世界を巡る異邦の救砕者   作:サウィンドゲッアウシー

13 / 14
はーい、作者です。一応一話分にはなったと思うので投稿しまーす。ちょっと後で部分的に直すかもしれませんが気にしないでくれると嬉しいですよー。ではどうぞー。


菜の拾弍「布石」

 

 

 鬼の殲滅に始まり不意の慌ただしい出産から夜が明けて早朝。基本的に俺と珠世の二人は必ずしも寝る必要などないので引き続き情報のすり合わせを行い朝日が登る前に話を一旦終わらせた。

 

 縁壱夫妻はうたさんが出産で体力を使い果たし就寝中で生まれた赤子もその隣でスヤスヤ寝ており縁壱氏はそんな母子の寝顔を傍に座り飽きる事なくじっと凝視している。一切動かず微動だにしないので側から見ればまるで展示された人形のよう。だがよく見れば表情筋が若干緩み微かに唇が弧を描いているのが分かる。そこには幸せな家族の情景だけがあった。

 

 そんな幸せ家族を他所に俺が今なにをしているかというと…変わらず珠世と会話しながら茶を啜すっていたりする。

 

 もちろん縁壱氏うたさん夫婦の傍らで…ではない。寝ている元妊婦と赤子を他所に会話し続けるなどという非常識な真似などしないぞ俺は。

 

 なら何処に居るのかって?そら外…な訳はなく家の中だ。もちろん安眠妨害なんかにはならない。居るのは俺ん家だし。

 

 Fate世界じゃ目立つんで普通に(・・・)は使い所なかったんだが俺の所有するホイポイカプセルにはDB世界で普及してたあの半球型ドームハウスがある。それを縁壱氏の許可を得て敷地の端っこにある丁度いい広さの空き地の上にBOM!っと一発設置したのだ。

 

 わざわざ家を設置したのは迷惑をかけない為でもあるが理由の大半は珠世の日光対策である。とある要望からブリーフ博士に依頼&魔改造したドームハウスは核攻撃の直撃すら容易く防ぐシェルターでもあり完全防護モードにすれば電磁波や光であろうと一切通さない仕様なので最適だったのだ。ただし照明は設定の一部を変える必要はあったが。なにせデフォルトが太陽光に近く日光の乏しい場所での長期滞在も視野に入れ健康を損なわぬ様に機能として織り込んだのでしょうがないのだ。何処であろうとお日様大事。これ鉄板な。主に使われている建材はとある筋経由で入手したDB世界でも屈指の硬度を誇るカッチン鋼で第四次聖杯戦争の最終局面において相対するギルガメッシュの剥離剣エアが放つ天地乖離す(エヌマ・)る開闢の星(エリシュ)を半壊されつつも防ぎ切った実績があるので頑強さは折り紙付きだ。まあ宝具化してなかったら素の防御力だけでは流石に厳しかったと思うけど。

 

 クックック。いやあ、あん時の慢心王の顔を思い出すと笑いが止まらんね。目ん玉ひん剥き顎が外れんばかりのあの間抜け面…あれを見て当時スカッとしたのを今でも鮮明に覚えてるぜ。言動がウザい上に誰彼構わず雑種雑種って言ってきてストレス溜まるからなあいつ。相対当初そんな奴だと知ってはいても実際に面と向かって言われると想像以上に腹立たしいもんでつい反射的に「俺は純粋種だ!テメェの方が雑種だろうが!この半神混じりの雑種野郎ッ!」などと反論したら即逆ギレしてきたんだよな。自分が言われて嫌なら人様を雑種呼ばわりすんなっての。徹頭徹尾ほんと嫌な野郎だったぜ。おっと愚痴になっちまったな話を戻そう。

 

 そんな訳で優雅にモーニングティーと洒落込んでいる俺達だが会話内容にあまり進展はなかったりする。何故なら大体の方針はもう決めてあるからだ。どちらかと言うと今は余談よりの雑談って感じだな。まあそこそこ重要な情報も含んでるけれども。たとえば鬼狩り。名称は鬼殺隊と言うらしいが、それの事とか。

