恋姫無双〜黄鬚伝〜   作:ホークス馬鹿

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48話です。


48話

陳留・玉座の間

 

 

 

 

純「・・・ほお、敵軍が集結していると。」

 

秋蘭「はい。どうも袁紹と袁術の両軍が、官渡に兵を集めているようなのです。」

 

栄華「徐州の制圧は予定通りに進んでいますけれど、沿岸部はまだ完全ではありませんから・・・。袁術達には、そこと海路を利用された形ですわ。」

 

一刀「でも、それって意味があるのか?袁紹と袁術が南北から別々に攻めてくるって予想だったろ?」

 

一刀(どう考えても、袁術は徐州や豫州の南側を削った方が俺達へのプレッシャーになるし、補給だってしやすいだろうに。)

 

華侖「でも、兵士の数は倍になるっすよ!」

 

風「指揮系統が整っていないと、ただ人が増えるだけになりますけどねー。」

 

桂花「うまく連携が取れなかった場合、互いの足を引っ張り合って、むしろ味方に不利になる事の方が多いわ。連合や黄巾の時を覚えているでしょう?」

 

一刀「ああ。袁紹と袁術で連携は・・・無理だろうなぁ。」

 

純「こちらとしてはやりやすくなった。」

 

華琳「ええ、二面作戦を取らなくて良い分ね。」

 

季衣「・・・数が増えたのに、楽になる・・・?」

 

流琉「あはは、分かってない顔だね、季衣。」

 

季衣「そういう流琉は分かってるの?」

 

流琉「うん。秋蘭様に色々教わってるもの。」

 

季衣「・・・うー・・・どういう意味ですか、春蘭様ぁ。」

 

春蘭「うむ。二面作戦を取らなくて良くなった分、こちらにとっては楽になったということだ。」

 

純「・・・どう楽になったんだ?言ってみろ。」

 

春蘭「そ、それは・・・おい北郷!その辺りについてちょっと説明しろ!」

 

一刀「俺がかよ。」

 

春蘭「お前がだ!」

 

一刀「はぁ・・・最初の作戦だと、季衣と流琉は別々に行動する予定だったろ?けど、今回は敵が一つに纏まってくれたから、季衣と流琉は一緒に戦えるようになったわけだ。」

 

一刀「季衣と流琉が組めば、一人で戦うよりずっと楽で強いだろ?」

 

季衣「あー。そういうことなんだー。」

 

一刀「その反対に、敵は仲の悪い奴が共同で戦う事になるから、連携が取れない分やっつけやすくなるかも~って事だ。」

 

流琉「仲が悪いって、季衣と張飛さんみたいにですか?」

 

一刀「そういう事。季衣と張飛が組んで、流琉の時みたいにやりやすくなると思う?」

 

季衣「無理!ありがと、兄ちゃんの説明、すっごく分かりやすかった!」

 

すると、

 

春蘭「お、お前・・・。」

 

春蘭は一刀を驚きの表情で見ていた。

 

一刀「何だよその目は・・・。同類だと思ってた?俺、純に色々教わってるし。」

 

春蘭「くっ、北郷如きにバカにされるとは・・・!」

 

純「はぁ・・・春蘭、お前も少しは一刀を見習え。」

 

華琳「そうよ、春蘭。」

 

春蘭「・・・は、はぁい。」

 

純「ともかく。・・・兵を集結させて戦えるというなら、こちらに負ける要素は何もねーな。ただ、唯一警戒すべきは・・・」

 

秋蘭「・・・孫策の一党ですか。」

 

純「そうだ。袁術の主力には春蘭、お前に当たってもらう。第二陣の全権を任せるから、孫策が出て来たらお前の判断で行動しろ。」

 

純「季衣、流琉は春蘭の補佐に回れ。」

 

春蘭「御意!」

 

季衣「はいっ!」

 

流琉「分かりました!」

 

華琳「純、麗羽に相対する第一陣はどうするのかしら?」

 

純「はい。栄華に任せます。」

 

栄華「お、お兄様、私ですの?」

 

純「行軍中は輜重隊を任せるが、戦闘の間は指揮を取れ。官渡なら、あれが出せるだろう。」

 

栄華「・・・はい。かしこまりましたわ。」

 

すると

 

霞「ちょいちょいちょい!何で栄華やねん。袁紹とやるなら、ウチがやりたいわ。」

 

霞が待ったをかけた。

 

純「ほお、随分と張り切っているな、霞。」

 

霞「まあな。反董卓連合ん時の借りやらなんやら、色々あるからな。」

 

