タイトル未定
空襲の一 帰宅部空襲警報
夏希「ハト。ハト目・ハト科に属する鳥類の総称。平和の象徴である一方、古来より戦場では伝書鳩として軍事利用されることも。空港付近では飛行機と衝突する『バードストライク』を起こし、戦闘機を撃墜してしまうこともある」
夏希「それはともかく……空から焼夷弾が降って来たんですけどぉお!」
桜「おーい! 夏希ちゃん急いで! 防空壕はこっちだよー!」
――
あざらし「ヒュー……ドカーン! 今日も戦争だー」
――
桜「いやー今日も空襲だね。参った参った。あははーって笑い事じゃなーいっ!」
夏希「てか突然すぎて状況がよく分からないんですけど。桜先輩、何で私達防空壕に居るんですか……?」
桜「何言ってるの夏希ちゃん! 今は昭和20年、西暦で言ったら1945年だよ? 日本は現在、第二次世界大戦の真っ只中なんだよっ! 昨日も空襲、今日も空襲、もちろん明日も空襲だよっ!」
夏希「そんな元気よく言える台詞じゃないと思うんですけどー!」
牡丹「この世の全ての空襲を手に入れた国、大日本帝国! 人々は防空壕をめざし、焼夷弾から逃げ惑い続ける。世はまさに大空襲時代ッ!」
夏希「大空襲時代ぃ!? 何なんですかその悪夢そのものな時代は! 大海賊時代の方がまだマシじゃないですかー!」
――
あざらし「俺の爆弾か? 欲しけりゃくれてやる! 探せ! この世の爆弾を全て日本へ落としてきた!」」
夏希「いらんわそんなもんッ!」
――
花梨「うー……せんぱぁーい、空襲怖いですー」
牡丹「案ずるな花梨、お前はこの私が守ってやる。なーに、B-29程度なら、竹槍一本で楽勝だよ」
夏希「ええーっ、ほんとに竹槍で落とせるのー! だったらこんな所で女子高生やってる場合じゃないでしょ!」
牡丹「そうはいっても、日本軍は女性を採用してくれないんだ」
桜「大日本帝国憲法で決まってるからね」
あざらし「ブッブー。兵役法だよー」
クレア「心配しないで花梨さん。九重財閥が総力をあげて建造したこの核シェルターは、理論上ICBMが直撃しても耐えられるわ!」
夏希「なーんだよICBMってー! そもそも私達はマンハッタン計画すら知ってちゃおかしいでしょ!」
――なぜなに帰宅部 マンハッタン計画とは――
あざらし「1939年から始まったアメリカの秘密プロジェクト。1945年7月16日に世界初の核実験が行われたよ。よい子は科学を悪用しちゃダメー!」
――
花梨「牡丹先輩……クレア先輩……! ありがとうございます。私、もう怖くありません!」
クレア「いい子ね、花梨さん。ご褒美にみかんをあげるわ。はい、あーん」ナデナテ
花梨「あーん♪」
夏希「うへぇ……なんだこれ……てか総力上げるなら防空壕より迎撃機作ってくださいよ……」
クレア「だけど、こう毎日空襲されたんじゃ、安心して外で遊べないわよねー」
牡丹「そうだな。しかも、よりにもよって今日のエア・ストライクはアフター・スクールだ」
夏希「のんきに遊んでる場合じゃないでしょ! 今戦争中なんですよ! ……って牡丹先輩、なんでわざわざ敵性言語で言いかえるんですか!」
花梨「日本軍は何をやってるのかなぁ。ラジオじゃずーっと勝ってるって言ってるのに、どうして毎日B-29が飛んで来るんでしょう?」
桜「ふしぃ……それはね。実は日本軍はマリアナ諸島で全め、」
夏希「ストーップッ! まずいですよ桜先輩! その先を言ったら特高に逮捕されちゃいますよ!」
クレア「そうよ桜さん。花梨さん、日本のゼロ戦は世界最強だから、か弱い米軍のB-29を見逃してあげてるのよ」
牡丹「うむ。弱気を助け強気を挫く。まさに正義の軍隊だな!」
夏希「どこが正義なのぉー!? それじゃ非国民どころの話じゃないよ! そんな日本軍なら居ない方がいいよ!」
花梨「な、なっちゃんダメっ! そんなこと言ったら特高に捕まっちゃうよ!」
夏希「うう……やな時代だ」
桜「まあそれはともかく、こうなったら、私達で何とかするしかないと思うんだよね」