 

 珠世曰く、なんでも鬼殺隊と言うのは無惨と同じく平安時代から存在するもので「平安の世から変わらぬ鬱陶しくも目障りな狂人共が」などと無惨がそう愚痴ってるのを前に幾度か耳にしたとかなんとか。産屋敷と言う一族が中心となって組織されているらしく所属する構成員の大半は鬼の被害者やその家族親類縁者との事。

 

 まあ人喰い鬼なんだ。その被害者がいる分それ相応に復讐心に駆られる者もいるわな。その寄り合い場所として組織されているのが鬼殺隊と。組織に関する珠世の持ってる情報はこんなところらしい。

 

 それらを聞いて痛ましい事だと俺は思った。無惨に鬼にされた元人である者が人を喰い殺し殺された者の縁者達と殺し殺される。それは大元である無惨が存在する限り続くのだ。はっきり言ってきりがない。しかも珠世に聞いた無惨の目的は唯一の弱点である陽光の克服らしい。だが自身でそれは叶わないと知り己で克服できないならば出来る鬼を喰らえばいいと、その為だけに他者を鬼にし続けているんだとか。

 

 ほんと自己中で害悪極まりない。心の芯まで糞ったれな野郎である。こいつに比べれば慢心王の方が幾分かましだろう。あれは傲慢で自己中の塊みたいな奴だが少なくとも王としての矜持を持っていた。その点だけは腹立たしいが認めざるを得ない。それに比べ無惨には何も無い。矜持も誇りも信念すらも。あるのはただ己が生への執着のみ。ここまで来るといっそ哀れだ。他者を顧みず大事なのは自分だけ。ボッチ具合だけなら英雄王すら足元にも及ばんだろう。あいつには唯一無二の友が居たからな。お陰で極々僅かでも他人を思いやる心あるし…一応は。

 

 

 さて、そんな話をお茶の御代わりをしつつ続けていると一つ気になる事が話題に上がった。それは呼吸。より正確には波紋の呼吸の事だ。俺の身の上から始まり竈門家からこの時代に飛ばされて来た事や大まかな経緯などを話した所その流れで髪鬼に遭遇し最後に波紋でトドメを刺した件を珠世が聞いて疑問に思ったのか鬼でも波紋を使えるのでしょうか?と問われたのだ。

 

 それを聞きどうだろうな?と俺も思った。仮に出来たとしたらワンチャン珠世でも無惨を殺せるかも?いやいや万が一使えても使った瞬間内側から崩壊するんじゃなかろうか。さすがになぁ…。どんなに予想しても自滅する結果しか想像できん。なのでいくらなんでも使えんだろと俺は結論付け別の話題に変えようとしたんだが…それに待ったをかけたのが珠世だった。可能性が少しでもあるなら試してみる価値はあるのではないか?と。

 

 無意識に呟いていた俺のワンチャン殺せるかもって言葉が聞こえてしまったらしい。その瞳にはギラギラと飢える餓狼のような狂気が垣間見える。

 

 うむ、端的に言って超怖い。刺し違えてでも無惨を殺せるなら構わないって感じが特に…。気持ちはわからんでもないが下手すると死にかねない人体実験ならぬ鬼体実験するのもなぁと渋る俺に珠世は懇願し(にじ)り寄ってくる。期待で歪む笑顔に狂気が上乗せされててマジ怖いんですけど。それに俺は…負けた。そんでいつやるの?今すぐでしょ!って感じに催促されたんで仕方なく波紋の呼吸の概要から仕様までレクチャーし最後に本当にするの?と再度確認したんだが覚悟完了してる顔を見て諦めた。もうなる様になれ〜としぶしぶツェッペリンの旦那方式肺押し施術(せじゅつ)(ほどこ)し、そしてその結果は…。

 

