恋姫無双〜黄鬚伝〜   作:ホークス馬鹿

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21話です。


21話

本隊

 

 

 

春蘭「急げ急げ!急いで先遣隊に合流するぞ!」

 

一刀「・・・馬上で休むんじゃなかったのか。」

 

先遣隊を追って、陳留を出立してから数日が経った。春蘭は初日からこのテンションだった。

 

華侖「そんなことしてられないっす!柳琳や季衣だって、もう戦ってるかもしれないんすよ!進め、進むっすー!」

 

華侖も春蘭同様テンションが高かった。・・・寝てないからかな?

 

純「お前達の気持ちは分かる。だが、そんなに急がせてしまったら、戦う前に疲れてしまうぞ。」

 

華琳「そうよ、純の言う通りよ。」

 

春蘭「う、うぅ・・・っ。純様ぁ、私だけ、先遣隊として向かっては駄目ですか?」

 

華侖「だったら、あたしも行きたいっす!純兄!」

 

純「駄目だ。目と鼻の先ならまだしも、今の位置で隊を分けても効果は薄い。」

 

一刀「それに柳琳と約束しただろ。純の言う事をちゃんと聞くって。」

 

これには

 

華侖「ううう・・・。」

 

華侖も黙ってしまった。これが、ここ数日のやり取りだった。

 

桂花「純様。秋蘭から報告の早馬が届きました。」

 

純「報告しろ。」

 

桂花「既に敵部隊と接触したそうです。張角は確認していないようですが、予想通り敵は組織化されており、並の盗賊よりも手強いだろうとの事。」

 

桂花「・・・くれぐれも余力を残して合流して欲しいそうよ、春蘭。」

 

春蘭「うぅぅ・・・。」

 

一刀(流石秋蘭。姉さんの性格を良く分かってる。)

 

純「数はどれ程だ?」

 

桂花「目測では街の兵と先遣隊を合わせたよりも多い模様。迂闊に攻撃はせず、市街に籠城して時間を稼ぐそうです。」

 

これには

 

純「そうか。流石秋蘭だ。」

 

華琳「ええ、賢明な判断ね。」

 

純と華琳は秋蘭の判断を褒めた。

 

一刀「だってさ、春蘭。秋蘭の指揮なら籠城すれば十分保つだろうし・・・行軍で無駄な力を使わないようにしようぜ。」

 

春蘭「・・・うむぅ、仕方ない。」

 

純「張角本人が指揮を執っているのかと期待したんだが・・・別の指揮者がいるようだな。厄介なことになった。」

 

華琳「ええ、そうね。」

 

一刀「張角には、そういう優れた指揮官さえ取り込む才能があるって事?」

 

一刀(カリスマってやつだっけ・・・?確かに本人一人が凄いより、凄い人を沢山部下にしてる方が遙かに怖いよな。)

 

華琳「あら、良く分かっているじゃない。」

 

一刀「・・・良い見本をずっと見てるしなぁ。」

 

桂花「ちょっと、誰と張角を比べてるのよ。」

 

一刀「それはまあ・・・内緒?」

 

華琳「その才を持ちながら野心を持ったか、暴走しているだけなのか分からないけれど・・・面白い相手ではあるわね。」

 

純「あはは・・・。また姉上の・・・」

 

栄華「そうですわ、お姉様。柳琳達の命が掛かっているのに、悪い癖ですわよ。」

 

華琳「強い相手なら、気持ちが昂ぶらない筈がないでしょう。純も本当はそうでしょう?」

 

その発言に、

 

純「まあ・・・分からなくも無いですね。」

 

と言った。

 

華侖「もぅ・・・。不謹慎っすよー。」

 

栄華「まさか・・・張角達を部下にしたいなどとは仰いませんわよね、お姉様。」

 

華琳「さあ?それは張角の人となり次第。利用価値のない相手なら、舞台から消えて貰うだけよ。」

 

その時、

 

兵士A「曹彰様!曹彰様はいらっしゃいますか!」

 

純「どうした!」

 

春蘭「むぅ。貴様は秋蘭の部下の・・・」

 

秋蘭の兵がやって来た。

 

兵士A「はっ!許緒先遣隊、敵軍と接敵!戦闘に突入しましたっ!」

 

華侖「え、籠城して時間を稼ぐんじゃなかったんすか!?」

 

純「状況が変わったんだろう・・・。どうなっている!」

 

