トレーナー「そろそろ怒らないと、だな……」   作:第六位

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トレーナー「そろそろ怒らないと、だな……」

「……今日も2時間遅刻、か」

 

 時計を見てそう呟く。最初は流石に遅刻の頻度は少なかった。それも数分から数十分。それでもスカイの才能や色んな方の協力もあり、これまで結果を残せてきた。

 スカイとの関係はもう2年になる。終わり良ければ総て良し。来年でスカイの全てが決まると言っても過言ではない。

 でも、もう俺にはスカイを勝たせてあげられる自信が無い。ここのところ遅刻はほぼ毎日数時間。練習に来ない日もある。

 まただ。今後の予定をまた修正しなければならない。

 

「お待たせトレーナーさん♪」

 

「遅刻だぞ」

 

「にゃははは☆ 実はセイちゃんまた新しいおねんね場所見つけちゃいましてー。もしよければトレーナーさんも今日は練習なんてサボって一緒に寝ませんか?」

 

「寝ない。スカイと違って俺は凡人なんだよ。そんなに休んでられるほど暇じゃない」

 

「……なんかトレーナーさん今日は不機嫌ですか? そりゃ昨日より少し遅れたかもしれませんが──」

 

「あのなスカイ」

 

「はい?」

 

「俺がやってるのはスカイと違って仕事だし本当はこんなこと言いたくないんだけどな。正直凄く大変だよ」

 

「──え?」

 

「スカイにとっては『たかが遅刻しただけ』かもしれないけどね。俺は休日も使ってスカイを勝たせるために色んな所に頭を下げたり、トレーニング用の物を特注で用意したりしてるの。やっと休めるかと思ったら家に来て中々帰ろうとしなかったりしたでしょ? お陰で実質的に最後に休めたのが何日前か分かる?」

 

「えっと……分からないです」

 

「300日前だよ。俺と同年代のサラリーマンの60倍以上休めてないの。トレーナーが休日返上して働くのはありがちなことだけれどそれでも俺より酷いトレーナーは知らないよ」

 

「……もしかして怒ってます? や、やだなぁ。私のトレーナーさんは優しくて中々怒らないのが良い所のはずでしたけど」

 

「確かに自分でそう言ったこともあったね。それに全然怒ってなんかないさ。今までスカイを教育してきた全ての者にこれ以上ない賞賛を送っているんだよ。ほら、笑いなよ」

 

「ごめんなさい」

 

「笑いなよ」

 

「……っ! すみませんでした!」

 

 スカイは見る見るうちに泣きそうになりながら頭を下げた。

 

「笑えと言っているんだ。それじゃ表情が見えないだろ?」

 

「こんなにトレーナーさんが怒るなんて思ってなかったんです! ちゃんとするから許してください……」

 

「ちゃんとする? 作り笑いすら出来ない人間が何を出来るって言うんだい?」

 

「……これからは遅刻はしません。トレーナーさんの休みを邪魔もしません。だから許してください」

 

 スカイは恐怖のせいか震えていた。でもまだ足りない。簡単にその者の性質が変わることが出来るほど甘くはない。

 

「……今から今月のメニューを伝える。」

 

「は、はい!」

 

 ぱぁっと表情が明るくなった。単純なのか、それとも「計算の内」とでも思っているのだろうか。まあ、そんなの関係ないが。

 

「明日から全休だ」

 

「え? それは流石に……。レースもあります……よね?」

 

「聞こえなかったのかい? それともまた言うことを聞けないの?」

 

「い、いやそんなことないです! 休みます……」

 

「分かったら今すぐここから出て行って。じゃ、また来月ね」

 

 俺はそう言うとスマホを取り出し、トレーナー室から出て行くスカイを横目に見ながら電話をかけた。

 

 

 

 

 

 

スカイside

 

 んー、いい気持ち……って、にゃはは。いつの間にか2時間寝てしまってましたか。トレーナーさんとの約束の時間はーっと。

 

「あちゃー。結構過ぎちゃってますね。でもまあ、うちのトレーナーさんは優しいですし! ゆっくり向かいますかー」

 

 

 

 

