超光速の軌跡 ~タキオンとモルモットの3年間~   作:Valid Bear

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前回のラスト・・・走り方


9話 モルモットとプール

 東条先輩の資料によると、タキオンの家系には脚の弱いウマ娘が多いらしい。

 そこをタキオンに訊ねたところ、自分もそうだとの答えが返ってきた。

 そのため、他の一般的なウマ娘よりも慎重にトレーニングメニューを組む必要があるのだが。

 トレーナー試験の勉強で組んだことはあるが、実際にトレーニングメニューを組むのは初めてである。

 当然そんなすぐに組めるはずもなく。

 メニューが組み終わった時には既にトラックの使用枠は残っていなかった。

 坂路もまた然り。

 だが一ヶ所だけまだ使える施設が残っていた。

 それが……。

 

「タキオン。お昼食べ終わったら水着と着替え持ってプール集合ね」

 

 学園内にあるプールである。

 

「ふーふ?はへははははふーふはんははふほひはんはひ?ほへーはーふん」

「行儀悪いから話すか食べるかどっちかにしなさいな。誰も盗ったりしないから」

「……」

「……」

「……はむ」

 

 食べるのね?

 

 

 

 

 

「……ふぅ、ごちそうさま。それで、何故プールなんだい?」

「タキオン脚弱いでしょ?水中なら浮力があるから脚の負担軽くなるし、ちょうどいいかなって」

 

 浮力で余計な負荷が軽減され、それでいて水の抵抗で運動の強度は増す。

 良い事だらけなのであるが……。

 タキオンは最近ストライド走法を試していた影響か、ピッチ走法で走ってもたまにストライドが広くなってしまう事があった。

 それはそれで将来的には試しても良いかも知れないが、ピッチ走法でなお普通より劣る加速が少なからず失われるため、無意識に変わってしまわないよう慣れる必要がある。

 そのためにもしばらくはトラックでフォームの確認をしていくつもりだったのだが、空いてなかったものは仕方がない。

 

「なるほど、そう言うことか」

「あ、食べ終わったお皿はそのまま置いといていいよ。片しとく」

「あぁ。……そう言えば水着は部屋に置きっぱなしだな」

「私もすぐ行くから先行ってなさい」

 

 食器に付いた汚れをある程度拭き取って食洗器に放り込み、プールへ向かう。

 少し待つとタキオンもやってきたので、中に入る。

 温水プールとはいえ、まだプールに入るには肌寒い季節である。

 中は非常に空いていた。

 

「さてと、それじゃレーン選んでおくから着替えてきて。……どうかした?」

「いや……、トレーナーくんは着替えないのかい?」

「え?別に私はプール入らないし」

「水が跳ねる事もあるだろう?」

「あ、それなら平気よ。合羽と傘持ってきてるから」

「はぁ……、分かってないねぇ……」

 

 なぜため息を吐かれにゃならんのか。

 それはさておき、トレセン学園のプールは非常に充実している。

 普通のプールは勿論、ドーナツ状の流れるプールであったり、1レーンサイズの直線状の流れるプールが何本か並んでいたり。

 

「このサイズなら……、ひとまず3周を3セットかな。ただし泳がずに歩きで、ね」

「それだけで良いのかい?」

「まぁ試しにやってみなって。多分タキオンが思ってるより数倍キツいから」

 

 

 

 

 

 休み休み歩かせる事20分。

 

「おつかれー」

「……」

 

 プールから上がり、息を整えているタキオンに声をかけたらちょっと睨まれた。

 まぁ……、想像するより遥かに疲れるからね。

 正直私も最初は死ぬかと思ったし。

 ここでは水流に逆らって歩くことになるから尚更だろう。

 見たところタキオンはタオルを取りに行く気力もないらしい。

 ぬるいお風呂程度の水温だったから震えてはいないものの、風邪を引かれても困るので……。

 

「えい」

「わ、ちょ、何を、わぷ、何をするんだい!?」

「あーもーほら頭拭いてるんだから動かないで」

 

 タオルを被せ、ついでに頭を拭いておく。

 その間に動けるようになったらしいので他は自分で拭いてもらい、脚の様子を診ていく。

 熱を持った様子は無いし、変に痙攣していたりも当然ながら無い。

 これなら問題ないだろう。

 

「それじゃ戻って研究タイムと洒落込みますか」

「え?もう終わりかい?」

 

 トレーニングの終了を告げたら予想外の反応が返ってきた。

 研究の時間が増える!って食い付いてくると思ったのだが……。

 

「え?まだ歩きたいの?」

「そう言うわけではないが……、まだ20分しか経っていないじゃないか」

「まぁね。けど今回はこれで終わりだよ。正直もっと時間かかると思ってたから。早く終わったからってやる事増やすのは違う気がするし」

「なるほどねぇ…。ククッ、気が利くじゃないか!」

 

 こうしてトレーニングを終えた私達はタキオンの回復を待ち、タキオンの研究室へ移動するのだった。

 

 

 

 

 

 その後上機嫌になったタキオンが実験の本数を増やした結果、寮の門限を破りそうになり。

 と言うか寮の前で待っていたら門限の1分後に到着した。

 本来なら寮則通りの罰則となるところだが、寮長のフジキセキが鍵を締めるのも遅れたためそれは無くなったのだが。

 罰として夕食用のホットサンドがただのサンドイッチに変更されることとなった。




実はフジキセキは角に隠れて待っていました。


キタちゃん実装されましたが、クラシックの宝塚記念に出した場合は何かしらのイベントが起きたりするのだろうか?
まさかゴルシちゃんの育成で年度ずらしてまでネタ入れたのに、実際やらかしたレースで何も無いなんて事は無い…、よな…?

ウマ娘未登場馬の名前ってどうしたらいい?

  • まぁ、私はそのままで良いと思うけどねぇ…
  • たわけ。名前くらい自分で考えたらどうだ
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