恋姫無双〜黄鬚伝〜   作:ホークス馬鹿

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5話です。


5話

一刀の部屋

 

 

 

ドカッ

 

 

 

一刀「な、なんだっ!?」

 

一刀は、ノックも無しに突然扉が開けられる音に驚いた。入ってきた者は、

 

春蘭「北郷一刀!」

 

物々しい雰囲気を出した春蘭と秋蘭だった。

 

一刀「ど、どうしたんだ、二人とも・・・。そんな物々しい雰囲気で・・・。」

 

一刀「他国の襲撃か?」

 

その雰囲気に一刀は思わずそう言った。しかし、

 

一刀(それならなんで俺の所に来たんだ・・・?華琳の指示か・・・?)

 

と思った。

 

春蘭「そのような事、貴様が知る必要は無い!」

 

秋蘭「うむ。大人しく、我々に付いてきてもらおう。悪いようにするつもりは無いが・・・逆らえば、分かっているな?」

 

と威圧感に近い雰囲気で言われてしまった。

 

一刀「お、俺・・・何もしてないぞ!」

 

春蘭「うるさい!言い訳は後で聞く。付いてくるのか、来ないのか!」

 

これには、

 

一刀「わ、分かった・・・。だから、手荒な事はしないでくれよ・・・?」

 

そう言い、従わざるを得なかった。殺気むき出しで言われているため・・・。

 

春蘭「ふん。そうして欲しければ、大人しくキリキリ歩けっ!」

 

そのまま、一刀は春蘭と秋蘭に連れてかれたのだった。

 

 

 

 

陳留・城下

 

 

 

 

一刀「・・・はい?」

 

連れて来られたのは、牢屋でも取調室でもなく、

 

春蘭「どうした?」

 

一刀「あの、取り調べは?」

 

街だった。

 

秋蘭「・・・取り調べられるような事をしたのか?」

 

一刀「カツ丼を前にして、さあ吐けーとかは?」

 

春蘭「かつどん?秋蘭、こいつは一体何を言っているのだ?」

 

秋蘭「さあ。良く分からんが・・・吐くほど痛めつけられるのが趣味だと言うなら、考えてやっても良いぞ。」

 

一刀「いやいやいや!別にそんな趣味ないから!」

 

春蘭「なんだ、つまらん。」

 

一刀「つまらなくないっ!・・・で、俺をこんな街中に連れてきて、どうするつもりなの。」

 

この質問に、

 

春蘭「どうするも何も、買い物に来たに決まっているだろう。普通、今までの流れで分からんか?」

 

と春蘭は言った。この回答に、

 

一刀「・・・はぁ?」

 

一刀は意味が分からなかった。

 

春蘭「言葉が通じなかったか?買い物だと言ったのだ、買い物と。分かるか?言葉は通じるのだろう?か、い、も、の!」

 

一刀「いやいやいや!分かるけどさ!」

 

春蘭、あんな殺気むき出しじゃ、買い物の誘いとは思わんぞ・・・。

 

春蘭「・・・秋蘭。私は何か間違っていたのか?」

 

秋蘭「いや、ごく普通だと思ったが・・・?」

 

春蘭「ほら!秋蘭が普通だと言うなら、私は間違っておらん!おかしいのは貴様の方だ!」

 

一刀「そ、そうなのか・・・?」

 

秋蘭「うむ、そうなのだろうな。」

 

そう言う秋蘭だったが、こめかみ辺りがピクピクしていたのだった。

 

一刀(秋蘭、春蘭で遊んでるな!)

 

春蘭「貴様がどの国に住んでいたのかはどうでも良いが、我が国には我が国のしきたりがあるのだ!貴様も華琳様に拾われた身ならば、その流儀に慣れてもらおうか!」

 

一刀「・・・分かったよ。でも、俺を誘う時はそんな殺気丸出しじゃなくて別に良いから。」

 

春蘭「・・・別に、殺気など出してはおらん!」

 

一刀「嘘だぁ。」

 

春蘭「単に貴様が嫌いなだけだ!」

 

一刀「・・・それ、もっと悪くないか?」

 

春蘭「なんだとぅ!」

 

すると、

 

秋蘭「やれやれ。二人とも、漫談はその辺りにしておけ。吟味する時間がなくなってしまうぞ。」

 

そう言い、秋蘭が間に入って止めた。

 

春蘭「む、それは一大事だな。」

 

一刀「そんなに大事な買い物なの?」

 

