超光速の軌跡 ~タキオンとモルモットの3年間~   作:Valid Bear

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前回・・・模擬レース(中距離まで)

好きな馬をどうしても出したくてですね……。
ただ世代が被らないのでこのような形になりました。


20話 モルモットと謎多き人物

 そしていよいよ最終レースとなる長距離レースである。

 今までのパターンから3200メートルかと思っていたのだが、どうやら3000メートルで行われるらしい。

 コースが外のコースに変更され、向こう正面から3コーナーにかけて坂が用意されていた。

 もっとも、傾斜は京都に遠く及ばないし、位置もズレているのだが。

 

 

 

 

 

 その坂の麓に目を向けると、出走メンバーがそれぞれ準備運動を進めていた。

 

 リギルからは何故かマルゼンスキーが。

 スピカからはメジロマックイーンとゴールドシップが参戦。

 スピカの2人はじゃれあいながらも見えない火花を散らせている。

 2人とも本当に強いからな……。

 ゴルシちゃんはやる気に左右されるらしいが、見たところやる気満々みたいだし。

 

 そしてそのメジロマックイーンを見て……、いない?

 漆黒のステイヤーことライスシャワーも登録しているのだが、どうも今日は違うウマ娘を警戒しているらしい。

 その視線の先に居るのは……。

 堀川サブトレーナーと話しているスーパークリークとセイウンスカイ、そしてマンハッタンカフェであった。

 4人仲良くウォーミングアップを念入りに……、ってあれ?4人?

 

「ねぇ。何で堀川サブトレーナーまでアップしてるの?」

 

 近くの屋台で綿あめを買っていた焔を捕まえ、問いただす。

 

「何でって、そりゃ走るからだよ?」

「いや、人が混ざっても邪魔になるだけっていうか危ないんじゃ……」

「へ?人?いや掘川ちゃんはウマ娘だけど」

「え?」

 

 再びコースに目を向ける。

 そこにいた堀川サブトレーナーは、いつも被っていた帽子を外しており、そこには──

 

 ウマ耳が生えていた。

 

「嘘でしょ……。全然気付かなかったんだけど」

「あの子、かなり強いよ?私が初めて担当して、それでも私に初めてのG1の冠を持ってきてくれたぐらいだもん」

 

 

 

 

 

 レースは概ね予想通りに展開した。

 セイウンスカイとマルゼンスキーが逃げ、それをメジロマックイーンとスーパークリークが追う。

 そしてそれをライスシャワーがマーク。

 大きく離れてマンハッタンカフェ。

 その後ろに堀川サブトレーナーが続き、更に少し離れてゴールドシップ。

 タキオンはその後ろから皆の走りを観察している。

 逃げウマ娘が複数人いるせいで若干ハイペースになってはいるが、この程度のペースで彼女達が垂れるのを期待するのは無意味だろう。

 まぁ長距離を走っているのを見た事が無いマルゼンスキーに関しては分からないが。

 位置取りから考えると堀川サブトレーナーは差しから追込といったところだろうか?

 

 そのまま残り1000メートルの標識を通過し、レースは一気に動き出す。

 まず坂の中盤でゴールドシップが仕掛ける。

 まぁいつもの事だ。

 マンハッタンカフェも付いて行くが……。

 

「カフェさんってあの位置から仕掛けて持つの?」

「堀川ちゃんならまだしも、カフェちゃんは絶対最後まで持たないと思う。多分タキオンちゃんの方が先にゴールするよ」

 

 どうもゴールドシップに釣られてしまったらしい。

 3コーナーから4コーナーに移り、今度は先行していたウマ娘達……、ライスシャワー、メジロマックイーン、スーパークリークの3人がいまだ逃げ続けるセイウンスカイとマルゼンスキーを捉えに行く。

 負けじとセイウンスカイが加速。

 マルゼンスキーはどうやら限界らしく、遅れ始める。

 ゴールドシップも追い付き、横並びで最終直線に突入──

 

 するかと思われた所で後方に動きがあった。

 

