恋姫無双〜黄鬚伝〜   作:ホークス馬鹿

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53話です。


53話

城の攻防戦が始まってから約一ヶ月が経過した。劉備軍は、最初の愛紗達の奇襲で混乱し、士気も落ちたが何とか持ち直し、城攻めを開始した。

 

 

 

張飛・趙雲一行

 

 

 

 

張飛「星ー!朱里と雛里から作戦の指示を貰って来たのだ!」

 

趙雲「朱里と雛里は何と?」

 

張飛「この紙に書いて貰って来たのだ!」

 

そう言って、張飛は趙雲に紙を渡した。

 

趙雲「何々・・・?・・・成程、軍師殿も可愛い顔をして、中々にお人が悪い。」

 

張飛「どうするのだ?」

 

趙雲「まずはな・・・」

 

 

 

 

出城

 

 

 

 

愛紗「急いで組み立てろ!敵は待ってはくれぬぞ!」

 

黄鬚隊兵士A「はっ!」

 

一方の純達も、真桜から託された秘密兵器の組み立てをしていた。

 

黄鬚隊兵士B「しかし関羽様、関羽様自ら手伝わなくても・・・」

 

愛紗「気にするな。私も好きでやっているのだ。それに、私達は同志ではないか。そこにいる純様も同様だぞ。」

 

そう言って指を指すと

 

純「ほら、材料!」

 

黄鬚隊兵士C「はいっ!」

 

純「これはどこに?」

 

黄鬚隊兵士D「こちらです、曹彰様!」

 

純も作業に入って手伝っていた。

 

黄鬚隊兵士B「曹彰様・・・。」

 

愛紗「ほら、我らも続けるぞ!」

 

黄鬚隊兵士B「はっ!」

 

 

 

 

 

張飛・趙雲一行

 

 

 

 

趙雲「さて、軍師殿の指示だと、確かこの辺りに使われなくなった用水路が・・・」

 

張飛「星!あったのだ!」

 

趙雲「よし。誰か、灯りを持ってこい!我々はここから突入する!」

 

そして、趙雲達は諸葛亮と鳳統の指示に従って用水路に入った。

 

張飛「・・・真っ暗なのだー。もう誰も使ってないのかなー?」

 

趙雲「こんな所に用水路がある事自体、忘れ去られているのだろう。軍師殿も資料がなければ気付かなかったというからな。」

 

張飛「ふぅん・・・」

 

その時

 

張飛「・・・ん?」

 

趙雲「どうした、鈴々?」

 

張飛が何かに気付いた。

 

張飛「何か切れたような・・・これは・・・糸?」

 

趙雲「何?」

 

すると、用水路が一気に崩れ始めた。

 

趙雲「・・・しまった、罠か!」

 

張飛「撤退!撤退なのだーっ!」

 

これにより、損害を多く出したのだった。

 

 

 

 

劉備軍

 

 

 

 

魏延「撃て、撃てぇっ!狙いは適当で構わん!とりあえず、城の中に届けば良いっ!」

 

張飛「え、焔耶ぁぁ・・・」

 

魏延「ど、どうしたんだ?」

 

趙雲「けほっ!連中にしてやられた。抜け穴を封鎖しおったわ。そちらはどうだ?」

 

魏延「こちらもあまり効果は出ていない。・・・あれを見てくれ。」

 

魏延にそう言われて城を見て見ると

 

趙雲「何だ、あの丸太は。・・・上から落ちてくるのか?」

 

魏延「ああ。そうなのだが・・・」

 

張飛「また昇っていくのだ・・・。」

 

丸太が下に落ちては城壁の上に昇っていった。

 

魏延「どうも向こうには、ああいう絡繰に詳しい輩がいるらしい。昇る場所を変えても城壁の上を動かせる上、何度も落ちてくるから、どうにもならん。」

 

趙雲「あれに兵を掴まらせてみては?」

 

魏延「やってみたが昇る間は良い的になるだけだった。」

 

趙雲「なら、あの邪魔な綱を切るしかないか・・・」

 

魏延「それもやったが、狙う間はずっと的だ。それに、随分と丈夫な綱を使っているから、火矢が当たっても効果が無い。」

 

趙雲「そうか・・・。」

 

 

 

 

華琳達一行

 

 

 

 

華琳「皆、急ぎなさい!一刻も早く、純のいる出城に到着するのよ!」

 

春蘭「はいっ、華琳様!」

 

華侖「はいっす!」

 

一刀「しかし華琳、少し急ぎすぎだ!これじゃ、到着する頃には兵士が疲れ切っちゃうよ!」

 