春蘭「当然だ。本来なら、貴様など連れてくるような買い物ではないのだ。私は気に食わんが、秋蘭がどうしてもと言うのでな・・・。」

 

一刀「・・・なら、連れて来なけりゃ。」

 

春蘭「なんだとぅ!」

 

秋蘭「姉者。」

 

春蘭「う・・・うむ。」

 

秋蘭「北郷も、こちらに他意はないのだ。時間が許すなら、我々の吟味に意見を貰えると助かるのだが・・・構わんか?」

 

一刀「ああ。そりゃ、大丈夫だけど・・・」

 

春蘭「だけどなんだっ!私達の決めた事に不満があるとでも言うのかっ!」

 

秋蘭「姉者。」

 

春蘭「う・・・うむ。」

 

一刀「なら、俺を連れてくるより純を連れてきた方が良かったんじゃないか?俺より気心の知れた純の方が適格な意見をくれるだろうし。」

 

春蘭「仕方あるまい。我々が行ったときいなかったのだから。」

 

一刀「いなかった?」

 

秋蘭「うむ。我々も本当は純様を連れて行きたかったのだがいなくてな。どうやら早朝から出かけてしまったらしい。」

 

一刀「そうなのか。」

 

一刀(正直残念だ。同じ男子仲良くしようと思ってたのも理由の一つだが、本当の理由は、この姉妹を止められる人が一人でもいたら助かったんだけどなぁ・・・。)

 

一刀がそう思っていると、

 

春蘭「むっ、貴様純様に何か後ろめたい事があるんじゃないだろうな。」

 

一刀「はいっ?」

 

春蘭がいきなり一刀にそんな事を言った。

 

一刀「な、何を根拠に・・・」

 

春蘭「貴様は私達と一緒にいるのにいない純様の事を気にした!それが証拠だ!」

 

一刀「べ、別に後ろめたい事なんてないよ!」

 

すると、

 

秋蘭「・・・北郷。」

 

一刀「は、はいっ!!」

 

静かな声だがはっきり伝わる殺意に一刀は思わず声が震えてしまった。

 

秋蘭「純様に何か迷惑を掛けたら・・・分かっているよな?」

 

一刀「は、はい!!了解しました!!」

 

殺気全開の秋蘭に、一刀はつい敬礼してしまった。

 

春蘭「う、うむ。分かれば良いのだ。」

 

流石の春蘭も震えた声で言った。

 

一刀「と、とりあえず行こうか。このままだと吟味する時間もなくなってしまうぞ。」

 

春蘭「そ、そうだな。ほ、ほら、秋蘭行こうか。」

 

すると、

 

秋蘭「・・・うむ、そうだな。」

 

秋蘭は殺気を抑えたのだった。

 

一刀(よ、良かった・・・。あのままだったら、漏れてたかも・・・。)

 

そして、皆で買い物を始めた。

 

春蘭「あれは中々に掘り出し物だったな、秋蘭。」

 

秋蘭「だな。次の会議に向けて、純様の判断を仰ぐ事にしよう。」

 

一刀「・・・。」

 

買い物は、先程の店で三件目だった。鍛冶屋で武器を少し見て、露店で馬具を流し見て、乾物屋で保存食の話をし、全て軍用の備品の話だった。

一刀には口の出しようがなく、ただただ肩身の狭い思いをしていたのだが、秋蘭のある一言に疑問を感じた一刀は、

 

一刀「なあ、秋蘭。」

 

秋蘭「何だ?」

 

一刀「なんで、軍用の備品関連の事を純に判断を仰がせるんだ。華琳じゃないのか?」

 

と尋ねた。

 

春蘭「貴様、何か文句があるのか!!」

 

一刀「べ、別に文句があるわけじゃ・・・!!」

 

秋蘭「姉者。」

 

春蘭「う・・・うむ。」

 

秋蘭「それはな、軍に関する事は全て純様に委ねられておるのだ。」

 

一刀「そうなのか?」

 

秋蘭「うむ。我が軍において、最も戦に長けているのは純様だ。その為、軍の徴兵、武器兵糧の補充、そして全軍の指揮は全て純様が握っておられる。だから、純様に仰ぐのだ。」

 

一刀「そうなんだ・・・。」

 

一刀(そう言えば、華琳もそういった事を言っていたな・・・。)

 

と一刀はそう感じていた。

 

秋蘭「それはそうと北郷、お前に次見て欲しいのは、これなのだが・・・。」

 

そして、次の店で見た一刀は、

 

一刀「これは?」

 

服だった。

 

 

 

 

純「そっち行ったぞ!!捕まえろ!!」

 

