恋姫無双〜黄鬚伝〜   作:ホークス馬鹿

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82話です。


82話

荊州・赤壁

 

 

 

 

翠「やっぱり陸路は良いぜ!二本の足で歩けるのもそうだが、こうやって馬に乗れるってのはとても良いぜ!」

 

霞「船の上じゃ、青い顔しとったもんなぁ・・・。」

 

翠「む!お前だって・・・」

 

霞「ウチ、船の上平気やもん。」

 

翠「・・・むぅ。」

 

霞「つーか、ゆらゆら揺れるなら馬の上かて似たようなもんやろ?」

 

翠「いや、全然違うぞ。あんな所で平気な顔していられる方がおかしいんだ!」

 

霞「まあ、翠は馬と共に育ったからなぁ・・・。」

 

そんな話をしていると

 

曹彰軍兵士A「報告です!」

 

霞「どないやった?」

 

曹彰軍兵士A「呉軍は、この先の夏口に布陣しております。一通りの旗が立っていますから、総力戦を挑むかと。」

 

偵察兵が報告にやって来て、孫呉の軍勢が夏口に布陣してる事を報告した。

 

霞「ま、あの辺は呉の国境やしな。とりあえず夏口で防ぎたいっちゅう気持ちは分かるな。」

 

翠「恐らく連中は、最後の一兵まで死力を尽くす気なんだろうな。あたし達はここで一旦停止。後続の純殿と合流し、連中を総力で叩き潰す。」

 

霞「分かった。おいお前らぁ、一旦停まるでー!」

 

そして、一旦進軍停止し、本隊の純と合流した。

 

 

 

 

 

 

夏口・呉軍

 

 

 

 

 

 

孫策「・・・そう。曹彰達はこちらを正面から蹴散らす構えか。」

 

周瑜「ああ。挑んでこいと言わんばかりに旗を立てた、堂々とした布陣だな。・・・どうする?」

 

孫策「伏兵はないの?」

 

陸遜「今のところ、ないようですねぇ。夏口は慣れない者が伏兵を置くには、あまり適した地でもありませんし。」

 

孫策「なら、こちらも迎え撃つべきでしょうね。」

 

これに

 

孫権「でしたら姉様。我々は・・・」

 

孫尚香「シャオも・・・!」

 

孫権と孫尚香も続いたが

 

孫策「ええ。・・・皆には孫呉の存亡を掛けて、ここで命を懸けてもらう。良いわね。」

 

孫権「はっ。」

 

孫尚香「・・・今度こそ、祭の仇を取ってみせるんだから!例えそれが、『黄鬚』曹彰だったとしても!」

 

孫策「ならば、総員・・・進撃開始!」

 

そして、呉軍も進撃を開始したのだった。

 

 

 

 

 

 

夏口

 

 

 

 

 

 

張昭「小蓮様、粋怜。この左翼は私どもが支えます。・・・絶対に勝ち・・・無事に生き残ってくだされ。」

 

孫尚香「当然よ。任せて、雷火!」

 

秋蘭「成程、我々の相手は貴公らか・・・孫尚香、程普。」

 

程普「ええ。祭は酒飲みで絡み上戸で口の悪い、正直どうしようもない奴だったけど・・・あれでも古い付き合いでね。」

 

孫尚香「祭を討った曹彰の家来なら、皆祭の仇よ!絶対許さないんだから!」

 

秋蘭「逃げも隠れもせん。この夏侯妙才、真っ向からお相手させていただこう。」

 

凪「総員、稟様の策に従って展開だ!」

 

程普「こちらも全軍展開!連中を蹴散らすわよ!」

 

 

 

 

 

 

 

孫権「張遼・・・。」

 

霞「ウチの相手は孫権か・・・。」

 

孫権「合肥の事も、その後の事も、ここで纏めて決着を着けさせてもらうわ!」

 

甘寧「蓮華様の仰る通りだ。張遼!」

 

霞「おう!濡須口の借り、纏めて返させてもらうで!」

 

楼杏「私もよ、霞さん!」

 

呂蒙「それはこちらも同じです!明命!」

 

周泰「はいっ!」

 

 

 

 

 

 

孫策「・・・曹彰が出て来たか。なら、ちょっと行って来るわ。」

 

太史慈「後の事は任せといて!冥琳が上手くやってくれるから!」

 

周瑜「お前も働け、梨晏。・・・だが、気を付けてな。」

 

孫策「当然。」

 

そう言って、孫策は馬を前に出した。

 

 

 

 

 

 

純「・・・。」

 

純「・・・来たか。」

 

そこには、既に純が馬に乗って待っていた。

 

孫策「・・・赤壁での一騎打ち以来ね、曹子文。」

 

純「そうだな。けど、ちゃんとまともに話した事は無かったな。」

 

孫策「そうね、そうなるわね。反董卓連合の時、顔は見たけど話もしなかったしね。官渡の時は、夏侯惇に会っただけだったしね。」

 

