真マジンガーZERO 対 アルティメットまどか   作:凡庸

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真マジンガーZERO 対 アルティメットまどか 4.5

 ロンドン、パリ、ニューヨーク、そして東京。

 それら全てが、英知をかけて作り上げられた文明が跡形も無く消え去っていた。

 街は根こそぎ抉られ、酸で溶かされ、溶岩の様に蕩けていた。

 

 街だけではなく、大陸は砕け海は深淵の底まで干上がっていた。

 その破壊はなおも休みなく続き、母なる地球は滅亡の最中にあった。

 

 それを為したのは、神。

 鉄の装甲で全身を覆った、人が創りし機械神であった。

 

 胸の放熱板が真紅の光を発し、また一つの大陸を横一文字に切り裂いた。

 圧倒的な破壊力。そして無慈悲さ。

 

 燃え盛る地球には、最早人類の姿は無かった。

 その様子を、人造の神は無慈悲な視線で眺めていた。

 満足しているとも、ただ虚無を感じているともとれる、正に機械の視線であった。

 

 そこに向けて飛来する、破壊された大空を羽搏く紅の翼。

 それを背負うは、これもまた人造の神。

 雄々しく荘厳な姿をした、機械の神。

 魔神。

 

 対峙する二体の魔神。

 ここに、共にZを冠した魔神達の最期のデスマッチが開かれようとしていた。

 

 

 その動きが、不意に停止した。

 終え盛る炎も、砕ける大地も、地表を蹂躙し尽くす大渦も。

 魔神の一体も、拳を掲げたまま動きを止めていた。

 人類に終焉を齎した魔神のみが、その異変を知覚していた。

 

 その魔神の前に、輝く小さな影が映った。

 それは桃色をした、幼い少女の幻影だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

貴様ノアラユル死ニ様ヲ

 

予測シタゾ

 

 

マガイモノ

 

 

 

 

 光の文字が浮かぶ。

 紅蓮に燃え盛る火球となった地表の上で、二体の魔神が争っていた。

 一体は皇帝の名を冠し、もう一体はZEROという名を持っていた。

 そして、勝負は決していた。

 

 片方の魔神、皇帝が放った渾身の斬撃は、終焉の魔神を深々と切り裂いた。

 しかし長大な刃は魔神の体内に吸収され、傷も完全に塞がっている。

 そしてその剛腕は鋭い鋭角を有した皇帝の頭部を掴み、ベキベキと圧壊させていった。

 皇帝を駆る勇者の、悲鳴に非ずの苦鳴が上がる。

 

 

 

 

 

無様ニ這イズレ

 

 

ノタウチ回レ

 

 

百ノ残骸スラ残サン

 

 

 

 

 光の文字にて死を告げた魔神の胸部が真紅に輝く。

 破滅に抗う勇者が叫ぶ。

 最後の抵抗を踏み潰すように、真紅が全てを染め上げる。

 

 その中で、紅とは別の光が煌いた。

 それは真紅の中でも鮮やかな、輝くばかりの桃色をしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヘルカッター

 

 

 輝く文字が浮かぶ。

 

 青い空。

 

 青い海。

 

 青々とした木々を生え揃わせた大地。

 

 地球に寄り添い、夜の輝きを与える月。

 

 その全てが、文字の出現と共に切断された。

 

 腕に漆黒の禍々しい刃を携えた魔神が、側転の様に回転しつつ放った手刀によって。

 斬線は地球を軽々と一蹴し、海を底まで断ち割り大地を地殻ごと切り刻み、軸線上のあらゆる生命を殺戮した。

 

 挙句に衝撃を宇宙まで届かせ、月までもを両断していた。

 地獄の名を持つ者の意思を宿した魔神は、現世に顕現した地獄以外の何物でもなかった。

 

 地獄の魔神は、ただでさえ禍々しさに満ちた外見を、より邪悪なものへと変貌させた。

 そして破壊が始まった。

 

 世界を思うままに破壊し、好き勝手に新たな世界を創り出すために。

 無数の命が無意味且つ無慈悲に奪われていく。

 大地が唸り、山は悲鳴を上げ、海は天高く舞い上がる巨大な竜さながらの姿となった。

 顕現した地獄の中、その光景にそぐわぬ一つの光が輝いた。

 

