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なんだそりゃ?
俺と兄貴とのタイマン?
(竜胆は少し考え込む素振りを見せた)
……あぁ、渋谷でのアレか。
てか、今そんな風に呼ばれてんだ。
兄貴の【蘭】と俺の【竜】胆で【蘭竜戦争】か。
ネーミングのセンス悪すぎだろ。
何でタイマン張る事になったのかって?
……悪ぃ、それは言いたくねぇ。
誰にだって墓まで持って行きてぇ秘密の一つや二つくらいあんだろ。そういうレベルの秘密だ。
(何度か質問したが竜胆は決して首を縦に振らなかった)
しつけぇな。話せねぇモンは話せねぇ。
けどよ、あの戦いにはゼッテー負けたくなかった事だけは確かだ。
仮に一生痕が残るような大怪我負わせても、この勝負には勝ちてぇ。相手がたとえ兄貴でも、腕の一本落としてやる。
そんくらい、あん時は
てか、そもそもアンタ兄貴の事、どんくらい知ってんだよ?
見せてみろよ。そのメモに書いてあんだろ?
(私は竜胆にメモを見せた。もちろん、普段の調査活動に関する記述について記載しているメモとは別のメモだ)
なになに?
・灰谷蘭、天竺の幹部、六本木灰狂戦争で相手のリーダーを殴殺。
・少年院を出所後、横浜拠点の暴走族
・関東事変にて再逮捕、再度少年院に服役し、出所後は港区拠点の愚連隊
・その後の足取りは不明、現在は半グレ集団
へぇ〜、結構やるじゃん。
普通ならつついても出てこない
ちゃんとそれなりに調べてんだな。
(竜胆は破顔一笑し、メモを投げて寄越した)
それじゃ、アンタの労に報いて補足してやるよ。
あの人ぁ天才だ。
俺と違い、天性のバネを持ってる。
できる奴にしかできねぇ、技の打撃を打てるんだ。
俺らの仲間……
対して兄貴が使うのは『技の打撃』。
違いを説明するのは難しいんだが、普通にパンチを打つんじゃなくて、関節で加速させて打つんだわな。すると不思議と、体の奥に響くんだわ。ジーンッてな。皮膚じゃなくて肉が痛くなるんだよ。
兄貴はさ、身体の
あんだけヒョロヒョロしてんのに喧嘩強いのは、それが理由なんだよ。
普通の奴が1人倒す間に、俺は10人倒す。
俺が10人倒す間に、あの人は20人は倒す。
才能は俺の10倍だ。そういう人だよ。
こと打撃の技術じゃ、あの
だから俺は兄貴と勝負すんのは嫌でよ。多分ずっと逃げてきたんだよな、無意識に。打撃から逃げて柔の道に、戦いから逃げて兄貴の後ろに。
けど、あの日だけは違ったんだよなぁ。
っと、アンタが聞きてぇのは勝負の話か。
もうだいぶ昔の事だからよ、記憶怪しいところはあるけど、そこはカンベンな。
東リベはキャラごとの台詞の違いを出すのが難しいです。
次回、やっと蘭竜戦争編です。
不明な点等あればご質問頂けますと幸いです。
宜しければご感想、ご評価の程よろしくお願いします。