恋姫無双〜黄鬚伝〜   作:ホークス馬鹿

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16話です。


16話

苑州・陳留

 

 

 

季衣「むぐむぐ・・・。すごい!美味しい!」

 

城下の店先で、季衣は山のように積まれた饅頭をハイペースで頬張っていた。

 

季衣「陳留のご飯って、何を食べても美味しいよね・・・。僕ビックリしちゃった。」

 

と季衣は心の底から幸せそうな表情で、そう言ったのだった。

 

華侖「ここはあたしオススメのお饅頭屋さんなんすよ!ほら、一刀っちも食べるっすー!」

 

一刀「俺はもうお腹一杯だから、二人で食べなよ。」

 

季衣「え?でも兄ちゃん、全然食べてないじゃない。」

 

一刀「いや・・・その食べてないは季衣基準だからね?」

 

季衣は、この饅頭の山を既に三杯目のおかわりであったため、見てるだけで腹一杯になっていた。

 

華侖「一刀っち、だらしないっすー。」

 

一刀「そういう華侖ももう饅頭に全然手を付けてないの、ちゃんと分かってるからな!?」

 

華侖「そ、そんな事ないっすよ!気のせいっす!」

 

季衣「おじさーん。おかわりー!」

 

一刀「え、まだ食べるの!?」

 

すると、大通りから賑やかな声が聞こえてきた。

 

一刀「・・・何か騒ぎかな?」

 

季衣「むぐむぐ・・・兄ちゃん、お仕事?手伝おうか?」

 

一刀「いやまあ、季衣が出るほどの事じゃないと思うけど・・・」

 

一刀(雰囲気からすると、別に喧嘩ってわけでもなさそうだし。)

 

華侖「とりあえず、行ってみるっすー!」

 

そして、三人は大通りに行ったのだった。

 

 

 

 

大通り

 

 

 

 

一刀「ああ、なんだ。そういう事か。」

 

大通りに顔を出すと、遠征から帰ってきた兵士達が行進をしていた。

 

季衣「きっと春蘭様達だよ!おーい!おーい!」

 

華侖「おーい、おーい!あぅぅ、これじゃ向こうから見えないっすー!」

 

すると、

 

季衣「兄ちゃん、ちょっと肩貸して!」

 

と言ってきた。

 

一刀「え、季衣!?」

 

そして、季衣はするすると一刀の背中を登り、肩車をした。

 

華侖「あーっ。季衣だけずるいっすー!一刀っち、あたしもだっこして欲しいっすー!」

 

一刀「えええ、流石に二人は・・・」

 

華侖「欲しいっすー!して欲しいっすー!」

 

と華侖が我儘を言ったので、一刀は仕方なく華侖の脇に手を入れて、出来るだけ高く持ち上げたのだった。

 

華侖「もう、一刀っち。これじゃグラグラするっすよ!もっとおっぱいに近い辺りを、ガッて掴むっすー!」

 

一刀「女の子がこんな所でそんな事言わない!」

 

季衣「あ、春蘭様だー!」

 

華侖「香風もいるっすー!おーい、おーい!」

 

春蘭「おう、季衣!今戻ったぞ!」

 

香風「お兄ちゃんも華侖様も、ただいま。」

 

一刀「二人とも遠征お疲れ様。最近こういうの多くて大変だな。」

 

春蘭「なに、これも華琳様の御為だ。私に出来る事があるというのは良いものだな!はははははは!」

 

成果は上々だったのか、春蘭は自信満々といった様子で楽しそうに笑った。

 

香風「春蘭様、列がつかえる。」

 

春蘭「そうだな。ならば、お前達も仕事に励めよ!」

 

一刀「ああ。俺達もすぐ戻るよ。」

 

そして、馬上の二人を含む本隊は城に向かったのだった。

 

季衣「凄いなぁ、春蘭様。でも、純様はもっと凄いんだよねぇ・・・。」

 

華侖「そうっすよ!純兄は、もっと凄いっすよー!それより二人とも、早くお城に戻るっす!春姉ぇ達から活躍のお話、聞かせて貰うっすよー!」

 

一刀「だな。こっちの仕事も終わったから、ぼちぼち戻ろう!」

 

 

 

 

謁見の間

 

 

 

 

純「・・・そうか。山陽の平定は上手くいったんだな。」

 

一刀達が城に戻ると、既に春蘭の報告は始まっていた。

 

春蘭「はっ。ひとまず暴れていた賊は下しましたので、しばらくはあの辺りも平和になるかと。」

 

香風「それで、山陽の太守が・・・これからも、守ってって。」

 

栄華「・・・またですの?」

 

春蘭「うむ。またなのだ。」

 

