FGO+スクライド Fate Grateful Olderman −ある偉大な兄貴の物語− 作:なんJお嬢様部
地味に時間ができたので投下ですわ! ただし、一気には無理なので分割ですわ~!
地鳴りのような音を立てて《冬木の大空洞》が崩壊していく。
いや、正しくはあるべき姿に戻ろうとしているというべきか。
核たる聖杯とアーサー王を失い、それを影で操る黒幕も退去した。その時点でこの特異点は存在を維持できるだけの強度を失ったのだ。故に、この特異点の消滅に巻き込まれることは、特異点の一部として消滅することを意味していた。
「《特異点》が修正される! ロマニ、《カルデア》への転送を急いで!」
「分かってるよマリー! でも、こっちの設備はダメージが大きい上に、クーガー君の霊基データまで追加しなくちゃいけないんだ! もう少し時間がかかるよ!」
オルガマリーが通信する《カルデア》司令室では、Dr.ロマンの指示の下、職員たちが、立花たちの生存証明をするために、コフィンシステムを必死になって調整する姿が映し出されていた。
《カルデア》の運営を任された選りすぐりの人材である彼らはよくやっている。しかし、やはりレフ教授になりすましていた何かによるテロの影響は大きく、人数の不足は如何ともし難い。特異点の消滅が先か、立花たちのレイシフトが先か。状況は一刻を争うことになっていた。
必死になって自分たちを救おうとしてくれている彼らに対して何もできないことに、立花はほぞを噛む思いだった。彼の隣に立つマシュも同じ思いのようで、その手は胸元で固く握られている。
重苦しい沈黙が場を支配する中、口を開いたのはオルガマリーだった。
「……コフィンシステムの生存証明、藤丸とマシュの2基分を優先させなさい」
「……!? 所長、そんな!?」
「いけません、オルガマリー所長!? ようやくここまで来たんです、帰るときはみんなで一緒に帰りましょう!」
並行して進む4基のコフィンシステムの生存証明。その内、2基を優先すれば確かに作業効率は上がり、立花たちが全滅するリスクは減る。
オルガマリーの判断は非常に合理的なものだった。だが、それ故に立花たちにとって、仲間を見捨てるに等しいそれは受け入れがたい言葉だった。
必死の表情で、オルガマリーに食い下がる二人に、オルガマリーは微笑みながら首を左右に振った。
「今後のことを考えれば、これが最善手よ。そもそも、私の肉体はもう消滅しているのだから、レイシフトが成功して《カルデア》に帰れる保証はないのよ。クーガーは英霊だから最悪あなた達が無事に帰れば再召喚することだってできるわ」
「確かに、そうですけど……!」
それでもなお食い下がろうとする立花の肩にオルガマリーが手を置く。その、思いがけない行動と肩に置かれた手から伝わる優し感覚に立花の動きが止まる。
「私は《カルデア》の所長なの。部下であるあなた達の安全を守る義務があるのよ。これが最後になるかもしれないんだから、最後くらい所長らしいことをさせなさい」
「所長……」
オルガマリーの見せた優しさに、思わず言葉に詰まりそうになる立香の肩を、彼女の手がトンと押す。押し出された立香は「わわっ」と声を上げながら、マシュの隣へと収まった。
二人並んだ立香とマシュに、オルガマリーは右手の人差し指を突きつける。
「その代わり、私が生きてカルデアに戻ったらビシバシあなた達を指揮してやるんだから覚悟してなさい!」
「……っ、はい!」
「所長、必ず、必ず《カルデア》でお会いしましょう!」
いつもの調子に戻ったオルガマリーに、立香たちが力強く頷く。Dr.ロマンの通信が再び入ったのはそんなときだった。
「マリー! 藤丸君とマシュの生存証明が完了した! いつでもレイシフト可能だよ!」
「よくやったわ、Dr.ロマニ! 今後は、貴方の
「えぇ!? これだけ頑張ってるのに検討するだけ!?」
「今までサボっていた分、検討するだけありがたいと思いなさい! さぁ、早く二人を《カルデア》に!」
「わかったよマリー! 二人ともそこを動かないでね!」
「はい! 所長、また後で!」
「所長、《カルデア》でお待ちしています!」
「はいはい、分かったから早く帰りなさい」
