アイリス・エーカー、ISの存在に心奪われた女だ!   作:113(いちいちさん)

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第12話 白式鹵獲作戦

IS学園 講堂

 

 新学期、アイリス達は講堂で全校集会に参加していた。

 

『それでは、生徒会長から説明をさせていただきます』

 

 放送を受け、舞台上に生徒会長である楯無が立つ。

 

「さてさて、今年は色々立て込んでいてちゃんとした挨拶がまだだったね?私の名前は更識楯無、君たち生徒の長よ。以後よろしく!」

 

 彼女の挨拶に何故か一夏が驚愕していた。

 

「では今月の学園祭だけど、クラスの出し物を皆で決めるように!」

 

 そう言って手に持っていた扇子を広げる。其処には「締切間近」の文字が書かれていた。

 

 

1年1組教室

 

「えっと・・・うちのクラスの出し物の案ですが・・・全部却下!!」

「「「「ええー!!」」」」

「阿保か!誰が嬉しいんだこんなもん!」

 

 クラス代表の一夏がそう言うとクラス全体から落胆の声が上がった。

 黒板型モニターには「織斑一夏のホストクラブ」「織斑一夏のツイスター」「織斑一夏のポッキーゲーム」「織斑一夏の王様ゲーム」と表示されていた。

 

「とにかく、もっと普通の意見をだな・・・」

「メイド喫茶はどうだ?」

「「「「・・・え?」」」」

 

 一夏の問いにアイリスが答える。一夏を含むクラス全員は予想外の人物から出た予想外の提案に固まった。

 

「ア、アイリスさん?」

「実は先日友人達と秋葉原に行ってな、其処でメイド喫茶なる物を体験した」

「私もやったよ~!」

「客受けは良いだろう、それに飲食店は経費の回収が行える」

「うん・・・良いんじゃないかな?一夏には執事か厨房を担当して貰えばOKだよね?」

「えっ?」

 

 シャルロットの言葉にクラスの皆も賛同し、1組の出し物は「ご奉仕喫茶」に決定した。なお、そこに一夏の意思は含まれないものとする。

 

 

 

 

学園祭当日

 

「此方へどうぞ、お嬢様」

 

 一夏は執事服を着て接客していた。因みに店は一夏目当ての客で行列が出来ていた。

 

「ふぅ・・・大分客足も落ち着いて来たな」

「ちょっといいですか?」

「はい?」

 

 仕事が一段落した一夏にスーツを着たオレンジの髪をした女性が名刺片手に話しかけてきた。

 

「・・・巻紙礼子(まきがみれいこ)さん?」

「はい!織斑さんの白式に是非我が社の装備を使って頂けないかなぁと思いまして!」

 

 IS装備開発企業『みつるぎ』の渉外担当”巻紙礼子”と名乗る女性は一夏に対してIS装備の売り込みを行ってきた。

 

「えっと、こういうのはちょっと・・・」

「まあそう言わずに、此方の追加装甲や補助スラスター等どうでしょう?さらに今ならもう一つ脚部ブレードも付いてきます!」

「いや、本当にいいんで・・・」

「お客様、申し訳ありません」

 

 セールストークに押されている一夏の下にアイリスが現れた。

 

「そう言う話でしたら事前に学園側に申し付けください」

「ちょっと・・・」

「仕事もありますので、それでは」

「すみません、失礼します」

 

 アイリスの助けもあって一夏は無事に離れることが出来た。

 

「はぁ・・・有難うございますアイリスさん」

「気を付けたまえ少年、ああ言う輩は一度話を始めると離して貰えないからな」

「はい、最近こういう話が多くなりまして・・・」

「ふむ、追加装備に興味があるのなら是非我が国のアイリス社を検討してくれ」

「ってアイリスさんもですか!?」

「冗談だ」

「そうですよねぇ、ハハハ・・・」

「大変そうね?」

「い、何時の間に!?」

 

 気が付くと一夏の後ろにメイド姿の楯無が立っていた。

 

「フフフ、時に一夏君?生徒会の出し物「観客参加型演劇」に協力しなさい!!」

「はあ?」

「兎に角、お姉さんと一緒に来る!ハイ決定!」

「ええっ!?」

「貴女もどうぞ?」

「私は遠慮する、興が乗らん」

「あら残念」

「ちょっとアイリスさん!止めてくださいよ!」

「無駄だ、こういう時の楯無は何を言っても聞かん」

「そういう事!」

 

 そう言う訳で何故かいきなり現れた楯無に一夏は連れ去られてしまった」

 

 

 

 

IS学園男子更衣室

 

「はぁ・・・はぁ・・・ここまで来れば・・・」

 

 現在一夏は生徒会出し物である箒、鈴等のいつものメンバーや1組女子の皆に追い掛け回されるシンデレラっぽい謎の演劇から逃げ回っている内に男子更衣室へと辿り着いていた。

 因みにアイリスは不参加を表明し、ラウラとパトリシアの二人に至っては出し物を見て回ると言って出て行ったきり帰って来ていない。

 

「またお会いしましたね」

「はぁ・・・えっ?・・・どうして巻紙さんがこんな所に?」

 

 すると何故か先程売り込みに来ていた巻紙礼子が立っていた。

 

「はい・・・この機会に白式を頂きたいと思いまして」

「・・・はあ?」

「いいから・・・とっとと寄越しやがれよ!!