秋蘭「北郷の言う通りです!このままでは、足手まといになるだけです!」

 

柳琳「お姉様!北郷さんと秋蘭さんの言う通りです!」

 

栄華「お姉様!ここは落ち着いて下さいまし!」

 

華琳「けど、このままでは純が!」

 

一刀「まだ純が死んだわけじゃない!今ここで焦って無理に急がせて、到着して俺達が負けたら馬鹿げてるぞ!」

 

しかし

 

華琳「馬鹿で結構!それは私にとって褒め言葉だわ!」

 

華琳は焦るあまり冷静さを欠き、一刀達の言葉に耳を傾けなかった。

 

華琳「純にもしもの事があれば、私は・・・」

 

それに一刀は

 

パシン

 

華琳「・・・っ!」

 

秋蘭「っ!?」

 

春蘭「ほ、北郷!?」

 

華侖「か、一刀っち・・・!?」

 

柳琳「一刀さん・・・!?」

 

栄華「北郷さん・・・!?」

 

華琳の頬を平手打ちしたのだ。

 

一刀「それが馬鹿って言ってるんだよ!」

 

華琳「かず・・・と・・・?」

 

一刀「この一戦で純は負けたという知らせが届いたか!死んだという知らせが届いたか!」

 

一刀「まだ来てないだろ!・・・まだ純は負けてもいないし、死んでもいない!」

 

一刀「それとも、天下の曹孟徳は弟の曹子文の実力をその程度にしか見ていなかったのか!」

 

華琳「・・・っ!」

 

一刀「純は『黄鬚』と呼ばれ、あの『飛将軍』呂布にも勝った天下一の猛将であり、華琳以上の軍才を持っているんだろ!その弟に対する信頼もその程度なのか!」

 

華琳「・・・。」

 

一刀「大丈夫。純は、必ず持ち堪えてくれてる。それまでに俺達が間に合えば、こっちの勝ちだよ。」

 

華琳「・・・一刀。」

 

秋蘭「北郷の言う通りです。純様は、この程度では死にません。」

 

霞「せや!なんたって、純は『黄鬚』と呼ばれし天下一の猛将やからな!」

 

稟「純様は簡単には死にません。なんたって、私の主ですから。」

 

桂花「華琳様!」

 

それを聞いた華琳は

 

華琳「ふふっ・・・そうね。」

 

と一言言った。

 

一刀「少しは落ち着いた?」

 

華琳「・・・ええ。焦るあまり、冷静さを無くしていたようね。」

 

華琳「さあ皆、行くわよ!」

 

全員「「「はっ!!!」」」

 

そして、進軍を再開したのだった。

 

 

 

 

出城

 

 

 

 

 

純「矢を持て!」

 

黄鬚隊兵士「「「はっ!!!」」」

 

純「丸太を落とせっ!」

 

ドーン

 

劉備軍兵士「「「うわぁーっ!!!」」」

 

純「今度は一斉に引き上げろ!」

 

純「弓兵、構え!丸太に寄ってきた兵を残らず打ち殺せ!」

 

純「撃てーっ!」

 

そして純も

 

純「ふっ!」

 

自ら弓を持ち、矢を放った。それにより、劉備軍は更に甚大な被害を受けたのだった。

 

 

 

 

劉備軍

 

 

 

 

趙雲「やれやれ。これでは武将というより工兵だな。」

 

諸葛亮「こちらもそれほど兵が多いわけでもありません。兵糧も残り少なくなってますし、勝つための手段は一つでも多く打っておかないと・・・」

 

趙雲「そうだな。しかし、ここまで粘るとは思わなかったな。」

 

鳳統「はい。私もここまで敵が粘るとは思いもしませんでした。短期決戦で勝負を付けるつもりが、完全に狂ってしまいました。」

 

趙雲「流石の軍師殿も、これは予想外だったというわけか。」

 

諸葛亮「はい。お恥ずかしながら・・・。」

 

趙雲「ふむ・・・。兵の士気も我らは下がっているのに対し、向こうは更に上がり続けているしな。」

 

劉備軍も、純の異常な粘りに閉口し、焦りの感情が溜まっていた。

 

 

 

 

 

出城

 

 

 

 

純「さあ。」

 

黄鬚隊兵士E「ありがとうございます。」

 

純「すまんな、連日の戦闘で苦労を掛けるな。」

 

黄鬚隊兵士F「今さら何を言いますか、曹彰様。」

 

純「そうか。さあ、食え。」

 

黄鬚隊兵士G「はっ、ありがとうございます。」

 

