恋姫無双〜黄鬚伝〜   作:ホークス馬鹿

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43話です。


43話

冀州・易

 

 

 

袁紹「おーっほっほっほ!これで河北の四州はこの私のものですわね!白連さんの泣きっ面が目に浮かぶようですわ、おーっほっほっほ!おーっほっほっほ!」

 

文醜「おめでとうございますっ!麗羽様ーっ!」

 

田豊「おめでとうございます、麗羽様!」

 

顔良「これで覇業の第一歩を踏み出せましたね!」

 

袁紹「当然ですわ!あの董卓がいなくなった今、この大陸を統一するのはこの私!大!将!軍!袁本初ですわっ!」

 

しかし、

 

文醜「・・・大将軍?」

 

文醜は理解できなかったので、

 

顔良「ほら。この間の董卓討伐の戦功で、朝廷から新しい官位をもらったでしょ。」

 

顔良が説明した。

 

文醜「ああ、前に何進がやってた・・・」

 

袁紹「何かおっしゃいまして。」

 

文醜「・・・いーえ、何でも。」

 

袁紹「ま、元々袁家は三公を輩出した高貴な家柄ですから、たかが大!将!軍!に格上げされたところで、大した事はありませんけれど。おーっほっほっほ!」

 

文醜「そうですねー。まだ上には相国とかいう・・・」

 

袁紹「猪々子さーん。なーにーかー、おっしゃいまして!!」

 

文醜「べ、別に。」

 

田豊「もぅ・・・。せっかく麗羽様のご機嫌が良いのに、なに余計なこと言ってるのよ。」

 

顔良「それで、次に攻めるのは劉備さんのいる徐州ですか?公孫賛さんもそちらに逃げたみたいですけれど。」

 

田豊「当然ね。まず確実に歩を進めて、最終的に曹操を・・・」

 

しかし、

 

文醜「・・・は?」

 

袁紹「・・・え?」

 

顔良「え?」

 

袁紹「何を言っていますの、この娘達は。」

 

と言われたのだった。

 

田豊「で、ですが、ここは戦略的にも・・・」

 

文醜「おいおいおい・・・先約とか前略とかなにノリ悪いこと言ってるんだよ、お前らぁ。」

 

袁紹「次に泣かせてさしあげるのは、華琳さんに決まっているでしょう!」

 

顔良「えええええっ!?そんな、無茶ですよー!」

 

田豊「・・・はぁ。」

 

袁紹軍は相変わらず平常運転だった・・・。

 

 

 

 

陳留・玉座の間

 

 

 

一刀「華琳!袁紹、もう動いたって!?」

 

純「麗羽・・・。」

 

華琳「馬鹿は決断が早すぎるのが厄介ね。」

 

純「敵の情報は。」

 

柳琳「旗印は袁、文、顔。敵の主力は全て揃っているようです。その数、州境におよそ三万・・・」

 

一刀「え、ちょっと待てよ!そんな大軍が・・・!?」

 

純「少し黙ってろ、一刀。・・・その様子だと、報告にはまだ続きがあるんだろ?」

 

秋蘭「また、敵の動きは極めて遅く、奇襲などは考えていない様子。むしろ、こちらを挑発しているような印象さえ受けたと、楼杏殿は言っております。」

 

純「・・・威力偵察か。」

 

華琳「ええ。そうかもしれないわね。」

 

一刀「威力・・・?」

 

燈「こっそり情報を探るのではなく、こちらの軍と一度ぶつかって、それでこちらの実力を計る偵察です。」

 

春蘭「兵の練度を探るなら、刃を交わすのが一番早いからな。それで大体の力は分かる。」

 

桂花「自分達の実力を誇示したいのよ。見栄っ張りの袁本初らしいやり口だわ。」

 

春蘭「で、報告にあった城は楼杏殿が入っているが、兵はどのくらいいるのだ?三千か?五千か?」

 

その問いに

 

柳琳「それが・・・およそ七百。」

 

そう柳琳が答えると

 

春蘭「ななひゃくぅ!?」

 

と驚きの声を上げた。

 

秋蘭「城といっても、州境の監視所と変わらんからな。周囲にはもっと兵のいる街もあるが、一番手薄な所を突かれた。」

 

春蘭「そんなもの、手も足も出んではないか!攻略が始まれば、籠城したところで半日も保たんぞ!そうなれば、楼杏殿が・・・!」

 

