超光速の軌跡 ~タキオンとモルモットの3年間~   作:Valid Bear

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前回のあらすじ・・・プール

タキオンは一言しか出てきません(タイトル詐欺)
タキオン粒子の補給目的なら読み飛ばししても本編には大して影響無いです


10話 モルモットとカラオケ

 日曜日。

 学園にレースの資料を取りに来た筈の私は。

 

「いやぁ、カラオケなんて久しぶりに来たなぁ……。いつ以来だろ?」

 

 物凄く久しぶりにカラオケ店を訪れていた。

 本当にいつ以来だろうか?

 最後に来た記憶があるのは……、大学時代に大会の打ち上げで行った時だろうか。

 そんな私が何故カラオケ店を訪れているかと言うと。

 

「ご、ご迷惑でしたか?」

「いえいえ。こういう機会でも無ければ一人では来なかったでしょうし、結構楽しみです」

 

 同期の彼女に誘われたからである。

 彼女は桐生院葵。

 トレーナーの名門、桐生院家のご令嬢である。

 最初誘われた時は意外に思ったが、理由を聞いて納得した。

 なんでも担当ウマ娘とカラオケに行く事になったが、当然カラオケに行った事などほとんど無く。

 その予行練習として私を含む比較的新人のトレーナーが誘われたらしい。

 

「そうそう、怜お姉ちゃんの言う通り!もし迷惑だったら来ないってば!」

「焔以外に妹を持った覚えはないのですが?」

「えー?良いでしょ?」

 

 やたらハイテンションでお姉ちゃんと呼んでくるのは東山彩弓トレーナー。

 トレーナーになって僅か3年ながらも今年の皐月賞を制した、今注目の敏腕トレーナーである。

 その担当のエアシャカールはタキオンが絡んでも付き合ってくれたりと、かなりお世話になっている。

 

「彩弓の言うとおりだ。迷惑ならば端から断っているさ」

 

 そう答えたのは高松優司トレーナー。

 今回の参加メンバー唯一の男性トレーナーであり、若干居心地が悪そうである。

 

「それにここにいる全員、日曜日は休みにしているしな」

「何で知ってるんですか……」

 

 この先輩、情報収集能力がやたら高く、各チームの練習場所を完璧に把握しているとの噂なのだが、あながち間違っていないのかも知れない。

 担当ウマ娘もそのタイプで、彼の担当ウマ娘はいつも完璧なタイミングで仕掛けて来ると評判だ。

 

「2人とも。まだ後輩達も慣れてないんだからもっとこう、……まぁいっか!早く歌お!!」

「いや諦めないでくださいよ!?」

 

 諦めたのが宮城櫻トレーナー。

 昼間の開催では何というかこう……、たくさん居るトレーナーの一人と言った感じだが。

 この先輩、ナイター開催での強さが異常なのだ。

 トレーナーになって4年間、担当ウマ娘のナイター開催での複勝率は未だに100%を維持している。

 この3人に私と桐生院さんの2人を加えた5人が今日の参加メンバーである。

 誰か助けて……。

 

 

 

 

 

 その後1時間程は好きな曲を歌ったり、カラオケの採点で競ったりと、各自カラオケを楽しんでいたのだが。

 

「なぁ、いったい何をどうしたらあんなに夜に強いウマ娘が出来上がるんだ?」

「え?簡単だよ。1週間前から少しずつ生活サイクルずらしてるだけ」

 

 高松先輩と宮城先輩がナイター前の調整に関して話し始めたのを皮切りに。

 

「それお肌に悪くない?」

「その為のお昼寝と健康的な食生活とタキオンちゃん特製保湿クリームよ。いやぁ、退学になるかもって聞いた時は焦ったよ」

 

 東山先輩も交ざり。

 

「え、何それ。大丈夫なの?危ないんじゃ……」

「ちょッ!?」

「うちのタキオンに対して随分な物言いですね、東山先輩?」

「あ……。ご、ごめん!そうじゃなくてね!?」

 

 私にも飛び火した。

 その後、ひたすら童謡を歌い続けていた桐生院さんも交ざり、結局カラオケではなくトレーナーの勉強会みたいな事になってしまった。

 ……まぁ全員トレーナーだもんなぁ。

 先輩方の話は非常にタメになったが、カラオケの予行練習になったかと言われると怪しいものだった。

 これなら学園の談話室とかで良かったのではなかろうか?

