恋姫無双〜黄鬚伝〜   作:ホークス馬鹿

83 / 121
63話です。


63話

合肥城

 

 

 

 

栄華と仲直りした純は、すぐに軍議を開いた。

 

華侖「純兄、策はどうするんすか?皆で脱ぐんすか?」

 

柳琳「ね、姉さん!?」

 

純「いや、脱がねーよ。成功した奇襲をまた使うか、稟?」

 

稟「そうですね。今日と同じので良いと思います。」

 

愛紗「しかし、手抜きの感じがするぞ。」

 

栄華「それに、同じ策を向こうは警戒してるはず。上手くいかないかと。」

 

稟「いえ、これを逆手に取れば良いのです。」

 

この言葉に

 

純「・・・そういう事か。皆、とりあえず肉を焼くぞ。」

 

華侖「お肉っすか!賛成っすー!」

 

純は肉を焼くよう命じ、全軍で肉を焼いたのだった。

 

 

 

 

 

呉軍本陣

 

 

 

 

 

孫権「・・・この時間に炊事の煙?」

 

周泰「はい。城の中央から、月明かりでも分かる程の大きな煙が立ちのぼってですね。お肉の匂いと、賑やかな声が沢山・・・。」

 

魏延「連中、今日の夜襲の前にも宴を開いておりました。恐らく、死兵を送り出す手向けかと。」

 

甘寧「今夜も夜襲があるというのか?まさか。」

 

呂蒙「その可能性も無きにしも非ずですね・・・。」

 

陸遜「そうですねぇ。亞莎ちゃんの言う通りかもしれませんねぇ。」

 

陸遜「向こうの戦力も限られてますし、曹彰さんを軸に置くなら、やはり今日のような夜襲が一番じゃないかと。まだこちらの軍には、今日の恐怖も残ってますし・・・。」

 

孫権「・・・あり得るわね。向こうの軍師は、奇策の使い手でもあるし、曹彰は常識外れの武勇と軍才。相互が合わされば・・・」

 

陸遜「まさに虎に翼ですねぇ・・・。」

 

甘寧「ならばこちらも不寝番を強化するまでです。明命、向こうに気付かれないように、見張りの数は昨日の倍にしておけ。」

 

周泰「はいっ!お任せ下さい!」

 

こうして、呉軍は夜襲への警戒態勢を布いたのだった。

 

 

 

 

 

合肥城

 

 

 

 

 

愛紗「次の肉焼けたぞ!お前ら、遠慮なく食べよ!」

 

「「「おおーっ!!」」」

 

翠「んんーうめー‼︎愛紗もほら、楼杏も食えよ‼︎」

 

楼杏「え、ええ・・・食べるから翠さん、落ち着いて・・・。」

 

愛紗「そうだぞ翠、そんなにがっついて、はしたないぞ‼︎」

 

愛紗の注意に

 

翠「そういう愛紗の両手にも、美味そうに焼けた肉があるじゃねーか‼︎」

 

と翠は言った。これには

 

愛紗「いや・・・これは」

 

愛紗は苦笑いした。

 

華侖「むぐむぐ・・・お肉美味しいっす!るーももっと食べるっすよ!」

 

柳琳「ち、ちゃんと食べてるから。・・・でも、私達もご一緒して良かったんですか?」

 

柳琳の疑問に

 

純「食料も十分備蓄はあるから、大丈夫だ。」

 

と答えた。

 

栄華「確かに備蓄に余裕はありますけれど・・・」

 

すると

 

霞「なんやなんや、そないに景気の悪い顔してからに。」

 

霞がやって来た。

 

純「おお、霞!」

 

霞「ほい純、肉!後、稟も今日はちょっとなら酒飲んでええって。」

 

純「おお、そうか!許可を貰ったか!」

 

それに

 

栄華「え、霞さん、これからお兄様と一緒に奇襲作戦ではありませんの?それをどうしてお酒まで・・・!」

 

栄華はそう尋ねた。

 

純「むぐむぐ・・・ゴクン。奇襲?」

 

栄華「お兄様、さっきのお話の時、稟さんと一緒に作戦は今日と同じと言ったばかりでは・・・」

 

純「んー。んな事、言ったっけ?」

 

それに純がそうとぼけると

 

稟「言いましたよ、純様。」

 

とちょうど来た稟に言われてしまった。

 

純「おお、稟か。」

 

純「今日の肉は、戦の仕切り直しで食おうと思ったのなんだが。」

 

栄華「なら奇襲は?」

 

これには

 

純「お前、酒飲んで奇襲すんのか?」

 

純にそう言われ

 

栄華「・・・。」

 

栄華は黙ってしまった。

 

稟「それに、向こうも思ってるはず。一度成功した策を、二日連続で再び仕掛けてくるはずだ・・・と。」

 

柳琳「まあ・・・それは。」

 

華侖「なんだかごちゃごちゃしてきたっす。」

 

純「とにかく、腹一杯になったら、お前らは明日に備えて寝ろ。明日も籠城戦だ。」

 

そう言って、純は肉を片手にその場を後にした。

 

 

 

 

 

翌日・呉軍本陣

 

 

 

 

 

周泰「ふぁぁ・・・おはようございます。」

 

呂蒙「奇襲・・・ありませんでしたね。」

 

甘寧「ああ。こちらの警戒に気付かれたのだろうか・・・明命。」

 

周泰「ふぇっ!?警備の数は気付かれないように、待機の兵しか増やしてませんよ!」

 

孫権「まあ・・・奇襲がないに越した事はないわ。今日こそは敵の城を落としましょう。」

 

周泰「はいっ!頑張ります!」

 

そして、呉軍の城攻めが始まった。

 

 

 

 

 

合肥城

 

 

 

 

 

愛紗「投石用意・・・撃てーっ!」

 

ヒュー・・・ドーン!