夏希「何とかって、何するんですか?」
桜「ふふぅー、聞きたいぃ?」
夏希「別に……どっちでもいいです」
桜「聞きたいなら聞かせてあげよう!」
夏希「だから、どっちでもいいよ!」
桜「私達帰宅部はただいまを持って……迎撃部に改名しますっ!」
夏希・花梨・クレア「「げ……迎撃部!?」」
牡丹「……だと?」
桜「私達の持てる力を結集して、B-29を迎撃するんだよ!」
牡丹「おお! 遂にバトル路線か!」
桜「新タイトルは……名付けて、『迎撃部活動記録』!」
夏希「なぬぅー!?」
牡丹「おいおい桜、いくらなんでもそこを変えたらまずいだろ」
クレア「そうよね。せめて『帰宅迎撃部』とかにするべきじゃないかしら」
夏希「その熟語はどうやったって相容れませんよ!」
クレア「なら『帰宅部撃墜記録』?」
夏希「違和感は減りましたが意味が分かりません……。そもそも! B-29を迎撃とか絶対無理ですから!」
牡丹「いや、出来るだろ普通に」
夏希「そりゃあんただけだろッー!」
桜「えー? 迎撃部じゃダメなのー?」
夏希「ダメです! もっと別のタイトルにしてください」
クレア「困ったわねぇ。花梨さんはどうかしら」
花梨「一昔前に流行ったひらがなを使って『くうしゅうっ!』とかはどうでしょう」
桜【可愛い】・牡丹【可愛い】・クレア【可愛い】
夏希「可愛くても駄目だよ! てか字面は可愛くても意味は全くもって可愛くないよ! むしろ狂気すら感じるよ」
クレア「そうかしら、私は素敵だと思うけど」
夏希「素敵な空襲なんてあってたまるか!」
牡丹「らき☆すたっぽく☆を付けて『くう=☆=しゅう』でどうだ?」
夏希「米軍機かよ! てゆーかなんでタイトルが連合国側なんですか! これじゃ私達が空襲するみたいじゃないですか」
クレア「それなら九重財閥の力を使って、アメリカを空爆しましょう」
夏希「ええぇー! そんなの出来るなら早くやってくださいよ! 戦況ガチでやばいんですから!」
クレア「もしもし、私よ。今すぐD.C.を廃墟に変えてちょうだい! ………………あら、そう」
クレア「ごめんなさい、やっぱりダメだったわ」
夏希「そりゃそうだよ! 金の力でアメリカ本土空襲出来たらここまでボロ負けしませんから!」
桜「夏希ちゃん、その発言はちょっぴり非国民気味だぞ=☆=」
夏希「語尾に米軍機付けてる人が言わないでください!」
桜「流行と言えば、最近は長い名前を付けるのが流行っているよね。例えばー『夏希ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ』とかどうかな?」
夏希「全力で却下します。てか、『私だけど』ってどういう意味ですか!? 何が関係ないんですか!」
クレア「ナニがよ」
夏希「卑猥な言い方するなー!」
クレア「『私の花梨さんがこんなに可愛いわけがある』はどうかしら?」
夏希「いつの間にか戦争関係なくなってるし……一応聞きますけど、この場合の私って誰ですか? 主人公の私ですか?」
クレア「うふふ……」
桜「ちょっと待って夏希ちゃん、帰宅部の主人公は私でしょ!」
牡丹「何を言ってるんだ桜? 冗談は寝てから言えよ」
クレア「そうよ! この作品の主人公は花梨さんに決まってるじゃない」
花梨「えっ……えー! 私、主人公だったんですか? 初めて知りましたー」
夏希「いや、どう考えたって主人公はツッコミ担当の私ですから。花梨はヒロインでしょ」
クレア「まぁ! 私としたことが失念してたわ、夏希さんの言う通りよ! 花梨さんはこの作品のメイン・ヒロインよねー」
牡丹「それに関しては異論ないな」
桜「それこそ異論ありまくりだよ! メイン・ヒロインは部長の私ですッ!」
クレア「えっ……この方何を仰っているのかしら」
牡丹「日本語っぽかったけど、多分ジンバブエ語とかだろう」
花梨「へー、ジンバブエ語って日本語とそっくりなんですねー」
夏希「花梨……わざとだよね?」
――
あざらし「ブッブー。ジンバブエの公用語は英語。他にもショナ語、北ンデベレ語などが話されているよ」
