「あれ?お兄どうしたの?」
私は学校までの通学の途中ずっと考え事をしていた。
この子は何者なのか、本当に神様なのか...そして、なぜこんなにボロボロなのか。
「?」
じっと彼女の方を見る。
今は厚着をしているためよくわからないが腕や首元、足には紫色に変色した無数のあざがあり、手首には切り傷のようなものが見えた。
昨日は信じられないことが目の前でたくさん起きていたためあまり気にしていなかったが、改めてよく考えてみると...いや、よく考えなくても明らかにおかしい。
俺は思い切って彼女に聞くことにした。
「その...傷はどうしたんだ?」
「...」
彼女は黙り込んでしまった。
そりゃそうだ。どう考えたって昨日会ったばかりのほぼ初対面のような人に、しかもそんな軽々しく聞かれて答えるわけがない。
「いずれ...わかります」
彼女はそう言った。
いずれという教える事なのだろうか? 私には意味が分からなかった。
「今日も妹さんと一緒にお昼食べるのかい?」
友介にそう言われた。
どうやら妹といつも一緒に食べているという設定になっているようだ。
「そ、そうね」
思わず動揺して、つっかえてしまったけどバレテナイきっとバレテナイ
そう心に言い聞かせて話を続ける。
「せっかくだから友介も一緒に食べないか?」
妹とはまだ出会って二日の仲だ、さすがに二人で食べるのは気まずかった。それに、友介に聞きたいこともあった。
「お兄と...友介さんですね?」
妹は少し混乱したような顔をしていた。二人で食べるのを想定していたのだろう。
ただ、さすがは友介。初めはかなり気まずい空気だったものの、最終的には得意のオカルトトークで場を和ましていた。
「もしかして...あの子って」
二人で教室に帰る途中急に友介が口を開いた。
友介はかなり勘が鋭かった。
「そうだ、昨日話してた方法を試したらいきなり現れたんだ。」
「まさかそんな...」
友介は驚いていた。そりゃそうだ、現実味のない話で馬鹿げてる。
自分だって、内心は相当驚いてた、内心は...
「さようなら」
ふと後ろから声が聞こえた。
「さよう...なら...」
私は、驚きのあまり途切れ途切れに返事をしてしまった。
そう、友介の声ではなかったのだ。
ふと後ろを振り返ると、クラスメイトの太田真が教室から出ていくのが見えた。
この時からだろうか、クラスメイトに頻繁に声を掛けられるようになったのは。
「お兄、帰るよ」
後ろを振り向くと帰りたそうにしているひかりがいた。
私はひかりと共に無人の教室を出た。