兵士A「籠城で時間を稼ぐつもりでしたが、初手から向こうの大攻勢が始まり・・・至急、援軍を求むとの事!」

 

一刀「え・・・?じゃあ、今頃・・・」

 

春蘭「馬鹿を言うなっ!」

 

純「うむ、秋蘭の事だ。苦戦すると読んで、あらかじめ遣いを出したんだろう。」

 

華琳「ええ、恐らく。」

 

兵士A「仰るとおりです。ですが自分が出された段階で、既に防壁には敵の兵が殺到し・・・恐らく、今頃は」

 

純「余力を持ってとはいられなくなったな。」

 

華琳「そうね。純、貴方が先に救援に向かいなさい!到着したときの判断は任せるわ!」

 

純「はっ!ではこれにて。行くぞ、稟、風!」

 

稟「はっ!」

 

風「はい~!」

 

純「皆の者、よく聞け!この先で我々の仲間が戦っている。仲間を助け、賊を倒すぞ!」

 

黄鬚隊兵士「「「おおーっ!!」」」

 

純「行くぞ!」

 

そして、純は黄鬚隊を率いて先に行った。

 

 

 

 

 

一方秋蘭達は

 

 

 

 

 

季衣「秋蘭様!西側の防壁、三つめの防柵まで破られました!」

 

秋蘭「・・・ふむ。残りの柵は後二つか・・・それでどのくらい保ちそうだ?李典。」

 

真桜「せやなぁ・・・。応急で作ったもんやし、後一刻保つかどうかって所かなぁ。」

 

秋蘭「・・・微妙な所だな。純様達本隊が間に合えば良いのだが。」

 

柳琳「きっと大丈夫です。姉さん達は、必ず約束を守ってくれますから。」

 

凪「しかし、夏侯淵様達がいなければ、ここまで耐えることは出来ませんでした。ありがとうございます。」

 

柳琳「それは私達も同じです。あなた達義勇軍の皆さんがいなければ、相手の数に押されて保たなかったはずですから。」

 

凪「いえ、それも夏侯淵様と曹純様の指揮があってこそ。それに、彼女がいなければ、私達だけでは死んでいました。」

 

そう言って、後ろにいる彼女に振り返る。すると、そこには綺麗で長い黒髪をして、右手には立派な圓月刀を携えていた女武者がいた。

 

??「そんな事はない。夏侯淵殿と曹純殿の指揮と楽進達の武勇があってこそだ。」

 

とその者は言った。

 

凪「いざとなれば・・・自分が討って出て時間を稼ぎます。後の事はお任せ致しますので、どうか・・・」

 

その時

 

季衣「そんなの駄目だよっ!」

 

凪「・・・っ!」

 

季衣が怒鳴ったのだった。

 

季衣「そういう考えじゃ・・・駄目だよ。絶対にもうすぐ春蘭様達が助けに来てくれるんだから、最後まで頑張って守り切らないと!」

 

真桜「・・・せやせや。突っ込んで犬死にしても、誰も褒めてくれへんで。」

 

??「そうだぞ楽進。ここで死んでは、何も意味ないぞ。」

 

凪「・・・うむむ。」

 

季衣「今日百人の民を助けるために死んじゃったら、その先助けられる何万の民を見捨てる事になるんだよ。分かった?」

 

凪「・・・肝に銘じておきます。」

 

??「・・・ほうっ。」

 

これには、楽進は季衣の言葉を受け入れ、黒髪の女武者は感心した感じだった。

 

秋蘭「・・・ふふっ。」

 

季衣「あ、何がおかしいんですか、秋蘭様ー!」

 

秋蘭「いや、昨日あれだけ姉者や純様に叱られていたお前が、一人前に諭しているのが・・・おかしくてな。」

 

季衣「うう、ひどーい。」

 

その時、

 

沙和「東側の防壁が破られたのー!」

 

香風「向こうの防壁は、後一つー。」

 

于禁と香風が慌てた様子でやって来て、東側の防壁が壊されたことを報告に来た。

 

真桜「・・・あかん。東側の最後の防壁て、材料が足りひんかったらかなり脆いで。すぐ破られてまう!」

 

秋蘭「仕方ない。西側は最低限の人数を残し、残る全員で東の侵入を押しとどめるしかない。」

 

凪「では、先陣は私が切ります。私の火力を集中させれば、相手の出鼻は挫けるはずです!」

 

柳琳「でしたら私の隊が続きます。それで、一度は敵を退けられるはず・・・しばらくは時間を稼げるでしょう。」

 

