恋姫無双〜黄鬚伝〜   作:ホークス馬鹿

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68話です。


68話

揚州・濡須口

 

 

 

愛紗「攻めろ攻めろ、今日こそあの城砦と土塁を突破するのだ!総員、攻撃の手を緩めるな!」

 

楼杏「突撃なさい!濡須口を落としたら、長江を渡る足がかりが出来るわ!頑張りなさいっ!」

 

この日、純率いる十万の兵は、濡須口を攻めていた。

 

純「稟、今日はどうだ。行けそうか?」

 

稟「・・・難しいでしょうね。こちらもいくつか策は打っておきましたが、むこうはそれに一切反応するつもりがないようです。」

 

純「・・・そっか。」

 

しかし、呉の粘り強さに苦戦していた。

 

霞「出て来んと、叩きようもないか。」

 

稟「驚嘆すべき我慢強さというか、守将の鑑と言うべきか。今までに集めた情報では、孫権はここまで粘りのある将ではなかったはずですが・・・。」

 

純「攻めはからっきし苦手だが、守りは強いって事か。」

 

霞「そういう事やな・・・。」

 

すると

 

翠「純殿、すまん!濡須口の連中、投石機も読んでいた!奇襲部隊が仕掛けてきて・・・」

 

翠から投石機が襲われたとの知らせが来た。

 

純「攻めてきたか!」

 

翠「いや、投石機だけ壊して、さっさと撤退していったぞ。」

 

稟「完全に時間稼ぎをするつもりなのでしょう。・・・仕方ありません、潮時です。」

 

純「クソッ・・・今日もか・・・。」

 

霞「ウチの出番、今日もナシや。」

 

純「翠、撤退の指示を出せ!合肥に引き上げるぞ!」

 

翠「分かった。撤退、撤退だーっ!」

 

そして、純達は撤退した。

 

 

 

 

 

呉軍

 

 

 

 

 

呂蒙「蓮華様。敵部隊、引き上げていくようです。」

 

孫権「そう。思春が敵の伏兵を上手く退けてくれたのね。」

 

周泰「・・・追撃なさいますか?」

 

孫権「不要よ。曹彰と張遼相手に追撃を出して、痛い目を見ても仕方ないもの。濡須口を通さなければこちらの勝ちよ。」

 

甘寧「蓮華様、戻りました。」

 

孫権「ご苦労様、思春。敵の仕掛けは?」

 

甘寧「ご命令通り、秘密兵器らしきものの破壊のみ行って参りました。・・・追撃は必要ないのですよね?」

 

孫権「ええ。向こうがこちらに付け入る隙は、小指の先ほども見せないように。」

 

その様子を

 

程普「・・・。」

 

程普はじっと見ていた。

 

孫権「どうかした、粋怜。攻めないのが不満?」

 

それに気付いた孫権が、そう尋ねると

 

程普「まさか。こうも状況が良い方に傾けば、少しは反撃しようという気にもなるでしょうに。その欲のなさ、お見事です。」

 

と程普は返した。

 

孫権「母様や姉様だったら攻めていた?」

 

程普「ふふっ、間違いなく。」

 

孫権「けれど・・・私は私よ。それに、曹彰もこちらが出て来るのを望んでいるでしょうしね。」

 

孫権「この濡須口は合肥に次ぐ孫呉の守備の要。城砦も整っているし、亞莎の作ってくれた土塁も効果が出ているわ。向こうの誘いに乗る必要はどこにもないもの。」

 

孫権「確かに曹彰を見逃すのは悔しいけれど・・・この気持ちは、大事に取っておけば良いのよ。いずれ来る反撃の時にね。」

 

その言葉に

 

程普「・・・ふふっ、お変わりになりましたね。蓮華様。」

 

と程普は言った。

 

孫権「そうかしら?」

 

程普「ええ。大殿達とは違いますが・・・孫家の一員としての風格が、一層強くなったように思います。」

 

孫権「そう。」

 

孫権「だとしたら・・・あの旅のおかげでしょうね。」

 

程普「あら、良い出会いでも?」

 

孫権「さあ・・・どうかしらね。」

 

 

 

 

 

陳留・玉座の間

 

