筆よ、白を描き出せ。   作:色龍一刻

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ああ、すまないまたなんだ。1hで衝動のままに書いた。反省します。
ウマ娘、アニメ一期二期とアプリ版は見てる&やってるけど記憶がボドボドだからミスは許して。リアル競馬は無知です。レースのルールとか全然わからん...そこら辺避けながら書くんでよろしこ。なお短編である。続いたら続く。性癖詰めました。


01・ホワイトなのに黒毛である。

 

 

気がついたら真っ白な空間にいた。

地も空も真っ白で、境がわからないほどだ。

人はここでパニックになるのだろうが、不思議と私は落ち着けていた。

警戒心、不安感の欠如、というより、ここに不安要素、または警戒するべきものが無い、というのが正確だろうか。なぜかは流石にわからないが。

 

意外と堪え性が無かった私は、周囲の観察をやめて歩き始めることにした。

何せ真っ白である。飽きるものも飽きるだろう。

立ち止まっているよりフィールドワークしている方が、

何かと興味深いものも見つかるだろう。という魂胆である。

我ながら子供っぽい発想であった。

 

歩いていると、少しずつ凹凸が見えてきた。

凹凸と表現した理由は、全て真っ白過ぎて距離感すら失われているからである。

つまり遠くからでは何がなんだかわからない。

 

凹凸が増えていく。

結構の広さ、であろうか。

それが形作っているものは________交差点?

 

真っ白な家が十字の空間を開けて並んでいるので、ここには道路があるのだろう。真っ白な信号機も刺さっている。真っ白な電柱、真っ白な人...人!? まるで白亜の彫刻のようである。気を取り直して、真っ白な車。真っ白なトラック。真っ黒なケモミミ少女......?

 

ふむ、この子だけに色がある。そして影がある。そして黒毛のケモミミである。

更に顔を見れば美少女だ。うーむ、かわいい。

ふむ、その顔は迫真の表情で歪んでいる。

手を前に体を投げ出すように出し、その先には白亜の人像。いや、少々解像度が高い。表情も見て取れる。驚愕だろうか。大柄なスーツの男性。

そして彼らの後ろには、大型のトラック....

 

なるほど、交通事故一歩手前で全てが石化した、という題材だろうか。

なんとも良い腕を持つ彫刻家がいるものだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここで目が覚めた。

 

あの現実感の無かった世界は、夢だったのだろう。

そう、寝惚けた頭で確信する。

 

だって、知らない天井である。

遠くで電子音がなっている。

ツンと香る薬剤の匂い。

 

はてさて、なぜ私は病院に?

 

 

ひとまず腕を伸ばす、固くなっていた筋がバキボキゴキっと良い音を立てる。

 

うにゅーぅ....

 

可愛らしい声が聞こえた。いやに聴こえやすい耳と感覚によると、確かに私の喉から鳴ったらしい。マジで?

ふと腕に点滴が刺さっているのに気がついた。慎重に下ろすことにする。

 

隣でガタンという音も聞こえたので振り替えると、大柄なスーツの男性が仰天顔でこちらを見ている。おお、良く見ると記憶に新しい顔である。あの解像度の高い像の人か。結構な好青年である。

 

「お、あ、え、あ、あ、あ、せ」

 

ど、どうしたのだろう。こちらをガン見したまま要領得ない言葉を垂れ流している。

 

 

「先生ー! ホワイトが、ホワイトキャンバスが目を覚ましました!! 先生ー! よかった!よかったホワイト!もう目を覚まさないかと.....っ!」

 

 

"病院は静かに"が鉄則だぞ、好青年よ。

 

.....ふむ、これは感動的な場面なのだと思うのだが、

ここは後々のことの為にあまりぼかさないほうが良いだろう。

 

 

「ごめんなさい、あなたは誰ですか?」

 

 

 

 

「え_______________

 

 

 

 

 

 

 

空気が凍りついた。

 

 

 

 

 

......判断を誤ったかもしれない。反省。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

二日が経った。

 

 

「記憶障害の可能性があります。

記憶喪失、健忘症と言い換えても良いかもしれません。

専門機関での検査結果が出ないとはっきりとは言えないのですが、

お話を聞く限り、事故を原因とした大部分のエピソード記憶を思い出せない症状となると、記憶障害などが合致するかと。」

 

 

そう、医師には告げられたらしい一津井(ひつい)さん(専属トレーナーという職業らしい。私は何のアスリートなのだったのだろうか。)がさっきまで死にそうな顔をしていたので、なんか記憶が戻りそうなテンプレートアルバムでも持ってこいとケツを蹴り飛ばして(比喩表現である)しまった。聞く限り私はウマ娘???????と言う生き物で、結構なアスリート人生を過ごしてきたとか。

ウマ娘という存在への疑問の前に、

うむ、うむ、なるほど、

確かに過去を思い出せない!困った!!

え?マジで思い出せないんですけど。え、マジ!?

という語彙無状態に陥ってしまった。所謂SANチェックである。

 

気を取り直して、一津井さんが渡してくれたスマートフォンを弄り、ウマ娘と検索。なお点滴とか各種様々な機材は二日間の慌ただしさの中で撤収済である。一ヶ月近く眠ってたらしいけれど、必要だったのは栄養補給だけだったらしいし、良かった良かった。

 

ウマ娘とは.......結論!摩訶不思議怪力生物。走ること好き!