黄鬚隊兵士H「感謝します。」

 

純「ほら、水だ。」

 

黄鬚隊兵士I「ありがとうございます。」

 

その頃、純は兵士達と共に食事をしていた。

その時

 

純「何だ、この音は?」

 

遙か彼方から破裂音が木霊した。すると

 

燈「純様。鏑矢をお願い致します。」

 

燈の声が聞こえた。

 

愛紗「純様、今の音は・・・って、燈!?」

 

風「おやおや。燈さんではないですかー。」

 

燈「無事で何よりだわ。それより純様。先程のは、華琳様達が上げた我々への反撃の狼煙。こちらも、相応の返答を。」

 

愛紗「華琳殿が!?という事は・・・!?」

 

純「・・・分かった。鏑矢を放て!」

 

黄鬚隊兵士I「「はっ!!」

 

そう言い、鏑矢を放った。すると

 

愛紗「純様!地平の向こうに大量の兵が!」

 

兵らしき集団が現れた。

 

風「さっきの鏑矢が反撃の合図だとすれば・・・」

 

風「旗印は、紫の旗色の曹を中心に、夏侯、楽、許、郭・・・それに紺碧の張旗に馬旗。みんな、お味方ですねー。」

 

これには

 

愛紗「何と・・・!?華琳殿が救援に来るまでまだ時間が掛かるはずだ!?」

 

純「稟か・・・。」

 

愛紗は驚いたが、純はどうして早く救援が来たのか察したのだった。

 

 

 

 

 

曹操軍

 

 

 

 

 

華琳「間に合ったわね!!」

 

一刀「そのようだね!!」

 

霞「うっしゃ!!」

 

稟「急いだ甲斐がありました。」

 

星「そうだな。」

 

霞「全くや。稟もええ道選んでくれたからやで!」

 

華琳「そうね。郭嘉、ご苦労だったわね。」

 

稟「当然のことをしたまでです。それに、礼ならこの戦いに勝ってから言って下さい。」

 

霞「なんや、つまらんやっちゃなぁ・・・。ま、ええわ。この戦いに勝ったら、一杯奢ったる!」

 

稟「はい。楽しみにしていますよ。」

 

華琳「ふふ。霞、程々にね。」

 

一刀「はは!!」

 

季衣「華琳様!春蘭様!城の旗は健在ですよ!純様達はご無事です!」

 

春蘭「当たり前だ!我らの純様だぞ、そう簡単に負けるはずがあるまい!」

 

華琳「そうよ、季衣。純は、私が最も信頼する弟なのよ。」

 

季衣「はいっ!」

 

春蘭「だが窮地であることには変わりない!急ぎましょう華琳様!一刻も早く、純様を劉備の包囲網からお救いしましょう!」

 

一刀「ち、ちょっと春蘭・・・!」

 

季衣「ちょっと、春蘭様ー!そんなに急いじゃ、皆疲れちゃいますよー!」

 

春蘭「ここまで持ち堪えた我らが精兵が、今さら疲れたなどと言うものか!全速力!」

 

華琳「もう、春蘭ったら・・・。」

 

流琉「秋蘭様、城から反応がありました。あれは。」

 

秋蘭「うむ。城の側もこちらの動きに同調して、突撃を掛けてくださるのだろう。」

 

流琉「さすが秋蘭さま。全てお分かりなんですね。」

 

秋蘭「・・・すまん。今のは全て私の勘だ」

 

流琉「え・・・そうなんですか?」

 

秋蘭「だが、純様の事だ。ご健在である以上、こちらの動きを見れば全て理解して下さるさ。」

 

一刀「凄いなー、秋蘭は。」

 

華琳「そういうことよ、流琉、一刀。」

 

流琉「そうですね。なら、こちらも・・・。」

 

華琳「ええ。郭嘉の作戦に従い、連中の背後から一気に叩きなさい!」

 

秋・流「「はっ!/はいっ!」」

 

沙和「あ、あの上にいるの、純様みたいなの!おーい、純様ー!」

 

真桜「いや、流石にこの距離じゃ見えへんやろ。しかし、ここまでよく持ち堪えとるわ。」

 

凪「そうだな。」

 

華琳「ふふっ、純だからこそ出来るのよ。」

 

沙和「そうなのー!沙和だったら、こんな大軍相手に勝てるか分からないのー!」

 

真桜「せやなー。」

 

沙和「もう接敵するのー!戦闘準備よーい!」

 

華侖「純兄ーっ!お待たせっすー!」

 

香風「華侖様、さすがにここからじゃ、聞こえない。」

 