警備兵A「はっ!!」

 

一方の純は、街の警邏をしていた。春蘭達が誘おうとしたとき、純はちょうど警邏の準備でいなかったためだ。

 

純「連れて行け!!」

 

警備兵B「ははっ!!」

 

そして、犯人を追い詰め、捕まえたのだった。

 

純「ふぅ・・・。」

 

すると、

 

市民A「曹彰様、ありがとうございます!!」

 

市民B「流石曹彰様だぜ!!もう捕まえちまった!!」

 

市民C「いつもありがとうございます!!」

 

市民D「流石『黄鬚』様だぜ!!」

 

その周りにいた市民が、純を一斉に褒め称えた。

 

純「俺は大したことしてねーよ、全てはこいつらのお陰だ。」

 

純はそう言って、一部の警備兵の肩を叩いた。

 

市民E「いつもありがとうございます、警備兵様!!」

 

そう言われ、警備兵達も嬉しそうな表情をしたのだった。

 

 

 

 

純「さて、どうすっかなぁ・・・。」

 

暴漢を捕まえ、後の事は警備兵に任せたため、暇になった純は適当にブラブラしていた。すると、春蘭達三人組が目に入った。

 

純「何騒いでんだ、あいつら・・・。」

 

そう思った純は、話しかけるため三人組に歩んだ。

 

 

 

 

 

春蘭「じゃあ次の店に行こうか。」

 

秋蘭「ふむ、そうだな。」

 

一刀(ちょっ!?まだ回るつもりなのか!?)

 

そう思った一刀は

 

一刀「ちょっと待ってくれ!!少し休もうぜ!!」

 

と二人に言った。

 

春蘭「何を言っている。そんな時間があるわけないだろう。」

 

秋蘭「うむ。時間は限られているのだからな。」

 

しかし、思いは届かなかった。

 

一刀(誰か俺を救ってくれー!!)

 

そんな事を考えていたその時、

 

純「何やってんだ、お前ら?」

 

純がやって来た。

 

一刀(来たぁー!!!)

 

一刀は救いの神が来たと思い、感激していた。

 

春蘭「おお、純様!今までどこにいたのですか?」

 

純「ちょっと街の警邏をしていた。お前達は?」

 

春蘭「はい!私達は華琳様と純様に似合いそうな服を探していたのです!」

 

秋蘭「純様、これなんかどうでしょうか?」

 

すると、秋蘭は純に買った服を見せた。

 

純「スゲー良い服だな。ありがとう、秋蘭。」

 

そうお礼を言った純。それを聞いた秋蘭の頬は普段と違って緩んでいた。

 

一刀(まだこの世界に来て日が浅いけど、秋蘭のあんな顔初めて見たな・・・。)

 

秋蘭「ところで、純様はこれからどうするおつもりなのですか?私達はこのまま店を見て回るつもりですが。」

 

純「悪い、俺この後書類纏めなきゃなんねーんだよ。メンドーだけど・・・。」

 

と残念そうに純は言った。

 

秋蘭「そうですか・・・。」

 

それを聞いた秋蘭は、少ししょんぼりした顔をした。それを見た純は、

 

純「そんな顔をするな、秋蘭。今度一緒に行けたら、一緒に街を回ろう。なっ。」

 

そう言い、秋蘭の頭を撫でてやった。秋蘭は目を細め擽ったそうにしていたが、気持ち良いのか、純に擦り寄ってきたのだった。

 

一刀(秋蘭って、純と一緒だと色んな顔するんだな・・・。)

 

それを見た一刀は、普段の秋蘭とのギャップに驚いていた。

 

純「それじゃあ、俺行くな。春蘭も、買いすぎて栄華に叱られないようにな。」

 

春蘭「わ、分かっております!!」

 

純「はは。じゃあ秋蘭、また後でな。」

 

秋蘭「・・・あ・・・。んんっ、はい、分かりました。」

 

その時、秋蘭は一瞬寂しそうな表情をしたが、すぐに咳払いをして、いつものクールな顔に戻ったのだった。

 

純「そんじゃ一刀、気を付けてなー。」

 

そう言い、純は手をヒラヒラさせながらその場を後にしたのだった。

 

一刀「気を付けて言うくらいなら助けてくれー!!」

 

春蘭「うるさいぞ馬鹿者!!」

 

そして、一刀は完全に日が暮れるまで付き合わされたのであった。




投稿できました。

少し拠点フェイズをアレンジしました。

読みにくかったらお許し下さい(土下座)

それでは、また。
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