インフィニット・ストラトス〜厄災の担い手〜 作:ユークレース
「猟牙大丈夫?」
「大丈夫じゃねえよ……あんだけ啖呵切っといて負けたんだぞ?」
「猟牙はきちんとサポートしてたじゃない。自分の方に意識を集中させておいてとどめを一夏に……って考えだったんでしょ?」
「ああ……」
「まさか流れ弾受けまくってたとは流石に予想付かないわよ」
「いや、あいつの位置を把握し切れてなかった俺の責任だ。次はもう少し考えないとな……」
「責任感じ過ぎじゃない?千冬さんだってそう思って一夏に特訓させてるんだし」
毎日一夏は死にそうな特訓受けてるらしい
「そういや今日は休みか」
「そうね」
んー、そうだ
「なあ、鈴。今からどっか行かないか?」
「……へっ?今なんて…」
「だから、暇だからレゾナンスにでも行かないかって言ってるんだ」
「そ、そそそそそれはつまり、デデデデ、デート?」
「言葉の意味としてはそうなるな」
「今から着替えるから待ってて」
そう言って鈴は俺の目の前で服を脱ぎ始めた
「待て待て待て待て待て!せめて俺が部屋から出てからだろ‼︎」
「あ、ご、ごめん……」
「ったく……じゃあ部屋から出てるから着替え終わったら呼んでくれ」
〜10分後〜
「り、猟牙」
「ほーい」
思ったより早く呼ばれたな……
俺が部屋に入ると
「ど、どうかな……」
白いワンピースに身を包んだ鈴が居た
「お、おう……似合ってるよ」
「そ、そう?」
「さて、行くか」
「ちょ、ちょっと待って。その格好で行くの?」
俺の格好はIS学園の制服のままだ
「あー、そうか…ちょっと待ってくれ」
久々に『目を欺く』か
「え?え?」
「どうだ?」
こっそり鏡を見ると俺の格好は紺色のジーンズに青いインナーと黒いパーカーを着ていた
「え?どうやったの?」
「企業秘密。ほら、行こうぜ」
結構便利だな欺くは
匂いとか見た目とかイメージしなきゃならんが
〜レゾナンス〜
レゾナンス
多くの店が入り大抵のものが揃うデパートだ
IS学園へのモノレールも通っているため学園の生徒がよく通うのだ
「さーて、どこ行くよ」
「そ、そうね…」
『マスター、本日は何故この小娘をデートに?』
「言ったろパンドラ。暇だったから、それと日頃ISの訓練に付き合ってもらってるお礼だな」
『なるほど、ではマスター。私は暫く潜んでおりますので今日一日この小娘とイチャイチャしてください。録音してダンテさんやネロさん達に送るので』
「「パンドラ‼︎」」
つい大きな声を出してしまった
周囲の人から変な目で見られている
ってかお前録音機能あんの⁉︎
「ほ、ほら行くぞ鈴」
「あぅぅぅ……」
いかんな…最近のことで少し鈴を意識してしまっている
〜レストラン MOCO's〜
「ここでまず昼飯食うか」
「そうね」
「いらっしゃいませー」
店の中は緑を基調とした落ち着いた感じだ
あれはオリーブの色か?
……ここまででなんとなくメニューが予想できるが一応メニューを見てみよう
オリーブオイルで揚げた唐揚げのオリーブオイルソース掛け
グリーンサラダオリーブオイルを合わせて
海鮮パエリア(オリーブオイルを使用しております)
……オリーブオイル好きだなこの店
メニューの下に何か書いている
※当店ではドリンクを含めた全てのメニューにオリーブオイルを使用しています
「ファッ⁉︎」
ドリンクにもオリーブオイル⁉︎
馬鹿じゃねえの⁉︎
あ、本当だ。デザートのジェラートにもオリーブオイルついて来る
「ジーザス……俺はとりあえずパエリアにするか」
「私はこのチャーハンにするわ」
「かしこまりました」
とりあえず飯を食い終えた後すぐにその店を出た
「すごい店だったわね……」
「俺しばらくオリーブオイル要らない」
「私も……」
「うし!次は何処行くよ」
「そうね……いろいろ見て回りましょう」
「了解した」
そして俺たちは2時間ほど店を回った
「あ……」
鈴がふと足を止めた
「ん?どうかしたのか?」
「ううん、何でもない」
その店はジュエリーショップだった
そして視線の先にはルビーを中心に円を描くように銀の龍をあしらったネックレスがあった
「ほら、行こう猟牙」
なるほどね……本店とは違って他の依頼もやって小遣いは結構あるし、理由付けて買いに来るか
「おう」
「えっと、次はね……」
また一時間ほどブラブラしていると後ろから声をかけられた
「あれ?鈴さん?」
俺たちが振り向くと赤毛の女の子が居た
「もしかして……蘭⁉︎」
「はい!もしかしてお隣は彼氏さんですか?」
「いやいや、俺は違うよ。こいつの友人だ」
すると鈴から思いっきり脇腹を殴られた
「いきなり何するんだ!びっくりするだろ」
「あんたが悪いのよ!」
「それにしても、鈴さんがね……」
「それよりも、二人とも知り合いなのか?」
「ええ、中学の悪友の妹よ」
「始めまして!五反田蘭です」
「俺は白峰猟牙だ。好きに呼んでくれて構わない」
