アサルトリリィ Thousand Flower 作:汐風波沙
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カーンッ!!
演習場にチャーム同士がぶつかった鈍い音が響く。
美夢と秋那は、一定の距離に離れた。
「流石だね、美夢。本当にチャームを握っていないのに、握って振っているように感じるよ」
「秋那様こそ、今の日本にいるリリィで最強だということが本当に分かります。それじゃあ、そろそろ本気で行きますよ!」
そう言うと、美夢は背中から太刀を引き抜く。そして、両手で1本ずつ握っていたナイフを宙に投げる。
「4本でも手強かったのに、6本に増えるのか……」
「いえ、正解は12本ですよ!
宙で舞っているナイフ型チャームは、それぞれが2本に分身し、12本になった。
「それでは、最優の称号、頂きます!」
「ちょっとそれは困るかな、仕方ないけど、本気で行くよ、美夢!!《ヘリオスフィア》!!!」
秋那は、レアスキルを発動する。
先程までとの動きが全くの別物のように速く、一撃一撃が重たい。
12本のチャームのうち、
「さてと、あとは合計8本のチャームを相手すればいいのかな?」
「本当に化け物じみた強さですね……、でも、私も負けたくないんで!」
「おっ、負けず嫌いか……、嫌いじゃないよ、その精神は!」
秋那は、距離を一気に詰める。
10メートルほどあった感覚は、5メートルほどまで一瞬にして縮まった。
「本当に化け物ですね……、でも、
美夢の使っている
つまり、近付けば近付くほど美夢は強くなる。
「近付かないと、私の攻撃も当たらないでしょ!」
秋那は、自身のチャームで6本のナイフ型チャームを振り払い、さらに距離を詰める。
カーンッ!!
またしてもチャームとチャームのぶつかり合う音が響いた、が今回は少し違った。
「参りました、降参です」
「今回も、私の勝ちのようだね。でも、まさか刃が折れるとは思わなかったよ……」
美夢のチャームの刃の根元を切り上げ、手から離れさせた。
今は、刃のサイズが半分になった状態で美夢の首元にチャームが当たっている。
「チャーム、後で治しますよ」
「ありがとう、助かるよ」
「それにしても、お腹空きましたね……」
「そうだな、かれこれ1時間はやってたからな。そろそろ弁当たべるか?」
「そうですね、あと、チャームの方も修理しないと、出撃出来なくなっちゃいますから……」
演習場の端にはあるベンチに腰掛けながら2人は話している。
「と言うよりも、美夢。君が弁当を食べてるなんて、珍しい事もあるんだね。普段は食堂のご飯すら食べないのに……」
「失礼ですね、私を何と勘違いしていらっしゃるのですか、秋那様は。私だって健康には気を付けますよ。チューブゼリーばかりじゃ身体を壊しかねないので」
「意外だね、私としては、普段カロリーブロックか何かだけで生きていると思ったけど、少しは女の子らしいところもあるんだな。驚いたが、嬉しいよ」
「そうですね、でも、お弁当に入っているブロッコリーは食べませんからね!」
弁当を開き、美夢は食べ始める前に秋那に伝えた。
「どうして!?去年までは嬉しそうに食べてたのに!!この1年で何があったのか、
「そんなの、
そう、この2人は、元シュッツエンゲルだった。
何故シュッツエンゲルを解消したのかは、単純であった。
2人の関係が中学生と高校生に離れてしまったからである。
だが、普通一貫校のシュッツエンゲルは解消しないが、この2人はすれ違う頻度が上がるから、なくなく解消せざる負えなかったのであったのだ。
「でも、何故高校に上がってシュッツエンゲルに戻らなかったんだい?」
「あの時にはもう、噂が広がっていたじゃないですか……」
「あぁ、そうだったね。《戦場の死神》の厨二臭い二つ名がついていたね、つい最近まで」
「本当に秋那様は意地悪ですね。罰として私の人参食べてください」
「かなり長い間の付き合いだけど、人参が嫌いなのは初耳だね。案外可愛いところもあるんだね……、
って何故人参以外にもブロッコリーとカリフラワーを入れてるんだ!!」
「そんなの、秋那様の好き嫌いを治してあげましょうと言う、元妹の優しさですよ!」
「私、そんな妹に育てた覚えはないわ……、まさか、あの腹黒羽の影響ね!あの子、今度会ったら……」
「誰が腹黒羽ですか!!本当に昔からその口の悪さだけは治りませんね、先輩。だから美夢にブロッコリーが嫌いだってバレてるんですよ!」
「やっぱりアンタだったのか……、今ここで決着を、と思ったけど、今はチャームが壊れてるんだった……」
「私はプロレスでも構いませ……、そんな闘志を顕にしないでくださいよ、だって、私後輩で……」
「アンタにはフローリングの硬さを頭に叩き込んでやるわ!!」
「ギャフっ!!」
そう言うと、オ○ダ・カズチカ並のドロップキックを黒羽の顔に叩き込む。
「何するんですか!私の可愛い顔に傷がついてしまうじゃないですか!」
身体を少し起き上がらせながら秋那に文句を言う。
「1発で終わらせてもらえるわけ、無いでしょ?」
そう言うと黒羽の背後にまわり、腕をとる。
見る人が見れば何をするのかわかる。
「ちょ、待ってください秋那様。これってまさか……」
「二年振りだね、黒羽。歯ぁ食いしばれぇぇぇ!!」
「いやぁぁぁぁぁぁっ!」
秋那は、見事なジャーマンスープレックスを披露した。
レフリーがいれば、スリーカウントをしっかりと取りそうだった。
「よっと、黒羽もこれで私の恐ろしさを思い出しただろう。さてと、美夢。そろそろチャームの修理をしてくれよ」
「わ、分かりました……」
そう言うと、美夢と秋那は2人で美夢の工房へ向かった。
「あっ、ああっ……、助けて」
「おやおや、黒羽ちゃんはアホなんやな……」
そう言いながら黒羽の身体を起こす。
「さて、ワイも美夢ちゃんに仲間にしてもらわんとな!」
そう言いながら、謎の少女は怪しい笑顔を浮かべていた。
『おいナレーター!ワイは美少女やぞ!』
失礼しました、謎の美少女は、怪しい笑顔を浮かべていた。
________続く
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