「本当に化け物じみた強さですね……、でも、私も負けたくないんで!」

「おっ、負けず嫌いか……、嫌いじゃないよ、その精神は!」

秋那は、距離を一気に詰める。

10メートルほどあった感覚は、5メートルほどまで一瞬にして縮まった。

「本当に化け物ですね……、でも、()()()()()()()()()()()()()()?」

美夢の使っている電脳(サイコキネシス)状態のチャームは、使用者とチャームの間隔が近ければ近いほど精度は跳ね上がる。

つまり、近付けば近付くほど美夢は強くなる。

「近付かないと、私の攻撃も当たらないでしょ!」

秋那は、自身のチャームで6本のナイフ型チャームを振り払い、さらに距離を詰める。

カーンッ!!

またしてもチャームとチャームのぶつかり合う音が響いた、が今回は少し違った。

「参りました、降参です」

「今回も、私の勝ちのようだね。でも、まさか刃が折れるとは思わなかったよ……」

美夢のチャームの刃の根元を切り上げ、手から離れさせた。

今は、刃のサイズが半分になった状態で美夢の首元にチャームが当たっている。

「チャーム、後で治しますよ」

「ありがとう、助かるよ」

「それにしても、お腹空きましたね……」

「そうだな、かれこれ1時間はやってたからな。そろそろ弁当たべるか?」

「そうですね、あと、チャームの方も修理しないと、出撃出来なくなっちゃいますから……」

演習場の端にはあるベンチに腰掛けながら2人は話している。

「と言うよりも、美夢。君が弁当を食べてるなんて、珍しい事もあるんだね。普段は食堂のご飯すら食べないのに……」

「失礼ですね、私を何と勘違いしていらっしゃるのですか、秋那様は。私だって健康には気を付けますよ。チューブゼリーばかりじゃ身体を壊しかねないので」

「意外だね、私としては、普段カロリーブロックか何かだけで生きていると思ったけど、少しは女の子らしいところもあるんだな。驚いたが、嬉しいよ」

「そうですね、でも、お弁当に入っているブロッコリーは食べませんからね!」

弁当を開き、美夢は食べ始める前に秋那に伝えた。

「どうして!?去年までは嬉しそうに食べてたのに!!この1年で何があったのか、()()の私に教えてよ〜!!」

「そんなの、()()()()が野菜嫌いを治さないからでしょ!!」

そう、この2人は、元シュッツエンゲルだった。

何故シュッツエンゲルを解消したのかは、単純であった。

2人の関係が中学生と高校生に離れてしまったからである。

だが、普通一貫校のシュッツエンゲルは解消しないが、この2人はすれ違う頻度が上がるから、なくなく解消せざる負えなかったのであったのだ。

「でも、何故高校に上がってシュッツエンゲルに戻らなかったんだい?」

「あの時にはもう、噂が広がっていたじゃないですか……」

「あぁ、そうだったね。《戦場の死神》の厨二臭い二つ名がついていたね、つい最近まで」

「本当に秋那様は意地悪ですね。罰として私の人参食べてください」

「かなり長い間の付き合いだけど、人参が嫌いなのは初耳だね。案外可愛いところもあるんだね……、

って何故人参以外にもブロッコリーとカリフラワーを入れてるんだ!!」

「そんなの、秋那様の好き嫌いを治してあげましょうと言う、元妹の優しさですよ!」

「私、そんな妹に育てた覚えはないわ……、まさか、あの腹黒羽の影響ね!あの子、今度会ったら……」

「誰が腹黒羽ですか!!本当に昔からその口の悪さだけは治りませんね、先輩。だから美夢にブロッコリーが嫌いだってバレてるんですよ!」

「やっぱりアンタだったのか……、今ここで決着を、と思ったけど、今はチャームが壊れてるんだった……」

「私はプロレスでも構いませ……、そんな闘志を顕にしないでくださいよ、だって、私後輩で……」

「アンタにはフローリングの硬さを頭に叩き込んでやるわ!!」

「ギャフっ!!」

そう言うと、オ○ダ・カズチカ並のドロップキックを黒羽の顔に叩き込む。

「何するんですか!私の可愛い顔に傷がついてしまうじゃないですか!」

身体を少し起き上がらせながら秋那に文句を言う。

「1発で終わらせてもらえるわけ、無いでしょ?」

そう言うと黒羽の背後にまわり、腕をとる。

見る人が見れば何をするのかわかる。

「ちょ、待ってください秋那様。これってまさか……」

「二年振りだね、黒羽。歯ぁ食いしばれぇぇぇ!!」

「いやぁぁぁぁぁぁっ!」

秋那は、見事なジャーマンスープレックスを披露した。

レフリーがいれば、スリーカウントをしっかりと取りそうだった。

「よっと、黒羽もこれで私の恐ろしさを思い出しただろう。さてと、美夢。そろそろチャームの修理をしてくれよ」

「わ、分かりました……」

そう言うと、美夢と秋那は2人で美夢の工房へ向かった。

「あっ、ああっ……、助けて」

「おやおや、黒羽ちゃんはアホなんやな……」

そう言いながら黒羽の身体を起こす。

「さて、ワイも美夢ちゃんに仲間にしてもらわんとな!」

そう言いながら、謎の少女は怪しい笑顔を浮かべていた。

『おいナレーター!ワイは美少女やぞ!』

失礼しました、謎の美少女は、怪しい笑顔を浮かべていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

________続く




ご拝読ありがとうございました。
そして、更新が遅くなってしまいまして、申し訳ありません。
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