インフィニット・ストラトス〜厄災の担い手〜 作:ユークレース
ドッペルゲンガーとの決着です
「おいで、ミカエル‼︎」
シャルロットの周りに銀色の十字架が5つ現れた
それはシャルロットの周りを周回し時折光を放っている
「ふふふ……
ミカエルが光を放ち、ルーン文字を描いていく
「
ルーン文字はドッペルゲンガーまるでお互いが手を繋ぐかのようにして縛り始める
【くっ…こんなもの‼︎】
ドッペルゲンガーはミカエルの束縛を振りほどこうとする
しかし、彼を縛り上げる光は次第に強くなるのであった
「ジェラシー‼︎」
ガトリング砲でドッペルゲンガーを撃ち抜いていく
そしてある程度撃った後、今度はギルトでの接近戦を始めた
「おぉぉおぉぉおお‼︎」
猟牙は一度離れ突きの構えを作る
そして一気に近づき、片腕と体のバネを利用して貫く
「スティンガー‼︎」
【ぐっ……おぉぉお‼︎】
ビシビシと束縛が音を立て始めた
【ふざけるなぁぁぁぁぁあ‼︎】
バキィン‼︎
と砕け散り、ドッペルゲンガーは再び影の鎧を見に纏うのだった
【ふん‼︎】
影を猟牙目掛けて伸ばしてきた
「ちっ!」
ギルトを使い猟牙は影を捌いていく
しかし、何本かは腕に当たった
「(どうするかね……ゲージはまだ溜まらない……ならここは影を攻撃して溜めるのみ‼︎)」
「どうする猟牙……」
「次に奴の鎧を剥いだら俺がブリッツクリークで攻撃してゲージを溜める、鎧を剥ぐの頼めるか?」
「うん!猟牙、目をつぶっててね」
シャルロットは再びミカエルで文字を描く
文字は強い光を放ち鎧を祓う
【くっ……また光か…‼︎】
「いいや、これで最後だ‼︎」
猟牙の体に電気が走る
「ブリッツクリーク‼︎」
【何っ⁉︎】
その瞬間、稲光を残し猟牙の姿が消える
【消えただと⁉︎】
「ライトニングファング‼︎」
縦横無尽に飛び回り、ギルトで斬りつけていく
その斬撃は電気を纏い、ドッペルゲンガーの体の自由を奪っていく
【くそっ……くそぉぉおおおぉぉお‼︎】
「Finish(終わりだ)‼︎」
ひときわ大きな電撃がドッペルゲンガーを包み、焼いた
そして周囲を覆っていた影にヒビが入り、ガラガラと崩れ去った
「ふう……」
「なんとかなったね猟牙……」
「ああ……」
「ねえ、あれ」
「うん?」
シャルロットが指差す先には光の球があった
「まさか……」
猟牙が手を伸ばすと光の球は猟牙の手に収まった
『……どうやらスタイルのようですよ』
「ほう……」
猟牙は体の中の魔力に意識を集中する
すると影が蠢き、猟牙と同じ形の人型の影が出来た
「ハッ‼︎」
猟牙はステップを刻み踊り始めた
すると影は寸分狂わず同じ動きをし、さながら猟牙の輪郭をそのまま横にズラして貼り付けたかのようだった
「凄いね……ダンテさんに見せてもらったけどやっぱり同じ動きするんだね」
「ああ、しかもこれこういう使い方以外にも影の槍とかも使えるらしい。ぶっちゃけドッペルゲンガーをまるまる使役できるって感じだな」
「何それダンテさんのドッペルゲンガーより高性能」
「ただ魔力ガッツリ食うけどな‼︎」
そういう猟牙の額には汗が溢れている
「……はぁ」
「まずは慣れる!そのあとダンテさんにパープルオーブ要請する!」
「ねえ猟牙、一応言っておくとパープルオーブって貴重なんだよ?」
「うん……分かってる」
「とりあえず、束さんに報告だね」
「ああ、分かってる」
すると猟牙は携帯を取り出し、束に連絡を入れた
『やっほー、りょーくん。どうしたの?』
「もしもし束さん?ドイツの件ですがね……黒でしたよ、あの子のISと同じくらい真っ黒」
『そう……ありがとうりょーくん、あとは私たちがやる。私の子供によくもこんなことをしてくれたね……』
束は怒りに震えているようだった
「その事なんですけどね」
『ん?どーしたのりょーくん』
「俺も参加していいっすか?」
『理由を聞いていいかな?』
「いやー、ボーデウィヒを見てたらなんかふつふつと怒りが湧いてきましてね……搭乗者の事を考えない滅茶苦茶な装置で苦しんでる姿を見てたらなんかほっとけなくて」
『ふーん、なるほどね……』
するとシャルロットが猟牙から携帯を取り、話し始めた
「束さん、僕も着いて行きたいです」
『おー!シャルちゃんじゃん!ブランちゃんは元気?』
「はい!」
『うーん、そうなると……デビルメイクライ社員総出の任務かな』
「「は?」」
『えっとね、私とトリッシュとダンテとネロ君、それにりょーくんにシャルちゃん。すっごい豪華メンバーだね!』
「「哀れドイツ……」」
少しだけドイツに同情した猟牙達であった
「いつごろに出発します?」
『うーん、準備も兼ねて一週間後かな。あ、そうそうドイツの子には本国に連絡しないように言っておいてね。こっちでも情報操作はやっておくから』
「了解しました」
『それじゃあその時まで、ばっはは〜い』
「さて……まずはこいつを保健室に連れて行かなきゃな」
猟牙はラウラを抱え保健室へ向かった
「じゃあ僕は織斑先生の所に行ってくるよ」
「ああ、頼んだ」
〜保健室〜
「白峰」
