恋姫無双〜黄鬚伝〜   作:ホークス馬鹿

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51話です。


51話

純の部屋

 

 

 

純「悪いな、手伝わせちゃって。」

 

栄華「良いんですの、お兄様。お兄様は、私達が遠征に出ている間に仕事全てを引き受けたのですから。」

 

柳琳「はい。これくらいは当然です。」

 

秋蘭「凪達は一部北郷がやってるとは言え、栄華、私に柳琳・・・こちらは季衣と姉者の分か。軍師達の分を除けば、ほぼ全てではありませんか。」

 

栄華「流石に引き受けすぎではありませんの?」

 

純「しょーがねーだろ。俺も本当は遠征に出たかったが、姉上にこのような雑務をさせる訳にはいかねーしな。」

 

秋蘭「・・・そうですか。」

 

純「それに、苦手とはいえ、この手の書類はまあ分かるしな。」

 

と純は述べた。純がやっている雑務を、ちょうど遠征から帰ってきた秋蘭と柳琳、そして栄華が純の部屋にやって来て、仕事を手伝っていた。

 

栄華「人不足の影響、ここに極まれりですわね・・・。遠征部隊は、翠さんが加わったから何とかなりますけど・・・。」

 

純「本当だったら楼杏を残そうか迷ったんだけど、翠の事を考えたらな・・・。」

 

栄華「そうですわね・・・。」

 

柳琳「稟さんが、出自を問わない各地の人材の発掘に力を入れていると言っていましたから・・・それが軌道に乗るまでの辛抱ですね。」

 

純「まあ、確かにあいつは各地を旅してたし、その辺のツテはあるだろうな。」

 

と純もそう言った。すると、

 

流琉「皆さん、お茶の用意が出来ましたよ。お仕事、少しお休みになっては如何ですか?」

 

栄華「あら流琉さん、気が利きますのね。」

 

流琉がお茶を持ってやって来た。

 

純「栄華、そっちの都市計画と予算案、おかしな所はあったか?後、張三姉妹の陳留と司隷での公演の件も。」

 

栄華「司隷の公演って・・・三人の都合、付きましたのね?」

 

純「まあ一刀がやってくれたんだけどな。豫州公演が終わったから、次は河北四州か徐州だ・・・って所を無理矢理にな。姉上も司隷を優先するようにと言ってたしな。」

 

秋蘭「はい。終わりが見えたとは言え、河北四州は落ち着いていません。・・・民の燻りは都の方が大きいでしょうし、張三姉妹で発散させた方が良いでしょう。」

 

純「そうだな。」

 

秋蘭「しかし、まさか司隷まで加わるとは思いませんでした。今、司隷は誰が回っているのですか?」

 

純「香風が行っている。元々都の回りの賊退治もしてたし、土地勘があるからと。」

 

栄華「嬉しい悲鳴・・・と言いたい所ですけれど、それが本当の悲鳴になりそうで心配ですわ。」

 

その時

 

流琉「・・・凄いです、純様。」

 

と唐突に流琉が純を褒めたのだった。

 

柳琳「・・・どうしたの、流琉さん。」

 

流琉「いえ・・・純様は武人としての印象が強かったのですし、この手のものは苦手だと仰っていますが、そういったお仕事をいとも簡単に裁いているのに驚いてしまいまして。なんだか、華琳様みたいです。」

 

純「・・・そんなことねーよ。」

 

流琉「いえ、そんなことあります。」

 

純「政で姉上と比べたら、俺なぞ足元にも及ばねーよ。それに俺、こういうのは苦手だし。」

 

栄華「けれど、そう思うのも仕方ありませんわ。お兄様は、お父上である曹嵩様ご存命の時から戦の事は全て任されておりましたから。」

 

秋蘭「ああ。それに純様は、文官にも丁寧に接しますからな。」

 

純「お前らな・・・。」

 

桂花「そうです。私は、華琳様に仕える事が出来て、幸せですが、純様に仕える事になっても同じです。」

 

純「桂花、やめろ。入ってきたからには、益州の件だろ?」

 

桂花「はい、そうです。」

 

秋蘭「益州か・・・。この所、向こうの偵察も増えているのだろう?」

 

桂花「ええ。間者からも、向こうも戦の準備をしてるって話が多いわね。」

 

桂花「益州全体でも好戦派の意見が強いそうだし、あまり気乗りしていないのは趙雲くらいではないかしら?彼女、話の分かる人だし。」

 

純「今日明日攻めてきてもおかしくねーな。ったく、姉上も大胆なことをするな。」

 

純「まあ、お前と風は、皆の遠征の予定を色々調整してくれてるけどな。」

 

桂花「はい。劉備や孫策に国境を越えられても、陳留に着くまでにこちらの戦力を集結できるようにしております。」

 