一刀「そうだぞ、華侖。ここからじゃ、流石に純は聞こえない気が・・・」

 

華侖「そんなことないっすよー。ほら、返事が聞こえるっすよ。」

 

香風「・・・ほんと?」

 

華侖「そう思えば、きっと聞こえるはずっす!頑張れば、きっと何でも何とかなるっす!」

 

華琳「ふふっ、華侖らしいわね。」

 

一刀「はは、そうだな!」

 

香風「頑張れば、空も飛べる?」

 

華侖「もちろんっすよ!空が飛べたら、ここから純兄の所までだってひとっ飛びっす!」

 

香風「それ良い・・・!シャンも頑張る!」

 

華侖「その意気っす!」

 

栄華「それにしてもお兄様、なんという無茶を・・・。」

 

柳琳「大丈夫よ、栄華ちゃん。お兄様の事だから、きっとこうなる事も予想済みだったはずよ。そうですよね、お姉様?」

 

華琳「ええ、そうよ柳琳。」

 

栄華「そうですわよね・・・そうですわよね・・・。」

 

柳琳「ふふっ。なんだかいつもと逆みたい。」

 

柳琳「いつもは姉さんを心配する私を、栄華ちゃんが元気付けてくれるのに。」

 

栄華「だって、心配なんですもの。お兄様は、強くて優しくて義理堅い理想の殿方で・・・それが、こんな敵陣に囲まれて・・・!」

 

柳琳「なら、早くお兄様を助けに行きましょう。」

 

栄華「ええ、そうですわね!私達が行けば、あれしきの軍勢・・・!」

 

華琳「そうよ、栄華。純は、簡単に死にはしないわ。だって、私の弟なんだもの。」

 

翠「純殿、よくぞご無事で!!」

 

楼杏「翠さん、純さんは、そう簡単にやられないわ。」

 

華琳「そうよ馬超。純は、あのような輩にやられないわ。だって、私の自慢の弟なんだもの。」

 

翠「そうだな。よし、奴らに西涼の騎馬隊の力を見せつけるぞ!!」

 

楼杏「ええ!!純さん、今すぐお助けします!!」

 

 

 

 

出城

 

 

 

愛紗「皆・・・。」

 

風「純様ー。作戦はどうなさいますかー?」

 

純「この機を逃すわけねーだろ。」

 

純「愛紗、一万五千の兵馬を城門に集めろ!!俺が率いて出陣する!!愛紗も一緒に来い!!風は、残りの兵を率いて城を守れ!!」

 

愛紗「はっ!!」

 

風「はいー!!」

 

純「皆の者、ついてこい!!」

 

黄鬚隊兵士「「「はっ!!」」」

 

そして、純達一万五千の兵馬は、城門前に着いた。

 

純「よく聞け!!外にいる奴らは、徐州での恩を忘れ、この国を征服しようとした不義不逞の輩だ!!そんな奴らに天は味方しない!!何故か!!それは恩を忘れ、この国を私利私欲で制圧しようとしたからだ!!その様な輩に、天は味方せぬ!!俺と共に突撃し、姉上達と共に、奴らを打ち払うのだ!!」

 

黄鬚隊兵士「「「おおーっ!!」」」

 

純「行くぞ!!残る力を全て怒りに変えて奴らを叩き潰せ!!突撃ー!!」

 

 

 

 

 

曹操軍

 

 

 

 

華琳「皆、戦闘準備は出来ているわね!」

 

霞「おう!待ちくたびれたわ!」

 

華琳「春蘭と季衣、流琉で一気に突撃を掛け、劉備達の背後を叩きなさい!霞と秋蘭、柳琳はその隙を突き、崩れた相手を根こそぎ打ち砕くのよ!」

 

春蘭「はっ!」

 

季衣「分かりました!」

 

華琳「華侖、香風、栄華は遊撃よ!自由に動き、奴らの動きを縛り付けなさい!」

 

華侖「お任せっすー!」

 

一刀「俺達は援護に回る!三人とも、頼むぞ!」

 

凪・真・沙「「「はっ!/任しとき!/お任せなの!」」」

 

華琳「我らが目指すはただ一つよ!」

 

華琳「劉玄徳を打ち払い、我が弟を救う事よ!」

 

春蘭「はっ!」

 

季衣「はいっ!」

 

秋蘭「はっ!」

 

流琉「もちろんです!」

 

華琳「全軍、突撃!!」

 

こうして、純の救出作戦が始まった。




投稿できました。

ゲームと前作をベースにアレンジしたけど、結構グダグダです。

読みにくかったらお許し下さい(土下座)

それでは、また。
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