「お待たせトレーナーさん♪」

 

 トレーナー室のドアを開けるといつも通りトレーナーさんは椅子に座っており、予定表のような物を持っていた。

 

「遅刻だぞ」

 

 ここまでがお決まりの掛け合いです☆ やっぱりきつーいトレーニングの前はトレーナーさんとのお喋りが大事なんですよねえ。いっそのこと今日は練習無しになったりしないかなーなんて。

 

「にゃははは☆ 実はセイちゃんまた新しい昼寝場所見つけちゃいましてー。もしよければトレーナーさんも今日は練習なんてサボって一緒に寝ませんか?」

 

「寝ない。スカイと違って俺は凡人なんだよ。そんなに休んでられるほど暇じゃない」

 

 あれ? いつもはここで『はいはい。それはまた今度ね』とか言うのに……。どうしたんでしょう─────

 

 

 

「分かったら今すぐここから出て行って。じゃ、また来月ね」

 

 はい。と言おうと思ったが声が出なかった。あんなトレーナーさんは初めて見た。表情はいつもと同じだったけど、トレーナーさんはあんなことを言う人じゃない。

 誰よりも私の勝利のために動いてくれてるあの人に限って大会前に練習をさせないなんてありえない。

 

「明日、謝りに行こう。うん。とっても気まずいけどセイちゃんなら出来る!」

 

「もしもし。はい。スカイのトレーナーです」

 

 トレーナー室を出て間もない内にトレーナーさんの声が聞こえた。

 

「ちょっと驚かされましたし少しだけ盗み聞きしちゃいますねー」

 

 ウマ娘の耳は人間と比べてとても敏感です。ある程度防音されていても集中すれば簡単に聞こえちゃいます。

 

『はい。新規契約の件です。はい。あ、いえ今の担当とは今年一杯になると思いますので。はい。……ええ。彼女の才能には本当に感謝しています。おかげで私も成長できましたし他の優秀なウマ娘を担当することが出来るようになった』

 

 え? 今なんの話をしているの?

 

『未練、ですか。正直全く無いです。はい。夢であったとはいえ人間には耐えられる苦しみに限度があります。……そんなに気を遣わなくても結構ですよ。もう解放されることが決まってるんですし。それに私は楽しみです。一度本人とお話させてもらったことがありますがとても計画性のある娘ですし。あ、いえいえ。数年前、まだ研修生だった頃、ドイツで個人的にたまたま』

 

「なんなんですか一体!」

 

 気がつけば私はトレセンの廊下を走っていた。もう、これ以上聞いてられなかった。どんな話をしていたかなんて断片的な情報でも分かる。トレーナーさんは私と契約解除する気なんだ。そして新しいウマ娘と契約する気なんだ!

 計画性があって、海外で既に知り合ってるウマ娘と。こんなのセイちゃんじゃなくても「運命のウマ娘だ」って思っちゃうじゃないですか! 

 いつも昼寝してる場所に向かったが、そこにはスペちゃんがいた。スペちゃんはスペちゃんのトレーナーさんと一緒に真剣にトレーニングをしてる最中だった。

 ああ、そういえばこの前スペちゃんに1/2馬身差で勝ったんだっけ。いつも一位だから特に気にしたことなかったけど。

 ボーっとその様子を眺めていたらスペちゃんがこちらに気が付いた。

 

「あ! セイウンスカイさん! 何してるんですかー?」

 

「あ……」

 

 あれ? 声が出ない。いつもみたいに気軽に話しかければいいのに。

 

「あ、わかった! またこっそりおサボり中ですよね? セイウンスカイさんのトレーナーさんは優しいから、怒らないだろうけれどほどほどにしておいた方がいいですよー」

 

「……」

 

 いつもこんなやり取りのはず。初めてじゃない。『にゃははは。なんだかんだセイちゃんは勝っちゃうからねー。大丈夫なのです』と言えばいいのに。声が出ない。

 なんで?