純「その春蘭に、官渡の時お前は随分と借りたようだしな。その分を返させて貰いに来たぞ。」

 

孫策「それがこの呉を全てというのは、いくら何でも暴利すぎない?」

 

純「格安じゃねーか。・・・返さねーと言うなら、力ずくで取ってやるぞ。」

 

孫策「残念ながら、その取り立てに応じる訳にはいかないわね。」

 

孫策「この江東は我が孫呉の父祖より伝わる大事な聖地。簡単に取られてしまったら、我が母孫堅、太祖孫武に会わせる顔が無いわ。」

 

純「けれど、こちらにはこちらの都合があるんだよ。姉上を支え、大陸を一つに統べ、民に本当の平安を与えるため・・・お前達の国も、討ち滅ぼさせて貰う。」

 

孫策「そんな暴論を掲げて大陸全土に戦果を広げる事が、本当の大義なのかしら?」

 

孫策「北方を燃やし、漢中を滅ぼし、赤壁まで紅く染めて、多くの者の血を浴びて・・・そのような輩に屈するわけにはいかないわね。」

 

純「良いだろう。その力、骨の髄の最後の一滴まで絞り出して・・・見事、我が軍勢に抗ってみせろ。孫呉の誇りとその最期、見届けてあげよう!」

 

孫策「ならば我が勇気、我が知謀、我が誇りの全てを賭けて、あなた達を退けてみせるわ!」

 

純「ならば、俺達曹魏も全力を以て孫呉を制圧しよう。江東にその名を轟かせる小覇王と周公謹の戦いぶり、愉しませて貰おう!」

 

そして

 

孫策「孫呉の勇者達よ!この戦、呉の運命を決める大決戦となる!我らが宿敵にして混沌の元凶たる、憎き曹魏を打ち破り、大陸に本当の平和をもたらすのだ!」

 

純「曹魏の勇士達よ!この戦、我が姉曹孟徳の覇業の大きな一歩となる!その血と命を以て、我が姉曹孟徳の覇道を阻む巌を打ち砕くのだ!この大陸に、真の平穏をもたらすために!」

 

純・策「「全軍!」」

 

純・策「「突撃!」」

 

孫策「ここで奴らを食い止める!絶対に孫呉の領内には入れさせるな!」

 

純「ここを突破すれば、建業まで俺達を阻む者はねー!総員奮励せよ!」

 

愛紗「純様に遅れを取るな!」

 

太史慈「おっと、この軍には私がいるのも忘れちゃ駄目だよー?」

 

愛紗「関係ない!純様の道を阻む者は、全て断ち斬るのみ!」

 

夏口の地にて、両者は激突したのだった。戦いは一進一退の攻防だったが

 

孫策「流石、ここまで差し込んできただけの勢いね・・・!」

 

周瑜「しかし、我らに退却の目は無い。孫呉の誇りと共に、最後の一兵まで戦い抜くのみだ!」

 

純「自ら命を捨てるか・・・ならば、望み通りにしてくれる!」

 

純「逃げる兵には構うんじゃねーぞ!向かってくる者だけを相手にしろ!敵陣を突破すれば、俺達の勝利だ!」

 

純達の勢いに、孫呉は段々と押されていったのだった。

 

 

 

 

 

張昭「まずいぞ包。これでは前局の小蓮様達が押し切られてしまう!」

 

魯粛「ひゃわわっ!?わ、分かってますけど、この相手・・・包の策やシャオ様の動き、全部読んでるみたいな・・・!」

 

魯粛「こっちも駄目、こっちも多分読まれてる・・・あぅぅ。」

 

張昭「ならばもう、一気に貫くしかあるまい!」

 

魯粛「それが出来るならとっくにやってますよぅ!雷火様まで脳筋になったら全部終わっちゃうんですから、控えて下さいってば!」

 

魯粛「まともなのが包だけとか、ホント勘弁して下さいよー!」

 

 

 

 

 

 

孫尚香「・・・ああもうっ!何なの敵のこの動き!粋怜!」

 

程普「分かってるけど・・・こいつら・・・!」

 

秋蘭「どうした。黄蓋の仇を討つのではなかったのか?」

 

この秋蘭の挑発に

 

孫尚香「う・・・討つに決まってるでしょ!ここからシャオの大逆転が始まるんだから!」

 

孫尚香は強がってそう言った。

しかし

 

凪「総員、回り込め!相手の機動力を生かせる隙を作るな!」

 

動きを封じ込められてしまった。

 

孫尚香「うぅぅ、こうなったら一気に貫くしかないわよ!」

 

程普「シャオ様、短気は・・・!」

 

秋蘭「全てこちらの手の上だ。凪!」

 

凪「はい!総員、突撃!」

 

孫尚香「ちょっと、ここで!?」

 

沙和「凄いのー。全部稟ちゃんの通りに進んでるのー。」

 

稟「孫尚香の本領は、奇襲を中心とした機動戦にあります。足さえ封じてしまえば・・・いえ、こうして正面から相対した時点で、既に負けは決まっていたのですよ。」

 

 

 

 

 

 

純「うおりゃああっ!」

 

ズバッ!ザシュッ!ドシュ!ザン!

