ヴンダー、発進!!~~~神殺しの船の艦隊勤務~~~ 作:ゴマだれ
ヴンダーくんがすけこましと化していく.....
ヴンダーside
鎮守府防衛戦から1週間後
あの戦いでの消耗は見た目ほどではない
というのも防衛設備の弾薬は妖精さんが作っているので消費量から見て1ヶ月あれば元の状態に戻る。設備の破損も特殊装甲板のおかげでそこまでではない。
今度間宮さんに頼んで甘味を作って貰って妖精さん達に差し入れしよう。
ただ艦娘側は中破多数、それでも大破と轟沈なしでここまでの戦果は破格のものだ。
そんな感じで戦いの疲れも無くなりいつも通り遠征や演習を始めた今日この頃、やはり防衛戦前の平和は貴重だったのだと感じる事が起こる。
「遭難した艦娘?」
「ま、『捨てられた』と言った方が良いのかもしれないけど...」
「戦時中だと言うのに...貴重な人員を...」
「十中八九あの豚と同じく無能でしょう」
「因みに詳細な情報は?」
「龍田、天龍達の遠征部隊が鎮守府に帰還中に意識不明の重体だった艦娘を保護したってところかしら」
「その子の怪我は?」
「艤装はボロボロ...そして左腕の欠損ね...艦娘は本来なら適切な治療を受ければ欠損した身体も治る....けど発見時は時間が経っている事もあって欠損までは直せなかったわ。」
「そうなると....解体という事になるのか?」
「普通はそうなるけど、彼女は解体の道ではなく最前線に立ちたいと言っているの...」
「中々厳しいものがあるんじゃ....」
「でも解体させるにも問題があるの」
「え?」
「彼女の提督...今は憲兵に捕まってるけどそいつはあろう事か彼女を戦死扱いしたのよ」
「....という事は彼女には解体後の生活は....」
「現状それには目処が経ってないわ」
ホントクズしかいないな....純粋に深海棲艦打倒目指してる奴何人いるんだよ.....
「そこで、貴方の力で彼女を復帰させて欲しいの」
「...一応やるけどできるかは分からないぞ?」
「構わないわ、それじゃ早速彼女の病室に向かって欲しいの」
ここか...よし
コンコン
『どうぞ』
「失礼するよ、君がグラーフ・ツェッペリンでいいかな?」
「...あぁ、貴方は?」
「俺は飛行戦艦AAAヴンダーだ。こう見えても君と同じ艦娘だ。」
「艦娘?男なのにか?」
「まぁ、色々あってな?君はドイツから派遣されたと聞く。」
「気を使わなくていい。自分の身の上の事は自分でもわかってる」
「...それなら単刀直入に言わせてもらうが君は最前線で戦いたいそうだな」
「っ...そうだ」
「正直に言わせてもらうと君の願いはかなりの無茶だ、前例なんて存在しない」
「それでも!私と同じドイツ艦が戦っているというのに私一人だけずっとベットの上で指をくわえて見てることはできない!」
....この子の目は本気だ、多分俺がこれ以上何を言っても決して意見を変えたりしないだろう。それなら...
「わかった、俺も君の思いに応えて、出来る限りの手を尽くそう...ただ、それでも険しい道に変わりない...それでもいいか?」
「あぁ!ありがとう!」
「という訳でまずは義腕だな」
といってもこれには当てがある
それはエヴァ改二号機に使われていたあの義手である
あれなら日常生活では勿論のこと戦闘でも専用の武装も作れる。
「材質は特殊装甲板、動力源は小型化した擬似S2機関を搭載...そして、駆動音とゴツゴツとした感じを消して...よし!これで設計図はよしと」
次は艤装の改修だな
これに関しては明石と夕張のほうが専門だから二人と話し合おう
「という訳で義手ができたが....どうだ?」
「凄いな...まるで自分の腕みたいにしっかり動く....こんなのよく作ったな...!」
うん、どうやらお眼鏡にかなったようだ。
「まぁね、それじゃ艤装改修計画ができるまで腕が馴染むようにリハビリね」
「あぁ!宜しく頼む!」
「という訳で2人からも意見が欲しいんだけど...どう?」
「これ、動けるの?」
そう言うのも無理はない、俺の計画では積載航空機量は150ほどであり通常の空母の馬力では到底無理である
「動力源については大丈夫だ」
「でもS2機関は...」
「核分裂炉を搭載する」
「安全面は大丈夫なの?」
「いや、S2機関安全に取り扱えてるならいけるでしょ」
「確かに...できるわね」
S2機関の時みたいに元があるわけではないが、それでも開発妖精の力なら充分可能だ。
「艦載機は?」
「 『YAGR-3B改』と『ペイルウイング』....それと爆撃機は『An-71MD』を使う」
