幼少期の約束は。   作:幅滝翔

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3話 ~八幡~

高校生活を振り返って    2年F組 比企谷八幡

 

 

青春とは嘘であり、悪である。 青春を謳歌せし者たちは、常に自己と周囲を欺き、 自らを取り巻く環境のすべてを肯定的にとらえる。 彼らは青春の二文字の前ならば、どんな一般的な解釈も社会通念も捻じ曲げて見せる。 彼らにかかれば、嘘も秘密も罪咎も失敗さえも、青春のスパイスでしかないのだ。 仮に青春をすることが失敗の証とするならば、友達作りに失敗した人間もまた、 青春のど真ん中でなければおかしいではないか。 しかし、彼らはそれを認めないだろう。 すべては彼らのご都合主義でしかない。 結論を言おう。青春を楽しむ愚か者ども砕け散れ。あと夢に出てくる女の子を探しているので情報求む!

 

 

おかしい。この作文はこれでいけると思ったんだけどなぁ……。間違ったこと何も言ってないんだけど。あとこの人めんどくさい

 

「比企谷。この作文はなんだね?」

 

「何って前出てた宿題の作文ですけど?」

 

「はぁ……どうやったら「高校生活を振り返って」をこんな風に書けるんだ。あと最後の文はなんだね?そんなことは夢の中でしかないだろどうせ」

 

「いや勝手に決めつけないでくださいよ。なんかこう、探さないといけないような気がして」

 

「それは気がしているだけだろ?夢の人に会うためその人を探すとかあの映画じゃあるまいし。早く現実を見たらどうだ?」

 

「そんなの分からないじゃないですか、有り得るかもしれないですし。そんなこと言うから婚期の―――」

 

ゴボッ!

 

「」

 

「すまんすまん。手が滑っただけだ気にするな」

 

「絶対わざとですよね?もうすぐで当たってたんですけど俺!」

 

「わざとじゃないぞ?ただ私はその記憶が思い出させるためにやっただけで、決してイラついて手が出てしまったことではない」

 

自白したよ、この先生……

 

「んんっ……!まぁそういうことだからやり直してこい。あと部活に入ってもらうぞ」

 

「分かりましたよ!やり直して来れば………。は?いやいや部活?なんで入るのに命令されないといけないんですか?部活の入部って自由ですよね」

 

「よし、そんなに殴られたいようだな」ポキッ

 

「入ります!入らせていただきます!」

 

「最初からそう言えばいいのに……。よし、来たまえ!」

 

 

 

 

「先生、なんで特別棟なんて来たんですか?」

 

「部活って言っただろ?そこに行くんだよ」

 

「はぁ、そうっすか」

 

「ここだ比企谷」 ガラガラー

 

え、ちょっとまだ心の準備が出来てないよ!相手女子だったらどうすんだよ。お願い男子男子男子!あ、今思えばどっちも無理だ

 

 

「先生、ノックしてください」

 

女子だったー!マジかよ……。

 

「すまんすまん、次から気をつけるとするよ」

 

「先生それで何回目ですか?」

 

「ぐっ……」

 

ふーん、雪ノ下雪乃というのはこの人か。懐かしい。

………どういうことだ?どこで懐かしいと思ったんだろう。毒舌っていうかスバスバ言うところか?でも俺こいつには会ったことないんだけど。ちょっと待てよ?確か、髪の色はピンクだったような……ズキッ

 

「っ!」

 

「大丈夫か、比企谷!」

 

「だ、大丈夫です」

 

「ところで先生、そちらの人は?」

 

「あ、あぁ。入部希望者の2年F組比企谷八幡だ」

 

「ふー、入部させられました比企谷八幡です。よろしくな」

 

「ええ、よろしく。部長の雪ノ下雪乃よ。で、先生は比企谷君をなぜこの部活に入れたのかしら?本人は嫌々な感じがしますが……。」

 

「あぁそれなんだがな━━━━━━━」

 

「なるほど、つまり捻くれた性格の矯正と、夢と現実を混ぜさせないようにすればいいんですね?」

 

「まぁだいたいそんな感じだ」

 

ちょっと!捻くれてませんよ、俺!あと夢と現実は合体させていません!本当なんです!(多分)

 

「じゃあ私は会議があるので後は任せたぞ!」

 

 

 

「なぁ!俺は夢と現実合体させてねぇんだが!?」

 

「そう、では何%の自信があるのかしら?それが実際ということが」

 

「100%、いや1000%自信あるな」

 

「ではその証拠は?1000%の自信がある証拠は?」

 

「…………嫌なことに今は夢の情報しかない」

 

「そう。じゃあ私に出来ることは捻くれた性格を矯正する事ね」

 

「じゃあ夢の方は信じてくれるのか!」

 

「信じている訳ないでしょう?」

 

「じゃあなぜ先生の言ったこと矯正の方しかやらないんだ?信じてないんだろ」

 

「信じてないけれど、比企谷君の目が嘘を付いてないからよ。その話の時だけ目が必死だもの。あと声もね。」

 

「ふーん」

 

「なに?」

 

「いや、ちゃんと見てるんだなぁと思って。毒舌だけじゃないんだな」

 

「私のことをどんな風に思ってるのよ……」

 

「そりゃあ毒舌雪女」

 

「へぇ………そうなのね。じゃあお望み通りにしてあげようかしら?」ニコッ

 

「す、すいませんでしたーー!」

 

「まぁいいわ。改めてよろしくね、奉仕部部長の雪ノ下雪乃よ」

 

 

奉仕部ってなんだ?変な名前の部活だな。ももも、もしかして卑猥な部活だったりして!?嫌だぞ、まだ夢の子を探してないのに!」

 

「もしかして部活の説明受けてないの?………最初に言うけど名前だけで決めてはいけないわよ」

 

「で、ですよね〜」

 

「はぁ……」

 

 

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「まぁこんな感じよ。分かったかしら?」

 

「大体は大丈夫だ」

 

「そう。あ、椅子は後ろのところから取ってちょうだい」

 

「お、おう」

 

はぁ、なんか大変な1年になりそうだな。あーあ、早く夢の女の子に会えたらいいのになぁ。いつ会えるんだろう?まず思い出せるのかその女の子を。

まぁ明日から探し始めるか。あ、小町にも聞いてみよ。

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