「うーん、ダメだこりゃ。修理するにも半年以上かかりそう。」
『私としては、出来るだけ早く治してもらいたいんだが。』
「いやだって、見たこともない部品が多いし、かなり壊れてるし、君が無事なのも奇跡だよこれ。」
アダムは行動予備隊A1に発見された後、ロドスに回収された。現在はレイジアン工業製のボディに移し替えてもらっている。因みにアダムの話は、A1全員が理解できなかったらしく、ロドスの上層部がやっとこの世界の者とは異質な存在であると分かったのである。
アダムと会話をしているのはロドスのサルカズメカニック、クロージャである。え、角がないじゃないかって。彼女は角のない
『それは、ゆっくりしてもらえればいいのだが、もっとハンサムなボディはなかったのかね。』
「ボディがこれしかなかったからしょうがないじゃないか。」
『冗談だ。』
『クロージャお姉さま、少し話を聞いてほしいのですが。』
そう現れたのは医療用無人地上車両、Lancet-2である。クロージャが現場用に改造されているが、クロージャによってプログラムを書き換えられており、クロージャを好きになったり、卑屈だったり酷い扱いを受けている。
「ランセット、どうかしたのか。」
『クロージャお姉さま、彼はいったい誰でしょうか。』
『私か、私はアダムだ。もともとはこの修理中の船のAIだが、ロクデナシにボディを移し替えてもらった。』
「ちょっと、誰がロクデナシ?私はそんなに嫌われるようなことをした覚えはないよ。」
『人の脳をいじくろうとした奴のことを信じられるか。』
「いや、それは本当にコンピューターが脳で出来ていたとは思わなくて。」
アダムは、ある軍人の豊富な経験と的確な判断力を反映したAIである。なお、この事実に対してクロージャは「その発想はなかった。」と言っており、医療部から「するなよ。」と釘を刺されている。因みにこの事実は医療部と、クロージャを含めた一部の責任者しか知らない。
「アダム、少しいいか。」
『何の要件でしょうか、教官。』
アダムに話しかけたのは、ドーベルマン教官であった。ペッローである彼女は、ロドスの教官として働いており、行動予備隊A1は彼女の教え子たちである。彼女の訓練を見学したアダムは、『素晴らしいな、これは。』といい、ドーベルマン教官はアダムが指揮は得意であると聞いた時、実際にしてもらった時に、「素晴らしいな、これは。」といったのだとか。
「ケルシー医師のところに同行していただきたい。」
『…分かった。』
「…遅かったな。」
『思ったより、速度が出ないものでな。』
アダムの目の前にいる猫の耳を持っている女性は、ロドス上層部のケルシー医師である。
猫の特徴を持つフェリーンである彼女は優れた医師であり、ロドスの中でもトップクラスの実力者でもあるとアダムは見ている。
『それで、何の様でしょうか。ケルシー医師。』
「お前、いや、お前たちのことについて知りたい。」
『信用されていないようだ。』
「そういうわけじゃない。お前の相方について知りたいんだ。」
『サムスのことか、彼女はもともと私の部下だった奴だ。』
「…その姿になる前のか。」
『その通りだ。今はバウンティーハンターとして生計を立てている。サムスを雇用する気か。』
「うちは人手不足だ。お前みたいなAIの手を借りたいほどにな。」
『なるほど、なら彼女との合流を急ぐべきだな。』
ケルシーはアダムがこの星の外からきていることを彼から聞いている。最初は驚いたものの、クロージャがスペースシップのことをオーバーテクノロジー扱いしているなどから、彼の言っていることが本当であると判断している。
「それもそうだが、彼女に病気はないか。」
『病気はないはずだ。』
「そうか、実力はどれくらいだ。」
『50m級のクリーチャーを単独撃破している。』
「…それは、冗談か。」
『冗談じゃない、本当のことだ。私も非常識だとは思うが。』
「…彼女は何者だ。」
『彼女は…鳥人族の後継者だ。』
鳥人族。彼らは様々なオーバーテクノロジーを開発し、銀河中に文明を残した偉大な種族である。たぐいまれな身体能力に、高度な頭脳を持ち合わせており、銀河でその名は知らないという者は宇宙に進出していない惑星だけというすさまじい存在である。サムスは彼らから戦闘技術やパワードスーツ、そしてDNAを受け継いでいるのである。
「…すでに滅んだ種族の後継者か。」
『もともと、高齢化が進んだ種族だからな。』
「…だからと言って、先ほどの所業がまだ信じられないのだが。」
『この世界でも、あり得ないことだろう。しかし、彼女はそのあり得ないを実現することが出来た。彼女こそ、最強の戦士という肩書が似合うだろう。』
「最強の戦士か。腕は確かの様だな。」
『彼女にあの船の落下地点の座標を送っている。いずれそこに現れるだろう。』
「…十分だ。ありがとう。」
「ケルシー先生。そんな顔をしてどうしたんですが。」
そう尋ねたのはまだ幼さが残りつつも、どこか上に立つ人間のような雰囲気を出しているコータスの少女がケルシーに尋ねた。彼女こそがロドスのCEO,アーミヤである。
「…アダム、あのAIまだ何か隠しているな。」
「ケルシー先生の気のせいじゃないでしょうか。」
「『病気はない』…か、彼女の体には何かあるな。じっくり検査しなければな。ところで、あいつはどこに行った。」
「ドクターならアダムさんのところに行きましたよ。」
「君がアダムか。」
『私がアダムだが、あなたは。』
アダムに話しかけたのは、コートに仮面をかぶった怪しい男だった。
「私の名は、グレイ。ドクターグレイだ。皆、ドクターと呼んでいる。」
そう、彼こそがロドスの重役にして指揮官、ドクターである。
『ドクターが私に何の用だろうか。』
「
『…事情は分かりますが、何故私で何故彼女たちでしょうか。』
「ドーベルマン教官から聞いたが、高い指揮能力を持っているらしいじゃないか。ケルシーから聞いただろ、ロドスはいつだって人手不足だって。私も別の作戦の指揮をしなければいけないからね。それに、彼女たちが君を見つけている。知らない相手よりまだましだろうと考えて彼女たちにした。」
『なるほど、承知した。』
「じゃあ、早速行ってもらおうか。場所は君が発見された近くの森だ。」
『了解。』
こうしてアダムは行動予備隊A1の臨時指揮官となったのだった。
時系列としては、サムスたちがウルサスに向かっている最中だったりします。
なんだか、メトロイド要素がサムスとアダム以外薄いような…
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