しつこく別れを惜しむ二人に、オルガマリーが苦笑を浮かべながら、飼い猫を追い払うかのようにしっしと手を振ると、立香達の姿が陽炎のように透き通って消えた。レイシフトに成功したのだ。
「……ありがとう。藤丸、マシュ」
最早、この場にはいない二人に向けて、オルガマリーは囁くように言葉を紡いだ。そんな彼女に背後から一つの足音が近づく。
「さーて、いよいよ残すところは俺たち二人ですね、オリガさん」
「はぁ……、私としては最後に残るのが貴方なのは不本意ですけどね」
消えた二人と入れ替わるように横に現れたクーガーにむけて、オルガマリーは溜め息混じりの皮肉を吐く。しかし、クーガーはそれもどこ吹く風といった様子で、いつもどおりの笑みを浮かべながらサングラスを額へと押し上げる。
「滅びゆく世界に最後に残った男女二人なんて、最高にロマンチックなシチュエーションだと思いませんかオリガさん」
「ええ、わざと名前を間違えてくれるような男性じゃなければ、ね」
「はっはーぁ! こいつは手厳しい!」
オルガマリーの棘のある言葉を受けても、クーガーは相変わらずの高笑いを上げて、消えゆく世界をその眼に焼き付けている。その姿を見つめながら、オルガマリーはポツリと半ば独白のように呟いた。
「ごめんなさい、本当ならあなたは一度《英霊の座》へと退去すればいいのに、私の身体を維持するためにこんなことに巻き込んで」
オルガマリーの今の身体は、クーガーのアルター能力で生成されている。彼女が《カルデア》に無事に帰るためには、クーガーは《英霊の座》に戻ることなくアルター能力を発現させ続けなければならなかった。つまり、特異点からの退去が間に合わなければ、彼はオルガマリーと消滅の運命を共にしなければならないことになる。
しかし、そんな滅びを目の前に控えても、クーガーは相変わらずの気楽な調子で首を左右に振る。
「いえいえ、これで俺ってば、今の状況を中々に楽しんでるんですよ。だって、世界が滅びる瞬間なんてそう何度も立ち会えるものじゃありませんからね!」
「呆れた……、やっぱり一度死んだサーヴァントは滅びることが怖くないのかしら」
「はい、まったく」
オルガマリーの問いに、クーガーは彼らしく即断してみせる。
「ですが、俺が怖くないのは一度死んでいるからじゃあないんですよ」
「……え?」
「俺たちは、全く違う世界から奇跡のような確率で巡り会えた。なら、俺たちが助かる奇跡だって、意外と簡単に起こる気がしてきませんか」
そう言って、クーガーがウインクをすると、オルガマリーはにこりと微笑んだ。
「そうかもね。……ふふっ、貴方とはようやく初めて気が合ったわね」
「ははっ、これから何度でも合うことになりますよ!」
「二人とも、レイシフトの準備ができた! さぁ、今度は君たちの番だよ!」
Dr.ロマンの通信が入り、二人は顔を見合わせる。
「ではオ
「ええ、私の《カルデア》で会いましょう、クーガー」
やり取りを交わした刹那、二人の体が陽炎のように揺らぐ。それと同時に、特異点の中心《冬木の大空洞》は大音声を上げて完全に崩落した。
この話から新しいアンケートを取らせていただきますわ!
アンケートの内容は、「邪竜百年戦争オルレアン以降の特異点で、本来のストーリーで登場するサーヴァント以外がいてもいいか?」ですわ!
オーケーなら本来のストーリーではいない、手持ちサーヴァントがいるor途中で召喚する状態で話が進みますわ。手持ちサーヴァントは、直前の特異点で縁を結んだサーヴァントか、攻略特異点に登場するサーヴァントと関係させられるサーヴァントを1〜2騎までとする予定ですわ! あまりにも大所帯だと緊迫感がなくなりますので!
逆に、ダメならクーガー以外の仲間は、本来のストーリーで出てくる現地協力者のサーヴァントのみで進みますわ!
皆様のご投票お待ちしてますわ!
邪竜百年戦争オルレアン以降の特異点に、本来のストーリーで登場するサーヴァント以外がいてもいいか?
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どんとこい、超常現象。(いてもいいよ!)
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ヴェルターズオリジナル派(原作重視!)