ウマ娘で各種レースをするのが国民的娯楽になっているよ!

世界中にウマ娘のトレーニングセンターがあるよ!

下手すると大怪我して一生寝たきりだから気を付けようね!

 

うーむ、彼女らの(ウマ息子はいないらしい。Why?)生活感を知るためにブログとかSNSとかもチラ見しているが、

一般ウマ娘は一般人と変わらない生活感を醸し出しているが、

レースをするらしいプロアスリートウマ娘がガチガチ熱血ハードワーク過ぎて少々びっくりした。

休息はしっかりとっているとは思うが、

ずっとトレーニングとレースってキツくないの?

え、負けたくない気持ちの方が強い?

な、なるほど、プロ精神ここに際まれりというやつであろうか。

それとも、そこへ至るために、そこまでの精神力が必要なのだろうか。

恐るべしウマ娘、なんとも奥深い存在のようである。

 

ふと上を見上げればそこにピコピコ動く愛らしい耳がある。

ふと布団を捲れば、少々毛が散らばった尻尾がある。

筋肉のつき方、骨格からして常人ではない。(元々人ではないが。)

長期間の休養で衰えてはいるとは言え、光るものは素人でも解るものだ。

 

うむ、うむ、そういえば私もウマ娘であった。

一津井さんも私の専属トレーナーとか言ってたし.....

 

え、私も走るの?

あの泥だらけ汗だらけ闘志だらけ殺意(比喩)だらけの世界で!?

 

 

「いや、流石に今から半年以上はきっちり休養、できたらリハビリとトレーニングだ。勿論記憶との折り合いがつけばの話だが.....もしかしてそこら辺の記憶も...?」

 

大量のファイルや本、雑誌、パソコンを抱えて帰ってきた一津井さんに訪ねるとそんな答えが返ってきた。ふむ、妥当である。そして痛いところを突かれてしまった。元気良く"無い!"と答える。

 

青白い顔で頭を抱えてしまった一津井さんから色々むしりとり、ペラペラと捲る。

ふむ、ターフ上だろうか?笑顔で人差し指(いっちばーん!)を立てる...おお、夢でみた迫真黒毛美少女ではないか。やはり私だったか!

自画自賛ではあるが美少女は得である。いやウマ娘全般が美少女なのでウマ娘という時点で得というものだろうか。

話が脱線した、更にアルバムを捲る、ふむ、良く出てくるこの背景の施設がトレーニングセンターというものだろうか。素人ながら解るなかなかな設備、そして制服がかわいい...学園も兼ねている?いや学園が本体?

まあいい、更にペラペラと、おお、他のウマ娘と走っている私だ。

レースだろうか、最初に見た写真と同じ、素敵な衣装を着て走っている...ウマ娘を調べたときも思ったけど、それ走りづらくない?

まあ、一大産業としてはぜひ着て走って欲しいのだろうか、ウイニングライブなんて言うファン必見の大イベントもあるというし、うん、アイドルのようなものと思おう。ウマ娘はかわいいし、必要なんだろうね!謎過ぎるぜウマ娘!

あの時の迫真の表情には及ばないが、真剣な顔で走っている。.......何でみんなこんなに猫背で走っているのだろうか。それ、危なくない?下手したら顔面ダイブである。全体重を前へ前へと押し出す様子を切り抜いたその一枚の写真は、過去のこととはいえ、ハラハラさせるのに十分な臨場感を放っている。

 

「ホワイトキャンバス。君は、本当に凄いウマ娘なんだ。GIだって二つもとった。その一つはレコードだ。シンボリルドルフやアグネスタキオンによると、『心象領域(固有スキル)』にも目覚めかけていると言われている。他のGIウマ娘からも、ライバル視されてもいる。見てごらん。」

 

いつの間にか、隣でアルバムを覗き見ていた一津井さんがページを捲る。

そこには、色鮮やかなウマ娘たちにくしゃくしゃに抱きしめられて笑う。

私がいた。

 

「もう、報せは届いているだろうけど、みんながみんな忙しくてね。何しろ『黄金の世代』と呼ばれるライバル達だ。今も一秒一秒をレースに向けた調整とトレーニングに充てている。私が、無理して来なくて良いと、各トレーナー達に伝えておいたんだ。」

 

 

 

 

_________ああ、それは素晴らしい判断と言うしかない。

 

 

ウマ娘のことすら忘れ、

多分、()()()()すら忘れている私は、()()()に多大なショックを与えることだろう。

 

笑っている。

どこまでも朗らかに、友と寄り添い合って笑っている自分が遠く感じる。

美しい写真だと言うのに、尊ぶべき一幕だと言うのに。

何せ、その思い出すら彼方へと漂白された。

 

 

 

 

 

今、私に何が残されているのだろうか。

 

 

 

 

 





なお基本的にシリアル本面の作品にしたい。お手持ちのグッピーが死なない程度の温度差調整頑張るね。(既に瀕死)

書いた後に、実在馬にホワイトキャンバスがいて名前被ってたらどうしようと焦ったけど、Google検索して出てこなかったから、このまま投稿します。いたら教えてね。

ホワイトキャンバスちゃんは全体的に黒毛だけど、ポツポツと白毛も生えています。チャームポイントです。あと低身長はデフォ。胸はある方。太ももとおしりはいっぱいあります。(語彙無)頑張って想像してね。

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