アサルトリリィ Thousand Flower   作:汐風波沙

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冬の寒空に散る花弁②

その日、朝早くから学園の警報機全てに故障が見られていた。

理由は謎の電磁パルスの影響である。

この電磁パルスは、リリィ達にも影響があり、リリィの半数以上が体調不良で出撃不能状態であった。

「鶴紗ちゃん!」

梨璃は、いち早く鶴紗を見つけた。

「梨璃、やはりお前は動けるんだな……」

「うん、でも、目の色は完全にラプラスになってるみたい……」

「ともかく、今は生徒達の混濁してるマギを落ち着かせに行くぞ」

「うん、私のこの力があれば、何とかなるかも!」

梨璃と鶴紗は、体調不良を訴えるリリィの元へ駆け出した。

 

 

 

美夢の工房

「あらあら、おはよう美夢さん。今日は一段と早起きなのね」

百由は、美夢に欠伸をしながら声をかけた。

「百由様、おはようございます。何か嫌な予感がして、目が覚めちゃったんです」

「奇遇ね、私もそうなのよ。朝からグロっぴの様子がおかしくてね、まだ使ってないのに、フェイズトランセンデンスを使用した後みたいになってるのよ」

「マギが乱れてるんですかね?」

「かもしれないわね」

「ところで百由様、今、この世の理使用してますよね?」

「え?」

「だって、体からマギが溢れ出していますよ?多分、あと2分くらいで切れると思います」

「それって、一体どういうこと!?」

「そういえば、百由様には言ってませんでしたね。私、マギの動きが見えるんです。生まれつき」

美夢は、置いてある椅子に座った。

「だから、苦しんでる人の元にすぐに駆けつけたり、相手の急所が一瞬で分かるんです」

美夢のそれまで浮かべていた笑顔が、消えた。

「ほら、段々苦しくなって来たんじゃないんですか?」

百由を観察するように、美夢は見ている。

「何を言って……、ウグッ!?」

百由は、その瞬間その場に膝をついた。

「だんだん首が絞まっていくような感覚でしょ?どうなんですか?苦しいですか?助けて欲しいですか?」

美夢は椅子を飛び降り、百由の顔を持ち上げる。

「苦しいですよね?辛いですよね?助けが欲しいですよね?ほら?早く助けてって言ってくださいよ?早くしないと、マギが無くなっちゃいますよ?」

百由はようやく美夢の顔を、その目を見ることが出来た。

その目は青紫色になっており、やはり、レアスキル使用状態であることは明確であった。

「たす……けて……」

百由は、掠れていく景色の最後に一言だけ呟いた。

「やっと、言いましたね?分かりました。絶対に助けます」

そう言うと、美夢は百由の額に自分の額を合わせる。

「百由様、私のマギを額で感じてください。そのマギを拒まないで、自分の体内を巡るようにまた額まで戻してください。そうです、そんな感じです……」

その指示を聞きながら、百由は言われた通りにマギを操作する。

それを2、3回繰り返した。

すると、

「身体が、動くわ!!」

百由は、思い切り立ち上がった。

その拍子で、

"ゴツンっ!!"

と鈍い音が響いた。

「痛たたた……」

「ッ……!?」

百由は軽傷だったが、美夢は思い切り吹き飛ばされたため、後ろの椅子で頭を打ち、悶絶している。

「年上を煽りまくったから、天罰が下ったのよ」

百由は、美夢に手を伸ばす。

「それでも、いきなり立つ方も悪いと思いますよ……」

美夢は、伸ばされた手を掴んだ。

百由は掴んだことを確認し、思い切り美夢を持ち上げる。

「ところで、何なのこの力は?」

百由は、自身の体内を回るマギの違和感に何か覚えがあるような事を感じていた。

「これは梨璃ちゃ……、双葉先生のレアスキルのマギの流れを真似してみたのですが、他のカリスマとは全く違うのに、双葉先生はカリスマだって言い張るんですよね……」

美夢はミリアムの元へ駆け寄り、百由同様にマギの交換を行った。

「うぅ……、百由様。マギの調子が悪くて、身体が勝手にレアスキルを発動させておったみたいじゃ……」

「そうね、でも、今回のレアスキルの件は」

「ですね、今回のレアスキルの暴発の件は」

美夢と百由は、同じ見解に行き着いたようだ。

「「ヒュージによる攻撃だと思うわ(います)!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

________【続く】




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