牡丹「ちなみにこの時代、ジンバブエ共和国はまだ存在しないんだ」
夏希「じゃどっから出てきたんだよその単語!」
――
桜「むうー!! 私が主人公でヒロインじゃなきゃやだやだやだー!」
夏希「桜先輩ッ!」
桜「な、何よ夏希ちゃん」
夏希「『帰宅部は全員が主役で、掛け替えのない仲間』。これ、桜先輩の言葉ですよ」
桜「……な、夏希ちゃん……! うん、そうだね! 私たちは5人そろってこその帰宅部! ありがとう夏希ちゃん、私やっと思い出したよ。私達全員が、帰宅部のヒロインで主人公なんだって! そして私達のワクワクDAYSは、これから始まっていくんだよッ!」
BGM~チャラララ ラーラーラー♪~
桜「ちゃらららっちゃ~ららら ちゃ~ら~ららっら~♪ ちゃ~ら~ららっちゃ~ちゃっちゃ♪」
牡丹「こいつまた歌い始めたぞ」
夏希「何度目のエンディングネタだよ! 何回やれば気が済むのーッ!」
クレア「そうよ桜さん! 記録の三十四『ゆずらないよ』が入ってた10話は私と花梨さんの曲のはずよ!」
夏希「そこかーい! 大体空襲に脅えながらじゃちっともワクワクできませんよ」
牡丹「というか桜! 二次創作で著作権の生きてる歌詞歌ったらまずいだろ」
桜「あっ! ど、どうしよ、夏希ちゃん! 私たち、著作権管理団体に拷問されちゃうよっ!」
夏希「逮捕通り越していきなり拷問なのかよ! JA●RACは特高かよ!」
花梨「そうだ! こんな時こそモルダウですよ桜先輩! 是非モルダウをドイツ語で歌ってください!」
桜「えっ……モルダウッ? モルダウ……モルダウね。……ごほん、ヴェィ ライテト ゾー シュペー……」
花梨「それは魔王ですよ、桜先輩!」
桜「ひぅっ……お……オォ セイ キャンユースィー……」
花梨「ですからそれは魔王ですよ! 魔王じゃなくて、モルダウをお願いします!」
桜「うぁぁぁわぅ……バーイ ザ ダァーウン! アーリーラァアアーイッ!!」
夏希「ってぇぇえーッ!! これ魔王じゃないよっ! 魔王どころか、時代的に一番歌っちゃいけない曲だよッ!」
牡丹「私、この曲なら歌えるぞ」
夏希「なんでー!」
クレア「私も中学生の時に習ったわ。せっかくだからみんなで合唱しましょう!」
夏希「いやいやいやいや!」
桜「せーのっ!」
夏希「フリィーーーズッ!」
桜・牡丹・クレア「アーンド ザ ローケッツ レッドグレーア!! ザ ボムズ バースティン イン エエェーァ!」
花梨「わー先輩たち上手だなー」
夏希「わーわーわぁぁああああ! お願いだからやめてぇええ!」
桜・牡丹・クレア「ゲーイブ プルーフ スール ザ ナーイト! ザット アワ フラーッグ ワズ スティル ゼエエエエァ! オォーウ セェエエエイ ダズッ ザ スタースパングルド!! バァァァァナァアア!」
夏希「シャラァアアアアップ!! それ歌い切っちゃったら、J●SRACどころの話じゃありませんからー! 憲兵が来ちゃいますってー!」
桜「ごめんごめん、ちょっとしたジョークだよ、アメリカンジョークッ!」
夏希「色んな意味で洒落になってませんから! ほんとにやめてください桜先輩。歌うならせめて君が代とかにしてくださいよ!」
花梨「君が代をドイツ語で歌いましょう!」
夏希「なんでーッ! そこは普通に日本語でいいよ! てか日本語の歌詞しかないし!」
花梨「でもナチスは同盟国だよ?」
夏希「そうだけどー、ナチスの話題はリアルに危険だからーッ!」
牡丹「あいつらって何やってるんだっけ……えーっと、地球上で最も多く存在する炭水化物で……ってあれはセルロースか」
桜「確か……合成樹脂の一種で、フライパンのコーティングとかにも使われる……」
クレア「それはポリテトラフルオロエチレンでしょ」
夏希「何をどう間違えたのー!」
花梨「私思い出しました! ナチスの人達は、ユダヤ人の皆さんをローストビーフしてるんです!」
桜・牡丹「それだッ!」
