恋姫無双〜黄鬚伝〜   作:ホークス馬鹿

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61話です。


61話

合肥

 

 

 

 

 

純「さあ皆、食え食え!最後の飯だ、遠慮なく食え!明け方には出るぞ!」

 

霞「おおきにな、純ー!!」

 

「「「おおーっ!!」」」

 

その日の晩、純は共に同行を申し出た兵達と城の庭で盛大に夕食会を開いていた。

 

楼杏「物騒な事言わないで下さい・・・純さん。」

 

それを聞いていた楼杏は、眉間にしわを寄せながらそう言った。

 

純「構わねーって。こんな死ぬのが分かってる作戦に付いてくるんだ、今さらそのくらいでガタガタ言う奴なんかいるかよ。なあ?」

 

黄鬚隊兵士A「そうですよ!我らは曹彰様と一つですから!そんな事より肉、美味いです!」

 

霞「ホンマやなー!!」

 

純「そうかそうか。けど、腹一杯になりすぎるなよ。動けなくなったら遠慮なく置いていくからな!」

 

黄鬚隊兵士A「ははは、分かってますよ!とりあえず死ぬほど食います!」

 

純「分かってねーじゃねーか、馬鹿!死ぬのは食った後だぞ!」

 

霞「せやで!純もええツッコミやなー!」

 

そう言って、純はその兵士の頭を叩きながら、上機嫌で笑った。叩かれてる兵だけじゃなく、その他の兵も、霞もだ。

 

楼杏「・・・純さん。」

 

純「ん?」

 

楼杏「必ず戻って下さい。」

 

純「あはは。お前にそう言って貰えると、生きて戻らなきゃって思っちまうなぁ・・・。」

 

純「援護は頼むぞ、楼杏!霞も、共に暴れようぜ!」

 

楼杏「はい!私と愛紗さんの二人で、何とか支えてみせます!」

 

霞「応!ウチもメッチャ暴れたるわ!」

 

そう言って、霞は気合を入れた顔で答えたのだった。

そして、夜が明けて

 

純「行くぞお前ら!『黄鬚』曹彰に付いてこい!!」

 

霞「暴れたるでー!!」

 

「「「おおーっ!!」」」

 

純は霞らと一緒に出撃したのだった。

 

 

 

 

 

 

蜀軍

 

 

 

 

 

魏延「出立したのは曹彰と張遼か。・・・まだ仕掛けなくていいんだな?」

 

孫乾「合肥攻めの主役はあの方々ですもの。好機を待ちましょう。」

 

孫乾「私達が打つべきは、戦況を覆す回天の一手。場を見極め、焦らず、狙いを定めて・・・確実に当てるように致しましょう。」

 

魏延「分かった。任されよう。」

 

その時

 

「「「ワーッ!!!」」」

 

魏延「何だ、何の騒ぎだ?」

 

孫乾「分かりません・・・。」

 

前方より騒がしい声が聞こえた。すると

 

蜀軍兵士A「で、伝令!前方より、敵の奇襲部隊が!」

 

魏延「何!?旗は!」

 

蜀軍兵士A「それが、まだ夜が明けきってないため、良く見えません!」

 

魏延「何と!?」

 

孫乾「マズイですわ!?」

 

奇襲を受けたとの知らせが入り、魏延と孫乾は動揺してしまった。

 

 

 

 

 

翠「おりゃああっ!!前方にいるのは敵軍だ!!遠慮なく叩き潰せー!!」

 

「「「おおーっ!!」」」

 

翠の奇襲で蜀軍は大混乱に陥ってしまった。

しかし、大混乱に陥ったのは蜀軍だけではなかった。

 

 

 

 

 

呉軍本陣

 

 

 

 

甘寧「奇襲だと!?穏!」

 

陸遜「は、はいっ!完全に不意を突かれましたぁ。今は不寝番の亞莎ちゃんが、第一陣を率いて対応に出ています!」

 

甘寧「くそっ。私も出る!明命は蓮華様をお護りしろ!」

 

周泰「分かりました!」

 

甘寧「確かに奇襲ならば早暁というが・・・十万の我々を相手に、どれだけの兵で攻めてきたのだ、彼奴ら!」

 

孫権「思春・・・気を付けて。」

 

甘寧「蓮華様は本隊の展開をお願い致します。それまでの時間は、こちらで率いた兵で稼ぎます!」

 

孫権「分かったわ。急ぐわよ、明命、穏!」

 

周泰「はいっ!」

 