華琳「純、どうする?」

 

純「・・・分かった。なら指揮は霞に任せる。栄華は補佐に付け。他に誰の補佐が欲しい?」

 

霞「それなら、凪達三人がええなぁ。一刀、貸してくれへん?」

 

一刀「そりゃ、俺は良いけど・・・良いのか?純。」

 

純「元々入れようと思っていたから構わねーよ。一刀は、華侖達と一緒に本陣に詰めてくれ。」

 

一刀「了解。」

 

純「愛紗と楼杏も頼めるな。」

 

愛紗「御意。」

 

楼杏「畏まりました。」

 

純「どこかで暴れる機会はきっとある。それまで、闘気は内に秘めておけ。」

 

愛・楼「「はっ!!」」

 

桂花「というわけで、第一陣にはこちらの秘密兵器の講義を受けてもらうわよ。霞も良いわね?」

 

霞「・・・なんや?どんな兵器なん?」

 

桂花「秘密兵器は秘密兵器よ。それ以上はまだ教えられないわ。」

 

霞「うー・・・あんまり面倒なんは、勘弁して欲しいんやけど。」

 

純「そもそも第一陣はそれの運用と護衛が目的の部隊だ。敵部隊との直接戦闘は、第三陣の秋蘭と香風が当たれ。」

 

霞「ええーっ!なんでやねんっ!」

 

秋蘭「承知しました。」

 

香風「はーい。」

 

霞「うわー・・・貧乏くじ引いたぁ~・・・。ならウチ、普通に第三陣に入っときゃ良かったやん・・・。」

 

純「話を最後まで聞かずに勇み足を踏んだのはお前だぞ。今さら変更はしねーぞ。」

 

華琳「ふふ、そうね。純の言う通りよ。」

 

霞「あぅぅ・・・しゃあないかぁ。」

 

純「官渡という立地からも、相手の指揮権は袁術ではなく麗羽にある。桂花は麗羽の軍師の考え方を予測して、基本戦略を立ててくれ。」

 

桂花「でしたら、一つ策がありまして・・・将を何人か回していただきたいのですが。」

 

純「構わん。誰が良い?」

 

桂花「はい。柳琳と華侖、それから香風の三名を。」

 

一刀「・・・結構な戦力だな。」

 

桂花「それだけ重要な策なのよ。代わりに、成功すれば相手に致命傷を与えられるわ。」

 

純「分かった。三人も良いな?」

 

侖・柳・香「「「分かったっす!/分かりました!/はーい。」」」

 

純「稟と風は桂花を補佐し、広い戦場をくまなく把握出来るようにしてくれ。」

 

風「分かりましたー。」

 

稟「了解です。」

 

純「他の皆も戦の準備を整えておけ。相手はどうしようもない馬鹿だけれど、それでも河北四州と、江南を治める袁一族だ。慢心していると、足を掬われるぞ。姉上、宜しいですか?」

 

華琳「あなたに従うわ。これより我らは、大陸の全てを手に入れる!皆、その初めの一歩を勝利で飾りなさい。良いわね!」

 

こうして、戦に向けての準備が始まった。

 

 

 

 

兗州・官渡近く

 

 

 

 

一刀「なあ、真桜ー。」

 

真桜「何や~?」

 

一刀「桂花が散々引っ張ってる秘密兵器って、何なんだ?凪も沙和も教えてくれないんだよ。」

 

真桜「秘密兵器は秘密兵器や。それ以上はまだ内緒やで。・・・っつーか、どうせ言うても分からんやろ?」

 

一刀「それは凪達だって同じだろ。」

 

桂花「真桜、もうすぐ官渡よ。例のアレは到着し次第、すぐに準備を始めてちょうだい。」

 

真桜「はいな。したら、ちゃっちゃと組み立ててまうわ。」

 

一刀「ああ、やっぱり組み立て式になったのか。」

 

真桜「まあなぁ。そこだけは隊長に感謝しとるけどな。・・・ほな、隊長もしっかり生き残りいや。」

 

一刀「頑張るよ。真桜達こそ気を付けてな。」

 

一刀(・・・っていうか、感謝してるならついでに教えて欲しいんだけど。)

 

 

 

 

官渡・袁紹軍

 

 

 

 

袁紹「おーっほっほっほ!おーっほっほっほ!」

 

文醜「うわ、何すか麗羽様このお立ち台。」

 

袁紹「おーっほっほっほ!素晴らしいでしょう。これだけ大きな櫓があれば、私の威光もより遠くまで届くのですわ!おーっほっほっほ!」

 

