恋姫無双〜黄鬚伝〜   作:ホークス馬鹿

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85話です。


85話

秋蘭「純様。全軍、集結致しました。」

 

純「・・・分かった。」

 

そう言って、純は目の前の光景を見た。

そこに広がるのは、銀色の荒野。曹魏四十万。建業にいる愛紗達を合わせると、その数五十万。兵士達が掲げるのは、槍、矛、弓・・・。それは空から降り注ぐ太陽を弾き、さながら鉄刃の海原のようだった。

そして、その兵達は皆、この全軍の総大将である純の言葉を待っていた。

 

純「聞け!魏の勇士達よ!」

 

その声と同時に、兵達は己の武器を構え直す。続けざまの金属音が、連なり響く後に生まれた光景は・・・切っ先の揃えられた完璧な凪の稲原だった。

 

純「これより我らは国境を越え、建業にいる愛紗達十万の兵と合流し、劉備率いる蜀への侵攻を開始する!」

 

純「越えるべき山道は厳しく、敵は名将の誉れ高い趙雲や呂布、孫策となる!激戦となる事は必至だろう!」

 

純「だが、我らは袁一族を討ち、反乱を起こした韓遂ら西涼の軍閥を制し、赤壁を抜けて孫呉にも勝利し、平定した!」

 

純「その激戦をくぐり抜けた者はいるか!」

 

それを聞いて

 

「「「おおーっ!!」」」

 

兵士達は雄叫びを上げた。

 

純「お前達は、紛う事無き一騎当千、万夫不当の勇士達だ!その力、この戦いの終わりまで曹子文に貸して欲しい!」

 

純「この戦いが初陣の者はいるか!」

 

純「お前達の回りには、幾多の戦場を生き抜いた先達がいる!油断も慢心もしてはならねー!けれど、過度の恐れを抱く事もねー!」

 

純「そしてこの戦いが終わる頃には・・・ここにいる者全てが、我が曹魏の誇る英傑の一員となっているだろう!」

 

純「この大陸に残る国家は、我が姉曹孟徳が王の曹魏と劉備の蜀の二国のみだ。」

 

純「疲弊しきったこの大陸を救えるのは、朝廷でも、孫呉でも、ましてや理想だけの蜀でもねー!我が姉曹孟徳が王として君臨している曹魏、ただ一国のみだ!」

 

純「今こそ蜀を呑み込んで、姉上と共に我らが大陸の主、大陸の守護者となるのだ!総員、出立せよ!曹孟徳が王として君臨している曹魏の威光を、地の果てにまで届かせるのだ!」

 

そして、純は太刀を抜き、天に掲げた。

 

「「「おおーっ!!」」」

 

それに続いて、鋼の稲原は嵐を受けたように揺らぎ、兵達の喚声は大地を震わせる程で、その声は遠くの山々にまでいつまでも木霊していくのだった。

 

 

 

 

 

建業

 

 

 

 

 

楼杏「愛紗さん。全軍、集結したわ。」

 

愛紗「ありがとうございます、楼杏殿。」

 

一方、建業にいる愛紗も、出陣の準備をした。

 

愛紗「これより我らは、西へ向かい、蜀を攻める。そして、成都にて純様と合流し、蜀の都成都を攻め、劉備を倒し、この大陸に泰平の世をもたらす!」

 

愛紗「そのためには、お前達の力が必要だ!皆、その力を、純様に貸してくれ!」

 

「「「おおーっ!!」」」

 

愛紗「いざ、出陣だ!!」

 

そして、愛紗達十万の兵も、西に出陣したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

凪「・・・まだ身が震えるようだ。」

 

沙和「うん。なんか凄かったの・・・。」

 

真桜「ウチの兵士ってあんなにいたんやねぇ・・・。」

 

凪「それもそうだが、純様の演説もだ。心が昂ぶり、力が湧いてくるような感覚になる。」

 

沙和「うん。兵達の顔も、とても活気に満ち溢れた顔になったの・・・。」

 

真桜「加えてあの覇気や。なんつーか、当然見たわけちゃうんやけど、まるで西楚の覇王項羽かそれ以上みたいやったな・・・。」

 

凪「そうだな。純様の期待を裏切るわけにはいかんな。」

 

真桜「よっしゃ!なら、この腕を更に振るうで!」

 

凪「ああ!」

 

沙和「おうなのー!」

 

そして、凪達は潼関へ先鋒として進軍したのだった。

到着後、凪達はすぐに防備を整え、敵の城攻めに備えた。

 

暫くすると

 

陸遜「思春ちゃん、明命ちゃん。宜しくお願いしますね。」

 

甘寧「承知した。」

 

周泰「はいっ!お任せ下さい!」

 

