超光速の軌跡 ~タキオンとモルモットの3年間~ 作:Valid Bear
合宿2日目。
朝から10時まで砂浜でのトレーニングを行い、あとは自由行動で午前は終了。
午後はある程度涼しくなってから再び外でトレーニングをする予定となっている。
そして今は待ちに待った昼食の時間である。
「お姉ちゃんどうしたの?」
「疲れた」
「……海に来たからってはしゃぐのも良いけど程々にね?」
「それは私じゃなくてタキオンに言って。普段取れないデータが取れるって大はしゃぎだったんだから……」
「うん、なんとなく読めたかも。お疲れ様」
「他人事だと思ってさぁ……」
まさか本当に30分泳がされるとは思わなかった。
それも間に1時間の休憩を挟んで2本も。
おかげで凄くお腹が空いた。
昼食がバイキング形式でなければ午後はぶっ倒れていたかもしれない。
「やぁトレーナーくん。調子はどうだい?」
お代わりを取りに来たらちょうどタキオンがいた。
その手には焼きニンジンが山ほど積まれている。
「見ての通り疲労困憊だよ……。もう少し加減してくださいな……」
「まだまだ大丈夫そうだねぇ」
勘弁して欲しい。
こんなに泳いだのは7年前のリハビリ以来、……いや絶対ここまでは泳いでないな。
そういえばその時も確かタキオンみたいな変じn……、研究者も居たっけ。
「……あれ?」
「どうしたんだい?トレーナーくん」
「ちょっと待って今思い出すから」
彼女は「君の身体ならもっと速く走れるはずだ」と口癖のように言っていたのだが……。
その時なんて言ってたっけ?
確か限界を超えるには……。
……駄目だ。
思い出せない。
当時はとてもそれどころじゃなくて、全然耳に入ってなかったからなぁ……。
「ごめん。思い出せなかった」
「ふぅン……。何故私が謝られているんだい?」
「いや、だいぶ前にタキオンと同じような事言ってたのが居たのを思い出してさ。ヒトの限界を超えるにはどうのこうの言ってたんだけど……」
「思い出したまえ!今すぐに!!」
「ちょ、危ない!こぼれる!!」
食べ物持ってる時に揺らさないで頼むから!
その後、どうにかしてかの変人とタキオンを引き合わせる事を約束して、ようやく解放された。
やる事が増えてしまったが、今回ばかりは仕方がない。
タキオンの研究の進捗に関わる事なのだから、やらないわけには行かないし。
そもそも言われずとも探すつもりだったから、それにタキオンが加わっただけの事だ。
そして今は午後のトレーニングの真っ最中である。
どんな感じかなと目を向けると。
それはまさしくタキオン無双であった。
知識量と頭の回転の速さをフル活用して他を全く寄せ付けない。
「ねぇ焔」
「なに?」
「なんで早押しクイズ?」
そう。
早押しクイズで。
「頭の回転が速くなるとレース中でも余裕が出来るし、こういう所で知った知識っていざと言う時に思い出しやすいんだって。沖野先輩が言ってたよ」
「……でも現状あんまり意味無い気がするけど」
片っ端からタキオンが答えてしまい、他のウマ娘達はろくに考える時間すら貰えていなかった。
堀川サブトレーナーが用意していた問題はとっくに底を尽き、今は問題を読み上げながら次の問題を考える事を余儀なくされている。
程よく捻ってあったり意外なところを突いてきたりと、良く考えられた問題を用意していたのに、一瞬で消費された心境は如何ばかりか。
彼女が若干涙目である事から察せられた。
「……うん、確かに。ちょっと代わって貰おうか」
とりあえず問題を出す側に回って貰ったものの、またもやタキオンに対して効果がない。
堀川サブトレーナーが問題を出していた時は、タキオンが即答していたことで問題を出す側にも効果があったのだが。
「……どうしたもんかね」
トレーナー勢3人揃って頭を抱える。
その時。
「お、何だぁ?面白そうな事やってんじゃん!」
「ちょっと!待ちなさいゴールドシップ!!」
海からスピカの面々がやってきた。
聞けば無人島でトライアスロンをして来たのだとか。
去年サイレンススズカとスペシャルウィークが揃ってスランプに陥っていた際に開催したところ、要望が多かったため、その後のスイーツバイキング含めて毎年スピカの恒例行事になったらしい。
合宿開始直後と最終日の2回開催で、今日はその初回だったらしい。
もっとも、初回は各部門最速だったウマ娘と総合優勝したウマ娘だけらしいが。
「どうせなら全員に食べさせてあげたら良いじゃないですか」
「最終日は全員分だし、これでもその他諸々でスッカラカンになるんだ。これ以上は俺の財布がもたねぇよ」
なんでもあのホテルのスイーツバイキングらしく、1人ウン万円するんだとか。
まさかそんなに高いご褒美だったとは……。
「なぁトレーナーくん。これはどうしたら良いんだい?」
「うん?」
唐突に私を呼ぶタキオンの声が聞こえた。
するとそこには……。
「なーなー、良いだろー?席空いてるんだしよー」
とある芦毛のゴルシちゃんに絡まれるタキオンの姿があった。
「……どういう状況?」
「なんでもゴールドシップくんはクイズが得意なんだそうだ」
「うん。何となく分かったわ」
つまりは挑戦を挑まれている、と。
「アルタイルのトレーナーとしてはどうお考えで?」
「良いんじゃないかな?ゴルシちゃんならタキオンちゃんとも良い勝負になりそうだし、そもそもゴルシちゃんが乱入してくるのは毎年の事だしね」
これも毎年恒例なのか。
「でも問題はどうするの?もう出した問題だとタキオン有利だけど」
「確かホテルの売店にクイズの本あったから……」
「あー、新しく買うなら言ってくれ。こっちから吹っ掛けた以上、金は出すからな」
「え、大丈夫なんですか?さっきスッカラカンになるって言ってましたよね?」
「こういう出費が嵩むんだよ……」
その後行われたタキオン VS.ゴルシちゃんは非常に見応えのある勝負になったのだった。
ナリタトップロード完凸しました(無課金なのでしばらく更新無し)
ゴルシちゃんもそこそこの因子が揃ってるので、気が向いたら使ってください。
トレーナーID:895613584
……01世代の追加メンバーまだですか。