 

 

 

 

華琳「・・・そう。濡須口は落ちないか。」

 

華琳に建業攻めの状況報告を終えたのは、改めて合肥から戻ってきた純が遣いに送った兵だった。

 

曹彰軍兵士A「申し訳ありません。濡須口の守将を任された孫権が、思いのほか手強く・・・。合肥で十万の兵を率いていた時とは別人のようでした。」

 

一刀「純が自ら指揮しても、なおそれか・・・。」

 

華琳が魏を名乗るようになってから暫くが経ち、再開した呉との争いは、濡須口と合肥の間にラインを作ったまま、一進一退が続いている。

 

桂花「あの純様がここまで苦戦するとは、予想外ね。」

 

宝譿「敵が乗らねえ事には、策も何もねえしなぁ。」

 

曹彰軍兵士A「相手が全く出て来ないので、曹彰様もそうですが張遼様もイライラしてましたよ。」

 

一刀「・・・とはいえ、敵が攻めてきた時には彰来々と遼来々の名が轟くわけだもんな。曹魏全軍の指揮官と合肥の守将としても外せない、か。」

 

華琳「それで、純は今後どうすると?」

 

曹彰軍兵士A「はっ。曹彰様は、郭嘉様の意見に従い、上流に拠点を作る予定です。」

 

華琳「そう。桂花。」

 

桂花「はい。恐らく稟が考えてる場所は・・・」

 

そう言って、桂花は広げられた地図の建業の場所に指を置いて見せ、そのまますぐ脇にある長江を辿り、濡須口を過ぎ、更に遡って・・・ある一点で止まった。

 

桂花「・・・この辺りかと。」

 

春蘭「皖城?」

 

桂花「この辺りの要害ではあるけれど、濡須口よりは手薄な場所よ。ここを前線基地として押さえた後、改めて長江渡河の確保に移るかと。」

 

華琳「そう。ならあなた、純に伝えなさい。皖城の攻略は貴方達に委ねると。私の援軍が到着する前に、攻略を終えておくようにと。」

 

曹彰軍兵士A「はっ!ではこれにて。」

 

そう言い、兵士はその場を後にした。

 

華琳「秋蘭、凪、真桜、沙和、風。」

 

秋・凪・真・沙・風「「「はっ。/はっ/はっ/はいなのー/はいー。」」」

 

華琳「貴方達は四十万の兵を率いて純の援軍に向かいなさい。」

 

「「「「「御意!!!!!」」」」」

 

そして、秋蘭達は、華琳の命により、四十万の兵を率いて合肥に向かったのだった。

 

 

 

 

 

合肥城

 

 

 

 

 

純「・・・。」

 

稟「本国からは何と?」

 

純「ああ。姉上の援軍が到着する前に皖城を攻略するようにと。」

 

稟「そうですか。」

 

愛紗「であれば純様。皖城の攻略は私と楼杏殿にお命じ下さい!」

 

純「・・・。」

 

楼杏「愛紗さん!?」

 

愛紗「ただでさえ濡須口を突破出来なかったのだ。この位はしておかねば、汚名の返しようもないだろう。」

 

翠「・・・確かにそうだが。」

 

純「・・・なら、皖城攻略、お前達に任せる。頼むぞ!」

 

愛紗「はっ!ではこれにて。」

 

そう言い、愛紗はその場を後にした。

 

純「楼杏。」

 

楼杏「はい?」

 

その際、純は楼杏を呼んだ。

 

純「愛紗は、先の濡須口攻めの責任を感じて気負っている。何とか補佐してくれ。」

 

楼杏「ええ、初めからそのつもりよ。お任せ下さい。」

 

純「ああ。頼むぞ。」

 

そう言い、純は楼杏を送り出したのだった。そして、程なくして皖城攻略完了の知らせが、純の元に届いたのだった。

そして、秋蘭達四十万の援軍が、合肥に到着したのであった。




投稿できました。

そろそろ赤壁が近付いてきましたね・・・。

周瑜と魯粛の抗戦論、今は正しかったと言えるけど、当時は何言ってんだコイツみたいな感じだったんだろうな、一部の人は・・・。

そ、それでは、また。
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