文醜「そんなことのために・・・。」

 

顔良「違うよ、文ちゃん。これ、本当は上に弓兵を昇らせるために作ったの。」

 

文醜「弓兵・・・?ああ、なるほどな。矢を射るんなら、高い所からの方が有利だもんな。でも、どこからこんな資材調達してきたんですか。」

 

田豊「私が頑張って用意したに決まってるでしょ!麗羽様、別働隊も、予定通り出発致しました。」

 

袁紹「結構ですわ。真直さん、今回は大活躍ですわね。」

 

田豊「ふふん。私達軍師が本気を出せば、こんなものですっ!ああ、策を弄し、直接対決をする前に敵陣に致命的な一撃を加える・・・なんて軍師らしい仕事!」

 

田豊「私、今間違いなく輝いているわよね!」

 

袁紹「真直さんも本気を出したようですし、これで我が軍の勝利は間違いなしですわ!おーっほっほっほ!」

 

顔良「それはいいですけど麗羽様ー!そこから曹操さん達の様子、見えませんかー?」

 

袁紹「しっかりはっきり見えますわよ!ウチや美羽さんの所に比べて・・・多くありませんわねぇ。この人数なら、まさに勝ったも同然ですわ!おーっほっほっほ!」

 

顔良「じゃあ、何人くらいいそうですかー?後、陣形はどんな感じですかー?」

 

袁紹「沢山ですわー!なんだかばーっと並んでいますわよー!」

 

文醜「・・・斗詩。悪いことは言わないから、その辺の兵士を昇らせた方がいいぜ。」

 

顔良「・・・うん。そうするよ。」

 

顔良「真直ちゃんも珍しく機嫌が良いけど、それが逆に心配だなぁ・・・大丈夫かな。」

 

 

 

 

 

曹操軍

 

 

 

 

官渡に辿り着いた華琳達が見た物は、辺りを埋め尽くす袁一族の連合軍と、巨大な櫓の列だった。

 

華琳「・・・あの櫓は厄介ね。あそこから陣形を読まれたり、矢を射かけられたりしてはたまらないわ。」

 

純「その為の秘密兵器ですよ、姉上。」

 

桂花「そうです。真桜、用意は出来ているわね?」

 

真桜「完璧や!任しとき!」

 

秋蘭「・・・純様、袁紹が出て来ました。あの櫓も一緒です。」

 

華琳「・・・動くの!?あの櫓は。」

 

純「無駄な所に手を掛けてるなぁ・・・あいつは。」

 

華琳「ホントね・・・。」

 

純「・・・まあいっか。行って来るから、準備をしとけよ。いつでも攻められるようにな。」

 

桂花「御意!」

 

そして、華琳と純は袁紹と対峙した。

 

袁紹「おーっほっほっほ!おーっほっほっほ!」

 

華琳「・・・そうして見下されると、なんだか無性に腹が立つわね。」

 

純「あはは・・・。」

 

袁紹「華琳さん、高い所から失礼致しますわよ。純さんも、ゴメン遊ばせ。おーっほっほっほ!」

 

華琳「笑うだけしか能が無いのかしら?随分と毛並みも悪くなっているようだし、もう年ではなくて?」

 

袁紹「なぁんですってぇ!誰が目尻に小じわの目立ってきたオバハンですってぇ!」

 

華琳「・・・流石にそこまでは言っていないわよ。」

 

純「どんな耳してんだよ、ったく・・・。」

 

袁紹「だまらっしゃい!たかが宦官の孫の分際で生意気ですわよ!純さんと違って!」

 

純「・・・姉上、俺も宦官の孫なんですけどね。」

 

華琳「ええ、そうね。けど、その宦官の孫の千ちょっとの手勢に、この間良いようにされていたのはどこのどなたかしら?」

 

袁紹「・・・へ?」

 

華琳「あら。気付いていなかったの?それは失礼。名門袁家の一族の目は、家柄と役職しか見えない節穴だったのを忘れていたわ。」

 

純「・・・はぁ。」

 

袁紹「な・・・な・・・な、な、なななな・・・っ!」

 

袁紹「良いですわ!ここであなたを叩き潰して、この櫓の上からそのクルクル髪を吊してあげますわ!」

 

袁紹「最初はびよんびよん元気に撥ねているでしょうけれど、そのうち元には戻らなくなってしまうでしょうね!そしてその横で、純さんと婚礼を・・・おーっほっほっほ!」

 

純「俺、流石にコイツと婚礼は遠慮するわ・・・。」

 