 

「次は絶対勝ちますから―」

 

 結局何も言えないまま立ち去ってしまった。少し頑張ってみたけど、スペちゃんのトレーナーさんが真剣な雰囲気でこちらを見つめてくるもんだから……まるで「僕達は本気でやってるんです。貴方と違って」と言いたげな感じだった。別にそれを言われても普段なら何も思わないけれど、その立ち振る舞いが私のトレーナーさんと凄く似ていて声を聞くのも怖かった。

 もう、今日は部屋に戻って寝よう。そうしよう。

 

 1日経った。トレーナーさんの所に謝りに行こうとしたけど、どうやら今日は来ていないらしい。理事長にはあまり深く教えてもらえなかった。

 

「忠告! 自主トレはしないようにと君のトレーナーから言うように言われている! 安静にしておくようにな!」

 

 ウソを言っているようには見えなかった。仕方が無いので部屋に戻ることにした。

 

「そうは言ってもそわそわしますね。1日サボったことなんて初めてじゃないんだけどなあ」

 

 ……部屋の中だったら誰にも見られないからいいよね?

 ガチャリとドアが開く音がした。

 

「あー! ダメですよスカイさん! スカイさんのトレーナーが練習禁止って言ってました! もし自室でしてたら言うようにとも」

 

 

「ごめんなさい! もう二度としないから言うのはやめて!」

 

「わー! 土下座は止めてくださいー。言いませんから!」

 

「ありがとう……」

 

 危なかった。同室のフクちゃんまで手が回ってるなんて。

 こんな時に言うのもなんだけど、流石セイちゃんのトレーナーさんだ。用意が早いし隙が無い。

 土下座、初めてした気がする。

 

 

 3日後

 まだトレーナーさんと話せてない。それどころかドイツに行ったという噂まで出てきた。

 

「ドイツ……もしかして」

 

 あの電話で話してたウマ娘に会いに行ってるのかも。どうしよう。トレーナーさんにメッセージを送っても全部既読無視されるしドイツにいるのなら本当に私が出来ることがない。

 それに2週間後にはレースもある。でなきゃいけないけどこのままだったら絶対に勝てないのは分かる。

 どうしよう。どうしよう。

 

 1週間後

 

「どうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしよう」

 

「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」

 

 昨日から午前中の座学にも出席していない。気づいてしまったのだ。座学が終わった途端皆「勝負に本気になっているウマ娘」の顔になるって。

 私がここ1週間トレーニングしていないのは皆知っていた。だからそれについて聞かれたくなかったのもあって逃げた。

 一か八か電話して謝ってみよう。声をだけでも大分安心するはずだ。

 「ごめんなさい。」で埋まったチャット画面に自分でおびえながら右上の電話のアイコンをタップする。

 ツーツーツー

 

『はい』

 

「と。とれーなー?」

 

『どうしたの』

 

「いや、えっと、あの、その」

 

 心臓の鼓動が煩い。何を言いたいか具体的に決めてなかった。取り合えず話したかった。

 

『用が無いなら切りますよ。折角休みにしてるんだから。それともまた時間を奪う気?』

 

「ち、違う! いや、あの違います!」

 

『……何?』

 

 その瞬間理解してしまった。トレーナーさんはあの時から一切変わってない。

 

 笑えよ。

 

 嫌だ! もうあんなトレーナーさんは見たくない……。

 何かちゃんとしたことを言わないと。

 

「今度のれーす、でないとだめですか?」

 

『あー、あったな。どっちでもいいよ』

 

 心底どうでもよさそうに、トレーナーさんは言った。

 

『あ、すまん。もう時間だ。またな。練習はするなよ』

 

 ツーツーツー

 

「あ……」

 

 こうなったら、練習せずにレースに出て、優勝してみせる。そこまで大きな大会でも無いから意外と勝てるかもしれない。いや、勝ってみせる。

 私は少しでもやる気を奮い立たせようと翌日から座学には出席するようにした。そして午後は強いイメージトレーニング。どんな展開になって、どうやって勝つか。そのシュミレーションを何度もやった。

 

 大会当日

 勝負服を来てウォーミングアップをする。

 

「身体が……重い!」

 

 なんとかレース本番までに少しでもコンディションを元に戻さないといけないと思って、準備運動をしていた。

 

「あ、セイウンスカイさん。ここにいたんですね」

「え?」

 