夏希「ホロコーストだよッ! 人間ローストビーフって酷すぎるでしょ!」
桜「でもさ、ホロコーストって実際何やってるんだろ?」
クレア「元はギリシャ語で『丸焼きの供物』って意味だったと思うけど……そこから転じて、『火災による惨事』になったのよね」
桜「あれ? じゃあやっぱり人間ローストビーフじゃん! ユダヤ人の丸焼きだね!」
夏希「違いますよ! ホロコーストってのはですね……ってー! ナチスの話はやめましょうようッ! 君が代です君が代!」
桜「君が代かぁ……入学式とかで毎年歌うから歌詞は覚えてるけど……あの曲って、短調だからあんま盛り上がらないよね」
牡丹「だな。葬式じゃないんだから、もっと熱い曲にした方がいいんじゃないか?」
夏希「えー! 今度は国歌批判ですかーっ! この人達どれだけ怖いもの知らずなのー!」
クレア「私、君が代ってどうも苦手なのよね。そもそも、どうして天皇を讃えなくちゃいけないのかしら?」
夏希「ちょっ……この人完全に国家神道否定しちゃいましたよ! いくらなんでも危険思想すぎますからっ!」
クレア「どうせなら天皇じゃなくて花梨さんを讃えたいわ! はぁ……国歌が『花梨さんが世』だったらよかったのに」
夏希「滅茶苦茶歌い辛そうですねそれ……」
花梨「クレア先輩……私のことをそこまで……! 嬉しいですっ!」
夏希「花梨も喜んじゃダメぇー! もうほんとに特高来ちゃうからーッ!!」
クレア「ふふっ……その心配はないわ」
夏希「ええ!? も……もしやクレア先輩、特高と繋がってるんですか?」
クレア(レイプ目)「うふふふ……どうかしら?」
夏希「目ぇー怖ッ! ちょー! クレア先輩ガチで怖いですからー!」
花梨「なっちゃん! クレア先輩は、とっても優しい先輩だよ」
夏希「わ……分かってるってば花梨……」
桜「みんなそこまで! それよりこの作品のタイトルだよ!」
夏希「そういえばそんな話でしたね……」
桜「せっかくだから、夏希ちゃんもタイトル考えてよ」
夏希「えぇ……私ですか? じゃ、じゃあ……、適当に帰宅部活動記録1945とかどうでしょう?」
――
あざらし「デデンデッデデンデン! 敵の潜水あらざしを発見!」
――
牡丹「おー悪くないんじゃないか。語尾に西暦を付けるだけで一気にきな臭くなったぞ」
花梨「さすがなっちゃん」
クレア「これなら無理にタイトルを変えなくて済むわね」
桜「うん、私も良いと思う。まさにバトル物って感じだしね」
夏希「いや、バトル物じゃないんですけど……」
桜「じゃあフィールド物?」
夏希「なんですかフィールド物って! 畑でも耕すんですか!」
クレア「校庭でクランベリーを育ててクランベリーパイを作りましょう♡」
夏希「米英か! そんな日本離れした果物育てないでください」
牡丹「ならサクランボはどうだ? 桜は日本の象徴だしな」
花梨「それいいですね! サクランボでパイを作りましょう」
夏希「チェリーパイかよ! 一見日本っぽいけど、発想は結局アメリカンだよっ! あんたら頭の中アメリカナイズされすぎだろ!」
桜「それで、夏希ちゃんは何ベリーパイを作りたいの?」
夏希「何ベリーパイも作らんわっ! はぁ……桜先輩、いい加減に話を戻しましょうよ」
桜「それもそうだね。ならベタだけどサツマイモを育てよう!」
夏希「確かに戻ってるけどー、もう少し戻してーッ!! タイトルの話ですから!」
桜「分かってるってば夏希ちゃん。タイトルだね。夏希ちゃんの案に賛成の人ー!」
牡丹「私は賛成だ」
クレア「私もよ」
花梨「私もなっちゃんの案が良いと思います」
桜「よーし、それじゃーみんな行くよー!」
桜・夏希・牡丹・クレア・花梨「「帰宅部活動記録1945、始まります!」」
――次回予告――
桜「桜だよ。ラッコって、可愛い顔してめっちゃ大食いなんだって! 高級食材のウニやアワビを食べつくしちゃうから、漁師の人達から害獣扱いされてるらしいよ! だけど法律によって狩りは禁止されてるから安心だね! 次回は空襲の二、『法則の超越』をお送りするよ」