 

呉軍兵士A「うわあああっ!曹彰だ、『黄鬚』曹彰が来たぞー!」

 

呉軍兵士B「やっぱり『黄鬚』はこえーよー!」

 

呉軍兵士C「逃げろーっ!」

 

純「ったく、歯応えがねーな・・・。」

 

愛紗「恐らく、合肥からの兵では?」

 

純「そゆ事ね。・・・っと、敵陣を突っ切ったか。良し、お前ら!このまま反転して、孫策の部隊を叩くぞ!」

 

曹彰軍兵士「「「おおーっ!!」」」

 

そう言い、純は反転して孫策の部隊を攻撃した。

 

太史慈「突破したの!?」

 

孫策「相変わらず何て強さなのよ・・・!」

 

太史慈「雪蓮!連中が反転してきたから防備を固めてるけど、全く効いてない!このままでは全滅だよ!」

 

孫策「くっ!」

 

その時

 

呉軍兵士D「大変です!建業への退路が回り込まれました!!」

 

孫策「何ですって!」

 

太史慈「そんな・・・いつの間に・・・!」

 

孫策「最早これまでか・・・。」

 

孫策(くっ・・・。私では、『黄鬚』曹彰には勝てない・・・。)

 

 

 

 

 

 

霞「うらぁぁぁぁぁっ!」

 

呉軍兵士E「うわあああっ!張遼だ、張遼が来たぁっ!」

 

呉軍兵士F「逃げろーっ!」

 

張遼「ええい、お前ら戦え!ウチがどんだけ怖いんや!ただの人やぞ!」

 

楼杏「・・・恐らく、皆合肥からの兵なんだと思うわ。」

 

霞「そんなん分かっとるけど、ああもう、つまらんな!」

 

霞「・・・っと、敵陣突っ切ってもうたか。よっしゃ、このまま反転して、孫権を叩くでー!」

 

それに立ち塞がったのは

 

甘寧「張遼!それ以上は好きにさせるものか!」

 

甘寧だった。

 

霞「おお、甘寧か!楼杏、ここはウチに任せてさっさと行きぃ!」

 

楼杏「ええ、分かったわ!」

 

そう言い、楼杏は一部を率いてその場を後にした。

 

呂蒙「・・・こちらの陣を突破された!?」

 

孫権「連中は反転してこちらの背後を突いてくるわよ!防備を整えて!」

 

孫権(くっ。張遼の突破力の前では、私達の守りはどうにもならないというの・・・?)

 

呂蒙「まずいです、蓮華様!我々の背中には、国境が・・・!」

 

呂蒙「それと、雪蓮様の部隊がかなり苦戦しております!」

 

孫権「くっ・・・!」

 

呉軍兵士G「大変です!建業への退路が、曹彰の軍勢に回り込まれました!!」

 

呂蒙「そ、そんな・・・!?」

 

 

 

 

 

呉軍本陣

 

 

 

 

 

周瑜「・・・まずいな。やはり、これだけの数と曹彰の武勇を真正面から完全に押されては、どうしようもないな。」

 

陸遜「分かってましたけど、辛いですねぇ。・・・左翼の包ちゃんと右翼の亞莎ちゃんも、そして雪蓮さまの部隊も、戦線を維持出来てません。」

 

陸遜「それに、建業への退路も回り込まれてしまいましたし・・・。」

 

周瑜「くっ・・・流石『黄鬚』曹彰と、懐刀の郭奉孝か・・・。せめて敵の兵力を分散出来ればと、戦いを三局に持ち込んだが・・・一点突破で曹彰を取りに行った方が良かっただろうか。」

 

陸遜「んー。それこそ向こうの思うままですね。」

 

周瑜「・・・そうだな。」

 

陸遜「冥琳様ぁ。ここは、劉備さんの蜀へ行くべきかと・・・。」

 

周瑜「・・・それしか無いか。皆に伝えてくれ。兵を纏め、蜀に向かうと!」

 

陸遜「わ、分かりましたー!」

 

この結果に

 

周瑜「・・・。」

 

周瑜は悔しさで顔を歪めたのだった。そして、夏口での戦いは、純達の勝利に終わり、孫策達重鎮は、戦場を突破して長江の上流へと去って行ったのだった。

純達はその勢いで一気に建業を攻めたのだが、特に大きな抵抗はなく、あっさりと制圧し、他の都市も同じく制圧した。そしてここに、呉はある意味滅亡したのであった。




投稿できました。

何とか書けましたが、矛盾点がありましたら、お許し下さい(土下座)

後、戦闘描写が下手くそで、申し訳ありません(土下座)

それでは、また。
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