真マジンガーZERO 対 アルティメットまどか   作:凡庸

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真マジンガーZERO 対 アルティメットまどか④

 全長1兆5000億光年。

 天も次元も突破し、更なる進化を遂げた螺旋の戦士。

 それを上回るべく、更に変異を成した反螺旋の守護者。

 

 先の数字は、その二体が繰り出した超超超巨大なドリルであった。

 右回転と左回転。異なる向きに回るドリルは、一つの存在を目指していた。

 

 最終にして原初の魔神。

 マジンガーZEROと呼ばれる絶対者へと。

 視界を埋め尽くすどころではないそれに応じ、魔神は五指を広げた両腕を伸ばした。

 

 

 

 

来イ

 

 

 

 

 魔神はただそれだけを告げた。

 直後か同時か、魔神の両手にドリルの切っ先が激突した。

 宇宙全体が號と震えた。

 ZEROの掌と二種のドリルの切っ先の間で、眩い光の火花が上がる。

 

 そして、物体が砕け散った。

 それは、漆黒の刃であった。

 

 ZEROの伸ばした剛腕に付随する刃、アイアンカッターが砕けていた。

 並ぶ両者の実力が拮抗している事を表すように、その破壊は同時だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その破壊は、刃の先端。僅かに歯が欠けた程度に留まっていた。

 

 

 

 

 

ヤルデハナイカ

 

 

 

 

 

 魔神は二体の前に光を送った。

 それは嘲りなどでは無く、心からの称賛だった。

 そして魔神は両手を軽く曲げた。

 

 指先が触れた瞬間、二つのドリルは完全に停止した。急制動による摩擦すら一切発生しなかった。

 まるで最初から止まっていたかのようだった。

 

 握るのではなく、ただ添えられているだけの手によって、それは為されていた。

 そして動きを止められたドリルの切っ先は、溶かした飴の様に歪んでいた。

 対するZEROの掌は全くの無傷。理不尽に過ぎていた。

 

 しかし理不尽さは更に続いた。

 曲げられていた五指に力が入った。

 薄氷を押したかのように、指先でドリルが爆ぜ割れた。

 

 ドリルの罅は時の概念さえも無視して、二体の巨体の全身を覆った。

 それでもなお倒れずに、戦士と守護者は残った腕をドリルに変えて魔神へと突き出した。

 

 その全身を、真紅の光が叩いた。

 

 

 

 

 

 

 

ブレストファイヤー

 

 

 

 

 

 

 

 

 二体の全長・直径さえも遥かに凌駕する熱線が放たれる。

 全てを貪欲に飲み込み、真紅の光は何処までも伸びていく。

 その光の大波濤がふっと消え失せた。まるで蝋燭の灯が絶えたかのように。

 そしてその代わりに、果てしなく巨大な存在が顕現していた。

 

 白と黒の装甲。禍々しい真紅の放熱板。背後に背負った異形の翼。

 そして髑髏のような貌。

 二体の螺旋の者どもを喰らった真紅の光は、そのサイズに等しい大きさのマジンガーZEROへと変わっていた。

 

 大きさの比較は最早無意味だった。

 宇宙よりも何よりも、比類しうる存在が何も無く、全てはZEROという存在だけの世界となっていた。

 

 

 

 

サテ

 

 

 

次ハドウ来る?

 

 

 

 

 

 その中で魔神は問うた。

 嘲りや恫喝でもなく、ただ尋ねとしての問いだった。

 

 女神からは降参の意思は届いていない。

 となれば何かをする気であると、魔神は確信していた。

 よほど信頼があるらしい。

 

 この存在が行ってきたことを鑑みれば、奇跡という言葉すら適用に値するかどうか。

 それこそ、新しい言葉や概念が必要かもしれない。 

 

 そして今、それに値する一つの現象が起き始めた。

 奇跡を超えた奇跡が。

 

 並ぶもの無き絶対者と化したZEROの眼が、一面に広がる光の中で何かを見た。

 その瞬間、地獄の如き黒渦の眼は収斂し、黒点と化した。

 

 

 

 

 

 

 

!!!

