アイリス・エーカー、ISの存在に心奪われた女だ! 作:113(いちいちさん)
京都行新幹線 車内
「フフ、勝利の女神はわたくしに微笑みましたわね?」
「どうかな?」
「なっ!?」
「さあ、どうする篠ノ之?」
アイリスは現在、セシリア、箒の三人で座席で向かい合いババ抜きに興じていた。
セシリアが一歩優勢な中、アイリスは箒に対して一枚だけ明らかに飛び出しているというよくあるやつを行っていた。
箒は暫く考えた後、あえてその一枚を引く事を選んだ。
「南無三!!」
「・・・フッ」
「グッ!」
しかし、無情にもそれはジョーカーだった。
「オレ京都って初めてです!楽しみですね少佐!」
「ああ、楽しみだ」
その後ろの席ではラウラとパトリシアがこれから向かう京都について期待を膨らませていた。
「それ、一夏のカメラ?」
「おう、修学旅行の記念写真を撮るのに家から持って来たんだ」
「記念写真?」
「ああ、クラス代表は皆と別行動で旅行風景とかを取って回るんだってさ」
「大変だねぇ」
シャルロットと一夏は記念写真の事等を話し合っていた。
「ふふ、良い旅行になりそうですねぇ?」
「そうだな」
その光景を見た山田先生は千冬先生に向かってそう言い、千冬先生も短く返した。
京都市内 宿泊施設前
「皆さん良いですか?この後は各班自由行動になりますからね!」
「夕方の清水寺の拝観は集団行動だ。その時間までには現地に集合する事、分かったな?では解散!」
「「「「はい!!」」」」
先生達からの説明の後、解散となった。
アイリスが歩き出そうとすると山田先生に呼び止められる。
「あの、エーカーさんに荷物が届いてますよ?」
「私に?」
先生に着いて行くと、そこには大きめのキャリーケースが置かれていた。
「おや?どうしたんだいアイリス?」
「師匠?」
アイリスの下にレベッカと簪が合流する。すると突然、ケースが揺れ始め地面に倒れる。
「じゃじゃーん!!カバンの中から来た女、更識楯無!!」
《テーテテーッテテテッ!テレッテテー!テンッ!》
「更識会長!?」
「お姉ちゃん!?」
「・・・何をやっているのですか?」
するとケースの中からツアーガイドの恰好をした楯無が何時ものテーマ曲と共に現れた。
「今回の旅行にはこの私・・・ってちょっと!?」
「お姉ちゃんは帰って!」
折角現れた楯無であったが、簪に再び箱詰めされた。
「まだ何も言って」ガチャリ
「手伝ってレヴィ!師匠も!」
「あ、ああ」
「・・・まあいいだろう」
箱詰めされた楯無はそのまま運送業者のトラックに積み込まれ運ばれて行った。
「何だったんだい?一体・・・」
「良かったのか?」
「はい」
「・・・フフ、すり替えておいたのよ?」
見送る三人の後ろにある柱の陰に、何時の間にか隠れていた楯無はそう呟いて去って行った。
各班での自由時間が好きた後の夕方。皆は清水寺に集まっていた。
「一夏!」
「お?どうした?」
「今日撮った写真、見てみたいな!」
「良いぞ、ほら」
「へぇ、こんなに回ったんだぁ」
シャルロットは一夏が撮って回った写真を見せて貰っていた。
「わたくしにも見せてくださいな!」
「織斑君!私も見たーい!」
「「「「私も!」」」」
「えっ!?」
何時の間にか集まっていたクラスメイトに揉みくちゃにされる一夏。その時、手からカメラを放してしまった。
「あっ!しまった!」
そのまま境内の外に落ちるかと思われたカメラだったが、直前でアイリスにキャッチされた。
アイリスはそのまま保存されている写真を見た。
「ふむ、良く撮れているな」
「有難うございます!アイリスさん!」
「気を付けたまえ少年」
アイリスは一夏にカメラを手渡すと何処かへ歩いて行った。
清水寺からの帰り道、一夏は夕焼けに染まる清水寺を撮影しようと、カメラ片手に良い撮影スポットを探していた。
「何処が良いかな?」
カチッ
「?・・・お前は!?」
物音に反応して振り向くと、そこには夕日をバックにエムが立っていた。
実は一度、夜道でエムに襲撃をかけられていた一夏はすぐさま身構えた。
「織斑一夏・・・お前を殺す」
「クッ!」
「来い!