 結論から言おう。出来た。出来てしまった本当に。正確には極々限定的に、だが。

 

 どういう事かと言うと珠世が波紋を発生させるのに四苦八苦し時間は少々掛かったが嘘みたいに成功したんだ。だが次の瞬間には指先から血が吹き出しその血に触れた珠世の肌が火傷を負った様に焼け(ただ)れたんだよ。まるで太陽に照らされ炙られた様に。

 

 ほらぁ、やっぱり諸刃の剣だったじゃん!これは使えますね!じゃねえよ!吐血しながら笑顔で言うな!それ内臓どころかほぼ全身損傷してやがんだろ!?目尻や鼻や耳からも相当な量の血が(したた)ってるし肉が灼け焦げるあの独特な臭いと煙が立ち昇ってて確実に自傷ダメージあるって事じゃんッ!歓喜と痛みに震える笑顔が18禁ホラーじみてて怖いんだよおおおぉぉぉぉっ!い、医者アァァァァァーーーッ!ってコイツ自身が医者だったわ!?世も末だなッ!あ、そもそも戦国時代は末法と見紛うほど荒れた時代だからいいのか!納得納得…したくなあーーーい!て病ん(やん)でいっ!!

 

 ともあれ珠世には波紋の呼吸の使用に関しては釘を刺しておく。万が一にも完全安全に呼吸を使えるようになった場合…下手をするとお前が太陽を克服する鬼になりかねんぞ、と。そして、その事実が無惨に露見すれば地力で遥かに劣るお前はいつか喰われ奴の大願が成就し完全に人の手に負える存在ではなくなる。それじゃ本末転倒だろ?そう忠告しておいた。

 

 それを聞き流石にそれは不味いと思ったのだろう珠世も諦めてくれたんだが…どうだかなぁ。あの狂気と執念からして波紋を極め強くなれば或いは…という考えを完全に捨て切れるとは思えないんだよ。まがりなりにも鬼でありながら鬼を滅却できる力だ。それが無惨の命に届き得る可能性があると知ってる以上その選択肢は常時脳裏にチラつくはずだ。その危険性を十二分に理解していたとしても…。こりゃ想定していた以上にテコ入れしなきゃ不味い事になりかねんと俺は教えた事を少し後悔しながら会話を続けるのであった。

 

 

 

 

 

 

 あの赤子が生まれた邂逅の日から季節は移ろい今は冬。俺はまだこの戦国時代に逗留している。うたさんは産後の肥立ちも良く完全ではないが体調もだいぶ回復し外を多少散歩する程度なら問題ないと珠世よりお墨付きをもらっているので今は縁壱氏の付き添いのもと外出中だ。赤ん坊も元気に泣いて眠ってお乳を吸って出す物だしてと健全かつ(すこ)やかに過ごしているぞ。現に今もオシッコを盛大に噴射しているし…。女の子と違って砲身があるぶん飛びやがる事この上ないな。子守りを買って出たが元気すぎるぞ壱護さんやい。ジュアーと一発おしめを濡らして交換中に追い射するかよ普通。二重の極みじゃねえんだからよぉ安慈か佐之助に名を改名した上で破壊の極意を体得させちゃろか?とか思いながらサッサと俺はおしめを替えた。幸い発射した瞬間手元にあった飲み干して空の竹水筒を()てがい事なきを得たので濡れてないし臭いも気にならないが不意打ちは勘弁だぜ。離乳食が始まれば相応に臭うだろうが今はまだまだ大丈夫な範囲だけどさ。

 

「あうあー」

 

「ん?どうした壱護。おしめが新しくなって気持ちがええんか?おい?」

 

「うーあー」

 

「そうかそうか。気持ちいいか。そりゃよかったよかった」

 