華琳「残念。その前にあなたを打ち倒して、河北四州と袁術の江南、丸ごと頂く事にするわ。だから、そんな光景が見られるのは、あなたの歪んだ妄想の中だけになるでしょうね。」

 

袁紹「本性を現しましたわね、性悪小娘!でも残念ながら、この大陸に覇を唱えるのはこの私、袁本初ですわっ!」

 

華琳「本性を現したのはどちらだか。まあ良いわ。さっさと私の徐州を出て行って、南皮を明け渡しなさいな。」

 

袁紹「わ、私の・・・私の徐州ですって・・・!?純さんだけならまだしも、この徐州は、この私の物ですのよ!」

 

純(あ、俺は良いんだ・・・。)

 

袁紹「猪々子さん、斗詩さん!櫓を用意!弓兵に一斉射撃をお命じなさいっ!」

 

華琳「あら残念。撃ち方なら、こちらの方が・・・」

 

その時

 

ドカーン!!

 

袁紹「・・・へ?」

 

華琳「・・・少し早かったようね?」

 

純「そうですね。」

 

豪快な音が響き、櫓を一つ破壊したのだった。

 

 

 

 

第一陣

 

 

 

 

 

栄華「おーっほっほっほ!おーっほっほっほ!」

 

沙和「栄華様が壊れたの・・・。」

 

栄華「う、うるさいですわね・・・。お姉様とお兄様の手前遠慮していましたけれど、一度やってみたかったんですの。」

 

霞「確かに、違和感全然ないな・・・。で、どうやった?」

 

栄華「・・・なかなか悪い気分ではありませんわね。クセになってしまいそうですわ。」

 

栄華「コホン。それはともかく、大成功ですわね、真桜さん!」

 

真桜「せやろ?流石ウチの最高傑作や!ホンマ大将に感謝や!」

 

凪「真桜。投石機の次弾装填、終わったぞ!」

 

真桜「よっしゃ!沙和、照準はどないや!」

 

沙和「距離良し!方向良し!目標、次の櫓に合ってるの!」

 

真桜「ほんなら、もういっちょ、撃てーぃっ!」

 

ヒュー・・・ドカーン!!

 

霞「命中や!これで半分くらい潰せたな。後半分、気合入れて行きぃっ!」

 

真桜「それはええけど、姐さんと栄華様も手伝うてぇな。この石、結構重いねんて!」

 

霞「えー。ウチ、箸より重い物持った事あらへんもーん。当たったかどうか見たるから、な?」

 

栄華「私も無理ですわ・・・。そういうのは、力自慢の皆様にお任せ致します。」

 

真桜「・・・。」

 

霞「ほら、凪を見てみぃ!黙々と働いて・・・ええ子やなぁ。後でアメちゃん買うたるさかいな。」

 

凪「・・・出来れば、ご飯の方が。」

 

栄華「なら、今回は特別に宴会の予算を出して差し上げますわ。もう一息、頑張って下さいまし!」

 

霞「ほらほら、次は照準合わせぇ!向こうの一番奥の櫓、あれにするで!いっこ倒しゃ、宴会のごちそうがひと皿増えると思い!」

 

沙和「照準、合わせたの!」

 

霞「なら、撃てーっ!」

 

真桜「ちょっと、ウチの台詞ー!」

 

 

 

 

本陣

 

 

 

 

 

ドカーン!!

 

袁紹「・・・えーと。」

 

華琳「残念。自慢の櫓は、役立たずのようね。」

 

袁紹「あ・・・あんなの卑怯ですわっ!あんな遠くからでっかい岩を飛ばすだなんて、どんな妖術を使ったんですの!」

 

華琳「そんな物は使っていないわ。ただ、私の自慢の弟と、少しだけ賢い子がいただけのことよ。」

 

袁紹「ま、まあ・・・こんなものは序の口ですわ。本命は・・・」

 

その時

 

純「ん?」

 

華琳「・・・何?」

 

本陣後方から動きがあった。

 

袁紹「あらあら、華琳さんの陣の後方からですわね。私の別働隊が、少々おいたをしてしまったようですわ。」

 

袁紹「躾の悪い子達で、申し訳ありません。おーっほっほっほ!」

 

その様子を

 

華琳「・・・。」

 

純「・・・。」

 

二人は冷めた様子で見ていた。

 

 

 

 

 

曹仁隊

 

 

 

 

 

袁紹軍兵士A「撤退、撤退ーっ!」

 

華侖「そっちのやる事なんかお見通しっす!弓隊、あっちの方を狙うっす!撃てーっ!」

 