陸遜「分かりましたぁ!」

 

 

 

 

 

 

合肥

 

 

 

 

 

 

純「おりゃぁぁっ!!」

 

呉軍兵士A「グハァッ!!」

 

呉軍兵士B「ガハァッ!!」

 

呉軍兵士C「ウワァッ!!」

 

呉軍兵士D「ひぃぃぃぃっ!お助けぇぇっ!」

 

純「何だ何だ、歯応えがねーぞ!!江南の兵は腰抜けの集まりか!テメーらァ!」

 

純「逃げんじゃねーよ、向かって来いよー!!俺は死に場所を探しにここに来たんじゃ!」

 

純「俺を殺さねーんなら、テメーら十万の首、皆俺で刈り取ってやるぞ!!うおりゃああっ!」

 

そう言って、純は呉軍兵士をどんどん斬り捨てていった。その時

 

霞「純、敵陣に動きがあったで!」

 

霞から敵に動きがあったと聞いた。

 

純「やっとか!ならお前ら、次はあの集団にぶちかましてやんぞ!死にたい奴だけ付いて来い!」

 

純「『黄鬚』曹彰に付いて来いー!!」

 

霞「お前ら、純に遅れを取ったらアカンでー!!突撃やー!!!」

 

「「「おおーっ!!」」」

 

そして、純達は敵陣に突っ込んでいった。

 

純「おらおらおらぁ!『黄鬚』曹彰のお通りだー!!怪我したくなかったら、すっこんどけ!!」

 

霞「純速いでホンマー!!涼州、漢中平定でも付いていくので大変やったのにー!!」

 

霞「けど、頑張って付いていくでー!!」

 

呉軍も必死に止めようとするが

 

純「うおりゃああっ!!」

 

呉軍兵士E「グハーッ!!」

 

呉軍兵士F「ガハァッ!!」

 

霞「うりゃああっ!!」

 

呉軍兵士G「グフッ!!」

 

呉軍兵士H「ウワァッ!!」

 

純と霞の前に手も足も出なかった。そして

 

純「気張るぞ、お前ら!俺達にしか出来ねー速さを見せてやんぞ!」

 

純の発破に

 

「「「おおーっ!!」」」

 

霞「おっしゃー!!やったるでー!!」

 

黄鬚隊は益々士気が上がり、霞も気持ちが益々昂ぶった。そして、そのまま突破したのだった。突破しても当然敵陣のど真ん中なのでまだいるが

 

純「まだまだ止まらねーぞ!『黄鬚』曹彰の恐ろしさ、そして黄鬚隊の恐ろしさ、とくと見せてやらー!!」

 

「「「おおーっ!!」」」

 

霞「ウチも、張文遠の恐ろしさを見せつけてやるでー!!」

 

それでも純達の勢いは止まらなかった。

 

純「何だ何だ孫策の兵はこの程度か!」

 

霞「おらおらおらぁ!まだまだやでー!」

 

そして、そこも突破していくと

 

呂蒙「曹彰!これ以上好きにはさせない!」

 

呂蒙が率いる部隊に出くわした。

 

純「お?ようやく骨があるっぽい奴のご登場だな。」

 

霞「そのようやな。」

 

純「おい、テメーが孫権か?」

 

呂蒙「孫権様がこんな所に顔をお出しになるものか!」

 

純「んだよつまんねーな。さっさと孫権を出せ!」

 

呂蒙「この狼藉者めっ・・・その首、我が君に捧げる!」

 

純「やってみな。行くぞ!!」

 

霞「ヨッシャー!!」

 

「「「おおーっ!!」」」

 

純「ここを抜いたら帰んぞ!最後の踏ん張り所だ!」

 

霞「応!お前ら、最後まで気張りぃ!」

 

「「「おおーっ!!」」」

 

そして、呂蒙の部隊と交戦した。呂蒙の部隊の方が数が上だったが

 

呂蒙「くっ・・・何という勢い。まるで稲妻・・・!」

 

純「テメーらこんなへなちょこばっかで、本気で戦う気あんのか!こんなんでこの『黄鬚』を討ち取れると思ったら大間違いだぞ!!」

 

純達の圧倒的な勢いに完全に押されてしまったのだった。

 

 

 

 

 

魏軍援軍

 

 

 

 

 

華侖「え、もう始まっちゃったんすか!?」

 

柳琳「そうみたい。流石稟さん、判断が早いわね。」

 

栄華「そうですわね。・・・急ぎましょう。」

 