 抱きかかえ真ん丸お腹をポンポンしてると壱護が声を上げたので顔を見てみれば半ば目をしぱしぱしている。眠るかなーと思い腕を軽く揺すっていたら案の定その目を段々と閉じていき終いには完全に瞼を(つむ)り寝入ってしまった。こうなると後はしめたもの。誕生祝いに俺が贈った半円脚付き型の揺り籠に乗せ暫くシーソーの様に手で籠の片側を掴んでゆらゆらと揺らしキリの良い所で押すのを止め一息つく事とする。

 

 いやー育児は大変だね。生後間もない赤ちゃんは特にさ。夜泣き朝泣きは当たり前。二、三時間ごとの授乳におしっこジャージャー放出おしめ替えとそらもう大変なこと大変なこと。これに対処せにゃならん世のお母さん方を尊敬するよほんと。今回はその慰労も兼ねて子守りを受け持ったんだがな。もちろん父親である縁壱氏も新米パパとして頑張ってはいるぞ?だが家柄から経験も(とぼ)しく慣れない赤子の世話に四苦八苦しているんだ。なので今日は気分転換でもしてこいと俺が提案し面倒を見ているという訳。  

 

「壱護…壱護ねぇ。なんだかなぁ」

 

 ただ暇になると途端に赤子の名前の事を考えてしまうんだよなぁ。決まったのは昨日なんだが…美味しそうな名前になっちまってまぁ。字面からして死神代行って言われても違和感ないわー。縁壱氏曰く「ゴーマ殿のお陰でこの子は生まれる事が出来た。なので誠に勝手ながら恩人たる貴方の名を一部頂き強く逞しく生きて欲しい…そんな想いを込めて【壱護】この名としたい」との事。流石にこうまで言われると否とは言えず俺はしぶしぶ了承したんだ。

 

 護壱でよくない?とも思うが…それはそれで親の名を差し置いてまで拘る事でもないかと意見するのはやめておいた。ただ当て字とはいえ自分の名の一部が使われると名付け親みたいでちょっとこう…こそばゆいんだよな。なので命名祝いとして何かしら贈ろうと思い立つ。

 

 強く逞しく生きて欲しいと言う縁壱氏の願いから実用的なモノがいいだろうと候補を二つに絞りどっちにすっかなぁ…などと考えに耽っていたら『ピーッ、生体処置シークエンス最終調整完了。培養液の除去ならびに被験者の洗浄乾燥を開始します』って機械音声が聞こえて来て我に帰ったんだ。

 

 音声元に視線を向けると部屋の中央にデンと置かれた円柱状の物体が鎮座していて今現在も機械音を鳴らし作動している。

 

「おお、案外早かったな。もうちょっとかかると思ってたんだが」

 

 予想より早い終了報告にちょびっと驚く。その間も機器は正常に動作を続けジュボボーっと液体が排出される音がしてそれが終わると次にブオーっと風が何かに吹き当たる音が部屋に響き渡った。

 

『乾燥工程終了。全工程コンプリート。出入扉開放します。お疲れ様でした』

 

 全ての工程が終了したと再度アナウンスが流れる。そして『バシューッ』という音と共に治療ポッドの扉が開放された。

 

『ペタペタペタ』

 

 ポッドの出入口はゴーマの所から反対側にあり構成する壁面が半透明な事もあって内部は全体的にボヤけ輪郭しか判別できないが音は素通りするので床を濡れた素足で歩く音を響かせながら誰か出てくるのが察せられた。

 

 しばらくして衣擦れの微かな音が静かな部屋に響き渡る。そして治療ポットの陰からとびっきりの和服美女が姿を現した。まあぶっちゃけ珠世だな。

 

「よお、おはようさん。調子はどうだ?」

 

 起き抜けの珠世にそう声を掛けると、

 

「少々感覚に違和感がありますが概ね問題ない様です」

 

と言葉を返してきたんだ。

 

 凛とした姿勢で佇む珠世は相変わらず美人で襟元から覗く肌が程よく日に灼けた様に(・・・・・)健康的で此方を見つめる深紫色の瞳は真円(・・)を描く満月の様に静かな意思の光を湛えている。

