真マジンガーZERO 対 アルティメットまどか   作:凡庸

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真マジンガーZERO 対 アルティメットまどか①

 無明の闇が何処までも広がる。

 全てを吸い込み、そして決して離しはしない。

 そんな色彩の闇だった。

 

 だが、万物には例外がある。

 この闇の中で、眩い光を放つ存在があった。

 その周囲は絶対の闇の中にありながら光に満ちていた。

 桃色の、美しい花を思わせる光であった。

 

 激しくも優しい輝きの中には、光よりも美しい姿が存在していた。

 白く煌びやかな衣装。

 雪のように白い肌。

 神々しく輝く薄桃色の翼。

 

 翼と同色に輝く髪は端が存在せず、果てしなく伸びているように見えた。

 そして実際、その存在がいる場所を基点に、光が世界を染めていった。

 闇の中に光を広げたそれは、幼い少女の姿をした白と桃色の女神であった。

 

 裾に翼をあしらえたソックスを纏った白い脚が虚空を蹴り、背中の翼が闇を掴んで飛翔する。

 女神が触れた場所は闇が砕かれ、彼女が放つ光と同じもので満たされていった。

 自らの領域を増やし、掌握していくかのようだった。

 

 だが、存在するだけで闇さえも打ち砕く女神の顔には、緊張が張り付いていた。

 光を拡散させながら飛翔しつつ、女神は自ら光を放った。

 

 伸ばされた左手は蔓のような弓を握っていた。

 弓の端には女神が纏う光と同色の力が溜まり、右手が番える矢に光と力を与えている。

 放たれたのは、それであった。

 

 輝く矢は闇を切り裂き、闇を光へと変えていく。

 光の浸食は留まる所を知らず、闇の果てへと消えていき、そこもまた光で満たした。

 

 だが輝く矢の行きつく先は、闇に覆われていた。

 正確には、黒い光というべきか。

 桃色の光はその表面で弾け、微細な粒子となって消えた。

 

 既にその黒い光の周囲では、無数の粒子が散乱している。

 女神の放った矢には、宇宙を根こそぎ消し去る力があったが、それが事も無げに無力化されていた。

 

 その結果を、女神は金色に輝く瞳で視認していた。

 しかし構わず、次の弓矢を構える。

 力の差は分かり切っていた。

 そして降参はしたくない。

 ならば、戦うのみ。

 

 

 

 

右ダ

 

 

 

 構を取った彼女の傍らに文字が浮かんだ。

 光の文字だった。

 色はなく、純粋な光の輝きで作られた文字。

 

 それに従うように、女神は細い身体を、水面から跳ねた美しい魚のように捩じった。

 翻った身体のほんの近くを、何かが飛翔していった。

 女神はそれを眼と気配で追った。

 現行の宇宙と過去と未来を掌握する女神の眼と感覚を以てしても何も見えず、何も感じられなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 再び文字が去来する。

 自然な動きだったが、華麗なステップで女神は飛翔物を回避した。

 その際に彼女は視認した。

 弓のように伸びた、黒く長大な刃。

 そのサイズは、女神とは比較にすらならなかった。

 例えるなら、女神をその顔つきや体格から見て第二次性徴期の中学生程度の子供とすれば、刃は首が痛くなるほどに見上げるばかりの巨大建造物に匹敵した。

 そしてそれが装着された鉄の剛腕を。

 

 腕の形状、拳の形を取った五指の握られ方から、それが右腕であると分かった。

 となると。

 

 

 

 

 

 

 

 

 下方から上へ飛翔する刃を備えた右腕と入れ違いに、それと対になる左腕が飛来した。

 刃が接触する瞬間に、女神は自ら刃に繊手を添えた。

 一瞬遅くても早くても、女神の姿は両断されていたに違いない。

 

 

 

ホウ ヤルデはナイカ

 

 

シカシ 無茶ヲスル

 

 

 

 その傍らに文字が浮かぶ。それは意志の主の感心と、些かの諫めを表していた。

 長いスカートを優雅に翻しながら、女神は巨大な刃の上を、虚空を飛ぶ蝶のように舞った。

 過ぎ去っていく刃。

 しかし今度は存在を捉えた。

 闇を切り裂く鋼鉄の刃が、その主の元へと戻る様を女神は認識できた。

 

 戻るといいつつも、タイムラグはゼロに等しかった。

 消失し、再び出現する。そんな感じだった。

 黒い剛腕が、白い装甲を纏った白い肘に接続される。

 長大に過ぎる刃は、縮小されても尚巨大であった。

 女神から見て遥か彼方であり限りなく近い場所にそれはいた。

 

 黒い装甲は闇よりも黒く、白の装甲は氷の如き冷え冷えとした輝きを放っていた。

 四肢を有した姿は、人間に似ていた。

 しかし人間よりも遥かに逞しく、そして非現実じみた存在感と気配を放っていた。

 まるで、この世界の存在では無いような。例えるなら、物語の中の存在のような。

 

 女神の数十倍以上の身長を有した、機械の神がそこにいた。

 背面には、無である零と無限大。

 そして最終である事を示す、異形の環を描いた真紅の翼が背負われていた。

 逞しい身体を束ねるのは、兜か王冠のような装甲を施された頭部。

 そしてその貌にあたる部分は、獰悪にして凶悪極まりない造形で構築されていた。

 髑髏の形を刻み込んだ、重厚な鉄仮面。

 遭遇した、または認識した存在に絶対の死と破滅を与えるような、死神や悪魔でさえも恐れ慄くであろう姿。

 

 魔なる神。

 魔神。

 

 

 暗黒の中で、それは輝いて見えた。

 闇の中で輝く獣の瞳のように。

 

 それに対し眼を逸らさず、女神は真っ向から姿を見据えていた。

 可憐ながら、凛とした強い表情を見せる彼女の元に、光の文字が並んだ。

 

 

 

イイ面構エだ

 

 

流石ハ究極を冠スル女神

 

 

 

 

 

 獰悪な表情は変わらず。

 しかし魔神は、賛美の言葉を女神へと送った。

 

 

 

 

 

 

 

 

魔法少女ノ背負ッタ 全ノ因果を受ケ止メ

 

 

時間ト空間サエモ越えて 救世ヲ為すトイウノナラ

 

 

究極ノ女神 ソシテ円環の理よ

 

 

私如キに怯ムで無イ

 

 

私ヲ

 

 

魔神タるこの私ヲ

 

 

マジンガーZERO ヲ 

 

 

塵一ツ残サズ 無ニ還ス気デ来るガイイ

 

 

 

 

 

 泰然と構えたまま、不動の姿勢で魔神は女神に告げた。

 女神はそれに、細く秀麗な顎を引いて頷いた。

 そして、先のものよりも遥かに力を増した光の弓矢の斉射で応えた。

 魔神ーーーZEROの装甲の上で無数の光が炸裂し、宇宙から闇が駆逐されていく。

 













アルティメットまどかの試練(困難ルート)
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