揚州・建業
呉を平定した後、純は暫く建業に滞在し、残る抵抗勢力の排除や蜀対策の軍議を開いていた。そして、建業を中心とした民の慰撫も積極的に行った。その結果、呉の民も皆純に心服し、純達はいつでも蜀攻めが出来る状態となった。
そんなある日の事、陳留から一つの書状が届いたのだった。
純「・・・。」
稟「純様。陳留からは何と・・・?」
純「姉上から本国に戻ってくれとの書状だ。」
これには
稟「何故今頃?これから蜀の攻略があるというに・・・」
愛紗「華琳殿は何をお考えか・・・?」
霞「せやなー。」
翠「分かんねーなぁ・・・。」
稟と愛紗、そして霞と翠は疑問に感じた。
純「それは分からん。けど、言われたからには戻んねーとな。」
純「愛紗、楼杏。建業の事はお前達に任せる。もし蜀の連中が孫策と共に攻めてきたら、守り通せ。風も残すから、何かあったら風の意見に従え。」
愛紗「御意。」
純「楼杏も風も、愛紗をよく支えてくれ。」
楼杏「はっ。」
風「はいー。」
そして、純は愛紗と楼杏、そして風達十万の兵を残して残りの四十万の兵と共に陳留へ帰還したのだった。
陳留
純「久し振りの陳留だな・・・。」
秋蘭「そうですね。私達は、ずっと南方にいましたから。」
稟「しかし、曹操殿は本当に何故呼び出したのでしょうね・・・。」
純「さあな。」
そして、純達は玉座の間に入り
純「姉上、只今戻りました。」
と言い拱手し、それに続いて秋蘭、霞、翠、稟、凪、真桜、沙和もそれに続いて拱手した。
華琳「純。呉の平定、ご苦労だったわね。」
純「ありがたきお言葉!これも全て、皆の働きのお陰です!」
華琳「そう・・・。皆には、それ相応の恩賞を与えるわ。」
純「はっ!それで姉上、俺を呼び戻して、何かご用ですか?」
華琳「・・・それについては、私の部屋で話すわ。」
これには
純「?・・・分かりました。では、手柄を挙げた将兵と、今建業に滞在している者にも恩賞をお送り下さい」
純は疑問に感じたが、すぐに拱手して了承した。
華琳「分かったわ。では、下がりなさい。」
純「はっ。ではこれにて。」
そして、その場を後にしたのだった。
華琳「・・・ふぅ。」
一刀「華琳!?」
春蘭「華琳様!?」
栄華「お姉様!?」
桂花「華琳様、どこかお加減が!?」
その際、華琳はどこか脱力したかのように玉座にもたれかかった。
華琳「心配ないわ。ただ、ちょっと疲れただけよ。」
春蘭「・・・そうですか。」
華侖「それより純兄、どこか雰囲気変わったっすね・・・。」
柳琳「ええ。私も、何か強い圧迫感を感じた気が・・・。」
桂花「まるで、純様ではない感じだったわね・・・。」
春蘭「何というか・・・覇気が強くなった気がするな・・・。」
一刀「・・・そ、そうだったな。」
一刀(実を言えば、俺も少し気が抜けたら、その場で倒れて気絶してた・・・。)
華琳の部屋
華琳「・・・。」
華琳は、自身の部屋でどこか怯えてるような顔をしていた。
華琳(あの覇気・・・先程の謁見の間では、どこか心の臓を掴まれたような感覚に陥ったわ。まるで、純が純じゃなくなってる気がするわ・・・。)
華琳(私は・・・あの子を御する事が出来るのかしら・・・?)
その時
純「姉上、参りました。」
扉の外で、純の声が聞こえた。
華琳「・・・入りなさい。」
純「はっ。」
そして、華琳の許可を得て、純は部屋に入った。
純「姉上、お話とは一体・・・。」
華琳「先程も言ったけど、呉の平定、本当にご苦労だったわ。」
純「はい、ありがとうございます。」
華琳「お父様の御霊も、今までも含めてあなたの活躍を喜んでいるわ。」
純「そうでしょうね。けど、まだまだです。後もう少しで、俺と姉上が誓った約束を果たせます。」
華琳「ええ。覇道で大陸を統一し、民に平穏をもたらすというね。」
純「はい。残るは蜀のみ。そこを平定すれば、この大陸全ては姉上の手中です。」
華琳「ええ・・・。」
すると
純「それから、先程玉座の間で言えなかった事ですが、もう一つご報告すべき事があります。」
と跪いて拱手しながら言った。
華琳「純、それは何かしら?立って話しなさい。」
それを見た華琳は、純を立たせてそう言った。
純「その蜀平定の為、建業に滞在している十万の兵に加え、本国の四十万の兵に出撃の準備をさせました。」
これに
華琳「何ですって!?あなた、何故それを勝手に!?」
華琳は驚きの表情を浮かべた。
純「姉上。我らと蜀との戦は、いずれにせよ起こります。目下我らの敵は蜀の劉備のみ!その劉備の下には孫策達がおります!今ここで蜀を滅ぼさねば、大陸の平穏は永遠に訪れません!ご心配なく。必ず、姉上に勝利をお届けします!」
それに純はそう強く唱えた。
純「ご納得いただけたなら、俺はこれにて。」
そう言い、純は華琳の部屋を後にしようとした。
その時
華琳「純!」
華琳は純を止めた。
純「何でしょう、姉上?」
そして
華琳「今回ばかりは、私は許さないわ。」
そう華琳は純に対して言った。
純「何故?」
華琳「ここ最近思ってた事よ。確かにあなたには、軍事に関する事全てを任せているわ。けど、この国の王は私よ。」
華琳「けれどあなたは、勝手に兵を動かした。開戦権は無いにも関わらず。」
そして、華琳は純に背を向け
華琳「この国の王はあなたなの?それとも私かしら?」
と言った。
純「!?」
それを聞いた純は、絶句し
純「ははは・・・。」
乾いた笑い声をあげた。そして
純「結構です。よく分かりました。」
純は懐から兵符を取り出し
純「今ここで兵権をお返しし、お裁きを待ちます。」
そう言い兵符を机に置き、華琳の部屋を後にした。
華琳「・・・うっ・・・ぐすっ。」
華琳(純が怖い・・・。もう、あの子があの子じゃ無くなってる・・・。私は・・・どうしたら良いの・・・?)
そして、華琳は一人顔を手で覆い隠しながら泣いたのだった。
投稿できました。
結構無理した内容ですが、お許し下さい(土下座)
それでは、また。