 そこに来たのは勝負服のスぺちゃんだった。あれ、今回のレースに出るの? そんなに大きなレースじゃないし出ないと思ってたけど。

 見たら分かる。スぺちゃんは相当仕上がっている。前の絶好調の時の私でも勝てるか……。

 

「セイウンスカイさんこんにちは」

 

「スカイさん」

 

「セイウンスカイちゃん」

 

 そう思ってたのもつかの間、どんどん色んな見知ったウマ娘が近寄ってくる。そうだ。確かこの娘達は全員私が1位だったレースで2位だった娘達だ。

 

「セイウンスカイさんがいなければ、なんてもう言わせませんからね!」

 

 ようやく理解した。このレースは一見重要そうでないように見えて長い期間で見たらとても重要なレースなのだ。だから本当に実力ぞろいのウマ娘しか出馬してない。当然、私のトレーナーさんも理解していたのだ。恐らくはこのレースのために何か月も前から計画を練っていたのだろう。でも、私のせいで何度もその計画を変更することになった。

 

 

 追いつかない。イメージ通りに走れないだけじゃない。周りの進化を私は想像できていなかった。大逃げが私のいつもの勝ち方だったけど、1位になれた瞬間は1秒たりとも無かった。

 結局最下位でゴールした私は大量の観客の冷ややかな眼光を浴びながらレース場を後にした。

 ずっと信じてきた才能に対する信頼も出来なくなった。

 心が折れる音がした。

 

 ?日後

 最近はもうトレーナーさんに会いたいという気持ちにもなれなくなってきた。私には違う生き方があるんだ。他のウマ娘と比べたら弱いかもしれないけれど、それでもヒトよりは力が強いんだから何かしらの道があるはずだ。

 トレーナーさんならば色々知ってるだろう。私は契約解除と共に現役を引退。そして一般社会で生きていくんだ。

 ウマ娘が一般社会で働いて生きていくためには何をしなければいけないのか。それを知りたくて図書室に向かった。ネットはもう見たくなかった。

 

「……こんなにレースで勝つための本が多かったんですね。それに沢山の人が勉強してる」

 

 探せども探せども、目当ての本は見つからない。仕方なく地図を使って目当ての本が沢山置いてあるであろう場所へ向かった。

 

「私のトレーナーさんもここでたっくさん勉強したんだろうなあ」

 

 思えば最初、彼は新人だった。それでも最初のレースから前々回のレースに至るまで全勝だったのは膨大な数の研究量が必須だったに違いない。

 

「ここら辺か……」

 

 ウマ娘 引退後の道。中退したウマ娘におすすめの職場! 走るだけじゃない、こんなウマ娘にもなれる!

 そんなタイトルの本から興味のある本を探してると

 ドン、と誰かにぶつかってしまった。

 

「あいたっ。すみません、周りが見えてませんでした……」

 

「ああ。その通りだな」

 

「え?」

 

 そこにいたのは私のトレーナーさんだった───

 

「あ、あああ」

 

 恐怖、歓喜、相反する二つの感情がごちゃ混ぜになって頭を埋め尽くす。そうして口をパクパクさせるだけで何も出来ない私を見たトレーナーさんは一枚の手紙を渡してきた。

 

『トレーナー室に来い』

 

 顔を上げるともう既にトレーナーさんは図書室から出ようとしていた。

 

 契約解除の話をされる。そう理解していたのにも関わらず、行く以外の選択肢が私には無かった。どんな形であれ、トレーナーさんの言うことを聞けることに喜びを感じたのだ。

 

 

 

 トレーナー室にて

 コンコン

 

「失礼します」

 

 トレーナー室に来た私は久しぶりの景色に懐かしみを覚えていた。実際は1か月も見なかっただけだったが、ここは大事な話をいくつもした場所だ。寝たこともある。ここももう間もなく契約解除されて入れなくなるのかと思うと胸が痛い。

 

「随分変わったね」

 

「……はい」

 

 笑えよ。

 

「──────」

 

「? どうした?」

 

「い、いえ。何でも……ないです。それよりも、今回の件について……」

 

