インフィニット・ストラトス〜厄災の担い手〜 作:ユークレース
「うーん……」
俺は今新しいパンドラの形態を考えている
「やっぱ鎌かな……」
理由は今度あるタッグマッチだ
場合によってはあのボーデウィヒとも戦わなくてはいけない
あのシュバルツェア・レーゲンとやらに搭載されているAIC……慣性停止装置は厄介だ
大勢の前だから目に纏わる能力を使うわけにもいかず、相手の意表を突くことが出来る武器を模索しているのだ
『ではマスター、設計に取りかかりましょう』
「おう」
それから1時間ほどモルフェウスを使い完成した
「出来たー!」
その形状はガンダムデスサイズヘルの武器のように刃が二つついた鎌だ
その刃はさながら蝙蝠の羽根のような形状で我ながらよく出来ている
『結局こんな形ですか』
「いいだろ、結局扱いやすい形にしようってことになってこれになったんだから。それに……」
俺が鎌の柄に付いているグリップを捻るとエンジン音がした
「イクシードシステムも積めたしな」
イクシードシステム
ネロさんのレッドクイーンに搭載されている装備で特殊な推進力促進剤を噴射することで威力を引き上げるのだ
ちなみに、本家のイクシードは振り回されたため俺のは少し威力を抑えている
すると、部屋のドアを開けて誰か入ってきた
「猟牙、さっきの音もしかしてイクシード?」
入ってきたのはシャルだった
イクシードの音が漏れてたらしい
「おお、シャルか。やっぱ分かるか。それで、射撃訓練の調子はどうだ?」
「うん、良好だよ。僕のコレを使うのはまだだけどね」
そう言ってシャルは自分の左手を撫でた
「さて、形と性能も満足いったし……パンドラ」
『畏まりました。しかし、不思議ですね』
「ん?何がだ?」
『本来私の形態は持ち主の記憶に左右されます。しかし、マスターの場合はこうやって他を取り込むことで形態を増やす……興味深いです』
「んー、そうなのか」
『はい。ダンテさんよりも遥かにずっと……』
バクバクと鎌を食いながら言われてもな……怖いんだよな……
『マスター、名称はいかがいたしましょうか』
「そうだな……ディザスターでどうだ?」
『天災……ですか。素晴らしいと思います』
「ふーん……あ、そうだ猟牙。織斑先生が呼んでたよ」
「え、マジで?」
「うん、30分くらい前に」
「やっべえ殺される‼︎」
俺はダッシュで職員室に向かったのだった
〜職員室〜
「すみません呼ばれたことに気づきませんでした!」
「ふん、やっと来たか白峰」
「すみません何でもしますので許してください」
「ん?今何でもするって言ったな、私のレコーダーには録音済みだ」
「しまった地雷踏んだ‼︎」
てか、何でレコーダー起動してんの⁉︎
「なら午後の授業でもう一度山田先生と戦って欲しい」
「……理由は?」
「山田先生がどうも不満なようだ。それに、やはりまだ他の生徒からの山田先生への敬意が足りてないようなのでな」
「まあ、あんな勝ち方ですしね……」
「パートナーは変えて構わん。どうだ?」
「んー、ならそのパートナーと学年別トーナメントの時に組んで良いと言うのであればお引き受けします」
「それくらいなら構わん」
「では、これで失礼します」
「ああ、頼むぞ」
〜その日の午後〜
この準備は1.2組合同のISの実習だ
内容は整備や操縦、あとは模擬戦を行ったりと様々だ
「白峰、前に出てこい」
「はい!」
「白峰ともう一人にまた模擬戦を行ってもらう。これは今度行われるタッグトーナメントの参考にもなる、きちんと学ぶように」
「し、白峰君。それでパートナーの方は……」
「シャル!」
「オーケー、準備は出来てるよ猟牙」
「ほう、デュノアか……」
「ええ、慣れてるので」
「では準備をしろ」
俺たち二人はピットに向かった
ちなみに、ボーデウィヒは休みのようだ
〜ピット〜
「さて、それじゃあ行くよ!ラファール・アンジェロ・ブラン‼︎」
シャルがISの名前を呼ぶと左手の包帯が光った