「そうなると艤装の形状も変わってくるでしょう」
元々グラーフの艤装は船体型の対空砲が2つと甲板の3つの艤装で構成されている。
ただ、今回の改修で甲板を1つ増設して見た目がシンメトリーになる予定だ。
それだけでなく、義手に付けられる補助装備とかの兵装コンテナも乗せられるようにしたい。
「だったらもう少し装甲板も増やした方がいいかもですね」
「なら━━━━━━━━━━━━━━━」
〈数日後〉
「...で、これが改修計画ね」
提督の持つ手にはグラーフの改修計画用紙とその必要予算と資材のまとめられた用紙がある。
「やっぱかなりコストは高いわね.....大和型の建造資材数隻分か....」
「流石にこのレベルの改修となると生半可なものでは無いですからね....下手したら艦種を変えるようなものになるだろうな」
原子力空母とでも言うべきなのかもしれないが艦載機の量と質的に下手したグラーフ1人で複数の敵空母相手に制空権を取れるかもしれない。
まさにコストに見合った性能であり他の艦娘とは一線を画す存在となるだろう
「でも何で予算上限を作らなかったんだ?」
「簡単に言うと貴方の技術でどれくらい出来るのか知りたかったが1つ。そしてもう1つは彼女が戦いたいと言った...それだけで充分よ」
〈工廠〉
「50時間か.....やっぱ時間かかるわね....」
「そりゃ軽く言えば中で原子力発電所作ってるようなもんですから、妖精さんの力があっても時間はかかりますよ」
「バーナー使っちゃって、すぐ終わらせましょうか」
すると、改修の所要時間を示していた電光掲示板がみるみる減っていく。
「そう言えば、グラーフは艦船時代の頃未完成のまま沈んだらしいわ」
「へぇ、俺と同じだな」
「え?貴方って未完成だったの?」
「完成する前にヴィレに強奪されたからな....未完成の部分は当時の人類の技術で無理矢理補ってた感じだな」
「じゃあ、あなたの同型艦が完成版なの?」
「あぁ。」
そんな会話をしているとカウントが0になり目の前の扉が開き、改装を終えたグラーフが出てくる。その姿は改装前とは変わっており艤装は装甲甲板と対空砲を備えた船体が左右対称にあり、白と赤の服装は黒と真紅の色に変わっている。銃型の艤装はなくなったがその代わりコンテナのようなものと左腕の義手が目立つ。
「調子はどうだ?」
「今までの絶好調が嘘だと思える程だ...」
うん、 問題なさそうだ
取り敢えず改修は大成功かな?
「さて、これから宜しく頼むぞグラーフ」
「あぁ、任せてくれ
...ん?!
「え?いや何でマスター呼び!?」
「え、私のレーダーには
えぇ....何それ知らない....
この後偶然鉢合わせた大井にグラーフ紹介しようとしたら何故か喧嘩になった
「何がマスターですか、ふざけてるんですか?良ければそのツラ魚雷で吹っ飛ばしてあげましょうか?」ジャキ
「
「お前ら落ち着け!大井は魚雷しまえ!グラーフは艦載機を飛ばそうとするな!」
ちょっと出したいと思ってた義手装備です
というかドイツでオートメイルって完全にシュトロハイムじゃん.....
■グラーフのスペック
装備面ではYAGR-3B改とペイルウイングを攻撃機に使用
爆撃機にAn-71MDを装備している。対空砲に105ミリ速射砲を装備
防御面では特殊装甲板を使用しているので姫級の攻撃にも耐えられる
動力面では核分裂炉を使用している
ちなみにこの案はアニメ版のジェットアローンを参考にした
■装備紹介
『An-71MD』
アニメ版、劇場版でサキエルに大型ミサイルを発射していた。今作では装甲面と速度面においてテコ入れが入ってる
『D型義手装備』
日常生活において使い易いようにカスタムされた
駆動音と機械のゴツゴツ感がなく、人工皮膚でコーティングされているのでパッと見気づかない
『E型義手装備』
戦闘で使えるようになっている
S2機関搭載という事もありかなりの馬力
特殊装甲板と同等の硬度なので普通に殴っても駆逐艦なら沈められる
『F型義手補助装備』
艤装についてるコンテナの中身
E型と連結することで使用可能
改二号機の使っていた腕のガトリング
威力は3砲塔ガトリングと同じ
NHGシリーズ(エアレーズング、エルブズュンデ、ゲベート)は出した方がいいですか?
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出すに決まってるだろ!
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ヴンダーくんだけでいいです。