 堀川サブトレーナーがマンハッタンカフェとマルゼンスキーを外から抜かすと、直線を待たず一気に加速。

 大外に膨らみながらも加速し続け、勢いをそのままに直線を駆けていく。

 

「え、速っ……」

「だから言ったじゃん『あの子強いよ?』って」

 

 確かに大外を回れば良い状態の芝の上を走れるし、前のウマ娘も気にせず走れる。

 とは言えやはり距離のロスは小さくないし、更には昨日からの夕立のせいでバ場が重い為、普通はそこまで伸びないのだが……。

 

「それにあの子、ダートも走れるし。今日の芝ってあの子にとってはいつもの芝と大して変わらないんだよね」

 

 重いバ場もなんのその。

 良バ場もかくやと言うスピードで駆けていく。

 内側を行ったウマ娘達は、1ヶ月の合宿で荒れた芝に苦戦している。

 ゴールドシップだけは追い縋るが、やはりいつもほどのスピードは出ていない。

 

 もはや彼女の走りを止めるものは存在しなかった。

 

 

 

 

 

「いやぁ……。やっぱ強いわ」

「うわっ!?……驚かさないでくださいよ、沖野先輩」

 

 気付いたら真後ろに沖野先輩が立っていた。

 

「まさかうちの長距離エース2人が手も足も出ないとはな。……なぁアイツくんない?ちょうどメンバー増えて来てサブトレーナー欲しかったんだよな」

「ダメですよー。あの子は私のですもん。それにあんな荒れた内側走ってあそこまで食らい付くゴルシちゃんの方がよっぽどですよ。と言う訳でゴルシちゃんください」

「交渉決裂だな」

「2人揃って何言ってるんですか」

 

 移籍ってそう簡単に交渉するものだったっけ?

 確かに両方とも欲しいウマ娘だけども。

 

「そう言えば怜ちゃんは走らなかったのか」

「そりゃまぁ……。私は正真正銘のヒト娘トレーナーですから」

 

 出せても1F23秒とかそれぐらいだ。

 軽く流しているウマ娘にも千切られるペースである。

 

「なぁ、ヒト娘とウマ娘の違いって何だ?」

「いきなり何言い出してるんですか」

「いや、ウマ娘基準でも走りそうな脚してるのに、どうして同じペースで走れないんだろうって思ってな」

 

 そんなの私に聞かれても困るのだが……。




おまけ
堀川サブトレーナーをゲーム風に表すとこんな感じのウマ娘になるかと思います。
ちょくちょくヒントを散りばめてありますので、是非どの馬なのか予想してみてください。

名称
?????

初期レア
☆2

初期適性
バ場
芝A ダートB

距離
短距離G マイルC 中距離D 長距離A

脚質
逃げG 先行G 差しB 追込A

基礎能力(☆3)
スピード スタミナ パワー 根性 賢さ
87   108  98  75 82

成長率 スタミナ20% パワー10%

固有スキル
「ここは、譲らないッ!」
最終コーナーで外側から抜かすと、勢い良く踏み込み、外に膨らみながら速度を上げる。

所持スキル
伏兵
非根幹距離○
京都レース場○

覚醒スキル
覚醒Lv2 道悪○
覚醒Lv3 全身全霊
覚醒Lv4 追込のコツ○
覚醒Lv5 迫る影

育成目標
1. ジュニア級メイクデビューに出走
2. Pre-OP以上で3回1着を獲る(クラシック級4月後半まで)
3. 日本ダービーに出走
4. 菊花賞で3着以内
5. チャンピオンズカップで2着以内
6. 天皇賞(春)で2着以内
7. 宝塚記念に出走
8. 天皇賞(秋)で5着以内

固有二つ名
砂上のステイヤー
菊花賞を勝利、天皇賞(春)及び出走した全てのダートレースで2着以内で、基礎能力[スタミナ]が1200以上になる

固有二つ名は頭に継承条件が含まれると思いますが、一旦それは省いておきます(それだけでバレる為)
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