アイリス・エーカー、ISの存在に心奪われた女だ! 作:113(いちいちさん)
某所のホテル内レストラン
「うんうん!このお肉美味しいね~あ!ワイーン!」
「お気に召しまして?束博士」
そこではISの開発者、篠ノ之束と亡国企業幹部、スコール・ミューゼルが共に食事をしていた。
「うーんそうだねぇ、そこの
「それで、我々亡国企業にISを提供する話、考えて頂けましたでしょうか?」
「はっはは!嫌だよ面倒くさいじゃーん。それに、教授を殺した相手の為に作るのは嫌だね~」
「おや?まさか貴女の口からそのような言葉が出るとは思いませんでした」
スコールは身内以外には一ミリも興味を示さない束から、他人の話が上がるとは思わずに聞き返した。
「誰だってお気に入りの玩具を壊されたら怒るでしょー?」
「フフ、エイフマン教授の事は実に残念でした。彼には是非我々の協力者になって頂きたかったのですが、彼は極度の愛国者で有名でしたからね。祖国アメリカを裏切る位なら自害する様な人物でしたので、それならISのコアを自力で開発し米軍の戦力が強化されるのを阻止する為、致し方なく抹殺してしまいました」
そう言って指を鳴らす。
すると、何処からともなく表れたオータムとネーナに後ろから拳銃を突き付けられる。
「ん~?フフッ・・・我らが主よ。あなたが我に与えし尊き御力を以て・・・」
「ん?」
「何よいきなり?」
後頭部に二丁の銃を突き付けられている状況で突然謎の言葉を喋り出す束に三人は怪訝な顔をする。
「速やかにあなたの命を実行せん。川は主の元に流れ、魂は一つとならん。父と子と精霊の御名において!」
そう言うと束は立ち上がると同時に二人の拳銃を上に弾き飛ばすと、目にも留まらぬ速さで突きを放ち二人は肺から息を吐きだす。最後に回し蹴りで二人共ワイン棚に突き飛ばされた。
「私ってば肉体も細胞単位でオーバースペックなんだよね~」
ワイン塗れで気絶する二人をバックにそう言いつつ、弾き飛ばした拳銃をキャッチする束。するとレストランの一階と二階の扉が開きアサルトライフルを持った兵士が二十人程入ってくる。
「わーお。トーシローばかりよく集めたものですねぇ?」
「私の兵士達は皆優秀よ?」
「ただの案山子ですな~」
そう言うと近くに居た二人の兵士の肩を撃つ。
パンパンッ「一つ、二つ」
「「グアッ!」」
「撃て!」
束の発砲を合図に一斉に射撃を開始する兵士達、しかし、それを束は弾道を計算し最小限の動きで回避して行く。
パンパンッ「三つ、四つ」
「「ガアッ!」」
束は顔を向けずに二階の相手に向かって右手の拳銃を左脇の下から撃つ。
パンッ「五つ」
「グアッ!」
今度は顔を左に向けた状態で右側の相手を撃つ。
パンッ「六つ」
「ウッ!」
パンパンッ「七つ、八つ」
「「グアッ!」」
そのまま一分もしない内にスコール以外の全員が肩や足を押さえた状態で床に倒れた。
束のうさ耳の様なカチューシャの先端がくるりと一周回ると顔の前にモニターが現れ「死者0人負傷者22人」という文字が表示される。
「にひひ~凄いでしょ~」
束は両手の拳銃を体の前で縦に並べて上下に向けた独特のポーズでスコールの前に立つ。
「ちーちゃん位なのさー私に生身で挑めるのは!」
そう言って拳銃を指で回しながらスコールへ近付くと、額に銃口を向ける。
「自分の胸に聞いてみなァ?貴様はツイてるかァ?ってね!」
「クッ・・・」
その時、壁を突き破ってISを纏ったエムが現れた。彼女は束に向かってライフルを突き付ける。
「動くな」
「んお?ふーん、面白い機体に乗ってるね~」
そう言うと後ろに飛び退き、エムはそれに合わせてライフルを撃つ。
束はバク転をしながら階段を上って行き、射撃していたエムは壁に飾ってあった彫刻を撃ち抜いた所で束を見失い撃つのを止める。
「何処へ行った・・・」
「此処だよ!」
「!?」
「何処を撃っているの!」
「ッ!?」
スコールの声を聞いて撃つのを止めると、束の姿が突然ぐにゃりと曲がり出し消えていく。
「映像!?私の
「そうだよ~」
気が付くとISのライフルの上に束が立っていた。
「開発者の私が言うのも変だけど、ISに頼りきりなんだよ。ちゃんと
そう言うとスカートの中から十数本の触手が現れサイレント・ゼフィルスに絡みつく。
「君達が私を仲間にしたいらしいからこうして来てあげたけど、全く君は悪い子だね~人に向かってライフルを撃ってはいけませんってお母さんに習わなかったのかなぁ?」
「グッ・・・」
ビットを展開するも全て触手に絡め捕られる。絡みついた触手によりISが解体されて行く。
「ぬふふふふ~怖かろ~」
「何が違うというの・・・貴女だって人間じゃないの!」
圧倒的な姿を前にしてスコールが放った言葉に、束が振り向く。
「そうだよ?私は機械じゃない。人類の宇宙進出の為に天才を強化したものだよ?」
最後にバイザーを解体しエムの素顔が露になる。
「おぉ~?」
束はエムの顔をまじまじと見る。すると突然笑い出した。
「あははははっ!君、名前は?」
突然の事にエムとスコールの二人は固まってしまう。束はエムを床に優しく降ろすと、触手を収納し顔を近づける。
「当てて見せようか?・・・
「「!?」」
名前を言い当てられた事に二人は驚愕する。
「当たったー!ねぇ、この子の専用機なら作っていいよ~?」
そう言って束はエムの手を取る。
「だからさー私の所においでよ~!ねぇねぇ、この子貰っていいよね?」
「そ、それは困りますが」
「えー?何だよぅケチ~。まあいいや!ねぇねぇマドっちーどんな専用機が欲しい?遠距離型?近距離型?特殊武装は?まあその話は追々でいいかなぁ?」
束のマシンガントークに再度固まる二人。
「マドっちには今度クーちゃんを紹介してあげるね?よーし、ご飯を一緒に食べよう!おー!」
こうして亡国企業による篠ノ之束との接触は、束の一方的な会話で締め括られた。