「よろしくお願いします猟牙さん!」
明るくて感じの良い子だな……
「むっ……」
「ん?どうかしたか」
「別に」
「鈴さん、少しお話し良いですか?」
「いや、でも……」
「行ってこいよ、暫くこの辺回ってくるからよ」
「分かった、行こう蘭」
さて、さっきの店に行くかね
side 猟牙
「えーっと、さっきのは……お、これだこれだ」
へえ、近くで見るとなかなか良いデザインだな
お、こっちのはエメラルドか……俺好きなんだよなこの石
「何かお探しでしょうか」
「うわぉ⁉︎」
「も、申し訳ありません。驚かせてしまいましたか」
俺が振り向くとそこには燕尾服を着て白い手袋をした20代前半くらいの茶髪の男性が居た
全く気配を感じなかった……
何者だこの人
「私、このイースタンカントリーの店長をしております
「あ、ご丁寧にどうも。白峰猟牙と申します」
あ、イースタンカントリーってそういうことか
国の東で国東ってことね
「それで、何故こちらの商品を?」
「ああ、日頃世話になってる友人が気になってたみたいでしてね。ついでに俺のも買おうかと」
「先ほどの小柄な女性ですか?」
「あり?見られてました?」
「ええ、見ていてお似合いのカップルでしたので」
「いえいえ、そんなんじゃないですよ。さっき言ったでしょう?日頃世話になってるって、そのお礼ですよ」
「おや?そうだったのですか?てっきりお客様達は恋人同士なのかと」
「そんな訳ないでしょう。あいつは別のやつに惚れてますから」
「ふむ……なるほど」
「国東さん、このルビーのやつとエメラルドのやつ一つずついただけますか?」
「かしこまりました。包装致しますので少々お待ちください」
深々とお辞儀をして国東さんは店の奥へ行った
なんか紳士って感じの人だったな……
「もう少し店の中見て回るか」
この店には面白いものが結構あった
例えばお守りとして売られている物の中には少しだけだが魔力が込められているものもあった
他には賢者の石という名前の石もあった
何と無くモルフェウス達が騒いだ気もしたがすぐに収まったので気のせいだろう
「ちょっとそこの男!」
他には何か無いかな……
「無視をするの?男の癖にいい度胸ね」
このトパーズのイヤリングとかあいつに似合うかな
「いい加減にしないと警察を呼ぶわよ‼︎」
「あれ、もしかして俺に言ってます?」
「貴方以外に誰が居るっていうの?」
あー、うっとおしいタイプきたー
無視して逃げたいけどネックレスあるしな……
適当にあしらおう
「何か御用でしょうか?」
「私これ欲しいから代金あんたが払いなさい」
「……理由は?」
「貴方が男だからよ」
「お断りします」
「私は女よ?命令が聞けないの?」
「聞く理由が無いので」
「理由は貴方が男で私が女、それで十分でしょ?」
「何故そんな事で命令を聞かなきゃいけないんですか?」
「貴方まさか知らないの?ISは女性にしか扱えないのよ?」
あー……やっぱ昔のオルコットと同じタイプだ……
相手にしたくねええええ‼︎
だが、ここで切れたらだめだ。平常心平常心
「だから男は女の命令を聞く義務があるの」
「……いや、理由になってないでしょう。確かにISは女性にしか扱えないかもしれませんが貴女はISを持っているのですか?」
「持ってるわけないじゃない」
「なら何故貴女が威張るのですか?言わせて貰いますがISが無ければ女性は俺たち男性と同じ人間です。それに筋力で言えば男性の方が強い、やろうと思えば今ここで貴女を殺すことも出来るんですよ?」
「や、やれるものならやって見なさいよ。少なくとも貴方のような子供には負けないわ」
「ほう……」
俺は殺気を込めて睨みつけてみた
「ヒッ……‼︎」
「どうした?ISを使えるんだから男は怖くないんだろ?」
「そ、それは……」
「ほら、かかって来いよ男より強い女さん?」
「け、警備!警備はどこ⁉︎」
すると店の入り口から警備員の女性が入ってきた
「どうされました?」
「こ、この男が暴力を!」
「ほう?少しお話しをお伺いしてもよろしいですか?」
「ったく……面倒な事を……」
「?」
俺はポケットからIS学園の学生証を出した
「IS学園1年1組所属、白峰猟牙だ」
「あ、IS学園⁉︎と、いうことは貴方が2人目の男性IS操縦者の⁉︎」
「そうだ。悪目立ちたくなかったから隠していたがな」
「し、失礼いたしました!」
「で、そっちの人。女はISが使えるから男より偉いんだよな?なら、俺の場合はどうなるんだ?」
「そ、それは……」
「これを期にその腐った考えを直す事だな」
「くっ……覚えてなさい‼︎」
あー、面倒臭かった
「あ、あのー……」
「警備員さん?どうされたんですか」
「あ、握手してもらっていいでふか!」
「くっくく……ええ、構いませんよ」
「あ、ありがとうございます!キャー!後で同僚に自慢しちゃおう♪」
そんなに喜ぶことか?