純「桂花、今すぐ動かせる兵士はどのくらいいる?」

 

桂花「はい。半日あれば、城の兵から五千。明日には遠征に出ている季衣と流琉が戻りますから、もう一万。北部の駐留軍をかき集めてさらに一万・・・計二万五千ほどかと。」

 

純「少ねーな・・・。」

 

華琳「なら、私の親衛隊を加えればどうなる?」

 

桂花「華琳様!」

 

華琳「非常時に兵だけ遊ばせておいても仕方ないでしょう。どうなの?」

 

桂花「なら、もう三千は・・・」

 

一刀「それでも三万に足りないくらいか。」

 

純「しかし、それでこちらの全戦力を集結させてしまいますと、相手の威力偵察にむざむざ乗る形になります。今後の作戦展開に、大きな支障をもたらしてしまうかと。」

 

稟「はい。純様の仰る通りです。」

 

桂花「はい。私も純様の意見に同意します。」

 

華琳「ふむ・・・。」

 

純「桂花、何か策はあるか?」

 

桂花「はい。ここは件の城の放棄を提案致します。」

 

桂花「袁紹のことですから、小城とはいえ城を落とせば調子に乗ってもっと大きな城を狙いに来るでしょう。もちろん楼杏殿には城を脱出してもらい、楼杏殿を含めて戦力を整え、万全な状態で挑むべきかと。」

 

桂花「数日あれば、さらに三万ほどは集められるはずです。」

 

真桜「調子に乗ってって・・・そんなもんなん?向こうかて、軍師くらいおるんちゃうん?」

 

桂花「確かに向こうには田豊もいるけどね。・・・袁紹がどんな奴か、あなた達も反董卓連合で見たでしょう?調子に乗ったあれが聞くと思う?」

 

真桜「・・・せやな。」

 

桂花「袁紹さえ退ければ、最初の城を取り戻す事は容易です。私の提案する戦の場所は・・・」

 

沙和「え?この城って・・・!」

 

稟「なるほど・・・。」

 

風「・・・。」

 

桂花が目の前の地図で指した場所に、一部は思わず息を呑んだ。

 

柳琳「前に、季衣さんや凪さん達と守った街ですね。」

 

燈「ええ。今この街は、北部の軍の駐留拠点となっているの。ここに兵が五千、周囲の城にもある程度の兵が置いてあるから、守備の兵を残して集めても一万の戦力になるわ。」

 

凪「黄巾の騒ぎから、やっと復興したばかりの街でしょう。それをまた戦火にさらすというのですか・・・?」

 

桂花「その為の兵士と防壁よ。今使わなくてどうするの。」

 

稟「はい。私も桂花と同じ意見です。」

 

凪「純様。私情を挟むようで申し訳ないのですが、この策には反対です。」

 

沙和「沙和もなの!」

 

真桜「ウチも、さすがになぁ・・・。」

 

桂花「あんた達、そんな感情論で戦ってちゃ、勝てる戦も勝てなくなるでしょ!戦火にさらされるのが嫌なのは、どこの村や街だって当たり前なんだから。」

 

真桜「そうは言うけれど、復興したばっかりやで!?まだそれも十分やあらへんのに。」

 

すると

 

柳琳「・・・あの。」

 

柳琳が話しかけてきた。

 

純「どうした、柳琳?」

 

柳琳「いえ、お話中のところ、本当に申し訳ないのですが・・・楼杏さんからの報告には、まだ続きがありまして。」

 

純「何だ。」

 

柳琳「兵の増援は不要だと。」

 

桂花「そのまま撤退するの?」

 

柳琳「いえ。守り切るそうで。」

 

桂花「はぁぁ!?」

 

真桜「それこそ、なんぼなんでも無茶過ぎひんか?ウチらが秋蘭様と防衛戦したときかて、そないな戦力差はなかったで。」

 

一刀「そうだよ。だって、三万対七百だろ?しかも城だってそんなに丈夫じゃないって・・・」

 

一刀(堅固な城なら、攻め手の三分の一の兵力で守り切れるっていうけど・・・四十分の一だぞ!?)

