恋姫無双〜黄鬚伝〜   作:ホークス馬鹿

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6話です。


6話

一刀の部屋

 

 

 

昼を食べ終えた一刀は、窓の外を眺めて

 

一刀「うーん・・・清々しいまでに見慣れない光景だ。」

 

そう言った。

 

一刀「まあ、この感覚もそのうち慣れていくんだろうなぁ・・・。」

 

そして、まだ慣れてないのか、またそう言ったのだった。

 

一刀(成り行きで華琳に拾われ、今はこうして世話になっている。他に行く当てもないし、それなりに働いて恩返しもするつもりだ。)

 

一刀「どうせ世話になるのなら、多少は皆と仲良くなっておいた方が良いよな。」

 

一刀「となると・・・やっぱり押さえておきたいのは華琳率いる曹家の面々だよな・・・。」

 

その中で特に難しいのは、

 

一刀「うーん・・・やっぱり一番難しそうな相手は栄華か・・・。」

 

と一刀は栄華と打ち解けるのが難しいと思った。実際華琳の真名を呼んだ時、一番の剣幕で一刀に迫った。それでなくても、初対面の挨拶の時から、あまり良い印象は持っていなかった。

 

一刀「いつまで世話になるか分かんないけど、少しでも仲良くなっていた方が良いよな・・・良し!」

 

そう思った一刀は、栄華に会いに部屋を出たのだった。

 

 

 

 

一刀「さて、栄華はどこにいるかな・・・っと。」

 

そう言って、一刀は栄華を探していた。すると、

 

栄華「では、後はお願い致します。私は暫く休憩致しますので、何かありましたら呼びに来るように。」

 

ちょうど休憩しようとする栄華を見つけた。

 

一刀「やあ栄華。」

 

そう言って、栄華に挨拶した。

 

栄華「あなたは・・・。」

 

すると、一刀に気付いた栄華は、表情をキツく引き締めた。

 

一刀(何もそんなに睨みつける事ないじゃないか・・・。)

 

一刀「あー、えっと・・・今ちょっと良いかな?」

 

栄華「何かしら、私今から休憩致しますの。」

 

一刀「うん、だからちょっと話が出来ないかなって思ってさ。」

 

栄華「何のために?」

 

一刀「な、何のためにって・・・」

 

栄華「と言いますか、私の視界に入らないで下さいと、お伝えした筈ですけど。」

 

栄華「特別な用がないのであれば、私はこれで・・・」

 

と栄華が去ろうとしたので、

 

一刀「ま、待ってくれ、ちょっとだけ話がしたいだけなんだ。」

 

と言って止めた。

 

栄華「あなたの相手をしていて、貴重な休憩時間が無くなってしまっては、後の仕事に差し支えますから。」

 

しかし、栄華にそう返されてしまい、

 

一刀(ぐぬぬ・・・思った以上に取り付く島もないな・・・。)

 

しかし、ここで引き下がっては仲良くなれないと感じた一刀は

 

一刀「忙しいのは分かった、じゃあいつなら暇かな?出来れば話をする時間を作って欲しいんだけど。」

 

と栄華にそう言った。

 

栄華「ですから、何のために?困り事があるのであれば、秋蘭さんに相談すれば良いでしょう。」

 

一刀「困り事っていうか・・・これから世話になるんだし、栄華や皆とも仲良くなりたいなと思って。」

 

その時

 

栄華「仲良くですって・・・」

 

一刀の言葉を聞いて、栄華の視線が更に鋭くなった。

 

一刀「あ、あれ?俺なんかマズイ事言った?」

 

栄華「そうやって私達に隙を見つけ、あわよくば手込めにしようと・・・やっぱり男なんて不潔ですわっ!」

 

一刀「そんな事一言も言ってないだろっ!」

 

栄華「その目を見れば分かります!垂れ下がった目尻からいやらしい気持ちが溢れていますわ!」

 

一刀(俺そんな垂れ目ってわけでもないと思うんだけど・・・ってそこじゃない!)

 

栄華「お分かりでないようですので、この際ですからしっかり伝えておきます。」

 

栄華「私達は今、お姉様の大望成就の為に、地盤を確かなものにするため尽力しています。」

 

栄華「その為にはまず、我々曹一門並びに将達の結束が必要になるでしょう。成すべき事は多く、余計な事に手を取られている暇はないのです。」

 

栄華「一門と将兵の纏めはお兄様がやっておりますが、そんな大事な時期に・・・あなたのような異物に構っている暇はありません。」

 

一刀「い、異物とはまた・・・結構キツい言い方を。」

 

栄華「天から突然現れた・・・などという出自不明の人間が、まともであるとでも?」

 

一刀「た、確かに・・・。」

 

栄華「それに、何より男!香風さんのような可愛らしい女の子ならまだしも、よりにもよって男なんて、異物以外の何物でもありません。」

 

一刀「香風は良いんだ・・・。」

 

栄華「ええ、可愛らしい女の子ですから。」

 

一刀「でも、純も男だぞ。」

 