「白峰様」
「あ、国東さん」
「こちらをどうぞ」
その手には紙袋、中には二つの箱が入っていた
「えーっと、いくらでしたっけ?」
「いえ、御代は結構です」
「え?」
「先ほどの方は本来出入り禁止の方でした。しかし、あのようなお考えをお持ちなので何度も他のお客様が被害に遭われていたのです」
「なるほど」
「なので、これは我々からのお礼とさせてください」
「で、ですけど……」
「でしたら、これからもこの店をご贔屓にしてください。そういう契約の証として、ということでいかがでしょう」
「そ、そう言われましても……」
「頑固な方ですね。でしたら、私から白峰様への友情の印なら受け取っていただけますか?」
「はぁ……分かりましたそういうことでしたら」
俺は袋を受け取った
「またのご来店、お待ちしております」
さて、鈴のところに戻るかね
side 鈴
私は蘭と一緒にベンチに座っていた
「鈴さん、どうして一夏さんから乗り換えたんですか?」
「や、やっぱりバレてた?」
あからさま過ぎたかな……
「そうなると、猟牙さんも大概鈍感ですよね」
「やっぱり、猟牙に一夏の事が好きって言った事が原因なのかなぁ……」
「……詳しくいいですか?」
「えっと……」
そうして私はあの日のことを話した
〜数日前、猟牙の部屋にて〜
『鳳鈴音、少し良いですか?』
「え?あ、うん。どうしたのパンドラ」
「珍しいなパンドラから話しかけるなんて」
『そろそろ本当に鳳鈴音の気持ちをはっきりさせておくべきかと思いまして』
私の気持ち?
って、もしかして猟牙が好きってこと⁉︎
「な、何のことかしら」
「パンドラ……お前まだそんな事言ってんのか」
『マスターは気にならないのですか?』
「は?いや、そりゃ気にならないことは無いが……」
「えっ?」
『さあ、鳳鈴音。どうぞ』
「え、えっと……」
私は猟牙の事が好き、私は猟牙の事が好き
「わ、私は……」
でも、これで私が猟牙のことが好きって言ったらどうなるの?
これでもし嫌われたら?
それで口を聞いてもらえなくなったら?
もし、距離を置かれたら?
「私は……一夏の事が好き」
それなら、想いが伝わらなくてもいいから今のままがいい……
『……そうですか』
「って事があったの」
「鈴さんって普段行動力あるのにこういう時奥手ですよね」
「うっ……何よ、悪い?」
「いいえ、可愛らしいと思いますよ。でも、もうちょっと積極的になってもいいんじゃないでしょうか?」
「だ、だって恥ずかしいじゃない!」
「ベッドに潜り込んだのに?」
「うっ……それは……ってか、何でそこまでアドバイスするのよ」
「だってこのまま鈴さんが猟牙さんの方に行けばライバルが一人減るじゃないですか」
「ああ……そういえばあんたも一夏に惚れてたわね」
「ねえねえ、君たち」
「何?」
「俺たちとどっか行かない?」
いつの間にか私たちを取り囲むように数人の男が立っていた
「嫌よ、何であんた達なんかと」
「でも、着いてきてもらえちゃうんだな」
すると何か鼻を刺すような匂いを感じた後私は気を失った
side 猟牙
「鈴達どこまで行ったんだ?パンドラ、確かISはコアネットワークに繋がっているんだよな?」
『はい、その通りです』
「なら、甲龍の位置も分かるか?」
『はい。本来ISは宇宙空間での活動を想定されていますので位置把握は可能です』
「なら、頼めるか?」
『5秒お待ちください』
何か嫌な予感がするな……
『出ました。どうやらこの近くの倉庫のようですね、魔力反応もあります』
「はいアウトー、また面倒事確定〜しかも悪魔も絡んでる〜」
『座標を送信します。魔力移動は?』
「やるさ、あいつらに何かあったら大変だ」
俺は魔力で空間に穴を開けそこに飛び込んだ
次回、悪魔と戦います
ブリッツクリークスタイルが活躍するかも
さて、どんな悪魔にしようかな