 

稟「楼杏殿は何を・・・!?」

 

純「・・・分かった。ならば増援は送らない。」

 

桂花「純様!?」

 

稟「純様!?」

 

風「・・・。」

 

一刀「ちょっとおい、純!」

 

純「あの人のことだ、何か考えがあっての事だ。秋蘭。」

 

秋蘭「はっ。」

 

純「麗羽達を退けた後、こちらに来るよう楼杏に伝えておけ。皆の前で理由をちゃんと説明してもらうぞ。」

 

秋蘭「・・・御意。」

 

桂花「・・・。」

 

稟「・・・。」

 

純「二人共、聞いているか?」

 

桂花「え・・・あ、はい。かしこまりました。」

 

稟「・・・かしこまりました。」

 

純「お前達も勝手に兵は動かすな。コレは命令だ。・・・守れなかった者は厳罰に処す、良いな。」

 

華琳「皆、分かったわね。解散!」

 

 

 

 

 

苑州・済陰

 

 

 

 

楼杏「三万の大軍団。いなしなければ間違いなく、私達の最後・・・か。」

 

副官A「皇甫嵩様。曹彰様から返事が来ました。増援は送らない代わりに、後で城に来て皆の前で理由を説明しろ、だそうです。」

 

楼杏「そう、分かったわ。相手の性格ならば、この作戦は成功すると思うけど・・・。」

 

副官A「し、しかし、もし袁紹が攻めてきたら・・・!」

 

楼杏「その時はその時よ。あなた達を逃がし、私はこの城と共に討ち死にする・・・と前なら言っていたかもね。」

 

副官A「では?」

 

楼杏「ええ。私もあなた達と共に脱出し、純さんの元に戻る。純さんの夢を叶えるため、まだ死ねないから。」

 

そう言って、楼杏は眼下の袁紹軍を泰然としながら見ていたのだった。

 

 

 

 

袁紹軍本陣

 

 

 

 

袁紹「・・・あの、斗詩さん?私、報告を聞き間違えたのではありませんわよね?」

 

顔良「はい。目の前の城は、見張りの兵士くらいしかいないみたいです。多くても、千いかない程度かと。」

 

袁紹「真直さん。確かに私、相手の手薄な所を選べとは言いましたけれど・・・いくらなんでも、少なすぎません?」

 

田豊「えええ、私達の行動範囲内で一番確実に落とせそうな城を選べって言ったの、麗羽様じゃないですかー!」

 

文醜「確実っていっても、千はないぜ、千は。こっちは三万の大軍団なんだぜ?」

 

文醜「もっとこう、十万くらいの兵がこう、どーんといる所とか選べば良かったのに・・・!」

 

田豊「なんでわざわざ戦力差三倍の相手にぶつかりに行くのよ!」

 

文醜「あたいが四万、斗詩が三万倒せば、後は五分五分だろ。」

 

田豊「計算になってないわよ、それ。」

 

文醜「あ、真直が一万倒すか?」

 

田豊「軍師の私に無茶言わないで!」

 

文醜「でも、楽勝な勝負なんて面白くもないだろ。あたいと斗詩の気合と努力と友情で、ものすごい強敵をずがーんと打ち破るのがいいんじゃないか!あ、後愛ね、愛!」

 

顔良「いや・・・もっと平和なのでいいんだけど。」

 

文醜「愛!」

 

顔良「あー、はいはい。はぁ・・・。」

 

袁紹「この辺りの街ではいけませんでしたの?兵力が五千とありますけれど。」

 

田豊「そこは敵が多いからやめようって言ったの麗羽様じゃ・・・」

 

袁紹「・・・?」

 

田豊「ああ・・・覚えてないんですね。」

 

袁紹「まあいいですわ。そんなしょぼくれた相手なんかちょいちょいっと蹴散らして、華琳さんに私の力を示しておあげなさい。猪々子さん!斗詩さん!」

 

文醜「へーい!」

 

顔良「分かりました。」

 

と言った話があったのだった。

 

 

 

 

 

 

陳留

 

 

 

 

 

春蘭「糧食は後続に持たせろ。我々が持つのは最小限でいい!とにかく、機動力を高めろ!」

 

沙和「騎馬隊を優先なの!歩兵は後からで良いのー!」

 

一刀「お、おい、何やってるんだよ、春蘭!」

 

愛紗「それに凪達も!一体何をやっているのだ!」

 

春蘭「見て分からんか!出撃の準備だ!」

 

一刀「見て分かるから言ってんだよ。純に禁止されてただろ!」

 

愛紗「そうだぞ、春蘭!純様のご命令に従え!