 

 

 

 

 

 

 

 この魔神が、これほどの驚愕をしたのは何時以来だろうか。

 恐らくは過去に一度だけ。

 閉ざされた世界、自らの内から放たれた可能性の光に、自身の繰り出す全ての技が無効であると見たときか。

 そして今、魔神が認識したその姿は。

 

 

 巨大な刃を付けた剛腕。分厚い装甲で覆われた全身。

 それでいてしなやかさを帯びた造形。背中で広がるZと無限、そしてゼロを意味する翼。

 獰悪な顔付と、王冠のような頭部。

 輝く光で出来ていたが、その姿は正に。

 

 

 

 

 

……マジンガーZERO……ツマリ……私………カ

 

 

 

 

 

 

 他の誰でもない、本人がそれを認めていた。

 文字から発露する感情は怒りなどではなく、湧き上がる歓喜。

 

 

 

 

 

ソシテ

 

 

 

 

 

 見開かれた眼が映していたのは、それだけではなかった。

 そして風防を展開した頭部に立つ、神々しくも可憐で美しいその姿は、正に女神の威容。

 凛々しき表情には、恐怖も絶望も浮かんでいない。

 ただ救済の女神であろうとする、凛とした表情が浮かんでいた。

 

 そして女神は右手を掲げた。

 それが合図であった。

 

 ZEROを取り囲み、光が顕れる。

 その全ては、マジンガーZEROと同じ形をしていた。

 

 形ではなく、完全な同一存在だった。

 ZEROは個であり全てである。

 

 魔法少女と対峙する、宇宙さえも軽々と上回る巨体となったZEROと魔法少女の側に立つZEROは同じ存在だった。

 ただ立場が違うだけであると、ZEROはそれらを見た瞬間に認識した。

 

 両者の意識に差異は無く、全てが等しい存在であった。

 異なるのは、頭部に頂いた少女達の姿のみ。

 

 

 花嫁衣裳のような姿の者。黒い暗殺者を思わせる者。

 

 聖女の如き鎧を纏った者。軽装で、カッターナイフのような刃を携えた者。

 

 小柄な体躯に猫の耳を思わせる髪留めをした、白衣の者。

 

 長いツインテールの、小悪魔風の衣装の者。

 

 チアガールを思わせる青い衣装の者。

 

 薄い金髪のサイドツインの髪型をした、魔法少女という見本ともなり得そうな者、そして魔法使いと称するにぴったりの姿をした、ローブ風の衣装を持った銀髪の者。

 

 その他無数の、数えきれないほどの数の、煌びやかな衣装を纏った少女達がいた。

 当然その下には、光で出来た最終にして原初の魔神の姿があった。

 

 無限に等しい大きさのZEROの周囲を埋め尽くすのに、時間はそう掛からなかった。

 しかし無数のZEROは、そして魔法少女は更に次々と増えていく。

 

 女神が搭乗するZEROの左手には、小さな欠片が置かれていた。

 それは螺旋の戦士と守護者によって砕かれたZEROの刃、アイアンカッターの破片。

 破片は、出現するZEROと同じ輝きを纏っていた。

 

 

 

ソウカ

 

 

 

ソレヲ元ニ

 

 

 

私ヲ呼び出シタカ

 

 

 

 

 その言葉に応える様に、女神は細い腕と繊手を前へと伸ばした。

 動きに合わせ、魔法少女達もまた動いた。

 

 美しい手に持つ様々な武具が、巨大な魔神へと向けられる。

 そして一斉に、それらは光を放った。

 召喚した魔神の力を乗せた無窮無限の必殺技(マギア)が、マジンガーZEROへと向けて放たれる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 















好き勝手には好き勝手で対抗である
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