超光速の軌跡 ~タキオンとモルモットの3年間~   作:Valid Bear

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ざっと計算したところ、このままでは完結するまで本当に3年間かかる事が判明しました。
というわけで週1話ではなく、書き次第上げて行くことにします。
それと同時に、前書きに前回の内容を一言で書く事にしました(話数飛び防止)

前回のラスト・・・帰宅


6話 モルモットと2人の師匠

 トレセン学園には巨大な資料庫が存在する。

 そこには今までのトゥインクルシリーズやドリームトロフィーはもちろん、それ以前のレースや地方のレース、海外レースに至るまで見れないレースは存在しない。

 …これは流石に言い過ぎだろうが、記録を開始して以降のレース映像は、紛失や破損をしていない物だけでも海外は6割、国内は9割ものレース映像が保管されている。

 普通はそこまで多くの利用者は居ないらしいが、私はトレーナーとなってからかなりの頻度でここを利用していた。

 目的はもちろんレース映像なのだが、特に何かを探していると言う訳ではない。

 

「確かこの辺に…。ん、あったあった。それじゃここからここまでかな」

 

 片っ端からレース映像を観る為だ。

 

 

 

 

 

 ウマ娘のレースは全世界で大人気である。

 老若男女問わず愛されていると言っても過言ではない。

 そう。

 幼い頃からウマ娘のレースを観て育つと言っても良い程には人気がある。

 だが私がウマ娘のレースに目を向けたのは僅か5年前の事であり。

 このままではどんなに担当ウマ娘が強くとも、作戦やレース運びの面で負ける事になりかねないのだ。

 もちろん生で観るレースに比べれば得られる情報量は少ないが、観ないよりはマシだろう。

 …あと昔のレース意外と面白い。

 

「さて、今回は…」

「おねーちゃんいるー?」

 

 だが、いざ再生しようというタイミングで部屋の扉が勢いよく開かれた。

 風に煽られたカレンダーが落ち、テレビを覆う。

 

「焔…。扉は静かに開けなさいって何回言わせるのよ。あ、今から第18回のダービー見るけど見てく?」

「あ、見たい。…ってそうじゃなくて! 今時間ある?」

「…まぁ30分ぐらいなら」

「ちょっとついてきて」

「片付けるからちょっと待って」

 

 

 

 

 

 歩くこと数分。

 焔が足を止めたのはある建物の前。

 この区画にはチームルームが並んでいるのだが…。

 その建物だけやたら大きかった。

 中にはファイルで埋め尽くされた本棚や巨大なテーブル、これまた巨大なテレビ等が置かれ、奥にある事務机が場違いに思えるほどである。

 天井から吊されているのはプロジェクターだろうか?

 建物を含むこれら全てを用意できる賞金となると、いったい幾つG1を勝たなければならないのか。

 並のチームでは到底不可能だろう。

 

「おハナさーん。お姉ちゃん連れて来たよー」

 

 そう。

 ここは並のチームのチームルームではない。

 現在のトゥインクルシリーズで最強とも言われるチーム。

 チーム・リギルのチームルームであった。

 そしてそのチームをまとめ上げているのが…。

 

「ん、来たわね」

 

 部屋の奥から現れた女性トレーナー、東条トレーナーである。

 何やら分厚いファイルを抱えてこちらに向かってくる。

 

「私は東条ハナ。チーム・リギルのトレーナーよ。…それで、貴女が怜トレーナー? 本当に良く似てるわね…」

「はじめまして。霧島怜です。今年からここでトレーナーとして働くことになりました。…そんなに似てますかね?」

 

 その天下のリギルから呼び出されるような事、あっただろうか…?

 

「えぇ、そっくりね。ただまぁ怜トレーナーの方が速く走りそうだけど」

 

 …就任早々足を触ってきた先輩も東条先輩も、何故私をウマ娘基準で見るのか。

 まぁ褒められて悪い気はしないのだが。

 しかし焔と先輩はどんな関係なのだろうか?

 焔もG1を勝っているとは言え、東条先輩とは中々繋がりがなさそうなのだが…。

 そんな事を考えていると、目の前にファイルが差し出された。

 

「はい、これ。貴女にあげる」

「…これは?」

「貴女、アグネスタキオンを担当するんでしょ? 少しは参考になるかしら?」

「今見ても?」

「構わないわよ」

 

 そのファイルには…、昨年時点でのタキオンのタイムやフォーム、予想される成長曲線や脚部不安のあるウマ娘をトレーニングするうえで気を付けるべきポイント、更にはトレーニング後のマッサージ等々。

 先輩から見た「アグネスタキオン」というウマ娘が事細かに書かれていた。

 

「…良いんですか?こんなもの貰ってしまって」

「良いのよ。どうせ焔ちゃんから漏れてるんだろうし、元々は自分で使うつもりでまとめたんだから」

 

 あの理事長はチーム主催の選抜レースでしか採らないって噂のリギルまで動かしたのか…。

 

「え? このファイル昨日まとめてなかった?」

「余計な事は言わないの」

 

 …聞かなかった事にするが、ありがたい限りである。

 

「ありがとうございます。ここまでされては一流…、いや、それをも超えるウマ娘に育てないと顔向けできませんね」

「がんばりなさい」

 

 

 

 

 

 その後も少し東条先輩と話し、部屋を後にしたのだが…。

 

「焔…、どうかした?そんなに頬膨らませて」

「何でもない」

 

 何やら少し前から焔の様子がおかしかった。

 怒っていると言うよりは…、不貞腐れている。

 その事が分かっても理由が分からないのだが…。

 ハムスターみたいになっているのも可愛いし、訊いても「なんでもない」の一点張りなので放っておく事にした。

 まぁ暫くすれば納まるだろう。

ウマ娘未登場馬の名前ってどうしたらいい?

  • まぁ、私はそのままで良いと思うけどねぇ…
  • たわけ。名前くらい自分で考えたらどうだ
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