アイリス・エーカー、ISの存在に心奪われた女だ!   作:113(いちいちさん)

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プロローグ

西暦2107年

 

EU軍事演習場

 

 都市に見立てた施設内を一機のISが高速で飛行していた。全身が銀色に塗られ、全体的に曲線のフォルムをしており、背中と腰のスラスターと翼は戦闘機を彷彿させる。最大の特徴は顔を覆う黒いバイザーと左右に伸びたブレードアンテナ、そして指揮官機を表すトサカ状のアンテナ。

 そのISは無数に配置されたバルカン砲からの攻撃に一発も被弾することなく正確に的を撃ち抜いていく。ISが交差点に差し掛かると新たなバルカン砲による死角からの攻撃が開始された。しかし、その攻撃は全て左腕に装備された”ディフェンスロッド”の回転により跳弾させられた。ISはそのまま急速に上昇すると宙返りした態勢のまま全ての的を撃ち抜いた。

 

「「「「おおおぉ・・・!!」」」」

 

 その様子を客席で見ていた軍事関係者や研究者、IS委員会の職員らも感嘆の声を上げた。ISはそのまま舞を披露するかのように客席の前で飛行を続けている。

 

EUイナクト、EU初のドイツ製正式量産型第3世代ISか・・・」

 

 その様子を客席から見ていた一人の少女。眼鏡を掛け長い茶髪をポニーテールにした背の高い少女、レベッカ・カタギリはそう呟いた。

 

「EUはフランスのデュノア社を始め、第3世代機の開発で遅れを取っていた。早めにどうにかしたかったんだろう」

 

 すると彼女の後ろから現れた金髪ボブの小柄な少女がそう言った。

 

「おや、良いのかい?ISWAD(アイスワッド)のエースがこんな場所にいて」

「勿論良くは無い」

 

 そう言ってその少女、アイリス・エーカーはレベッカの隣に座った。

 

「しかし、EUは豪気だよ。ISの10周年記念式典に新型の発表をぶつけてくるんだから」

「どう見る?あの機体を」

「どうもこうも、うちのフラッグの猿真似だよ。独創的なのはデザインだけだね」

『そこ!聞こえてっぞ!』

 

 すると、二人の会話を聞いたイナクトが二人に近付いて来た。バイザーが二つに分かれて開くと黒髪セミロング、つり目で左目の泣きぼくろが特徴的な少女が現れた。

 少女は容姿に似合わず荒っぽい口調で話しかけてきた。

 

「今何つった?ええ!?コラァ!」

「集音性は高いようだな」

「フフッ、みたいだね」

《パトリシア、貴様何をしている!さっさと戻らんか!!》

「す、すみません!少佐ぁ!」

 

 すると、イナクトに通信が入り、彼女は急いで演習場に戻って行った。

 

「成程、アレがEUのエース、パトリシア・コーラサワー少尉か。噂通りの様だな」

「そうだね」

 

 二人が話していると、アイリスの携帯端末に連絡が入った。

 

「ん?・・・私だ。・・・そうか分かった」

「どうしたんだい?」

「私と君にISWAD本部への帰投命令だ」

「いきなりどうして?」

「分からないが、緊急の要件らしい」

 

 

 

 

アメリカ合衆国 ISWAD本部

 

「EUの新鋭機視察、ご苦労だった」

「それで、緊急の要件とは?」

「・・・実は先日、世界初の男性IS操縦者が日本で発見された」

「何ですって!?」

「本当ですか!?」

 

 ISWAD本部長である女性の話を聞いて二人は驚きの声を上げる。

 

「ああ、事実だ」

「まさか・・・父ですら起動することが叶わなかったISを、起動できる男が存在したなんて・・・」

「誰なんですか?その男は」

「名前は織斑一夏(おりむらいちか)、かの”ブリュンヒルデ”織斑千冬(おりむらちふゆ)の弟だ」

「あのミス・ブシドーの!?」

「・・・研究する価値があると思いますか?」

「上もそう思っている様だ」

 

 そう言うと彼女は二冊のファイルを二人の前に取り出した。

 

「君たち二人に作戦命令が来た」

「・・・IS学園への入学?」

「そうだ、君達にはIS学園へ入学し、織斑一夏とそのISについてのデータを収集してもらう。早急に対応しろ」

「ハッ!アイリス・エーカー中尉、レベッカ・カタギリ技術顧問、受領しました」

 

 

 こうして半年後、二人はIS学園へと入学することになった。

 

 

 

 

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