「なッ!?」

 

 彼女はそう言って一夏に対して回し蹴りを放つ。一夏は咄嗟に飛び退いてそれを躱すと驚愕した顔で彼女を見る。

 

「貴女は一体!?」

「私かい?企業の人間に成りすました謎の美女だよ!」

 

 そう言うと彼女の背中から蜘蛛の足の様な物が飛び出した。

 

「ッ!?白式!!」

 

 それを見て一夏は即座に白式を展開する。

 

「待ってたぜ?そいつを使うのをよぉ!!」

「クッ!!」

「食らえ!!」

 

 巻紙礼子が手を翳すと其処からビームが発射された。一夏はそれを回避する。

 

「へっ、やるじゃねぇか」

「確かみつるぎの巻紙さんって言ったっけ?何で!?」

「フッ、仕方なく巻紙なんて名乗っていたけどな、コレ見てビビんなガキが!!」

 

 そう言うと彼女の身体が突然光り出し、全身装甲型の蜘蛛の様な形状をしたISが展開された。

 

「なッ!?IS!?」

『そうさ、”アラクネ”だよ。此奴の毒はきついぜ?そらよ!!』

 

 アラクネと呼ばれるISの蜘蛛の足の様な複数の脚部からビームが放たれる。

 それらを一夏はロッカー等を盾にしながら躱していく。

 

「はあッ!!」

 

 一夏はアラクネへ向けて剣を振るうが相手はそれを避けて壁へ張り付く。

 

『悪の組織の一人ってヤツかもなぁ?』

「ふざけんな!!」

『ふざけてねぇっつーの、ガキが!!』

 

 そう言って地面へ降りるとポーズを取りながら名乗りを上げる。

 

『秘密結社亡国機業(ファントム・タスク)が一人、オータム様って言えば分かるかぁ?』

「亡国企業?」

『知らないのかい?じゃあ冥土の土産に教えてやるゥ!!』

 

 オータムが放ったビームを躱した一夏が一気に近付く。

「貰ったァ!!」

『甘ぇ!!』

 

 しかし、それは脚部のガードで防がれてしまう。

 

「チッ!それなら・・・ハアアッ!!」

『へっ!』

 

 またもや近付いてくる一夏にオータムは攻撃を仕掛ける。しかし一夏はそれをスライディングで避け、伸ばされた腕部パーツを切断する。

 

『何!?』

「よし!このまま!」

 

 連続で攻撃を繰り返す一夏に徐々に押され始めるオータム。しかし。

 

『フッ・・・ハアッ!』

「なッ!?」

 

 手から放出された蜘蛛の糸の様な物に体を拘束されてしまった。

 

「クッ!このッ!」

『ハハッ!楽勝だぜ全くよォ!』

 

 糸により引き上げられる一夏。彼の胸に謎の装置が取り付けられる。

 

『さて、白式を頂くとするか』

「ッ!?」

 

 取り付けられた装置から電撃が放たれる。

 

「グアアアアアアアッ!!」

『ハハッ!そうそう、ついでに教えてやんよ。第二回モンド・グロッソでお前を拉致したのは我々亡国企業だ!感動のご対面だなぁ?』

「グッ・・・てめぇ・・・!!」

『ハハハ!機体だけ残して消えちまいな!!』

「あら?そう言うのは困るわ?」

 

 その時、カッターの様な水が蜘蛛の糸と装置をピンポイントで切断した。

 

『誰だてめぇ・・・どっから入って来た!!』

「少年の友達、生徒会長の更識楯無よ!」

《テーテテーッテテテッ!テレッテテー!テンッ!》

 

 そこにはロッカーの山に座り、何故かスマホで音楽を流している楯無の姿があった。

 

「た、楯無さん!?」

『何だてめぇ・・・食らいやがれ!!』

「!?危ない!!」

 

 オータムの攻撃が迫る中、何故かその場から動かない楯無。そして・・・

 

ザクッ

 

「!?」

 

 彼女はそのままアラクネの腕に体を貫かれた。

 

 

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