 それは、少女の姿をした桃色の光。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何をしようが変わらない」

 

 

 黒いシャツに青いジーンズを履いた、黒髪の青年は語る。

 凛々しい顔付の男らしい美青年であったが、その表情にはどこか人のぬくもりというものが欠けていた。

 まるで、機械が人の真似事をしているかのようだった。

 

 

「世界はもう、確定したんだ」

 

 

 断言する青年。その前には、拘束具で身を包んだ男の姿があった。

 幾分か歳を経ていたが、その顔と姿は青年と同じであった。

 男はその結末を否定し、叫んだ。

 その表情が、凍りついたかのように停止した。

 

 叫びの表情を浮かべた男の傍らに、彼よりもかなり小さな、背丈にして152センチ程度の少女の姿をした光がいた。

 それを前に、青年は一切の表情の変化をしなかった。

 まるで、来ることが分かっていたかのように。

 

 そして彼は口を開いた。

 それは複数の、そして無数の場所と時間で同時に発生していた。

 

 

 

 

 

 

 これは、最強最悪の魔神の記憶と意識の中の出来事であった。

 それらはすでに失われた、消え去った時間であったが厳然とした事実。

 

 宇宙開闢の前に繰り広げられた、無限に続く地獄の連鎖。

 魔神の意識の中には、あくまで記憶という形ではあるが全てが残っていた。

 

 ZEROは個であり世界である。

 

 過去を追憶するZEROは同時にあらゆる時間の記憶の中で存在し、別個であり個であった。

 紛い物でもコピーでもなく、全てが同一ながら別に存在する。

 

 人間の知覚機能と概念では理解しえぬ意識の集合体。集合体にして確固たる個体。

 それがマジンガーZEROである。

 その一つ一つに、女神は意識を飛ばしていた。

 

 波の一つ一つが無数の刃であるかのような激流、猛毒の大河、炎の坩堝。

 形容できる地獄の全てを合わせて濃縮してもまだ足りぬ、異形の思考をした魔神の意識。

 一度入れば千々と乱れて消え失せる破壊の波濤に、女神は分身を放っていた。

 

 そしてそれは奇跡を生んだ。

 嘗て人としての最後の活動をした時と同じく、あらゆる時間と世界を繋いだように、記憶の中の魔神へと自分の意思を伝えた。

 

 それは困難に屈した者の放つ哀願ではなく、共に戦おうという強い意思だった。

 強がりではあったが、彼女にはそれを為すべき義務と、そして実行できる強さがあった。

 

 そしてその意思に、魔神は応えた。

 

 

 

 

 

 

 

了解シタ

 

 

 光の文字はそう告げる。

 

 

 

「了解した」

 

 

 

 青年もまた言葉で告げる。

 

 

 

 

貴女ト共ニ

 

 

 

「貴女と共に」

 

 

 

 

悪ヲ討ツ

 

 

 

「悪を討つ」

 

 

 

 全ての場所で、光が迸る。

 走った光は、魔神の砕けた刃を媒介に実体を形成した。

 そして女神がそこに、希望の戦士たちを導いた。

 

 

 

 こうして誕生したのは、それぞれが全長60メートルのマジンガーZEROの大軍団。

 宇宙さえも遥かに凌駕する巨体となった、これもまたマジンガーZEROを十重二十重に取り囲む。

 

 そこに搭乗するは、無数の魔法少女達。

 名付けて『魔法少女軍団  in マジンガーZERO`s(ゼロス)』。

 そう意味深且つ得意気に呟いたのは、ZEROの一体の中に搭乗した、銀髪の少女であった。

 

 銀髪で覆われた左目は、赤々とした輝きを放っていた。

 その言葉が契機となったかのように、無数の光が巨大なZEROに向けて放たれた。

 

 

















…その言い回しはグレートのそれだし、悪ってのは自分の事になるんだけどいいんスかZERO様…
ZERO様はルール無用すぎるだろ…

前話の補完的な話となります
そして次回、決着(の予定)
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