光がやむと大まかな形はラファール・リヴァイヴと似た感じだが、カラーリングは白をメインカラーにしてあり背中には純白の翼型の装備が付いていた。さらに、左手は手の甲に銀色の十字架が埋め込まれた光輝くパーツが装備されていた
「へえ、それがお前のISか」
「うん、かっこいいでしょ?」
「確かにかっこいいが綺麗という感想の方が先に出るな。似合ってるぞ」
「えへへ、ありがとう猟牙。猟牙のパンドラもかっこいいじゃん」
「お、サンキュー」
「準備は出来たか?」
「「うわぁ⁉︎織斑先生!」」
「そう驚く事でもないだろう……」
「いや驚きますよ……」
「僕も同じく……」
「準備が出来たらさっさと出ろ」
「「は、はい!」」
〜アリーナ〜
「さて、やるぞシャル!」
「もちろんだよ猟牙‼︎」
「まずは試運転だ!コード444、ディザスター‼︎」
『コード認証、ディザスター起動』
「Shall we dance?」
「よーし、僕も!やるよウリエル!」
するとシャルの両手にレーザーブレードと白熱した剣が出て来た
これは本来シャルの魔具だ
神の光、神の炎、その二つの意味を持つ天使ウリエルの力を持つ武器だ
『では、始め‼︎』
「では、行きます!」
山田先生はマシンガンを二丁持ちして俺たちに照準を合わせた
「山田先生、その手は二度も食いませんよ!」
俺はディザスターをグルグルと目の前で回転させ、弾丸を弾く
シャルに関しては弾丸全てを斬ってる
「斬ってる⁉︎」
何で⁉︎
反応出来なくは無いけどあの数は厳しくないか⁉︎
「猟牙、無駄話は後だよ。あの人強い!」
シャルの笑顔が獲物を見つけた時のダンテさんみたいに荒い物になる
「おっしゃ、Trick star!」
「えへへ、いっくよー!」
まずは……左から‼︎
「イクシード、起動‼︎」
グリップを捻り、イクシードを溜めて行く
「ストリーク‼︎」
爆発的な推進力が生まれ、その余剰エネルギーで炎が灯った
「えっ⁉︎な、なんですかそれぇぇぇえ⁉︎」
シールドを呼び出してガードする山田先生
俺はそのシールドを弾き飛ばした
「山田先生、こっちも忘れないでね!」
シャルが両手のブレードで円を描くと光球と火球が現れた
「いっけええええ!」
その二つの球はまるで意思を持っているかのように山田先生を追いかける
「こ、来ないでぇ!」
マシンガンで撃ち落そうとする
しかし
「無駄だよ先生!」
二つの球はマシンガンの弾丸を飲み込み再び山田先生を襲う
「きゃぁぁぁぁあ‼︎」
「すみません、先生」
俺は先生が吹き飛んだ方向に移動し
ディザスターで山田先生のラファールの装甲を引っ掛け、地面に投げつけた
「シャル‼︎」
「うん!
途端シャルの左手が光り、巨大な左腕が現れた
「スナッチ‼︎」
シャルが左手を突き出すとその巨大な腕が伸び山田先生を掴んだ
「猟牙、決めてよ!」
シャルが山田先生を俺の方に飛ばす
そして俺はイクシードを溜めて下から連続で垂直回転を加え切り上げた
「イクシードハイローラー‼︎」
炎の渦が伸び、山田先生を上に飛ばした
「きゃぁぁぁぁあ⁉︎」
「もういっちょ!」
シャルはまた山田先生を掴み、引き寄せ、打ち上げた
「もう嫌ぁぁ……」
俺は落ちてくる山田先生を所謂お姫様だっこで支えた
「俺たちの勝ち……ですかね?」
「はい……私の負けです……」
「この馬鹿共が‼︎」
「「何で⁉︎」」
「あんな一方的な試合があってたまるか‼︎山田先生が軽く震えているだろう‼︎」
「うぅぅ……」
山田先生は顔を青くして震えていた
「やりすぎた……」
俺は山田先生に近寄り
「山田先生、すみませんでした。もう大丈夫です……」
そう言って俺は山田先生を抱き寄せた
「はぅっ⁉︎」
これで落ち着くだろう
「猟牙……って、これは流石に仕方ないか……僕のせいでもあるし……」
「山田先生……羨ましい……‼︎」
シャル、鈴、頼むからその殺気を抑えてくれ……胃が痛いから……
「本当すみませんでした……」