秋蘭「・・・そうだな。なら柳琳、そちらの指揮は任せる。」

 

柳琳「秋蘭様もお気を付けて。では、楽進さん。」

 

凪「はっ!」

 

季衣「秋蘭様。僕と香風で西側を押し留めます。」

 

香風「大丈夫。お兄ちゃんが来るまで、頑張れる。」

 

秋蘭「ああ。・・・皆、ここが正念場だ。力を尽くし、何としてでも生き残るぞ!」

 

??「無論だ!」

 

沙和「分かったの!」

 

真桜「おう!死んでたまるかいな!」

 

その時、

 

凪「か・・・夏侯淵様!外に砂煙が見えます!」

 

外に砂煙が見えるとの報告を受けた。

 

真桜「なんやて!」

 

沙和「えー・・・また誰か来たの?」

 

秋蘭「敵か!それとも・・・」

 

すると、

 

柳琳「お味方です!青の旗色に曹の旗印!お兄様です!」

 

そう柳琳は報告したのであった。それを聞いた兵士達は、

 

兵士B「おお!曹彰様だ!」

 

兵士C「曹彰様が来たからにはもう大丈夫だ!」

 

気力を取り戻し、士気が上がったのであった。

 

 

 

 

黄鬚隊

 

 

 

 

純「稟、風。ちゃんと付いて来いよ。」

 

稟「はっ!」

 

風「はい~!」

 

純「突破するぞ!」

 

そう言い、西門に向かった。黄巾党はそちらに目を向けたが、

 

純「邪魔すんじゃねー!!どきやがれー!!」

 

純の圧倒的な武勇と黄鬚隊の攻撃力に、周りは死体のみが転がった。

 

 

 

 

街中央

 

 

 

 

純「秋蘭!柳琳!香風!季衣!」

 

秋蘭「純様!!」

 

柳琳「お兄様!助かりました!」

 

香風「純様ー。」

 

季衣「純様!」

 

純「お前達、ここまでよく耐えたな。」

 

秋蘭「彼女らのおかげです。」

 

純「この者か?お前達、よくこの村を守ってくれた。俺は曹彰、字は子文と言う。お前達は?」

 

その時、

 

純「あっ。」

 

凪「あっ。」

 

純は凪の顔を見て、お互い驚いた顔をした。

 

秋蘭「純様も驚きましたか。以前街の視察でお会いになった者です。」

 

純「すると、皆義勇軍か。」

 

凪「はい。自分は楽進、字は文謙と申します。・・・我らは陽平義勇軍。黃巾党の暴乱に抵抗するため、こうして兵を挙げた者です。」

 

真桜「ウチは李典、字は曼成や。」

 

沙和「沙和は于禁、字は字は文則なのー!」

 

純「うむ。ところで、お前は何て言うんだ?」

 

すると、純は黒髪の女武者に尋ねた。

 

愛紗「わ、私は関羽、字を雲長と申します!」

 

関羽と申す者は、緊張しながら自己紹介した。

 

純「はは。そう緊張するな。」

 

それを見た純はそう言って、関羽の肩に手を置いた。

 

愛紗「は、はい!!」

 

純「皆。後半刻ほどで、姉上達の本隊もやって来る。それまでに、何としても持ち堪えるぞ。」

 

秋蘭「はっ!!」

 

柳琳「はい!!」

 

香風「うん!」

 

季衣「分かりました!」

 

純「俺は関羽と一緒に西側に行くから、そちらは任せたぞ。」

 

秋蘭「御意!!」

 

柳琳「分かりました!!」

 

純「稟と風はここで補佐をしてくれ。」

 

稟・風「「御意。」

 

純「じゃ、行ってくる。来い、関羽!!」

 

愛紗「はっ!!」

 

その時、

 

秋蘭「純様!!どうかご無事で・・・。」

 

そう言われたので、純は右手を掲げて行ったのだった。

 

 

 

 

西側

 

 

 

純「よし、矢を放て!!」

 

純の命令で、多くの矢が放たれた。それによって、賊が多少怯んだのであった。

その様子を見た純は、鞘から刀を抜き、

 

純「敵に一当てする。突撃しろ!!」

 

兵士「「「おおーっ!!」」」

 

純「関羽も、思いっきり暴れろ。しかし、状況を見て一度退くからな。」

 

愛紗「はっ!!」

 

そう言って、純達は突撃した。その時の純は、最初に突撃したのと同様に

 