 

「そいつは重畳。感覚はしょうがないだろう。なにせ鬼じゃないんだからな」

 

 察しの良い者は直ぐ気付くだろうが今の(・・)珠世は鬼ではない。人間に戻っている…という訳でもないが。

 

「鬼と違ってほぼ人間の頃と変わらん筈だが…どうだ?鬼から人造人間になった気分は?」

 

 そう、珠世は人間に戻ったのではなく人造人間になっている(・・・・・)のだ。

 

「実感は…ないですね」

 

「まあ、そうだろうな」

 

 まだ目覚めたばかり。実感なんてある筈もない。なのでこう提案してみる。

 

「なら外に出てみるといい。それで半分くらいは実感が湧くだろ」

 

 多分これが一番わかり易い筈だ。なにせ今はお昼過ぎ。しかも空は快晴だからな。陽光を浴び日の下を歩けば嫌でも実感するだろう。今の自分が鬼ではないと。

 

 俺がその旨を韻に含め伝えると珠世は迷うような仕草をみせた。さすがに太陽が照りつける外にいきなり出るのは鬼として致命的であったため人造人間になった今は大丈夫と分かってはいても躊躇するらしい。なので背中を押すことにする。

 

「太陽の光を体感すれば波紋もより扱い易くなるだろう。それはつまり…奴を殺せる確率が上がるという事に他ならない。違うか?」

 

 嘘は言ってない。その手で無惨に引導を渡したいなら波紋の習熟向上は必要不可欠。実際の太陽を浴び体感する事で些少はその力を増す事に繋がる筈なのだから…たぶん。日輪刀なる鬼にも通じる刀を使うって方法もあるにはある。だが生態がスライムじみた無惨に斬撃では効果はあっても致命傷には至らないだろう。まあ実際に実物を見てないので憶測だが。ただ運良く波紋と刀の相性が合致すれば相乗効果を発揮する可能性(みこみ)もある。そこら辺は今後に期待ってところかね。珠世が鬼殺隊とやらに接触するかは本人次第だろうけど。そんな風に思考していると俺の後押しの言葉を聞き覚悟を決めたらしい珠世は「いきます」と一言口にし外へと通じるドアに向かい歩を進めた。

 

 波紋の呼吸が成功した日。あれから珠世は俺の提供した医療総合ユニットで鬼に関する研究に没頭していた。始め想像を絶するオーバーテクノロジーに茫然自失となった珠世だったが理解が及ぶに至り鬼気として医療AIロボットの補助を受け研究を開始しほぼ不眠不休と言っていいほどの勢いで研究に取り組んでいたんだが一週間ほど経ったある日の昼下がりサンプルが自分の血肉しかなく研究に行き詰まってしまったと悔しそうに報告してきたんだよ。医師である珠世は以前から無惨を殺す方法を模索し自身の得意分野である創薬に希望を見出していたらしい。ただ確実に無惨に効く薬を創るにはどうしても無惨の血かそれに準ずる血のサンプルが複数必要なんだとか。それを聞いて俺はなるほどなと頷いた。そりゃ無理な話だわ、と。なにせ無惨と鳴女って女鬼以外は俺がまとめて塵にしたんだからサンプルなど手に入れようがない。つまり現時点ではお手上げって事になる。一応なにも成果が無いって訳でもないそうで食人衝動の抑制に成功し少量の血の摂取で事足りる様になったらしくその点だけは珠世も嬉しそうにしていた。

 

 創薬の研究が行き詰まった以上どうしようもなく珠世はかなり悩んだそうだがある決断をする。その珠世が下した決断とは即ち波紋の呼吸を完全習得し極める事だ。

 

 まがりなりにも波紋を習得してしまった為の弊害だが現状唯一無惨を己の手で殺し得る方法なのでリスクを天秤に掛けやる事に決めたらしい。

 