「ん? そうか。スカイが切り出してくれるのは助かる。実のところ言いにくくてな」

 

 やっぱり。

 嫌な妄想が確信に変わった。

 

「契約解除、ですよね」

 

「……」

 

「私この数十日間トレーナーさんがいない生活をして、如何に自分が愚か者だったか気が付きました。2年間もトレーナーさんにはつらい思いをさせてしまった。こんなの、もう耐えきれないですよね」

 

「スカイは、俺と契約解除したいのか?」

 

「……トレーナーさんが紙に書けと言うのなら書きます。もう私には隣に立つ資格はありません」

 

「質問に答えれてないぞスカイ。『お前は』契約解除したいと思ってるのか?」

 

「それは」

 

 笑えよ。

 笑えよ。

 笑えよ。

 笑えよ。

 

 やめて、もうそんな顔しないで。そんな顔のトレーナーさんなんて見たくない。

 

「スカイ。俺の顔を見ろ」

 

「嫌───」

 

 グイっとトレーナーさんが私の顔を掴んでトレーナーさん顔の前に固定させた。

 

「どうだ?」

 

 そこにいたのは私が大好きな、いつも見てきた優しいトレーナーさんがいた。

 

「ふぁ、ふぁい」

 

「ああ、ごめんね」

 

 トレーナーさんがぱっと手を離すと顔のヒリヒリが少しずつ感じてきた。

 

「もう一度聞かせてほしい。俺と契約解除したいかい?」

 

「……したく、ないです!!!」

 

 顔のヒリヒリがこわばっていた全てを取り除いたかのように、ため込んでいたものが全て決壊した。今まで出したことのないような大きさで伝える。

 

「もっとずっと一緒にいたい! 絶対に来年も勝って最高の3年間にしたい! 走る以外の選択肢なんて取りたくない! でも、でもそれじゃだめなんです!」

 

「何がだめなんだい?」

 

「私が隣にいたらトレーナーさんが苦しんでしまう。それに私聴いてました。私なんかよりとも相性のいいウマ娘と契約するんですよね!? そうしたら私はきっとお荷物になる!」

 

「もう今のスカイなら大丈夫だよ。一度大きな挫折を味わったスカイなら俺とこれから走り抜けられる。でもそうだね。確かに魔が差してまたトレーニング計画が失敗することもあるかもしれない。だからねスカイ。スカイの身近で、それこそ俺よりも近くでスカイのことを見てくれる存在が必要だと思ったんだ。だから担当を一人増やすことにした。計画性があるウマ娘だ。入ってきていいよ」

 

 トレーナーさんの言葉に合わせてドアが開いた。そこには黒髪のショートボブの綺麗なウマ娘がいた。

 

「エイシンフラッシュです。セイウンスカイさん。話は聞いています。共に輝く未来を見ましょう」

 

「いいの……? 私なんかの面倒見てたら大変ですよ?」

 

「なんか、じゃありません。私は貴方の走りに憧れているんです。貴方の怠け癖は私がなんとかする。貴方の走りを見て私は成長する。いい関係に成り得ると思います」

 

「そういうことだ。どう? 俺達3人で高みを目指してみないか?」

 

「セイウンスカイさん。私からもよろしくお願いします」

 

 もしも、トレーナーさんの元に帰ってきてもいいのなら、私を尊敬してくれる娘と切磋琢磨してもいいというのなら。

 

「──────はい!」

 

 

 

 

 

 

後日談

 

「そういえばあの時なんで一度も練習させないようにしたんですか?」

 

「自暴自棄になったスカイが無理なメニューをこなして身体壊したら取り返しつかなくなるから」

 

 実は追い込まれたスカイがどんな行動を起こすのか正確に把握した上であのような態度を取ったことはエイシンフラッシュにも内緒にしていたトレーナーである。

 

 

 

 

後日談その②

 

 

 理事長やフクキタルを含む事情の一部を知っていた者達は聖人、笑顔のイメージが強かったスカイトレーナーに対して底知れない恐怖感を持っていたことが各々の引退後に明らかになったという。

 

 




要望があれば他のウマ娘verも作ります
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