純「全部ぶっ殺してやるー!!」

 

黄巾党兵士A「うわーっ!!コイツ、つえーぞ!!」

 

黄巾党兵士B「に、逃げろー!!黄鬚には敵わねーっ!!」

 

圧倒的な武勇を見せ、その勢いで敵を斬っていった。その動きは、言動とは逆でまるで流麗な舞の如く刀を振るっていった。

 

愛紗「これが黄鬚と呼ばれし曹彰殿の武勇・・・。」

 

それを見た関羽は敵を青龍圓月刀で敵を斬りつつも見とれていたのだった。

 

その後、華琳達の本隊が到着し、黃巾党は壊滅的被害を受けて、撤退したのだった。

 

春蘭「純様!秋蘭!季衣!ご無事ですかっ!」

 

純「ああ!大丈夫だ!」

 

秋蘭「危ないところだったがな・・・まあ見ての通りだ。」

 

季衣「春蘭様ーっ!」

 

華侖「柳琳!柳琳はいるっすかー!」

 

柳琳「姉さん!」

 

妹の様子を見た華侖は、

 

華侖「るー!!」

 

柳琳に抱き付いたのだった。

 

柳琳「もぅ、姉さんったら。そんなに心配しなくても大丈夫だから。」

 

華侖「お姉ちゃんなんだから、心配するに決まってるっすー!無事で良かったっすー!うわーん!」

 

香風「お兄ちゃん・・・。」

 

一刀「ああ。香風も無事で良かった。」

 

香風「・・・うん。シャンも皆も、沢山頑張った。」

 

と香風は一刀に抱き付いた。そして、一刀はそれを撫でてやった。

そして、華琳もやって来た。

 

華琳「皆、無事で何よりだわ。けれど、損害は大きかったようね。」

 

秋蘭「いえ。防壁こそ破られましたが、純様の救援と彼女らのおかげで最小限の損害で済みました。街の住人も皆無事です。」

 

純「彼女らは陽平義勇軍と申し、黃巾の暴乱に抵抗するために兵を挙げたそうです。」

 

その時、

 

一刀「あー!」

 

春・栄・沙・真「「「あー!」」」

 

春蘭と栄華、李典と于禁が互いに指を指し、叫んだのだった。

 

華琳「・・・何よ、一体。」

 

一刀「ほら、華琳。覚えてないか?前に皆で城下に視察に行った時に会った、変な絡繰作ってたカゴ屋の子!」

 

真桜「変な絡繰って何やねん!凄い絡繰の間違いやろ!」

 

華琳「・・・思い出したわ。どうしたの、こんな所で。」

 

真桜「ウチも義勇軍の一員なんよ。そっか・・・あの時の姐さんが、州牧様やったんか・・・。」

 

秋蘭「姉者も知り合いなのか?」

 

沙和「そうなのー。前に服屋でむぐぐ」

 

しかし、于禁が喋ろうとしたときに春蘭と栄華が口を押さえ、

 

春蘭(そ、それは内緒にしておいてくれっ!)

 

栄華(そうですわ。私とあなたは初対面。いいですわね。初対面ですわよ・・・?)

 

そう述べたのだった。

 

沙和(むぐむぐ。わかったの・・・。)

 

季衣「どうしたんですか?春蘭様。」

 

春蘭「い、いや、何でもないっ。何でも!」

 

沙和「むぐぐー。内緒にするから、離してなのー!」

 

栄華「そうですわ。何でもありませんわ。おほほほほほほほほ。」

 

沙和(でもこれだけお話してたら、とっくにバレてる気がするの・・・。)

 

季衣「春蘭様・・・なんなんですかね?」

 

秋蘭「さあな。何かあったのだろうが、姉者に合わせておいてやってくれ。」

 

華琳「それで純、側にいるその者は?」

 

純「この者は、その義勇軍と一緒に戦っていた者です。関羽、挨拶を。」

 

愛紗「はっ!」

 

そして、関羽は前に出て

 

愛紗「私は関羽、字を雲長と申します。旅をしていた所をたまたまこの街に立ち寄り、賊からこの街を守るために義勇軍と共に戦っておりました。」

 

と関羽は言った。

 

華琳「そう・・・。」

 

その一方で、

 

一刀(か、関羽だと!?まだ劉備に仕えていなかったのか!?しかし、史実では髭が綺麗だったから『美髯公』って言われてたけど、この世界では髪なんだな・・・。まあ、女の子が髭ってのもアレだけど・・・。)