「白式!!」
エムがISを展開すると同時に、一夏も白式を展開する。
「マドカって言ったな、どうして俺を狙う!」
「フッ、貴様は通過点に過ぎない。真の目的は、織斑千冬を殺す事だ」
「ッ!?千冬姉ぇを!?」
黒騎士と呼ばれた黒い蝶の様なISがランスを構えると、そこからビームが発射される。一夏は急上昇する事でそれを躱した。
宿泊施設行きモノレール車内
「集合時間15分前、皆さんも集まり始めましたね」
「ああ」
山田先生と千冬先生は一足先にモノレールに乗り生徒の点呼を取っていた。
「全く、一夏は何時まで写真を撮っているのかしら?」
「師匠はまだ帰って来ていないみたいですね」
「そう言えば見かけないねぇ」
鈴、簪、レベッカの三人は前に戻って来ていた。
すると突然、モノレールの扉が勝手に閉まり、動き始めた。
「「「「!?」」」」
「織斑先生!これは!」
「至急、学園に連絡をして、国防軍に救援要請をしてくれ」
「了解しました!」
車内がパニックになる中、千冬は指示を飛ばす。
「どうなってるの!?」
「とりあえず、制御システムに侵入する」
「私も手伝う!」
「頼む、指が足りない」
レベッカと簪はモノレールの暴走原因を調べる為、制御システムへハッキングを行う。
一夏を探して歩いていた箒とセシリアへ向けて突然レールカノンが放たれた。
弾は二人の足元へ命中し爆発が起きるも、一早く気付いたセシリアが急遽ISを展開させ爆風から箒を守る。
「!?」
「何ですの!?」
二人が見上げると、建物の屋根の上に復元されたアラクネを纏うオータムが居た。
『生きてたか!クソガキ共!』
「あの機体は、資料で見た・・・」
『オータム様とアラクネだ!覚えとけ!!』
京都の某所
「全く・・・どうして何時も何時も貴女に会うのよ!!」
「やはり君と私は戦う運命にある様だな?」
またもやネーナとアイリスはISを纏い対峙していた。
京都市内の数か所に停車してある大型トラックのトレーラーが開くと、十数機のガガが格納されていた。固定具が外されると、一斉に飛び立っていく。
「少佐、あれは・・・」
「ああ、戦闘用意だ」
ラウラとパトリシアは京都上空に無数に飛来するガガを見てISを展開する。
モノレール車内
「カタギリ、更識、メインフレームの方に侵入して車両が止められるか試してみろ」
「「はい」」
千冬先生の指示で二人はシステムへの侵入を試みる。
「駄目です!システムごと乗っ取られています!」
「クッ、手の込んだ事を・・・」
しかし、車両のシステムは全て乗っ取られていた。
「織斑先生!この車両へ向けて複数のエネルギー反応が接近!このパターンは以前襲来したガガの様です!」
更に、多数のガガがこの車両へ向かって来ていた。
「・・・少し時間を下さい」
「やれるのか、カタギリ?」
「あと七分、いえ五分下さい」
そこでレベッカがシステムへのハッキングを開始した。
「私も手伝う!」
「いや、君は凰さんと一緒にISでこの車両を守ってくれ」
手伝いをかって出た簪へ向けてレベッカがそう言った。
「機体の整備は万全だ、君の言う奥義にも更に磨きをかけておいたよ。僕は戦えないから、君達が車両を守ってくれ」
「・・・分かったわ!」
「そう言う訳だ。凰と更識はISを展開後、車両の守備へ回れ!」
「「了解!」」
京都タワー
「フフ・・・」
「こんな所で優雅に街を眺めてるなんて、セレブは考える事が違うわねぇ」
京都タワーの上では楯無とスコールが対峙していた。
「”
「それはかつての名前よ?今の名前は
「そう」
「・・・何を企んでいるの?亡国企業」
「あら?何処までご存じなのかしら?更識楯無さん」
「貴女達の好きにはさせないわ」
「良いシチュエーションが出来たのに、ちょっと遅かったみたいね?ハアッ!!」
すると突然、スコールの背中から金色の尻尾の様な物が飛び出し楯無を掴み上げる。
「もう始まったのよ!!」
「グッ・・・ええ、そうね」
すると突然、楯無の身体が霧に変わり、スコールの身体に纏わり付く。
「!?」
ドカアァァン!!!
「貴女の思い通りには成らないわ。だって私の可愛い後輩達が頑張ってくれているんだもの」
何もない空中から霧が晴れる様にISを纏った楯無が現れる。
ミステリアス・レイディはナノマシンに周りの景色を投影させる事で姿を隠す事が出来るのである。
「騙し討ちなんて卑怯じゃないの?」
煙が晴れると、長い尻尾の様なフレキシブルアームが特徴的で甲殻類の様なシルエットをした、黄金色のISを纏ったスコールが立っていた。
「全身金色なんて悪趣味ね。百年でも戦おうって言うの?金ジムさん?」
楯無はスコールの金ぴかなISを見てそう言った。
因みにジムとはアイリス社が開発した試作戦闘用EOS”GM”の事である。頭部が似ていたのでそう言った。
「ふふ、貴女も私色に染め上げてあげるわ。私のIS、”アルヴァトーレ”でね!!」
アルヴァトーレのフレキシブルアームが開き、巨大なビームが放たれた。
国家防衛軍
数十年前に勃発した第三次世界大戦により日本国憲法の見直しが成され、自衛隊を前身に新たに設立された軍事組織。
現在日本が保有しているISの8割以上が此処に所属している。
XAEA-97 ジム
アイリス社が試作した戦闘用EOS。
AEAとはAttack・Extended・Operation・Seeker・Americaの略である。97は2097年製を意味する。
軍上層部の満足する性能では無かった為制式採用されなかったが、後の制式採用機である”AEA-98 ジェガン”の基盤となった。
現在AEA-98はアメリカ陸軍等に配備されているが、ISの登場により殆ど空気と化しており後継機等の開発は行われていない。
この作品の世界線では原作より技術が発展している為、EOSが制式採用されている設定です。また、サイズも約3~5mと割と大きめの設定です。
元ネタは機動戦士ガンダムに登場するRGM-79 ジムと、逆襲のシャア、F91、UC等に登場するRGM-89 ジェガン。
スコールの機体がガンダム00のアルヴァトーレにしか見えなかったので、この作品でのスコールにはアルヴァトーレに乗って貰いました。