秋蘭「さて。では純様、私は柳琳とそろそろ出立の準備をしてきます。申し訳ありませんが・・・」

 

純「構わねーよ。十分助かった。すまんな、忙しい中。」

 

栄華「私はもう少し余裕がありますから、最後までお手伝いさせていただきますわ。・・・次は何をすれば宜しいのですか?」

 

流琉「でしたら、私もお手伝いします!」

 

純「ああ、だったら・・・」

 

そして、純達は残った仕事を片付けたのだった。

 

 

 

 

 

 

益州・諷陵

 

 

 

 

 

 

劉備「・・・はぁ。」

 

魏延「こんな所にいらっしゃったのですか、桃香様。」

 

劉備「焔耶ちゃん・・・!お帰りなさい、どうだった?」

 

魏延「はい。曹孟徳からの返事、受け取って参りました。厳顔様を成都までお送りしていたため、帰参が遅くなってしまい、申し訳ありません。」

 

劉備「ううん、大丈夫だよ。・・・星ちゃんは?」

 

魏延「城内を探しておいでです。後で来るでしょう。」

 

諸葛亮「それと、焔耶ちゃんと一緒に桔梗さんをお送りした時に、劉璋様から改めて曹操さんの攻略の相談をされたのですが・・・。」

 

劉備「え、それはこの郡の太守を任された時、お断りするって言ったよ?もちろん、曹操さんが弟の曹彰さんに命じて攻めてきたら防衛は引き受ける約束だけど・・・。」

 

魏延「益州を守るために必要な事だそうです。曹操相手にこちらの力を示す事が出来たなら、益州州牧の座を譲っても構わないと。」

 

劉備「それは・・・」

 

諸葛亮「それに曹操さんは、時が来たら弟の曹彰さんに全てを任せてこちらを攻めると公言していらっしゃいます。勿論それは、事態の引き延ばしを提案したこちらにも非はあるのですが・・・」

 

諸葛亮「・・・正直、曹操さんの力は弟の曹彰さんの活躍で既に私達が益州入りした時と比べても更に大きくなっています。司隷を勢力下に置いたという情報も入ってきていますし。」

 

魏延「司隷を・・・?あいつ、いずれは天子様もその手に収めるつもりなのでは!」

 

諸葛亮「それは分かりませんが、最早こちらと同盟を結ぶ利がないのは確かです。今後は江南の孫策さんと連携を取り、天下を三分するしか策は無いかと。」

 

劉備「天下を・・・三分・・・。」

 

諸葛亮「ただ、和平を進めるにせよ、天下を三分にするにせよ、今の太守では立場が釣り合いません。劉璋さんの要求を呑み、益州州牧となってから大々的に行うべきです。」

 

劉備「・・・。」

 

魏延「それに、このような州境の太守を任されたのは守るだけではなく、攻めに回る事も見越しての事でしょうし・・・」

 

魏延「私が見る限り、今の曹操は周囲を守る兵は少ない。先制を掛けるには絶好の機会かと。」

 

劉備「え・・・焔耶ちゃん?」

 

劉備「私・・・出発する時、言ったよね?焔耶ちゃんには星ちゃんと一緒に、曹操さんの治めてる街がどれだけ平和か見てきて欲しいって・・・」

 

魏延「それは承知していますが、私は武人です。私の仕事は戦う事であって、街作りや、酔った厳顔様のお相手をする事ではありません。」

 

魏延「そのような事は、朱里様や文官の皆様に任せておけば宜しいかと。」

 

劉備「焔耶ちゃん・・・。」

 

魏延「曹操攻め、桃香様がお嫌と言うなら、私の独断という事にしていただいて結構です!曹操を倒した後、私を処断して下されば!」

 

劉備「そ・・・そんなの駄目だよ!どうして私の夢のために、焔耶ちゃん達にそんな思いをさせなきゃいけないの!?」

 

魏延「そのお気持ちがあるからこそ、我々は桃香様のために働けるのです。桃香様の理想の礎となるなら、本望。」

 

劉備「益州までの旅の途中でも言ったでしょ?皆が一緒じゃないと意味がないんだって。・・・話し合う以外、他に良い方法はないよね、朱里ちゃん。」

 

諸葛亮「・・・申し訳ありません、桃香様。」

 

諸葛亮「私達には・・・徐州にいた頃にも増して、全てが足りないのです。その中から出来る事を見つけ、選んでいくしか・・・」

 

諸葛亮「・・・ですから、どうかご決断を。」

 

劉備「・・・。」

 

諸葛亮「桃香様。」

 

魏延「桃香様。」

 

劉備「私は・・・」

 

そして、劉備はある命令を下したのであった。




投稿できました。

さあ、劉備の決断は如何に・・・!ってかっこつけて言っても皆さんは分かりますか(笑)

それでは、また。
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