「ん?ああ、織斑先生か」
「何だその反応は……」
「すみません……」
「それで、ボーデウィヒの容体は?」
「まだ意識は戻らないです。まあ、一般人があんな魔力に包まれたら当然の結果ですけどね。特に今回の場合は瘴気に近かったですし」
「ふむ……」
「それで、シャルから話しは聞きました?」
「ああ、ドイツに連絡はしていない。おそらくVTシステムが起動したことは分かってないはずだ。束が何やら情報操作をやったらしいしな」
「らしいっすね」
「ん……教官…?それに白峰も…」
「お、ボーデウィヒ目が覚めたか」
「大丈夫か?」
「ああ……あれは一体……」
「……」
猟牙は千冬とアイコンタクトを取った
そして一つ頷くと
「あれはVTシステムだ」
と千冬が話し始めた
「VTシステム⁉︎何故そんなものが」
「お前の所の研究所が勝手に突っ込んだんだと、俺は来週その工場を壊しに行く」
「なんだと⁉︎そんな事をすれば国際問題になり白峰が罪に問われるんだぞ⁉︎」
「大丈夫、俺の味方は凄いから。それに、助けてって言ったのはお前だぜ?俺としては原因を排除しないと助けた気になれないんでね、俺の勝手で工場を壊す」
「そうか……だが相手は軍だぞ?もし死んだりしたら…」
「安心しろ、死にはしない。俺も俺の仲間も」
「そうか……」
「だから少し休んでろ。って言っても俺が工場壊しに行く頃には回復してるだろうけどな」
「白峰」
「ん?」
「ありがとう」
「かっかっか!その言葉はまだ早いぜ。帰ってきたら受け取ってやるよ」
「ならその時にもう一度言わせてもらう」
「白峰、ボーデウィヒは目が覚めたばかりだ。そろそろ休ませてやろう」
「了解っす。じゃあなボーデウィヒ」
「えっ……」
「ん?どうかしたか?」
「いや、何でもない。ただ…その……だな。良ければまた来てくれ」
そう言って猟牙は部屋を出た
そしてその後
「……教官」
「どうしたボーデウィヒ」
「私は…自分が何者なのか分かりません。教官と同じ強さを得るために力を求めました。しかし、その力も紛い物で私には何も残っていません……教官、私は何なんですか?私は何者になれば良いんですか?」
「ふむ、ならちょうどいい。お前はこれからラウラ・ボーデウィヒだ。誰一人として私にはなれん。それと同じくして私もお前にはなれん。故にお前はこれからラウラ・ボーデウィヒになれば良い」
「……」
「では私も帰るぞ」
「はい。ありがとうございました」
side 猟牙
「猟牙‼︎」
「大丈夫なの?」
俺が保健室を出ると鈴とシャルが居た
「ああ、ボーデウィヒはもう少し休むそうだがな」
「猟牙、これさっき送られてきた」
「ん?飛行機のチケット…ドイツ行きか。あの人も準備が良いな」
「ふーん、ドイツ行くんだ」
「そう、僕と一緒にね」
「ちょ、ちょっと!それどういうことよ‼︎」
「仕事だよ。まあ出発して2.3日で終わらせる予定だから多分出発して4日ほどしたら帰ってくる」
「分かった……だけど幾つか条件がある」
「うん?」
「一つ、必ず帰ってくること。二つ、無事に帰ってくること。三つ、絶対にシャルに手を出さないこと。四つ、帰ってきたら私とデートすること」
「お、おう…了解した」
「むっ……鈴ばっかりズルい……僕も帰ってきたらデートしたい!」
「あんたは猟牙と海外行くんだからいいでしょ!」
「ふーんだ、僕は仕事だから遊ぶ暇なんて無いもん。だから僕もデート行く!」
「そんなの猟牙が許す訳ないでしょ、ねえ?」
ここで俺に振るのか……
ああ…鈴とシャルの視線が痛い
「ねえ、僕もいいでしょ?」
若干シャルが涙目なのが辛い……ダメだ…どうしてもこうなると弱いんだよな俺
「あー、もう!分かったよ。シャルも鈴も帰ってきてからな」
「やったぁ‼︎」
「ぶー……」
「そうだ鈴、お前に渡すものがあるんだった。部屋に来てくれ」
アレで機嫌直してくれればいいけど……
〜部屋にて〜
「確かここに隠したはず……っと。お、あったあった」
俺が取り出したのはあの時(8話参照)買ったネックレスの入った袋だ
「これ、前に出かけた時に買ってたんだが渡すタイミング逃してな」
「これは?」
「開けてみ」
「これ……!あの時私が見てたやつ‼︎」
「お、それで合ってたか」
「うん!ありがとう猟牙!」
なんか物で釣った感じであまり気分が良いものじゃないが……この笑顔見ることが出来たから良しとするか
「……
「大丈夫だよ、シャルの分も何か買う予定だから」
「ホント⁉︎やったぁ‼︎」
「じゃあその時は私も着いてく」
「は?」
「私達二人を連れて行って貰えばいいのよ。両手に華、猟牙にとっても悪い話じゃないと思うけど?」
「いや、確かに嬉しいけども……シャルはそれだと嫌だろ?」
「確かに!僕もそれに賛成!」
「ファッ⁉︎」
「よし、これで決まりね。じゃあ猟牙、そういうことだから」
「えっ、いや、その……」
「ふふ、楽しみだな〜」
「はぁ……分かった。二人が言うならそうしよう。でも、本当にいいのか?」
「「もちろん‼︎」」
やれやれ……幸せ者だね俺は……
次回、ドイツ工場南無三