デート・ア・ライブ 千早ゴースト   作:真夜中

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書き方を変えてますので色々とおかしなところがあると思います。
あまりにも違和感が大きいようなら前のに変えます。


十香デッドエンド
1話


朝、いつものように()を起こす。特に今日は早めにだ。

 

「ん……ん~」

 

決して()()()()()()()()()()()()()()

 

【やれやれ……せっかく普通に起きれる機会を逃すだなんて】

 

大袈裟に肩をすくめなが言うのは---半透明でその存在越しに向こうが透けて見える少年である。

 

その少年の下半身は見えないのではなく()()()()()()()()

 

いまだにグースカと寝ている彼……五河 士道に対して半透明な少年……千早は黙祷を捧げる。

 

これから起こるであろう出来事に対して。

 

 

◇◇◇◇

 

 

【いや~、災難だったね♪】

 

愉快そうに笑いながら登校途中の士道をからかう千早。

 

その笑みは明らかに馬鹿にしているような笑みである。

 

「お、お前なぁ~」

 

こうやってからかってくるのもいつものことと言えばいつものことなので特に士道は怒らず、溜め息を吐くだけに止まった。

 

【おおう? 何と弄り甲斐のない……】

 

ボクは悲しいですよと千早は士道に訴えるが相手にされない。

 

仕方がないので千早は今朝起こった出来事を思い出すのだった。

 

 

◇◇◇◇

 

 

時は遡り……朝のことである。

 

士道の目覚めは―――妹の刻む情熱的なサンバのリズムによって始まったのだ。

 

ちなみに、頭やら胸やら腹などを踏まれていた。

 

その光景を見ることだけしか出来ない千早は内心ドキドキハラハラものであった。何故なら……。

 

うっかり股の部分を踏まれたらと想像したからである。

 

そんなことになったら士道の男の象徴が大変なことになってしまう。

 

【……よしっ! 行け! 行くんだ!】

 

まあ、ドキドキハラハラしながらも、そうなんないかなぁと若干思っていた辺り千早の性格の悪さが伺える。

 

そのせいで士道の黒歴史が幾田も綴られたのであるが……その話は後にしよう。

 

「あー……」

 

【ちっ……起きたか】

 

士道が目覚めてしまったので舌打ちをする。もう少しでグシャリな出来事にと期待していた故の反応だ。

 

士道の妹が来る前までの千早の態度は何だったのだろうかと思わずにはいられない態度である。

 

「あー、琴里よ。俺の可愛い妹よ」

 

「おお!?」

 

そこでようやく士道が起きていることに気がついたのだろう。ひどく残念だと千早は深く深く溜め息を吐いた。

 

ちなみに朝っぱらから人様を踏みつけているのに「しまった!」とか「ばれた!」的な反応は全くない。どちらかというと、士道の起床を素直に喜んでいるように見えた。

 

そのことが千早にとっては、ただただ残念である。

 

ついでに士道の位置からだと見事に琴里のパンツは丸見え。

 

パンチラとかいう次元ではなく丸見えだ。はしたないにもほどがある。

 

「なんだ!? 私の可愛いおにーちゃんよ!」

 

【よかったね士道。可愛いおにーちゃんだってさ】

 

ププッと笑いながら士道を指差す千早。

 

念のため言うと士道は可愛くない。

 

視力の低下に伴って、少し人相が悪くなってしまったからだ。

 

これでも、女装させれば可愛くなるので琴里の言うことは完全に間違いだと言い切れない。

 

その事に本人も琴里も千早も気がついてはいないのだが……。

 

「いや、下りろよ。重いよ」

 

士道がそう言うと、琴里は大仰にうなずいてベッドから飛び降りた。

 

士道の腹にボディーブローのような衝撃を残して。

 

「ぐふっ!?」

 

「あははは、ぐふだって! 陸戦用だ! あはははは!」

 

【忘れるな! ぐふはフライトユニットを着ければ空だって使えるんだからな!】

 

どうでもいいことを言うが千早の声は士道には聞こえても琴里には聞こえない。

 

「…………」

 

士道は無言で布団を被りなおした。

 

「あー! こらー! なんでまた寝るんだー!」

 