陸遜らが現れた。そして、潼関への攻撃が始まった。

 

曹彰軍武将A「流石陸遜だな、中々の攻めだ。」

 

曹彰軍武将B「どうする?俺達も出て、楽進様の援護に行くか?」

 

曹彰軍武将A「いや、郭嘉様の指示通り、ここは防御に徹しよう。迂闊に出たら、向こうの思う壺だ。」

 

曹彰軍武将A「それに・・・」

 

曹彰軍武将B「ああ。楽進様達が、上手くやってくれれば・・・」

 

 

 

 

 

凪「見つけたぞ!真桜!沙和!」

 

真桜「おう!」

 

沙和「分かったの!総員、包囲するのー!」

 

甘寧「ちっ。明命!」

 

周泰「はいっ!皆さん、火矢の用意!もう隠密行動は不要です、周囲をとにかく混乱と損害を与えて下さい!」

 

凪「させるか!はあああっ!」

 

それを見た凪は、気弾を放って対処した。

 

甘寧「ちっ!相変わらず面倒な技を使う!」

 

甘寧「明命、こいつは私が押さえる!キツいかもしれないが、その間に!」

 

周泰「分かってます!」

 

真桜「させるかい!お前ら、連中に指一本動かさせるんやない!皖城ん時みたいな真似はさせへんで!」

 

沙和「火矢も撃たせちゃ駄目なの!攻撃開始!」

 

 

 

 

 

曹彰軍武将A「・・・やはり、郭嘉様の予想通り、忍び込んでいたか。」

 

曹彰軍武将B「皆、踏ん張るのだ!ここを押し切られたら、曹彰様達の来る所がなくなるぞー!」

 

陸遜「こちらが頑張れば、思春ちゃん達の援護になりますし、ここを陥とせば、曹彰の歩みは遅くなります!総員、頑張って下さい!」

 

その攻めに追い討ちを掛けるように

 

曹彰軍武将B「おい!陣の内側から火の手が上がったぞ!」

 

陣の内側から火の手が上がった。

 

曹彰軍武将A「・・・なら、手はず通りに!」

 

曹彰軍武将C「了解!何人か俺についてこい!火を消して回るぞ!」

 

その時

 

曹彰軍武将B「え、そんな・・・!」

 

曹彰軍武将A「どうした!増援か!」

 

曹彰軍武将B「いや違う!あれだ、陣の反対側を見ろ・・・!」

 

陣の反対側から新しい旗が来た。

 

曹彰軍武将A「なんと・・・!?」

 

 

 

 

 

呉軍兵士A「陸遜様!潼関の東に新しい旗が!」

 

陸遜「その旗は・・・まさか・・・!?けど・・・どうしてこんなに早く・・・!?」

 

その旗の正体は

 

曹彰軍武将A・陸遜「「曹彰様!/曹彰さん!」」

 

純率いる軍の旗だった。

 

 

 

 

 

 

純「状況はどうなってる?」

 

秋蘭「呉軍を相手に何とか持ち堪えてるみたいです!」

 

霞「よっしゃ!夜を徹して行軍させた甲斐があったっちゅうもんやな!」

 

純「そうだな。」

 

そして

 

純「総員、俺に続けー!潼関にいる仲間を、呉軍から救い出すぞー!」

 

純「稟、後ろは指揮は任せたぞ。」

 

稟「お任せ下さい。」

 

純「行くぞ!『黄鬚』曹彰についてこい!」

 

秋蘭「遅れを取るな!」

 

霞「おっしゃあー!暴れるでー!」

 

翠「純殿に続けー!」

 

「「「おおーっ!!」」」

 

 

 

 

 

真桜「純様達かいな!助かった!」

 

周泰「相変わらず何て早さです!?」

 

甘寧「くそっ。相変わらず我々の予想を遙かに上回る早さだ!お前達、火矢は全部使い切れ!もはや門を開けるのは間に合わん、連中の歩みを鈍らせる事を優先しろ!」

 

凪「浮き足立っている連中を、このまま押し込むぞ!長江育ちの連中を黄河に叩き落としてやれ!」

 

周泰「やらせません!皆さん、弓兵の防御に専念して下さい!」

 

 

 

 

 

 

陸遜「敵の本隊が来るまで、何としても一気に攻めるのですよー!」

 

曹彰軍武将A「あと一息だ!踏ん張るぞー!」

 

 

 

 

 

 

ほぼ同時刻、荊州・江陵

 

 

 

 

 

 

愛紗「ここを攻めるぞ!そして、荊州一帯を平定し、その勢いで蜀に侵攻するぞ!」

 

「「「おおーっ!!」」」

 

愛紗「楼杏殿。指揮はお願いします。」

 

楼杏「任せて下さい!」

 