すると、この問いに

 

栄華「あなた、お兄様を他の男と一緒にしないでくれます!!」

 

栄華が語気を荒げて言った。

 

一刀「お、おう・・・ごめん・・・。」

 

栄華「お兄様は他の汚らわしい男とは違って、強くて優しくて、誰に対しても誠実で義理堅く敬意を表して接する、まさに理想の殿方ですわ!」

 

一刀「そ、そうなんだ・・・。」

 

栄華「あなたの役割は、そうですわね、さしずめ空気といったところかしら。」

 

一刀「へっ、空気?」

 

栄華「普段は無色透明でいるのかいないのか分からない、お姉様が必要とした時にだけ出てきてお役目を果たし、また消えていく。」

 

栄華「それなら誰もあなたがいる事を咎めたりは致しませんわ。」

 

一刀「話は分かったけど・・・別に険悪にする必要もないんじゃないか?華侖なんかは会うと挨拶もしてくれるし・・・。」

 

栄華「あの子はまあ、ああいう性格ですから・・・。」

 

一刀「だったら栄華とも・・・」

 

栄華「ああやっぱり男はケダモノですわっ!やってきて早々に女の子ばかりに近付こうとするなんて!」

 

一刀「違うって!たまたま偉い人皆女の子だったから!」

 

栄華「私を狙うのならともかく、あの香風さんを毒牙にかけようものなら、即刻チョン切って差し上げますから、覚悟なさいませ!」

 

その瞬間、一刀はとある一点に強烈な寒気を感じたのだった。

 

栄華「良いですか、くれぐれも余計な事はしないで下さいまし。」

 

一刀「いやでも・・・」

 

栄華「チョン切りますわよ・・・。」

 

一刀「あ、はい・・・。」

 

栄華そう低く言い残し、足早に去って行ったのだった。

 

一刀「はぁ・・・何となくそんな気はしてたけど・・・まさかここまで嫌われてるとはなぁ・・・。」

 

その時、

 

純「あれもアイツの性格なんだ、大目に見てやってくれ。」

 

秋蘭「そういうことだ。」

 

純と秋蘭が現れた。

 

一刀「純、秋蘭、見てたのか?」

 

純「たまたま通りがかってな。」

 

純「あれはただ恐れているだけなんだ。お前に姉上や他の皆を、奪われてしまうのではないか、とな。」

 

一刀「奪われるって・・・本人にも言ったけど、俺は別にそんな事。」

 

純「分かっている。」

 

秋蘭「だが受け取る側からすればそういかない事もある。」

 

純「そうだな。栄華はこれまで、我ら曹一門の為に心血を注いできた。さほど大きくはないかもしれんが、あれにとってかけがえのない世界である事は事実。」

 

秋蘭「そこに入り込んできたお前は、紛れもない異物なのだろうよ。」

 

一刀「それは・・・分かるけど。でもだからこそ、頑張って仲良くしたいと思うんだよ。」

 

秋蘭「ふふっ。その熱意が、彼女にとっては煩わしく思えるのだろうな。」

 

純「そうかもしんねーな。」

 

一刀「ええー・・・。」

 

秋蘭「何せお前は男だ。大切な家族がどこの馬の骨とも知れない男に拐かされたら、と思うと心配にもなるだろう。」

 

一刀「拐かすって・・・俺ってそんな男に見えてるのか?」

 

秋蘭「元々純様を除いて男嫌いであるしな。私達以上に、純様以外の男に対して強い偏見を持っているのかもしれない。」

 

一刀「やることなすことスケベ心でいっぱい、みたいな?」

 

秋蘭「ははっ、そうだな、あながち間違ってはいないと思うぞ。」

 

純「ははっ。」

 

一刀「成程・・・そう考えると、あの態度も何となく頷ける気がするよ。」

 

純「少々極端かもしんねーが、あれも一途という事だ。嫌わないでやってくれ。」

 

一刀「嫌いはしないよ。寧ろ受け入れてくれると嬉しいんだけど。」

 

純「彼の城は手強いぞ。」

 

一刀「純、何か良い策はないかな?」

 

純「それを俺に聞いてどうする。信頼は自分の力で勝ち得るものだぞ。」

 

一刀「確かに、純の言う通りだ・・・。」

 

純「まあ頑張る事だ。仲良くなりてーならな。」

 

そう言い、純は一刀の肩をポンッと叩いて去って行った。

 

秋蘭「そういうことだ。頑張れよ、北郷。」

 

秋蘭も一刀にそう言い、純の後を追ったのだった。

そして、一刀は栄華と仲良くなる作戦は失敗に終わったが、収穫が無かった訳では無く、分かった事もあったし、栄華との会話は少なくとも成り立っていた。

後は仕事で信頼を築き、折を見て声を掛け、仲良くなろうと決意し、何か仕事が無いか探しに行ったのであった。




投稿できました。

上手く纏まっているでしょうか・・・。

読みづらかったら、お許し下さい(土下座)

それでは、また。
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