袁紹軍兵士B「うわっ!まずい、退け、退けぇっ!」

 

柳琳「あんな所に伏兵がいたの・・・!?姉さん、よく分かったわね。」

 

華侖「何となくそんな感じがしたっす!それより、このまま一気に敵の奇襲部隊を追い払うっすよ!」

 

柳琳「うんっ!誰か、お兄様に迎撃成功の連絡を。鏑矢をお願いします!」

 

曹操軍兵士A「了解です!鏑矢、放てーっ!」

 

 

 

 

 

本陣

 

 

 

 

 

袁紹「・・・なんですの、あの鏑矢は。」

 

華琳「ああ、その躾の悪い連中を、私の隊が打ち破ったようね。全く、自分の所の兵くらい、自分で躾けておきなさい。」

 

純「あはは・・・。」

 

袁紹「な・・・なんですってぇぇぇぇぇ!!」

 

すると、袁紹軍の後方からも変化が現れた。

 

袁紹「ちょ!?今度は我が軍の後方ですって・・・っ!まさか!」

 

 

 

 

徐晃隊

 

 

 

袁紹軍兵士C「撤退、撤退ーっ!」

 

香風「・・・あった。糧食。」

 

曹操軍兵士B「徐晃様。火を放ってよろしいですか?」

 

香風「・・・うん。もったいないけど、やって。」

 

曹操軍兵士B「はっ!糧食と補充の矢に火をかけろ!森には燃え広がらないよう注意しろよ!」

 

香風「シャンは追撃する。あとよろしく。」

 

曹操軍兵士C「了解です!」

 

 

 

 

本陣

 

 

 

袁紹「か、か、かかか・・・華琳さんっ!!!」

 

華琳「ああ。これらの作戦を計画したのも、我が軍を率いているのも純だから別に謝らないわよ。」

 

袁紹「くぅぅ・・・っ!なら、この決着は正面からつけさせていただきますわ!」

 

華琳「はいはい。」

 

純「・・・おい、そう言っている間に、自慢の櫓もお前のが最後だぞ。」

 

袁紹「ちょっ!まさか!」

 

袁紹「ひゃああああああああああああああああーっ!」

 

純「あ、落ちた。」

 

華琳「あら。三公を輩出した名門汝南袁氏の当主が、随分とはしたない声を。」

 

袁紹「お、おのれおのれおのれーっ!後で泣かせてあげますから、覚えてらっしゃい!」

 

華琳「はいはい。それが自分にならないようにね。」

 

 

 

 

袁紹軍本陣

 

 

 

田豊「麗羽様!後方の輜重兵が襲撃を受けて・・・!」

 

袁紹「分かっていますわ!」

 

田豊「それに、曹操軍の後方を叩きに行った韓猛も、どうやら失敗らしくて・・・。」

 

袁紹「ですから、それも存じていますわ!」

 

袁紹「あのクルクル小娘・・・この私に、純さんの前で私にこれだけの恥をかかせて・・・絶対に許しませんことよ!」

 

袁紹「総員、攻撃の用意を!礼儀を知らない野犬の群れを、我が名門に仕えるあなた達で存分に躾けて差し上げなさい!よろしくて!」

 

 

 

 

 

曹操軍本陣

 

 

 

 

 

桂花「お疲れ様でした、華琳様、純様。」

 

純「後で真桜には褒美を与えておくようにな。」

 

華琳「けど、あの投石機は大したものだわ。純の発案でしょ。あなたはやはり、戦の天才ね。」

 

純「はは。まあ、ただの思いつきですけど・・・。」

 

桂花「承知致しました。曹仁隊・徐晃隊の両部隊は、そのまま遊撃に回しております。」

 

純「あれで少しやり過ぎな気もしたが・・・麗羽相手ならあれくらい分かりやすい方が良いだろう。お前の褒美も後で取らせるからな。」

 

桂花「はいっ!」

 

華琳「純、皆に言葉を。全て任せるわ。」

 

純「はっ。皆、これからが本番だ!向こうの数は圧倒的。けれど、協力も連携も知らねー、黄巾と変わらぬ烏合の衆だ!」

 

純「血と涙に彩られた調練を思い出せ!あそこで培われた団結と連携をもってすれば、この程度の相手に負ける理由などありはしねー!いいな!」

 

純・紹「「全軍、突撃!」」

 

そして、官渡の戦いの、河北の覇者を決める最後の決戦が始まった。




投稿できました。

しかし曹操、この戦いによく勝ったな・・・。

そ、それでは、また。
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