益州・成都
陽平関陥落、そして漢中を失った事は、すぐ成都に伝わった。
劉備「そっか・・・。孫策さん達は無事?」
孫乾「はい。孫策様達は無事撤退。救援に駆けつけた星様と焔耶様もご無事です。」
劉備「そうか・・・。良かった・・・。」
この知らせに、劉備はホッとした表情になった。
鳳統「・・・桃香様。」
劉備「うん・・・大丈夫・・・。」
鳳統「・・・。」
すると
買駆「桃香!」
買駆が慌てて入ってきた。
劉備「どうしたの!」
買駆「朱里が・・・!朱里がまた血を吐いて倒れたわ!」
劉備「え!?」
鳳統「朱里ちゃんが・・・!?」
それを聞いて、劉備と鳳統は買駆と一緒に慌てて諸葛亮の部屋に走って行った。
買駆「ここ最近は、特に発作も無く、落ち着いていたんだけど・・・!」
買駆「今日、陽平関陥落の知らせを聞いた時、『私の生涯最大の過ちでした。曹彰さんの軍才に抗った事を。この後、桃香様が理想を叶え、大陸に泰平の世が訪れるのを目にする事は無いでしょう。』と言って涙を流した後、突然血を吐いたんだよ!」
買駆「医者の話では、恐らくはもう助からないと・・・!」
劉備「そんな・・・!」
鳳統「朱里ちゃん・・・!」
そして
諸葛亮の部屋
劉備「朱里ちゃん!」
部屋に入ると
董卓「桃香様・・・。」
董卓がおり、劉備と鳳統の顔を見るや、首を横に振った。
劉備「・・・!」
鳳統「・・・!」
それを見て、劉備と鳳統はフラフラした足取りで寝台に近付いた。
そこには
諸葛亮「・・・。」
明らかにやつれ、弱り切った状態で寝ている諸葛亮がいた。
劉備「朱里ちゃん・・・。」
鳳統「朱里ちゃん・・・。」
すると
諸葛亮「桃香様・・・雛里ちゃん・・・ゴホッ!ゴホッ!」
諸葛亮が起きたが、すぐに咳き込んだ。
劉備「朱里ちゃん!しっかりして!」
鳳統「朱里ちゃん!」
それを見た劉備と鳳統は、諸葛亮の手を取った。
諸葛亮「桃香様・・・雛里ちゃん・・・私はもう駄目です・・・。」
諸葛亮「黄巾の乱の時から・・・今に至るまで・・・多くの戦にて・・・献策を出し・・・勝利を重ねてきました。」
諸葛亮「・・・けれど・・・もう私は・・・お力になれなくなりました・・・。」
劉備「そんな事言わないでよ、朱里ちゃん。絶対良くなるから!ね!」
鳳統「・・・。」
そう言って、劉備は励ましたが、諸葛亮は首を横に振って
諸葛亮「・・・私が誰より・・・分かっておられます。私はもう・・・良くなる事は・・・ありません・・・。」
そう言った。
劉備「そんな事ない!必ず良くなるから!だから・・・死なないで・・・朱里ちゃん!」
諸葛亮「桃香様・・・。」
鳳統「朱里ちゃん・・・。きっと良くなるから・・・だから・・・弱気になっちゃ駄目だよ・・・!」
諸葛亮「雛里ちゃん・・・。」
その時
蜀軍兵士A「劉備様!」
蜀の兵士が報告に参った。
買駆「僕が聞くよ。どうしたの?」
それを買駆は、代わりに話を聞いた。
蜀軍兵士A「関羽率いる曹彰軍別働隊十万が、荊州を全て平定しました。そして、その勢いのまま我が国に侵攻し、北の曹彰五十万と成都にて合流するかと!」
それは、荊州が全て曹彰軍の手に落ちたという報告だった。それを聞いた買駆は
買駆「・・・分かったわ。下がって。」
と言い、下がらせた。
劉備「そんな・・・!」
鳳統「想像以上です・・・!」
それに、劉備と鳳統は、驚きを隠せなかった。傍で聞いていた諸葛亮は
諸葛亮「桃香様・・・曹彰さんはやはり・・・武勇と軍才に優れた・・・まさに戦の天才です・・・。私や雛里ちゃん、周瑜さん、魯粛さんのような・・・軍師の考えや・・・予測を遙かに上回ります。」
そう言って、劉備を落ち着かせた。
諸葛亮「桃香様・・・。」
劉備「何、朱里ちゃん?」
諸葛亮「既に蜀は風前の灯火です・・・。しかし・・・何があっても・・・決して屈してはなりません。」
諸葛亮「最後まで・・・曹彰さんに抗って下さい・・・。そして・・・必ず勝って・・・桃香様ご自身が描いた・・・理想の世を・・・築いて下さい・・・。」
それを聞いた劉備は
劉備「分かったよ、朱里ちゃん・・・。」
涙を流して、そう言った。
諸葛亮「雛里ちゃん・・・。」
鳳統「朱里ちゃん・・・。」
諸葛亮「桃香様の事・・・宜しくね。」
鳳統「・・・うん。」
それを聞いた諸葛亮は
諸葛亮「・・・これで・・・安心だね・・・。」
と言った。そして
諸葛亮「・・・口惜しい。」
諸葛亮「・・・口惜しいです。」
と諸葛亮は突然言った。
劉備「何がなの、朱里ちゃん?」
鳳統「どうしたの、朱里ちゃん?」
劉備「朱里ちゃん、何が言いたいの?」
それを聞いた劉備と鳳統は、そう尋ねた。
すると、諸葛亮は腕を掲げて
諸葛亮「・・・天は諸葛亮を生みながら・・・何故曹彰も生んだのですか・・・!!」
涙を流しながら声を絞り出した。
劉・鳳・董・買「「「「!?」」」」
それを聞いた劉備達は、驚きの顔をした。
そして
パタリ
劉備「朱里ちゃん!?」
鳳統「朱里ちゃん・・・!?」
劉備「朱里ちゃん!!?」
董卓「朱里ちゃん・・・!?」
買駆「朱里!?」
諸葛亮は二度と口を開く事無く、息を引き取った。
鳳統「お願い・・・!!答えてよ・・・朱里ちゃん・・・!!」
董卓「朱里ちゃん・・・!」
買駆「朱里・・・アンタ・・・早過ぎるよ・・・!」
それに、鳳統は事切れた諸葛亮にしがみついて涙を流し、董卓は目を閉じながら、買駆は悔しさを押し出した顔で拳を握り、血を出すのではの力で唇を噛みしめながら涙を流した。
その横で、劉備は呆然としたまま諸葛亮が使っていた羽毛扇を取って
劉備「朱里ちゃん・・・!!」
それを強く抱き締めながら大粒の涙を流した。
こうして、『臥龍』と言われた軍師諸葛亮は、その大志を果たせぬまま、その生涯を閉じたのであった。
投稿できました。
今回は、朱里ファンにとって、非常に辛いお話となってしまいました。
朱里ファンの皆様、本当にごめんなさい・・・。
それでは、また。