 その事を告げられた俺は珠世に待ったをかけた。それじゃリスクが高すぎるだろと。すると必然的にじゃあどうすればいい?って話になる。なので俺は副案を提示したんだ。それが人造人間へのコンバート。鬼だから太陽を克服するリスクが発生するんであって鬼以外なら問題は無くなるって理屈だな。

 

 幸い医療総合ユニットのデータベースにはDr.ゲロのコンピューターからこっそりパチってきた人造人間製造関連のデータもあるので倫理観に目を(つむ)ればセルの様に細胞から人体を生成する事も可能なのだ。

 

 手順としてはこうだ。まず用意した細胞を培養して人体を生成。完成したその身体に珠世の精神体をインストールし定着させるって流れだな。鬼の身体を捨てるのかだって?使える訳ないじゃん鬼に変質した細胞なんて。それが出来れば人間に戻してるっての。それには無惨の細胞で変質した身体を研究する必要がある。でも無惨の細胞は今手に入らない。ほら堂々巡りだ。だからこその副案なんだよ。精神のインストールは…ぶっちゃけギニュー特戦隊のギニューが使ってたボディチェンジを参考にしたものだ。特殊能力らしいがギニュー如きが使えるんだ出来ない訳がないって事で権能を駆使して実現した。んでそれら諸々が成功して今目の前に人造人間珠世が誕生したって感じだな。

 

 波紋はもちろん気も使える仕様だぞ。スペックで劣ったら意味ないし人造人間ボディを鬼にされたら厄介だからな。17号18号のように一般人でも超サイヤ人なみのスペックにできるならやらない理由はない。もちろん加減はしてる。組み込んだ超々小型半永久炉の出力は戦闘力換算で通常200で最大400程度。少年期の旧ピッコロ大魔王戦の悟空クラスだな。これ位あれば単純な物理攻撃でも無惨を圧倒できるだろ。バリア機能も搭載してるから防御面もバッチリだし。千単位以上だとやり方次第で星をも破壊可能なので万が一のリスクを鑑みこの程度に留めた。まあ街くらいならこの数値でも更地にできるんだけどな。武天老師が200以下の戦闘力で月を破壊したのは……うん知らね!たぶんギャグだよギャグ。時期的にアラレワールドがクロスオーバーした影響だと俺は思うよ!うんうんっ!

 

 あ、ちなみに元の鬼の身体はコールドスリープ状態で保管してるぞ。もちろん持ち主である珠世の了承を得てだが。精神がない状態で放置なんぞ出来んし悪霊でも取り憑いたら事だからな。そう、この世界ってその手の類いが居るんだよ。この前少し町に用事で行ったら何人か身体に取り憑いてるのを見たんだわ。まあ、いずれも悪人顔や風体の怪しい人物ばかりだったんで殺された者が恨んで祟ってるみたいな感じだったが。なので保存した。珠世も未練があるみたいだったし時がくれば戻すのかもしれん。全てを清算する為に…。

 

 ともあれそんな感じで珠世はちょっと強力な身体を得た訳で、これが俺の珠世に対するテコ入れ強化の全容だ。

 

 ちなみのちなみに細胞の提供元は縁壱氏だぞ。俺は肉体が気で構成されてて細胞なんぞ無いし女なのでうたさんでもよかったが縁壱氏の人外っぷりを見た珠世が望み縁壱氏がそれを承諾したんだ。それがどう影響するかは…神のみぞ知るって感じだな!つまり俺が知る限り俺の事だ!アハハハハハハハハっ!……はぁ…普通が一番だ。やれやれだぜ。




続きは…またそのうちデース。シーユー_(┐「ε:)_

PS
あ、そういえば、そのうちアンケートとるかもです。鬼滅の刃世界以降の別世界のを鬼滅の刃が途中でも出していいかのやつです。作者的には出したいと思ってるんですけど…どうすっすかね?ここだけ変えればもっと良いのにな〜ってのが何個かあって一話読み切り短編的に書いてるんですよね。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。