 

愛紗「良し!どんどん撃つのだっ!」

 

それを見た

 

霞「愛紗・・・それウチもやりたかったのに・・・。」

 

純「あはは・・・。」

 

霞は涙を流しながらそう言い、純は苦笑いをした。

 

あの奇襲から数日が経った。孫権は攻撃こそしてくるが、十分な増援を得た純達は堅実に防衛出来ていて、戦況は一進一退だった。

 

稟「純様。こちらの調子は?」

 

純「順調だ。向こうも俺と霞、そして投石機を警戒して、あんまり派手に仕掛けてこねーしな。」

 

純「それに・・・敵の士気も明らかに落ちてる感じだしな。」

 

稟「成程・・・。」

 

翠「こっちはちゃんと飯も食ってるし、休みもしっかり取れてるから気合十分だしな!」

 

それに対し純達は毎晩肉を焼いていた。糧食の備蓄に余裕はあり、栄華も少し文句を言うくらいで、誰が反対するわけでもなくそれどころか、将兵皆が飯が美味いって大喜びしていた。

 

華侖「でも、お肉はちょっと飽きてきたっす・・・。」

 

翠「それはあたしもだな・・・。」

 

純「そうか・・・稟。」

 

稟「でしたら、今夜は魚を焼いて食べましょう。」

 

華侖「お魚!?あるんすか!」

 

稟「はい。孫家が攻めてくる前に仕入れておいた、海の魚の干物が沢山ありますので。」

 

純「まあこの辺は、陳留に比べて海が多いからな・・・。つーか、いつの間に。」

 

稟「私も食べてみたんですが、中々美味でしたよ。」

 

純「良し、今日は魚だな!お前らーっ!今日の晩飯は魚だぞー!気合入れてけー!」

 

「「「おおーっ!!」」」

 

 

 

 

 

呉軍本陣

 

 

 

 

甘寧「まだか!まだ攻めて来んのか、あいつらは!」

 

一方呉軍は、未だに奇襲を仕掛けてこない為疲労困憊になっており、甘寧は苛ついていた。

 

孫権「もう向こうの夜の食事は、日常と見た方が良さそうね。」

 

周泰「そうですね。昨日の夜はお魚を焼いてたみたいですし。」

 

これには

 

甘寧「・・・魚だと?」

 

甘寧は驚いてしまった。

 

周泰「偵察に行ったら、何だか香ばしい匂いが漂ってきて・・・お猫様がとっても喜びそうだなぁって。」

 

孫権「魚はともかくとして、この状況はまずいわね。」

 

陸遜「はい。流石に連日の警備強化で、こちらの兵も元気がなくなってますし・・・。」

 

呂蒙「何より、曹彰と張遼が攻めてくるという噂に尾ひれが付いて・・・かなり兵達に不安が広まっているようです。」

 

これに

 

甘寧「そのような噂、箝口令を出せば済む事ではないのか?」

 

甘寧がそう言ったのだが

 

陸遜「それは逆効果でしょうねぇ。・・・穏達が言わないようにって言っちゃうと、それが真実だと言っているも同じですから。」

 

と陸遜は意味が無いと言った。

 

孫権「噂は消えるまで待つしかないわね。」

 

呂蒙「敵ながら、向こうも城を良く守っています。与し易い敵ではないのは確かですし・・・」

 

甘寧「蓮華様。こうなったら、建業に救援を求めては。」

 

孫権「流石にそれは・・・雪蓮姉様に何と言えば良いのか分からないわ。この時点でも、こちらの被害が甚大とは言え、敵兵はこちらの半分もいないのよ?」

 

甘寧「ぐ・・・確かにそうですが。」

 

陸遜「いずれにしても、攻城戦は始まったばかりです。陳留攻めを考えれば急ぐ必要はありますが、ここで焦っても仕方ありません。落ち着いていきましょう。」

 

孫権「・・・そうね、それしかないか。」

 

この状況に、そうするしか無かったのだった。

 

 

 

 

 

合肥城

 

 

 

 

 

霞「肉、焼けたでー!皆じゃんじゃん食い!」

 

そして更に数日が過ぎ、純達は変わらず贅沢に飲み食いしていた。

 

純「ん?何か今日の肉、いつもよりメッチャうめーな?」

 

柳琳「はい。いつも同じお肉では飽きてしまうので、流琉さんから一刀さんに前に教えて貰ったタレに漬けておいたんです。」

 

稟「それが良い具合に食べ頃だと聞いたので、今日はそれを食べようという事にしました。」

 

純「成程ね・・・。」

 

そして

 

純「・・・稟、今夜辺り、奇襲を仕掛けてみたら良いんじゃねーか?」

 

純は稟にそう言った。

 

稟「そうですね、敵の状況を考えたら、ちょうど良い時期ですしね。」

 

純「よっしゃ!なら・・・霞!」

 

霞「なんや、純!」

 

純「今夜、奇襲仕掛けてみようぜ。」

 

純は、不敵な笑みで霞にそう言った。

 

霞「お、ええなー!」

 

それに霞は、満面の笑みでそう答えた。

 

純「よっしゃ、ならお前ら!これ食い終わったら出陣の準備をしろ!この勢いで一気にあいつら、追い払うぞ!」

 

「「「おおーっ!!」」」

 

そう言って、純は霞と一緒に奇襲の準備を始めたのだった。




投稿できました。

最初グダってますが、お許し下さい。

それでは、また。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。