 

春蘭「ふんっ。袁紹ごときに華琳様の領土を穢されて、黙っていられるものか!純様がお許しになっても、この夏侯元譲が許さん!それに、なんとしてでも楼杏殿を助けねば!」

 

凪「・・・済みません、隊長、愛紗。私も春蘭様と同意見です。それに、あの街を戦火にさらす策にも賛成いたしかねます。」

 

真桜「春蘭様!出撃準備、完了したで!」

 

春蘭「よし。先発隊は私が率いる。後続は凪、真桜、沙和。貴様らに任せるぞ。」

 

凪「はっ!」

 

真桜「まかしとき!」

 

沙和「分かったの!」

 

一刀「こらっ、春蘭っ!待てっ!」

 

愛紗「待つのだ、春蘭!」

 

すると、

 

霞「おいこら!自分ら、何やっとんねん!」

 

霞もやって来た。

 

春蘭「ちっ・・・愛紗でも厳しいのに、厄介になった。」

 

一刀「霞!春蘭が楼杏さんの籠もっている城に応援に行くって・・・止めるの手伝ってくれよ!」

 

愛紗「すまない霞、助太刀を頼む。」

 

霞「・・・ったく。ここもイノシシか!どあほう!」

 

春蘭「貴様と愛紗も似たようなものではないか!」

 

霞「ウチと愛紗は自制効くぶんまだマシや!一刀はさっさと純呼んで来ぃ!」

 

一刀「わ、分かった!」

 

そう言い、一刀は純を呼びに行った。

 

霞「本隊、止まれ!止まれぇいっ!」

 

愛紗「止まれぇっ!」

 

春蘭「貴様ら・・・!どうしても止める気か!」

 

霞「当たり前や!もしどうしても行くっちゅうんなら・・・」

 

愛紗「私と霞を倒してからにしろ!」

 

春蘭「上等だ!ならば・・・行くぞ!」

 

霞「来ぃ!」

 

愛紗「止めさせて貰うぞ、春蘭!」

 

そして、互いに得物を構え、ぶつかった。

 

 

 

 

袁紹軍

 

 

 

 

袁紹軍兵士A「文醜様。兵の配置、完了しました。」

 

文醜「んー。」

 

顔良「面白く無さそうだね、文ちゃん。」

 

文醜「あったり前だろー。ガキとケンカして勝てとか言われて、やる気の出る奴なんかいるもんか。」

 

顔良「もぅ・・・。でも、千かぁ・・・。」

 

文醜「こっちは連れてきた兵のうち、麗羽様の近衛以外を全員突っ込んでるんだぜ?半分で行っても半日もかかんないだろ。」

 

顔良「なんか、本当に弱い者イジメだね・・・。」

 

文醜「頭の良い奴の考える事は、えげつないよなー。あ、斗詩は別な。」

 

顔良「・・・作戦は有効っていうのは分かるんだけどね。」

 

袁紹軍兵士B「伝令です!後方の袁紹様から、攻撃はまだかだそうです。」

 

文醜「うー・・・。」

 

顔良「どうする?文ちゃん。」

 

文醜「うーん・・・。なんか、熱出そう・・・。」

 

顔良「え?この程度で?」

 

文醜「だって、百万くらいいると思ったんだもん。とにかくぶち当たればいいやー、くらいに考えてたら、たったの千だぜ、千。」

 

顔良「いや、百万はいくらなんでも無茶・・・」

 

文醜「んー。千かー。千だよなー。んー。」

 

顔良「しないなら、私が号令かけようか?」

 

文醜「いや・・・よーし、決めた!斗詩、全軍に通達!これより行動を開始するぞっ!」

 

そして、顔良と文醜は行動を開始した。

 

 

 

 

 

陳留

 

 

 

 

その頃、春蘭と霞、そして愛紗が激しい戦いを繰り広げていた。その時、

 

一刀「華琳!純!こっちだ!」

 

純「お前ら、何をしている!」

 

華琳「春蘭、やめなさい!」

 

一刀が華琳と純を連れてやって来た。

 

春蘭「かっ!華琳様っ!純様っ!」

 

純「何でこうなったかは大体察するが、説明しろ。」

 

霞「今ええ所なんやから、邪魔せんといてっ!てええええええいっ!」

 

春蘭「・・・くぅっ!」

 

そして、霞が春蘭の剣を吹き飛ばした。

 

香風「おー。勝負あり。」

 

霞「さて、今度はウチの勝ちやなぁ。春蘭。」

 