【そうだぞー! おーきーろーよー!】

 

琴里と同じように千早も声を張り上げ、士道をゆっさゆっさと揺すってくる。揺すっているのはもちろん、琴里だ。

 

千早にそんな力業が()()()で出来るわけがないから必然的にそうなる。

 

【ま……寝てたければ寝てたらいいんじゃない? ボクはしーらないっと】

 

千早はそう言うと士道の部屋の壁を通り抜けて部屋から出て行くのだった。

 

ちなみに千早の行動圏内は士道を中心に約半径十メートルほどである。某スタンドの射程距離と同じであるが性能がダンチであるので気にしてはいけない。

 

【あ、今日はドラマの再放送じゃん録画予約しておかなくちゃ】

 

リビングに来た千早は早速、新聞の番組欄に目を通していた。

 

普段は誰かしらいるのでこんなことは出来ないのだが……士道の両親が出張でいないため千早は新聞の番組欄に目を通すことが出来ているのだ。

 

そして、しばらくすると琴里がリビングにバリケードを築き上げた。

 

【何事!?】

 

何か面白いことでも起こったのかとテンションが上がり、ワクワクとした様子で千早は士道が部屋から出て来るのを待つ。

 

だが、その後の展開は千早が期待していたものとは全く違っていたので興味を無くして千早は家の外に出たのだ。

 

幽霊である千早にとって他人の食事風景ほどツマラナイものはないのだ。

 

 

◇◇◇◇

 

 

士道が高校に着いたのは、午前八時十五分を回った頃だった。

 

【士道のクラスは二年四組だったよ】

 

千早が士道に今年のクラスを伝える。

 

これは士道がクラス替えをする毎に毎回することだ。千早がクラス分け表を見て来てその結果を士道に伝える。

 

「二年四組か」

 

【うん、そうだよ。じゃあ、ボクはしばらく暇だから適当にフラフラしてるね~】

 

千早は気怠そうに言うと教室から出て行く。

 

士道はそんな千早を止めない。千早という存在を認識しているのは士道しかいないからだ。

 

それに―――しばらくフラフラしてたら勝手に戻ってくるだろと士道は思っていた。

 

まあ、事実……千早は士道から十メートル以上離れられないので基本的に士道の近くにいることになる。

 

ただ、近くに姿が見えるか見えないかの違いしかない。

 

壁を床を通り抜けて出た先はここ来禅高校の屋上である。

 

遮蔽物が無く、眺めも良いので千早のお気に入りスポットなのだ。

 

【……近いな】

 

そう呟く千早の表情は嬉しそうでもあり、悲しそうでもあった。

 

 

◇◇◇◇

 

 

それから三時間後―――。

 

ウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ――――

 

街中に不快なサイレンが鳴り響いた。

 

―――空間震警報。

 

今頃は教室に避難誘導のための案内音声が流されていることだろう。

 

空間震……それは―――()()()()()と称される、広域振動現象。

 

およそ三十年前に初めて観測された現象であり、その時の死傷者の数は一億五千万人。人類史上類を見ない最大最悪の災害であった。

 

【……思ったよりも早かったな】

 

そう呟く千早は引っ張られる様にして移動している。

 

士道が移動しているからだ。

 

そのためどんな言葉を紡ごうとも全く締まらない。残念な光景が繰り広げられている。

 

とりあえず何処に向かっているのか訊こうと士道の傍までフワフワと移動する千早。

 

【おーい! 何処に向かってるの?】

 

「琴里のところだよ! あいつ、ファミレスに馬鹿正直に残ってんだよ!」

 

叫ぶように返事をしながら士道は走る。

 

ペース配分も何もない。ただひたすらに、全速力でアスファルトの道を駆ける。

 

【頑張れ士道! キミの愛しい妹、琴里ちゃんがファミレスで待ってるぞぉー!】

 

あくまでもテンション高く応援する千早にイラっとするがそこは我慢の子。余計な体力を使わないように士道はふざけるな! と叫びたい衝動を押さえて必死に走る。

 

ただ……この時、士道は気がついていなかった。

 

この出来事は千早が望みつつも望んでいなかった展開に通じていることに……。

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