この時、華琳からの援軍が合肥に到着したのだった。

 

 

 

 

 

 

合肥

 

 

 

 

 

純「うおりゃああっ!」

 

呉軍兵士「「「グハァッ!!!」」」

 

呂蒙「総員、防御態勢!あの流れを押し留めて!」

 

しかし

 

純「その程度の防備でこの俺が止められるかぁっ!もっと分厚い壁を持って来い!」

 

呉軍兵士「「「ガァァッ!!」」」

 

純にあっさり斬り捨てられた。この惨状に

 

呂蒙「くっ!これが曹彰・・・これが曹子文・・・これが『黄鬚』・・・!申し訳ありません、蓮華様っ!」

 

呂蒙は心が折れかけていた。

 

呉軍兵士I「呂蒙様、危ないっ!ぐあああっ!」

 

呂蒙「・・・っ!」

 

呉軍兵士J「お、お逃げ下さいっ!」

 

純「んだその田舎芝居は!俺の前に立ったんなら、覚悟決めろっ!」

 

呂蒙「お、おのれ・・・!・・・きゃああっ!」

 

純「今は亡き孫文台が鍛えたと言うが、将も兵もそんなもんか!江南の連中は変わらず雑魚か!」

 

その時

 

霞「純、危ないっ!!」

 

甘寧「はあああっ!!」

 

純「おっと・・・!?」

 

呂蒙「し、思春様っ!」

 

甘寧「亞莎、無事か!」

 

亞莎「は、はい、何とか!」

 

純「ふっ・・・やっと面白くなってきたな。」

 

霞「せやなぁ・・・。」

 

甘寧「既に蓮華様や穏の本隊も動き出した。お前も続け!」

 

呂蒙「し・・・しかし・・・!」

 

甘寧「早くしろ!私では、あの一撃で曹彰を止めるので精一杯だ!それに張遼も!早く行け!」

 

呂蒙「は・・・はいっ!」

 

純「いいねー!こっからが本番だー!!」

 

しかし

 

純「・・・と言いたい所だが、退くぞ、霞!」

 

と純は霞にそう言った。

 

霞「何でや!こっからが本番やのにー!」

 

純「奇襲はあらかた成功した。愛紗と楼杏も、良い具合で一発入れたしな。それに、姉上からの援軍も来たようだしな。」

 

そう言われて霞もよく見ると、後方で何か動きがあるのと、新たに三つの曹の旗が確認できた。

 

霞「なら、しゃーないなぁ・・・。」

 

純「そういう事だ。引き上げんぞ!」

 

そう言って、純達は馬首を切り替えて急ぎ撤退しようとした。

 

甘寧「待て曹彰!ここまで我らに被害を加えたんだ!刺し違えてでも、貴様を討つ!!」

 

すると、仲間の呉軍の兵士を殺され呂蒙も被害を受けたのを見て冷静さを欠いた甘寧は、純に攻撃を仕掛けた。

 

純「この俺を討つだぁ?やってみろ。」

 

甘寧「っ!?」

 

しかし、後ろを向いた状態ながらの純の圧倒的覇気と殺気に、甘寧は鈴音を落とし棒立ちになり

 

甘寧「あっ・・・あっ・・・。」

 

涙を浮かべてしまったのだった。それを尻目で見た純は

 

純「ふんっ!この程度で怖じ気づくとはな・・・。行くぞ。」

 

霞「ああっ!」

 

そう言って、合肥城へ撤退した。

 

甘寧(な・・・何て覇気と殺気だ。まるで虎・・・!それも、雪蓮様と亡き炎蓮様以上のだ・・・!)

 

一方、先程純に覇気と殺気を当てられた甘寧は、棒立ちのまま身体を震わせ涙を流し続けたのだった。

そして、純のこの奇襲は大成功に終わり、呉軍は奇襲による混乱で同士討ちもあり、一万の死傷者を出した。一方救援に向かった魏延達の軍も、翠の奇襲の影響で甚大な被害を受けたが、何とか切り抜け、呉軍に合流したのであった。




投稿できました。

戦闘描写は苦手だから上手く書けたか分かりませんが・・・。

本当に、よく張遼はこの大軍団に突入したな・・・。

そういえばどの時代、どの国にも当てはまるかもしれませんが、名将の共通点って、果断な人が多いんですよね。この時の張遼もそうでしたが、夏侯淵も即断即決の急襲が十八番でしたしね・・・。結構リスキーですけどね。

そ、それでは、また。
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