愛紗「ふむ。霞に先を越されたか・・・。」

 

霞「堪忍な、愛紗。」

 

春蘭「お、おい、今のは油断して・・・っ!」

 

純「見苦しいぞ、春蘭。」

 

華琳「そうよ、春蘭。」

 

春蘭「うぅ・・・華琳様と純様まで・・・。」

 

純「で、何をしているんだ。答えろ。」

 

春蘭「い・・・いかに純様のご判断とはいえ、今回の件、納得いたしかねます!」

 

春蘭「件の城の指揮官がいくら楼杏殿であっても、七百で城を守るのは不可能です。袁紹ごときに華琳様の領地を穢されるなど・・・あってはなりません!」

 

純「それで兵を勝手に動かしたんだな?」

 

春蘭「これも華琳様を思えばこそ!華琳様の御為ならば、この首など惜しくありませぬ!」

 

それを聞いた純は

 

純「・・・はぁ。姉上、こいつにはもう少し説明しておくべきでした。」

 

華琳「そうね。」

 

と華琳に言った。

 

純「・・・分かった。出撃しろ。」

 

春蘭「純様っ!」

 

一刀「純!?」

 

愛紗「純様!?」

 

霞「おいおいおいおい!それでええんか?」

 

純「ただし、これだけの兵を連れて行くことは許さねー。お前の最精鋭・・・そうだな、三百だけ動かすことを許そう。」

 

霞「さ・・・、三百やて!?」

 

香風「純様ー。」

 

純「ああ、香風も同行したいそうだから、こいつは三百に含まなくて構わねーぞ。少数精鋭で動くなら、数日あれば向こうに着くだろうな。構いませんね、姉上?」

 

華琳「我が軍を束ねているのはあなたよ。あなたに任せるわ。」

 

一刀「また無茶な・・・」

 

純「楼杏率いる城の守備隊と合わせれば千になる。これで勝てないようだったら、お前の決死の覚悟で足りねーところを埋めてみろ。・・・春蘭、お前なら出来るぞ。」

 

春蘭「はっ!純様の信任に応えるため、存分に暴れて見せます!総員、騎乗っ!」

 

霞「おい、春蘭っ!」

 

春蘭「腕に覚えのある者だけ私に続け!ただし、城を出る時に三百を越えた者は置いてゆくぞ!出撃!」

 

香風「それじゃ純様、行ってきます。」

 

純「ああ。後の事は任せたぞ。」

 

そして、春蘭達は出撃した。

 

一刀「お、おい、純。ホントに良いのかよ・・・!」

 

霞「いくら何でもそりゃひどすぎひん?七百が千になったかて、相手が三万じゃ足しにもならんで。」

 

愛紗「純様、宜しいのですか!?」

 

純「構わねーよ。どうせ春蘭が到着する頃には終わってるから、三百もいれば十分だ。」

 

純「後は・・・賊退治の話が来てるから、霞と愛紗は、凪達三人を連れてお前が出てくれ。・・・ただし、糧食や矢はちゃんと持って行けよ?」

 

霞「そりゃかまへんけど・・・。」

 

愛紗「純様・・・。」

 

一刀「華琳、良いのか?」

 

華琳「戦の事は全て純に任せてるから、私が口を出すまでもないわ。それに、私は純の判断を信じるわ。」

 

と華琳はハッキリとそう述べたのだった。

 

 

 

 

 

その数日後、

 

 

 

 

何となく眠れなかった一刀は、城壁の上に向かった。すると

 

季衣「あ、兄ちゃん・・・。」

 

既に季衣と流琉が先客として城壁の上の見張り台にいた。

 

一刀「なんだ。二人とも来てたのか。」

 

流琉「はい。季衣が寝られないらしくて・・・。」

 

一刀「ま、そりゃそうだろうなぁ・・・。」

 

一刀(遠くまで見えるここなら、春蘭達が戻ってきたら一番に分かるもんな。だから俺も、ついついここに来ちゃったわけで・・・。)

 

季衣「春蘭様、いつ帰ってくるんだろう・・・。」

 

一刀「三百の騎馬で急いで行っても、州境だからな。どれだけ急いでも、向こうで何かあればまだ何日かはかかるよ。」

 

一刀(まだ伝令の兵も戻ってこないくらいだしな。)

 

季衣「あんな無茶な事するなら、僕も連れて行って欲しかったのに・・・春蘭様の馬鹿。」

 