愛紗「風!頼むぞ!」

 

風「後ろはお任せ下さいなのですー!」

 

愛紗「行くぞ!純様の夢のため、突撃ー!」

 

そして、こちらでも蜀に向けての侵攻が始まった。

 

潼関の方も、純達の驚異的なスピードで到着した事で形勢は逆転し、陸遜達は撤退をした。

 

陸遜「うぅー。予想以上に戦果は上げられませんでしたねー。」

 

甘寧「くそっ。流石『黄鬚』曹彰だ・・・!最初から士気は高かったが、彼奴が到着した途端、一気に雰囲気が変わった。それに、我らは呑み込まれてしまった。」

 

周泰「我が軍の中には、合肥の時の兵もいますからね。」

 

陸遜「しかし、漢中を手に入れましたし、ここで曹彰さん達を食い止めれば・・・」

 

 

 

 

 

 

曹彰軍

 

 

 

 

 

純「皆、良くやった!この勢いで、一気に攻める・・・」

 

純「と言いてー所だが・・・稟。」

 

稟「はっ。恐らく、漢中は敵の手に落ちたかもしれません。」

 

秋蘭「何と・・・!?」

 

霞「漢中が・・・!?」

 

凪「そんな・・・!」

 

真桜「ありえへん・・・!」

 

沙和「なのー・・・!」

 

翠「けど、純殿は漢中の至る所に堅固な砦を築いたじゃないか!そう易々と陥ちない筈だぞ!」

 

稟の言葉に、諸将は動揺したが

 

純「翠。どんなに堅固な砦を築いたとしても、完璧な砦は無い。」

 

純「安心しろ。取られたら、取り返せば良い。共に取り返すぞ!」

 

そう言って

 

秋・稟・凪「「「御意!」」」

 

霞・真・沙「「「おう/なのー!」」」

 

翠「よっしゃ!やってやるぜ!」

 

諸将の動揺を鎮めたのだった。

 

純「それで稟。敵はやはり、陽平関か?あそこは、漢中の喉に相応しい重要拠点だが。」

 

稟「恐らくそうだと思います。しかし、孫尚香と孫策は攻めを得意とする将です。十中八九・・・」

 

純「・・・孫権か。」

 

稟「はい。」

 

純「なら、こちらも全力で叩く。お前ら、行くぞ!」

 

そして、純達は進軍したのだった。

 

 

 

 

 

益州・成都

 

 

 

 

 

買駆「桃香・・・こんな所にいたんだ。雪蓮達から連絡よ。」

 

劉備「雪蓮さんから?どうなったの!」

 

買駆「漢中の陽平関は、何とか陥としたって。陸遜達は、別働隊として、そのまま曹彰達の牽制のために潼関に向かったんだけど、曹彰達が予想以上に早く到着したため、対応が出来ず撤退したって。」

 

劉備「・・・そうか。」

 

諸葛亮「そうですか・・・。流石曹彰さんですね・・・。」

 

買駆「それと・・・桃香と諸葛亮にとって、受け入れたくない話かもしれないけど・・・」

 

劉備「・・・どうかしたの?」

 

買駆「・・・荊州の七郡のうち、五郡が魏に制圧されて、荊州全てが平定されるのも時間の問題よ。」

 

これに

 

劉備「・・・え!?そんな!?」

 

諸葛亮「どうしてこんなに早く・・・!」

 

劉備と諸葛亮は驚きを隠せなかった。

 

買駆「荊州を攻めている関羽率いる十万の兵も曹彰本隊四十万の大軍同様、精鋭なんだけど、それに圧倒されてしまって、他の郡も次々と投降したらしいんだよね。」

 

劉備「そんな・・・。」

 

劉備(どうして・・・武力で従えようとする人に降参するの・・・!?)

 

買駆の話を聞いた劉備は、そう思いながら聞いていた。

 

諸葛亮「・・・まずい!このままでは・・・!?」

 

その時

 

諸葛亮「・・・ゴホッ!ゴホッ!」

 

諸葛亮が咳き込んだ。

 

劉備「朱里ちゃん!?」

 

買駆「朱里!?アンタ、無茶しないで!?」

 

これに劉備と買駆は押さえたのだが

 

諸葛亮「大事ありません!しかし、このままでは・・・我らは敗北を・・・ゴホッ!ゴホッ!」

 

ビシャ

 

諸葛亮は再び吐血した。

 

劉備「朱里ちゃん!!」

 

買駆「誰か医者を!誰か!」

 

そう言い、諸葛亮を退かせた。

そして、純達は陽平関に到着し、愛紗達も、荊州平定まで、後一割ほどとなったのであった。




投稿できました。

中々書くのが難しかったです。

結構グダったな・・・。

そ、それでは、また。
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