 

 

 

 

 

 その後、フロントからの電話で正気に戻るまで宴は続いた。

 5時間ほど。

 動いていないとはいえ、お腹は空くもので……。

 

「どうする?もう6時だけど。どこかでごはん食べてこっか?」

「良いですね!」

「彩弓の奢りならな」

「なんで!?」

「だって皐月賞勝って賞金入ってるでしょ?負けた私達に出させるの?」

 

 東山先輩が集られていた。

 まぁG1レベルを勝つとなるとトレーナーにも結構な額が入ったりするからなぁ……。

 先輩の奢りには心惹かれたが……。

 

「あ、すみません。私学園に戻ります」

 

 学園に戻るることにした。

 

「え?後輩2人の分ぐらいは出すよ?」

「タキオンの晩ご飯のお弁当用意しないといけないので……」

「おかんかな?」

 

 何か聞こえた気がするが気のせいだろう。

 すると、何かを考えていた東山先輩がとんでもない事を言いだした。

 

「そうだ!ねぇそのお弁当皆で作らない?」

「おい彩弓。何でそうなる?」

「だって今から作るって大変でしょ?このままだと高松君達にも奢ることになりそうだし」

 

 後半本音だだ漏れである。

 

「提案はありがたいのですが、6人分となると食材が……」

「それなら任せてください!」

 

 やんわり断ろうとしたところ、思わぬ所から支援砲撃が飛んできた。

 もっとも、私にとってはフレンドリーファイアだったのだが。

 

「あの、桐生院さん?」

「実家に頼んで必要な食材は届けてもらいますから!何でも言ってくださいね、怜トレーナー!」

 

 そうだった……。

 この人、超が付くほどのお嬢様なんだった……。

 仕方ない。

 

「わかりました。皆さんの分も作りますよ」

 

 皆さんには後で併せの相手をお願いするとしよう。

 

「……予め言っておく。俺は手伝いぐらいなら出来るし、櫻の腕は信用していい。だが彩弓には絶対に何もさせるな。かえって手間が増える」

「酷くない!?」

「なら聞くが、殻だらけのオムライスを作ったのは誰だ?しかも俺のフライパンを黒焦げにして」

「……うん。大人しくしてる」

「ならよし」

 

 言いだした本人が一番何も出来ないとは……。

 

 

 

 

 

 それは見事な鮪だった。

 一尾丸々の。

 

「これはいったい」

「東山様から要望がございましたので」

「彩弓?」

「ち、違うの!確かに鮪の解体ショー見たいとは言ったけど!今じゃないの!!」

 

 少し離れた場所では東山先輩が怒られていた。

 

「いやぁ、こんな時間にこんな鮮度って……。幾らしたんだろうねぇ」

「桐生院家の管理する養殖所で水揚げされたばかりのものとなっています」

「え、凄……」

 

 しかしこれ、どうしたものか……。

 この人数で食べ切るなど不可能なのは間違いない。

 

「いかが致しましょうか?」

 

 本当どうしましょうか?

 

 

 

 

 

 その後マグロはお寿司となり、学園の各寮で振る舞われた。

 私も貰い、タキオンに差し入れたのだが……。

 

「確かにお米が余る事もないし箸を使わずに食べられるしとても美味しかったとも。だがそうじゃないだろう!?」

 

 との事だった。

ウマ娘未登場馬の名前ってどうしたらいい?

  • まぁ、私はそのままで良いと思うけどねぇ…
  • たわけ。名前くらい自分で考えたらどうだ
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