一刀「季衣達は盗賊討伐に出てたしな。・・・急ぎだったから仕方ないだろ。」

 

実際、この二人が戻ってきたときには、既に春蘭は出撃しており、季衣は再出撃を純に求めたが、許さなかったのだった。

 

季衣「それだって分かってるよぅ・・・。でも、春蘭様・・・無事に帰ってきてくれるよね?兄ちゃん。」

 

一刀「春蘭は殺したって死ぬような奴じゃないだろ。春蘭と互角に戦える奴なんて、呂布や劉備の所の趙雲くらいじゃないか?純と戦ったら負けると思うけど・・・。ともかく、袁紹になんか、やられたりしないよ・・・。」

 

季衣「だよね・・・。」

 

そう言って、季衣は少し涙ぐんでいた。

 

一刀「あーもう。ほら・・・泣くなよ、季衣。」

 

一刀「皆、色々考えてくれるはずだから。な?」

 

季衣「分かってるってば・・・。」

 

ここに来る間も、桂花の執務室の灯りが点いており、様々な件の十手、二十手先の対応を考えている。もちろん純も、稟と風に任せており、今も稟と風は、その先の対応策を考えている。その時

 

秋蘭「どうした、お前達。・・・明日も早いぞ。早く寝ておけ。」

 

秋蘭が、華侖と柳琳、そして栄華を連れてやって来た。

 

流琉「あ、秋蘭様。」

 

一刀「皆も寝られない口か・・・。」

 

華侖「だって、春姉ぇ達、心配っすよ。」

 

栄華「・・・ですわ。いくら香風さんが一緒と言っても、三万対千でしょう?」

 

柳琳「はい。お兄様は大丈夫だと仰っていましたけど・・・」

 

秋蘭「・・・姉者は無事に帰ってくるさ。私はそれを言いに来ただけだ。それに、私は純様を信じるさ。」

 

一刀「それを言うだけなら、三人と一緒にここまで来る必要ないだろ。」

 

一刀(全く、素直じゃないんだから。)

 

秋蘭「ふっ。想像に任せるよ。」

 

すると、

 

季衣「・・・あれっ!?」

 

流琉「ん?どうかしたの?」

 

季衣が何かを見つけた。

 

季衣「ねぇ、みんな!あれ・・・あそこ!」

 

一刀「え?・・・まさか!」

 

そう言って、季衣が指差す方向には、もうもうと上がる砂煙が見えた。

 

栄華「伝令・・・ではありませんわね。」

 

柳琳「だいぶ多いですね。・・・五十、いや、百は超えている?旗印は・・・」

 

華侖「えっと・・・夏侯っす!あれ、春姉ぇっすよ!」

 

一刀「おいおい・・・いくらなんでも早すぎないか?向こうで一日戦ったら、帰ってくるのは明日か明後日か・・・」

 

秋蘭「戦っていないのだろう。」

 

一刀「え?それって、どういう・・・?」

 

秋蘭「ともかく門を開けに行くぞ。姉者を迎えてやらねば・・・流琉は華琳様と純様をお呼びして来てくれるか?」

 

流琉「はいっ!」

 

そして、一刀達は城門に着いた途端、

 

季衣「春蘭様っ!」

 

華侖「春姉ぇー!」

 

季衣と華侖が、春蘭に飛びついた。

 

春蘭「おお、お前達か・・・。」

 

栄華「香風さん!」

 

香風「お兄ちゃーん。」

 

一刀「ああ、お帰り。香風も無事だったか!」

 

香風は馬から降りると、一刀にしがみついた。

 

栄華「あぅ・・・香風さん・・・。」

 

春蘭「北郷も来たのか。貴様にも心配を掛けたようだな。」

 

一刀「心配したさ。けど・・・どうしたんだ?何か、戦ってないみたいだけど・・・」

 

春蘭「うむ、それがな・・・」

 

その時

 

純「出迎えご苦労だったな、春蘭、香風。」

 

華琳と純が出迎えに現れた。

 

春蘭「はぁ・・・。」

 

純「楼杏も、ご苦労だった。」

 

楼杏「はっ!」

 

楼杏も、その場に元気な姿で現れたのだった。




投稿できました。

長いし、ゲームと前作をベースにしております。アレンジを加えましたので、読みにくかったらお許し下さい(土下座)

それでは、また。
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