インフィニット・ストラトス〜厄災の担い手〜 作:ユークレース
side 鈴
私の白峰猟牙に対する第一印象は最悪だった
クラス代表になったことに文句を言ってくるしガキだの言ってくる
言い争いにもなった
しかも相部屋だったし……あの後教官室に行ったみたいだけど……
その後ロクに口を効かないままクラスマッチの日になった
まず、あいつの印象が変わったのは戦った時だった
素直に思った。あいつは強い
最初は楽勝だった
衝撃砲もバンバン当たるし動きも鈍かった。でも、ほんの少し時間が経った後から動きが変わった
まるで衝撃砲の空気弾の動きが見えるみたいにかわされていく。しかも、近接の動きもすごいし瞬時加速も使いこなしていた
その後反撃はしたけど撃ち落とされた
やられる……
そう思った時だった。天井に穴が空いて訳の分からない奴が空に居た
そして次にあいつの印象が変わった
あいつは一人で訳の分からない奴に立ち向かって行った
正直私は怖かった
だって信じられなかったけど、空に居る奴は悪魔みたいで……それでもあいつは……白峰は立ち向かって行った。私を守るって言って
そして不覚にも、かっこいい…そう思った
そして白峰はあの悪魔に勝った
でも、どうやら私はここまでみたいだ
だって今ISは動かず、足もすくみ、瓦礫が落ちてきているのだから
ふと白峰の方を見ると私の方へ走ってきていた
ありがとう
そう言おうとしたとき、白峰の身体が青く光った
side 猟牙
俺が気がついた時には目の前に鳳が居た
「……俺は一体……」
『マスター!』
「パンドラ⁉︎」
『フールフールの力がマスターに入り、新たなスタイルを覚醒させたみたいです』
「ダンテさんのクイックシルバーやドッペルゲンガーみたいにか?」
『恐らく、今はあの瓦礫を何とかすることが最優先です。そのスタイルを使うことが有益かと』
「OK……んじゃあやるか……」
何と無くだが使い方が分かる
俺は両手の間に青い電撃を溜める
「Brast‼︎(爆ぜろ‼︎)」
そして瓦礫目掛けてその電撃を放つ
瓦礫に電撃が当たると赤熱し、爆ぜた
「はぁ……はぁ……」
「白峰……」
「怪我は無いか?鳳」
「うん……それよりもあんたの方が‼︎」
「そうか……怪我は無いか」
そりゃあ良かった……
あれ?力が……入ら……ねえ…………
「ちょっと白峰⁉︎…らみね……みね…‼︎」
意識が……遠のく……
〜???〜
「……ここは……保健室か?」
知らない天井だ……と言いたかったが全身が怠い
多分魔力を一気に使ったせいだろう
半魔だとしても俺はダンテさん達みたいに直接悪魔の血を引いてる訳では無い
パンドラを核として俺が元々持っていた魔力と融合しているに過ぎない
それ故少なくは無いが多くもない。だからデビルトリガーを引き魔人化すると途端に魔力が底を尽きてしまう
しかも、フールフールのスタイルは魔力を消費するタイプのようで魔人化した後だと2回で限界が来たようだった
「うん?」
ふと腹の辺りに重みを感じた
「こいつ……何やってんだ……」
そこには鳳が寝ていた
「目が覚めたか白峰」
「織斑先生……」
「お前は3日間眠っていたぞ」
「マジっすか……」
「鳳に後で謝っておけ。お前の身を案じてずっと授業を休みお前の看病をしていたのだからな」
「こいつが……」
俺が鳳の頭を撫でるとそれに気づいたかのように鳳が目を覚ました
「ん……?白峰……?白峰!目が覚めたのね」
「ああ、なんか悪かったな。心配かけたみたいで」
「本当にそうよ……!突然気絶するし3日も目を覚まさないし……死ぬほど心配したのよ‼︎」
「おぉう……すまん……」
「たっぷり説教してもらうことだな」
そう言って織斑先生は部屋を出て行った
「えっと……鳳?」
「鈴」
「え?」
「鈴って呼んで。私も……その……名前で呼びたいから」
「お、おう……それで、鈴」
「何?」
「お前、何でここまで看病を?この間まであんだけ俺ら揉めてたのに」
「それは……その……」
鈴は少し顔を赤らめ、目をそらした
「守ってもらったお礼よ……」
「別にそんなもん良かったのに……それに、お前に協力してもらわなきゃ勝てなかったんだし」
「それでも!」
鈴は声を大きくし
「私の気が済まないのよ……」
すぐに俯いた
「……ったく」
俺は鈴の頭に手を乗せ、撫でた
「えっ?」
「ありがとうな、鈴」
「うっ……ど、どういたしまして……」