「い、いえ……もう大丈夫ですから……」
くっ……この距離での顔赤らめて上目遣いは反則な威力だ……‼︎
「それとデュノア、あのワンオフは何だ一体」
「んー、流石にISのデータをここで話すのはアレなんで今度お話しますね」
「そうそう、あの能力は奇襲にも使えるから……学年別トーナメントのライバル達に教えられないよな」
「「「「え?」」」」
「言ってなかったな、俺はシャルと組むぜ、覚悟しろよお前ら」
「「「「勝てるか‼︎」」」」
先生含めた全員が口を揃えてそういった
「デュノアはワンオフ禁止だ。それと白峰も少なくともオーメンとやらは使うな」
「「はい……」」
やりすぎた……
〜自室〜
「どうするよ」
「うーん、エンジェルブリンガー使えないもんね……」
エンジェルブリンガー
シャルの包帯の下に隠されている物だ
ネロさんのデビルブリンガーと同じようなもので使い方も殆ど変わらない。ただ違うのはシャルの能力は天使の力なのだ
ウリエル、ラファエル、ガブリエル、ミカエル
この四大天使の力を使うことがてきる
「鈴には流石に見せられないもんね……これ」
「風呂入ってるときも包帯してるしな」
「まあ、ブランの待機形態でもあるしね」
「ま、ミカエル達ならなんとかなるだろ」
「そうだね、頑張ろう猟牙」
「任せろ、絶対勝つぞ」
「うん!」
一方その頃鈴は
「うう……シャルロットに負けた……」
「だ、大丈夫か鈴」
「はぁ…何でこんな時に慰めてくれるのが一夏なのよ…」
「何で嫌そうなんだ?」
「一夏、私と組みなさいよ」
「い、いきなりどうした」
「絶対猟牙に後悔させてやるんだから……‼︎」
猟牙に対して怒りをあらわにしていたらしい……
〜某国、デビルメイクライ本店〜
ここはデビルメイクライの本店
フォルトゥナと日本の某所には支店がある……殆ど押し付けだが……
そしてその店の奥では銀髪で髭を生やした男性がピザ片手に寛いでいた
「暇だな……金もないし」
その男、名はダンテ
猟牙の師匠でありパンドラのもともとの持ち主だ
父の形見である大剣リベリオと、友人の遺作である2丁拳銃エボニー&アイボリーを愛用しており世界最高のデビルハンターだ
他にも悪魔を倒して服従させ、魔具として扱っている
最近アグニ&ルドラという双剣が売り払われたらしい……
うるさいからとすぐに帰ってきたがな‼︎
「貴方が悪魔関係の仕事以外を受けない上に受けても街に被害出して請求書溜まりまくってるからでしょ、ダンテ」
そういったのはスタイルの良い金髪の美女、トリッシュ
元はムンドゥスの人形だったが今ではダンテの相棒だ
彼女自身も途轍もない戦闘能力を有している
「壊れる街の方が悪いんじゃないのか?施工主にもうちょっと頑丈に作れって言っといてくれ」
「もう随分前に言ったけど、あれが限界だそうよ」
「Oh……」
やれやれと肩を竦めて目の前の書類を手に取った
「そういえば、これは少し気になるな」
「ああ、ドイツだっけ?」
「何でもVTシステムとかいうものだそうだ」
「ふーん……なるほど、たしかそれは研究や製造が禁止されたものじゃなかったかしら?」
「だが、ドイツはやってるらしい。それに……これを見てみろ」
そう言ってダンテは一枚の写真を見せる
「これは……」
「多分悪魔だろう。しかも、姿をコピーするタイプのな」
その写真には全く同じ形をした黒い人影が少なくとも十数体はあった
「ちなみに、これを撮ったのは?」
「束だそうだ。まだ確証がないから壊さなかったそうだが場合によっては俺たちにも破壊を協力して欲しいそうだ」
「達って…残りは?」
「ネロだな」
「……生き残りが出ればいいけど……」
トリッシュは、ハァ…とため息をついた
「久しぶりに暴れられるんだ、やらないわけにはいかないだろ?」
と、ダンテは全力のドヤ顔を決めた
「うるさいわよその顔」
「釣れねえなトリッシュ……」
ドイツの研究所が壊滅するまで……あと少し
ダンテに壊滅作戦やるならどんな魔具使わせるのがいいかな