恋姫無双〜黄鬚伝〜   作:ホークス馬鹿

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最終話です。


最終話

晴れた日の陳留。

 

空には雲一つ無い快晴。

それは見る者の心を癒し、気持ちを晴れやかにする。

陳留の街を歩く人々には笑顔が様々に咲き乱れており、街を明るく染めていく。

少年少女達が甲高い声で町並みを駆け回れば、大人達はそんな子供達を見て表情を綻ばせる。

笑顔が笑顔を生む、そんな素敵で素晴らしい循環が街のあちこちで見られた。

 

陳留。曹操のお膝元の街。

大陸の覇者、曹操が治め、彼女の弟であり、『黄鬚』と敵に呼ばれたその武勇で民を町を守った曹彰。全てはここから始まった。

そしてこの姉弟が、大陸を乱した乱世を終わらせ、皆が望む泰平の世を作った。

そして、その中からまた新たな事実が作られる。

 

だからだろうか、いつも笑顔が絶えないこの街も、この日ばかりはいつも以上に皆が興奮していた。

陳留の街そのものが、まるでお祭り前の様な昂ぶりに満ちた状態だ。

 

それもそのはず。

今日は曹魏を挙げてのお祝いの日。ともすれば、街に住む人々はいつも以上に笑顔で溢れ、平和な日に感謝し、祝い踊るのも無理はない。

街でこれだけの騒ぎとなれば、城内もそれに匹敵するものだった。

 

 

 

 

 

陳留城

 

 

 

 

 

華琳「おめでとう、純。秋蘭。栄華。楼杏。霞。郭嘉。関羽。」

 

純「ありがとうございます、姉上。」

 

秋蘭「ありがたきお言葉。」

 

栄華「ありがとうございます、お姉様。」

 

楼杏「ありがとうございます、華琳さん。」

 

霞「おおきにな、華琳。」

 

稟「ありがとうございます、曹操殿。」

 

愛紗「ありがとうございます、華琳殿。」

 

並んで立つ純達に、華琳はまず先にお祝いの言葉を述べた。

 

純「しかし姉上。流石にこれは大袈裟すぎじゃ・・・」

 

華琳「我が国最強の武人であり、全軍を統括する大都督の婚礼よ。国を挙げて盛大に祝うのは当然でしょう。」

 

華琳「何より無事にこの大陸を統一できたのも、あなたがいてくれたおかげなんだから。」

 

これには

 

純「うっ・・・」

 

純も返す言葉が見つからなかった。

 

一刀「本当によく似合ってるぞ、純。」

 

純「お前のいた世界じゃ、これが普通なんだよな?」

 

一刀「ああ。タキシードって言うんだ。」

 

純「たきしーど・・・か。秋蘭達が着てるのは?」

 

一刀「ウェディングドレスって言うんだ。」

 

純「・・・そっか。」

 

すると

 

春蘭「純様ー!本当に良くお似合いですよー!」

 

春蘭が泣きながらそう純に言った。

 

純「ありがとう、春蘭。つーか、お前ずっと泣いてんな。」

 

春蘭「だってしょうがないじゃないですかー!秋蘭も、よく似合ってるぞー!」

 

秋蘭「ああ。ありがとう、姉者。」

 

この言葉に

 

春蘭「うわあああああっ!!」

 

翠「な・・・泣きすぎだろ・・・春蘭。」

 

春蘭の涙はどんどん溢れてしまった。

 

華侖「栄華ー!おめでとうっすー!!」

 

柳琳「栄華ちゃんも、おめでとう。」

 

栄華「ありがとう、柳琳。」

 

華侖と柳琳の言葉に、栄華は幸せそうな表情でそう言った。

 

凪「楼杏様達も、おめでとうございます。」

 

真桜「姐さんめっちゃ綺麗やでー!」

 

沙和「なのー!」

 

季衣「綺麗だねー、流琉。」

 

流琉「そうだね。」

 

楼杏「フフッ・・・ありがとう。」

 

霞「おおきにー!」

 

愛紗「ああ、ありがとう。」

 

風「稟ちゃーん、おめでとうなのですよー!」

 

桂花「おめでとう、稟。」

 

稟「ありがとうございます、風。桂花。」

 

他の皆も、それぞれ幸せそうな表情だった。

婚礼自体は既に終わったが、街中に溢れたお祝いはこれからが本番だ。

 

華琳「それじゃあ、私達は戻るわね。今は夫婦水入らずでゆっくりしなさい。」

 

華琳「この国には、もう戦は無いんだから。」

 

そう微笑みながら言い、華琳は一刀達と一緒に城内へと戻っていった。

そしてこの場に、純と新婦の秋蘭、栄華、楼杏、霞、稟、愛紗だけが残される。

 

秋蘭「フフッ・・・私達だけになりましたね。」

 

純のすぐ横から、幸せそうな秋蘭の声が聞こえた。

 

純「そうだな・・・」

 

栄華「お兄様・・・」

 

純「んっ?」

 

栄華「私達・・・お兄様と出会えて、好きになって、本当に幸せですわ。」

 

楼杏「私もよ。」

 

霞「ウチもや!純に出会えて、ホンマに良かった!」

 

稟「純様に出会えたことに、好きになったことに本当に感謝しております。」

 

愛紗「純様、これからもずっと一緒ですよ。」

 

その言葉を受けて

 

純「ああ。ずっと一緒だ!だから、これからも宜しくな!」

 

純は六人を抱き締めてそう言った。

六人は驚いた顔をしたが、すぐに柔らかい表情に変わり、笑顔が零れた。

 

その様子を見ていた快晴の空にある太陽は、明るくそして優しく彼らを包み込んだのであった。

 

 

 

 

 

 

 




やっと終える事が出来ました。

本当は、秋蘭と喧嘩した後に結婚という流れにしたかったのですが、上手く纏められなかったので強引に終わらせました。

待たせてしまって大変申し訳ございません。

この小説を書こうと思ったきっかけは、前作である『恋姫無双~覇王の弟~』を書き終えた時に、YouTubeで三国志関連の動画を色々探して、その時曹彰のお話の動画を見て「やってみようかな」と思ったのがきっかけです。

とはいえ、内容はほぼ同じでしたけどね・・・。

けど、蛇足なところもあったと思いますが、ここまで長く続くとは正直思いませんでした。僕自身びっくりしております。

長くなりましたが、このような拙作でも、最初から最後まで楽しく読んでいただいた皆様、本当にありがとうございました!!
また何かの作品でお会いしましょう!!

それでは、さようなら!!

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