 

一刀は関羽の登場に驚いていた。

 

華琳「・・・で、その義勇軍がこの街を守っていたのね。」

 

凪「はい。ですが、黃巾の賊がまさかあれだけの規模になるとは思いもせず・・・こうして夏侯淵様と曹彰様に助けていただいている次第。身の程も弁えず、お恥ずかしい限りです。」

 

華琳「けれど、あなた達がいなければ私は大切な将を失う所だった。皆を助けてくれた事、感謝するわ。」

 

そう言って、華琳は凪達に頭を下げた。

 

凪「それはこちらも同じです。こちらが感謝こそすれ、感謝されるようなことは・・・」

 

その時

 

季衣「あの、それでですね、華琳様。凪ちゃん達を・・・華琳様の部下にして貰えませんか?」

 

と季衣が華琳に言った。

 

華琳「義勇軍が私の指揮下に入るということ?」

 

凪「聞けば、曹操様もこの国の未来を憂いておられるとのこと。一臂の力ではありますが、その大業にぜひとも我々の力もお加え下さいますよう・・・。」

 

華琳「・・・そちらの二人の意見は?」

 

真桜「ウチもええよ。新しい州牧様とその弟さんの話はよう聞いとるし・・・そのお方が大陸を治めてくれるなら、今よりは平和になるっちゅうことやろ?」

 

沙和「凪ちゃんと真桜ちゃんが決めたなら、私もそれでいいのー。」

 

華琳「純から見てどうかしら?」

 

純「俺も一連の動きを見ておりましたが、村のカゴ売りで終わらせて良い人材ではありません。皆、鍛えればひとかどの将になる器かと。」

 

華琳「そう・・・。季衣も真名で呼んでいるようだし、純が認めたなら問題ないでしょう。名は?」

 

凪「楽進と申します。真名は凪・・・曹操様にこの命、お預け致します。」

 

真桜「李典や。真名の真桜で呼んでくれてええで。以後よろしゅう。」

 

沙和「于禁なのー。真名は沙和っていうの。よろしくおねがいしますなのー♪」

 

すると、

 

愛紗「私の真名は愛紗と申します。しかし、曹操様に一つハッキリと申しておきたい事があります。宜しいでしょうか?」

 

と関羽は真っ直ぐと華琳を見て言った。

 

華琳「良いわ、言ってみなさい。」

 

愛紗「私は曹彰様の臣下になりたいのです。その願い、お聞き届けますでしょうか?」

 

華琳「純は我が軍の全権を握っているけど、立場的には弟であり私の配下よ。それを分かって言っているのでしょうね?」

 

愛紗「勿論です。私は曹彰様の勇名を聞き、そのお方に仕えたいと思い、ここまで旅をして参りました。もしこの願いを聞き届けるのであれば、私は曹彰様に絶対の忠誠を誓い、曹彰様の命令のみ従います。しかし、もしこの願いが聞き届けられない場合は、この場で命を絶ちます。」

 

と関羽はハッキリと華琳にそう言った。

 

華琳(へえ、力強い良い眼をしているわね。私に対してあそこまで言える度胸とその意志。正直私の物にしたいわね。純が羨ましいわ。)

 

その時、華琳はそう思いながら見ていた。

 

一刀「華琳・・・。」

 

側では、一刀が心配そうに見ていた。

 

華琳「良いわ。あなたの言った事全て認めてあげるわ。今後は純の為にしっかり働きなさい。」

 

愛紗「認めていただきありがとうございます。曹彰様のため、尽力を尽くします。」

 

そう言って、愛紗は拱手したのだった。

 

華琳「それと・・・一刀。」

 

一刀「ん?」

 

華琳「凪、真桜、沙和。あなた達三人は、この男の指揮下に入って貰うわ。別段の指示がある時を除いては、彼の指示に従うように。」

 

一刀「はああああああ!?」

 

真桜「えー。この兄さん大丈夫なん?この間もウチの絡繰壊しとったやないの・・・。」

 

沙和「んー?私は結構平気かもー。曹彰様程ではないけど、カッコイイし♪」

 

凪「曹操様の命とあらば、従うまでだ。宜しくお願い致します。」

 

一刀「おいおい、ちょっと待てよ、華琳!」

 

華琳「念願の部下よ。嬉しいでしょう?純もそう思わない?」

 

純「そうだな。お前にとっても、良い事だぞ。」

 

一刀(そりゃ、確かに部下は欲しいって言ってたけど・・・俺、部下を指揮するとか指導するとか、そういう経験全然無いんだぞ!?)