『マスター』
「何、この声……」
「おろ?パンドラの声が聞こえるのか?」
「ええ……パンドラってあんたのISの名前よね?」
『恐らく、フールフールの魔力で私の力もある程度強化されたのでしょう。それにより、他の人間にも私の声が聞こえるようになったのかと』
「なるほどな……」
『それとマスター』
「何だ?」
『フールフールの力のスタイル名を考えてはいかがでしょうか』
「スタイル名か……ブリッツクリーク、とかどうだ?」
『雷撃戦という意味ですね……良いと思いますよ』
「よし、ならあのスタイルはブリッツクリークスタイルに決定だ」
「ねえ、猟牙……」
「うん?」
「ちょっと目を閉じて、何か付いてる」
「ん?どこだ?」
俺が触ろうとすると鈴が俺の手を止めた
「私が取るから、目を閉じて」
「お、おう……」
言われるままに目を閉じるとだんだんと息遣いが近くなるのが分かる
そしてフワッと甘い香りがした
こ……この状況はいろいろマズイ……
その時
ガラッ
「猟牙!起きたって本当か⁉︎」
「キャア⁉︎」
一夏が入ってきて鈴が慌てて離れたようだった
「ん?どうしたんだお前ら」
恐らく、俺も鈴も顔が赤かったのだろう
「べ、べべべ別に何もないわよ!ねえ?」
「ああ、特に何も」
「ほらね!何も無かったのよ……
「ん?何か言ったか?」
と俺が言うと
「何でもないわよ……」
と不貞腐れた
「ふーん、そうか。で、猟牙本当に無事なのか?痛いところとかは?」
「ええい!ベタベタ触るな気持ち悪い‼︎」
「ヒドくね⁉︎」
「野郎に触られて喜ぶような性癖は持ってない‼︎」
「じゃあ女子ならいいのかよ」
「悪い気はしないな……って何でそんな不機嫌に⁉︎まさかお前……」
「違う‼︎」
「てか一夏!猟牙まだ目が覚めたばっかりなんだから大声出させないでよ!」
「す、すまん……」
「さて一夏」
「何だ?」
「虎牢関の戦い、無双、あいつに注意だ」
「うん?無双で虎牢関って言ったら呂布だけど……」
そう、呂布だ
そして今一夏の後ろに
「織斑、保健室では静かにしろと小学校で習わなかったか?」
呂布こと千冬さんが居る
「りょ、呂布だ!呂布が出たー!ギャァァァア‼︎」
一夏はアイアンクローを決められ、連れ去られて行った
「哀れ一夏……」
「ふぅ、元気そうだし私も帰るわ」
「おう、多分遅くても明日には部屋に戻る。そろそろ教官室も飽きた」
「そう、ならその日に私の手料理をご馳走してあげるわ」
「へえ、そりゃ楽しみだ」
「期待してなさい♪」
「おう、じゃあまた後で」
「ええ、また後で」
そう言って鈴は部屋を出て行った
〜少し時は遡り〜
side 鈴
「……まだ目を覚まさない」
白峰が気を失ってからもう二日だ
「……何でこんなに辛いのよ……」
責任を感じてるとかそういうものじゃない
何もできない事が辛いんだ……
そしてふとあの時の白峰の姿を思い出した
「あの時の白峰……かっこよかったなぁ……小学校の時の一夏みたいで……」
そして私は自分の口から出た言葉に気づいた
「って、何言ってるのよ私は……私が好きなのは一夏で……」
でも、その言葉に確信が持てなかった
こうやって看病してるからかもしれないが、最近はずっと白峰の事を考えてる
前一夏の事を考えてたみたいに、ずっと
何であんなことを知っているのか、何であんなやつと戦えるのか……それに、どんな女の子が好きなのか……とか
ああ……そうか……
「あーあ、どうしてくれるのよ白峰」
意識が無い今なら言えるかな……
「あんたのこと、好きになっちゃったじゃない……一夏の事よりもずっと……」
「ほーう……」
後ろから声がした
「誰⁉︎」
「私だ」
声の主は千冬さんだった
「お前が一夏ではなく白峰の事をねえ……」
千冬さんはニヤニヤと悪い笑みを浮かべていた
「えっと、いやその……」
「何だ、違うのか?」
「……そうです……」
顔が熱を帯びるのがわかる
「安心しておけ、誰にも口外はしない」
「ほ、本当に誰にも言わないでくださいよ!」
「大丈夫だ、織斑千冬として約束しよう」
「うう……信じますよ?」
「ああ、安心しろ。それと、白峰が目を覚ましたらこの書類を出せ。公欠ということにしておいてやる」
「えっ?あ、ありがとうございます!」
「好きなだけ白峰と居るがいい」
「ちょっ、千冬さん!」
でも、少し嬉しいかも……
鈴を可愛く書けたかな?