城内・廊下
一刀「ん、何だか向こうの方が騒がしいな。」
一刀が廊下を歩いていると、向こうから喧噪、いや怒声が聞こえた。
そう感じた一刀は様子を見に行くと、
春蘭「うぬぬ、先程から言わせておけば・・・。」
桂花「全く、これだけ言っても分からないの?」
春蘭と秋蘭、そして桂花がいて、春蘭と桂花が言い争いをしていた。
秋蘭「おお、北郷。こんな所でどうした?」
一刀「それはこっちの台詞だよ。何を言い合ってるんだ、桂花と春蘭は。」
秋蘭「ああ、それがな・・・」
桂花「だからあなたは馬鹿だって言うの。」
春蘭「何っ!もう一度言ってみろ!」
桂花が春蘭に喧嘩を売った様子だった。
桂花「何度だって言ってあげる。盗賊や小部隊と戦う時なら、あなたの突出は勇敢な突撃となるわ。」
桂花「だけど、大部隊が相手の時に無駄な突撃なんてされると、兵を消耗するし、下手をすれば戦線が瓦解するのよ。」
桂花「だからやめなさい、猪みたいな突進は。純様みたいに状況を確認して、適格な時機に突撃しなさいと、そう言ったの。理解して貰えたかしら?」
春蘭「ぐ・・・っ!きさまぁ!」
秋蘭「落ち着け姉者。ここで声を荒げて何になる。それに桂花の言っている事も一理あるぞ。」
春蘭「秋蘭・・・。」
秋蘭に言われた春蘭は、今にも死にそうな程の青い顔で秋蘭を見つめた。
秋蘭「そんな顔をするな。別に姉者の意見、全てが間違いと言っている訳でもない。・・・なぁ、北郷?」
一刀「え?あ、うーん・・・状況が良く見えないから何とも言えないけど、春蘭の部隊の突撃は、相手方からすれば大きな脅威と思うけど?」
と一刀は戸惑いながらも思った事を口にした。
一刀(当然だけど純と比べたら、実戦経験も浅いとかいうレベルじゃない以上、説得力のある事は言えないと思うけど・・・。)
桂花「そんなのはただの賭けじゃないの。戦いに賭けを持ち込んでしまえば、勝ち負けは限りなく運になる。・・・戦いはそんなに甘いものではないわ。」
一刀の意見に桂花はそう言った。
一刀(う、確かにそう言われるとぐうの音も出ないな。)
春蘭「では、どういうものが貴様の考える戦いだと言うのだ!」
桂花「心理と思考の読み合い。そこから紡ぎ出される完璧な策こそが、予定調和としての勝利を華琳様に捧げる事が出来るのよ。それを体現出来るのが、純様の武勇とそれを率いる黄鬚隊の突撃なのよ。」
桂花の持論に
一刀(成程、確かに戦力を活かすには戦術や戦略が必要だな。)
一刀(場合によっては戦略が圧倒的な戦力差を覆す事がある事は、歴史が物語ってるし。)
と一刀は思った。すると
春蘭「はんっ。」
それを聞いた春蘭は、馬鹿にしたように笑った。
桂花「何よ、その笑い方は!」
春蘭「予定調和としての勝利など無い。戦場は千変万化の生き物なのだからな。純様も常に仰っていた。だから純様は強いのだ!」
と春蘭はそう言って反論した。
一刀(これはこれで正論か。策士策に溺れるって言葉もあるしな~。)
一刀(でも、この言葉を言ったら、この口喧嘩、ただじゃ済まなくなりそうだ・・・。)
とこのままじゃ平行線のままだしどうにか喧嘩を止めたいと一刀は感じたのだった。
一刀「なぁ、秋蘭。さっきから殆ど口出ししてないけど良いのか?自分で言うのも情けないけど、二人を止められるのは秋蘭だけだと思うんだけど。」
秋蘭「この二人は犬猿の仲だからな。私が口出しした所でどうにかなるものでもない。」
一刀「いやいや。・・・それじゃ全然収拾がつかないだろ?」
秋蘭「実際の所、二人には二人なりの持論があり、必ずしも間違っているとは言えないからな。どちらか片方を悪者にする事は私には出来んさ。」
一刀(うーん、秋蘭の言うことも最もなんだけど、何か良い方法はないものか・・・。)
秋蘭「この事態を収拾出来る人間は二人、特にあのお方しかいないさ。」
一刀「華琳と純、特に純か・・・。」
秋蘭「うむ。そういうことだ。我が軍の総大将は華琳様だが、実質統率し指揮しているのは純様だからな。」
一刀「・・・かといって、こんな口論一つの為に華琳か純を呼ぶわけにはいかないしなぁ。」
秋蘭「ふむ。まぁ今は見守るしかあるまい。」
一刀「・・・ま、そのうち終わるか。」
春蘭「とにかく!貴様のような甘い考え方では、華琳様に勝利など捧げられん。純様も恐らく同じ事を言うぞ。」
桂花「ふん。それこそ視野の狭い脳みそ筋肉の言いそうな台詞ね。純様に見放されるわよ。」
それを聞いた春蘭は、
春蘭「だ、誰が脳筋だと!」
と腰の剣に手を掛けた。
一刀「わっ!?バ、バカ!剣に手を掛けるな!」
それを見た一刀は、慌てて春蘭が手に掛けた剣の柄を握りしめた。
それで春蘭の動きが止まり、安堵の溜息をついたのだが、
春蘭「なん・・・だと?」
一刀「へっ?」
春蘭「誰が・・・誰がうすらバカだとぉーっ!」
と怒り、剣を抜いた。その反動で、一刀は派手に転がされてしまい、桂花は『情けない』と言っている様な冷たい目でそれを見ていた。
一刀「ちょ、ちょっと待て春蘭!お前、今、本気で振り下ろしただろー!」
春蘭「当ったり前だ!剣を抜いた以上、手加減などするものか!」
一刀「当たったら死ぬだろうがー!」
春蘭「安心しろ、今のは利き腕を狙っただけだ!貴様が後悔する時間をくれてやるつもりだったからな!」
そう言って、春蘭は怒りと興奮を漂わせながら一刀に剣を向け、一刀は春蘭の斬撃を避けていた。
そしてこれは、純が偶然その場に現れ、春蘭達に罰を与えられるまで続いたのであった。
投稿できました。
ゲームでの桂花の拠点フェイズをアレンジしてみました。
上手く書けたかな?
それでは、また。