 

一刀(そこにいきなり義勇軍を丸ごと渡されて、しかも三人纏めて面倒見ろとか、無茶すぎないか・・・?)

 

華琳「あら。何か問題がある?」

 

桂花「大ありですっ!純様はともかく、何でこんなのに、部下をお付けになるんですか・・・!」

 

これには、桂花は猛反対した。

 

一刀「・・・あ、桂花。いたんだ。」

 

桂花「アンタと違って、私はちゃんと仕事をしていたの。純様、周囲の警戒と追撃部隊の出撃、完了致しました。住民達への支援物資の配給も、もうすぐ始められるかと。」

 

純「ご苦労だった、桂花。」

 

華琳「・・・で、何の話だったかしら?」

 

桂花「これの事です!こんな変態に華琳様か純様の貴重な幹部候補を預けるなどしては・・・早々に穢されてしまいます!」

 

一刀「おい!俺が無能だって言うならまだしも、そういう変な事を吹き込むんじゃない!」

 

桂花「無能なのはそれ以前の問題でしょ!」

 

この話を聞いた

 

凪「・・・。」

 

真桜「・・・。」

 

沙和「・・・。」

 

三人は、ドン引きした雰囲気だった。

 

愛紗「・・・。」

 

それは愛紗も同様だった。

 

一刀「いや、その、誤解ですからー・・・!」

 

真桜「んー。変態かぁ・・・。そういうのに興味がないとは言わんけど、ウチにも趣味嗜好っちゅうもんがなぁ・・・。」

 

沙和「なの・・・。出会ったばかりでいきなりそういうのは、流石に困っちゃうの。まずはお友達か、清い関係からが良いの・・・。」

 

凪「上官の命令とあらば・・・。いや、だが、流石に度を超した命令には逆らう権利が・・・ぐぬぬ。」

 

愛紗「曹彰様。」

 

純「ん?」

 

愛紗「あの者はそういう嗜好のお方ですか?」

 

純「いや、コイツはそういう奴じゃねーよ。多分・・・。」

 

愛紗「そ、そうですか・・・。」

 

純「後、俺の真名は純な。」

 

愛紗「はっ。我が真名は愛紗。宜しくお願いします。」

 

純「ああ。宜しく。」

 

一刀「だから、そういう展開は無いから!そういう要求もしないから!」

 

華琳「・・・私は関知しないから、するなら同意の下でしてちょうだい。三人とも、一刀に無理に迫られたら、痛い目に遭わせて構わないわよ。」

 

一刀「華琳までっ!」

 

純「まぁ、頑張れ一刀・・・。」

 

一刀「純っ!」

 

桂花「首を刎ねても構わないから。・・・いえ、寧ろ刎ねておいてくれると助かるわ。」

 

一刀「だからいちいち刎ねさせようとするんじゃない!」

 

真桜「そういう事なら了解ですわ。・・・じゃ、よろしゅうな、隊長。」

 

凪「了解しました。隊長。」

 

沙和「はーい。隊長さーん。」

 

一刀「隊長・・・ねぇ。」

 

華琳「皆は何か異論がある?」

 

柳琳「いえ。皆さん、これから改めて、宜しくお願いします。」

 

季衣「良かったね、四人とも!」

 

春蘭「・・・。」

 

純「春蘭はどうなんだ?一刀の素質に問題あるか?」

 

春蘭「いえ。これで北郷も、少しは華琳様の部下としての自覚が生まれるのではないかと。」

 

純「・・・そうか。」

 

純(コイツ、面倒事一刀に押し付けてやったーと思ってる顔だな・・・。)

 

華琳「それでは四人の件はこれでいいわね。物資の配給の支度が終わったら、この後の方針を決めることにするわよ。各自、持ち場に戻りなさい。」

 

純「かしこまりました。」

 

そして、それぞれ持ち場に戻ったのであった。




投稿できました。

いつも通り長くて大変申し訳ございません。

今回愛紗を入れましたが、理由は前作で可哀想な扱いをしてしまったので、入れてみました。

劉備陣営の関羽のポジションですが、ある人物を代わりに置く予定です。

この時点で分かった人は、かなり鋭いです(笑)

相変わらず戦闘描写は苦手ですが、お許し下さい(土下座)

それでは、また。
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