純「それ、ゼッテー秋蘭と柳琳が行っている泰山もだろ、きっと・・・。うわぁ、メンドクセー・・・。」

 

春蘭「はい。恐らく純様のおっしゃる通りかと。」

 

一刀「郡を越えて兵を動かすのも大問題っていう話は、何だったんだろうな・・・。」

 

香風「本当は、大問題。でも・・・太守が何も言わなければ、問題にならない。」

 

純「それに、我が軍は行軍中の略奪を禁じているし、通る郡も前に俺が賊退治をした郡だからな。守って貰ってる上に大人しく通るだけなら、太守だって何も言わねーか。」

 

一刀「・・・日頃の行いって事か。」

 

桂花「泰山は、多分もっと面倒が増えるわよ。」

 

華侖「もっと面倒って、何すか?」

 

稟「あそこの地域は、役人の不正が他の所以上に横行していたのです。」

 

風「そうですね~。風も調べたとき、驚きましたよ~。」

 

桂花「だから、秋蘭にその証拠の資料をいくつかね・・・。」

 

一刀「・・・役人の不正まで取り締まる気?それはいくら何でもやり過ぎじゃない?」

 

華琳「綱紀粛正を言い渡すだけよ。それを聞く気がないなら、大人しく軍を退くだけだわ。」

 

一刀「それって、後で恨まれたり・・・」

 

華琳「するでしょうね。」

 

桂花「でも、既に兗州の守りは華琳様頼みだもの。不正を行わないだけで領地を守って貰えるなら、安いものでしょう?別に賄賂を送れと言っているわけでもなし。」

 

華琳「そういうこと。腹を探られて痛いなら、腹を痛くしなければいいのよ。」

 

栄華「何より、苑州各地でのお姉様の人気は相当なものですもの。とは言え、お兄様には負けますが。今さら私達を追い返したところで、民の不満は高まるだけですわ。」

 

一刀「今まで賊退治の応援に気持ちよく応えてたのは、この時のためか・・・。」

 

栄華「当たり前ですわ。世の中に、タダより高いものはありませんのよ。」

 

それを聞いた純は、

 

純「しかし、桂花も稟も風も栄華も大変だったろ。今までの仕事に加えて、そういう調査や情報収集までとか・・・。」

 

そう言った。

 

桂花「それこそ望む所です。華琳様の覇道が着々と進んでいるという事ですから。軍師冥利に尽きるというものです。」

 

稟「私は、純様のお役に立てるなら何でもします。」

 

風「風も稟ちゃんと同じ意見ですよ~。」

 

すると、軍師勢はそう言ったのだった。

 

一刀「・・・あのさ。」

 

桂花「何よ。」

 

一刀「割と前から疑問に思ってたんだけど、苑州の州牧は何も言ってこないの?」

 

一刀「州全体の賊退治とか不正役人の取り締まりって、本当は州牧の仕事だよな・・・?」

 

と、一刀は感じた疑問を尋ねた。

 

華琳「何も。」

 

一刀「マジか・・・。」

 

純「そう言えば、前に州牧から姉上宛に感謝状が届きましたね。」

 

華琳「ええ。前に一枚そういったのが届いた気がするわね。一層の奮起を期待するって書いてあったわ。・・・もう倉に片付けてしまったけれど。」

 

一刀「・・・扱い軽すぎだろ。」

 

純「姉上の振る舞い程度で奮起するような州牧なら、とっくに苑州は良くなっているよ。」

 

華琳「ええ。純の言う通りね。」

 

一刀(だろうなぁ・・・。それを今までして来なかったからこそ、華琳が好き勝手に振る舞う下地が出来てたわけで。・・・それこそ日頃の行いか。)

 

純「・・・さて。なら、後の報告は香風に任せる。いつものように報告書を纏めておいてくれ。」

 

香風「はーい。」

 

栄華「お姉様。午後からは・・・」

 

華琳「ええ。陳登の所に視察に行って来るわ。一刀、季衣、午後の予定は空けてあるわね?」

 

季衣「大丈夫です!」

 

一刀「ああ。新兵の訓練場の視察と市街地の拡張工事の確認と街の警備とついでに昼ご飯は、ここに来るまでに済ませてあるよ。」

 

華琳「結構。そちらの報告は、移動しながら聞くわ。純、後は頼んだわよ。」

 

純「お任せ下さい。」

 

そして華琳は、一刀と季衣を連れて視察に行ったのだった。




投稿できました。

ゲームの内容をベースにアレンジしました。視察で喜雨のお話があるのですが、上手く纏められなかったので、書きませんでした。お許し下さい(土下座)

それでは、また。
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