こういう書き方の方が見やすい!などでも全然いいのでぜひお願いします
幼い頃からなんでも中途半端に才能があった俺は努力も挫折もまともに経験せず生きてきた。
ボーダーに入ったのもボーダーにいる奴らより自分が凄いと周りにアピールするためだった。
当時の俺は周囲の人間を舐め腐っていた。入隊時他のC級隊員よりポイントが多く入隊式でも周りのC級隊員を見て自身が期待された存在であり、他の有象無象とは何もかもが違うと嘲笑っていた。
だが、それもその日までだった。
入隊式が終わった後すぐに行われた模擬戦闘訓練。
俺より前の奴らは全員1分切れば良いぐらいのタイムだった。そいつらの戦い方を見てもトロトロと走り馬鹿みたいに斬りつけ、吹っ飛ばされ、見てるこっちがムズムズするような戦い方だった。そんな周りの奴らのトロさが俺の自尊心を満たした。
とうとう来た俺の番。前の奴らのお遊戯を見て口の中にある眼が弱点だということはわかっている。俺は予め抜いておいた日本刀型のトリガー弧月を構え、開始の合図と同時に跳び上がり近界民の眼を斬る。
ハッキリと覚えてないが、記録は悪く無かったと思う。自分自身初めてにしては動きも悪く無かったと思う。だが、その後の奴らだった。俺の人生を狂わせたのは。そいつらの記録はまだハッキリと覚えている。
9秒と4秒。俺より明らか年下の少年と少女が軽々と達成した俺と比べても圧倒的に早いタイム。最初は現実が受け止め切れず放心していた。だが、彼女らを包むどよめきや正体員から賞賛を見て俺は歯を食いしばった。
その後の事はハッキリと覚えていない。だけどその時から俺は彼女らに強い感情を抱き、個人ランク戦で彼女らを見かけては勝負を挑んでは負け続けていた。
自分の才能はこんなものじゃない。俺はまだ本気を出していない。この評価は妥当なものではない。そう思いながら挑み続け、負け続けた。何度もトリガーを変えようとも思った。何度もボーダーをやめようと思った。それでもトリガー変えなかったのは、それでもボーダーを辞めなかったのは意地でも流儀でもなんでもない。
ただ単にそれをすると自分から負けを認めて逃げたと思われそうで嫌だった。そんな情けない理由だった。
俺が2人に突っかかるようになって数週間後、いつものように俺がアイツらに取られたポイントを取り返すためランク戦ブースで雑魚を狩っていると毎日かかさず来ていたはずの木虎と緑川が来なかった。結局その日は2人と出会うことも無く、少し残念で、少し安心した空虚な時間を過ごした。
次の日も2人は来なかった。不思議に思ったが、自分としては2人に絞られない分ポイントが稼げるということで少し張り切ってランク戦をしていた。
ある程度ポイントを稼ぎ、自販機の横にもたれかかって休憩をしているととある少し離れた所で雑談していたC級の話が聞こえてきた。
「聞いたか?木虎と緑川もうB級だってよ」
「結局あの2人かよ。アイツはどうなったんだ?あの弧月使ってたやつ」
「あーそんな奴もいたなぁ。でもアイツ最初だけだろ?最初の訓練でちろっといい成績出しただけで後はボロボロ。実際木虎と緑川に勝ってるとこ見たことねーし」
呼吸が荒くなる。
こんな会話聞いてもいいことなんてない。
よくある雑談じゃないか。
気にすることはない。
コイツらは分かってないだけ。
どうせこの後手のひらを返すに決まってる。
「まじかぁ。それじゃ俺らの世代のトップは木虎と緑川だな」
「あの弧月野郎の事なんて覚えてたのお前ぐらいだろ。元から大半の奴なんて木虎と緑川しか見てねーよ。」
「最初の訓練の時は凄かったんだけどなぁ。まぁ期待外れだったな」
その言葉を聞いて俺は頭が真っ白になった。早くこの場所から立ち去りたかった。俺は平行感覚の失った体を揺らしながらゆっくりと立ち去った。
冷静に考えたら当たり前だ。俺はあの2人に勝ち越した事は無いし、俺が勝手に突っかかってただけで、あの2人は俺なんか見てなかった。
俺が勝手に強さと才能を比べ、勝手に2人に挑み負けてイライラを溜めていただけ。
最初から何もかもが違ったんだ。地力も成長性も周りからの目も何もかもが。
俺はその日からボーダーに行かなくなった。
あの2人にランク戦を挑んでいた時に死ぬほど嫌がってい逃げるという行為。自身の中で一番恥ずかしいとしている道を自ら選んだ。
放課後は家で時間を潰し、休日は目的もなく街をぶらつく。いろんな店に行ったり色んな場所を巡った。とにかく今は人生で初めての敗北と虚無感をどうにかして紛らわせたかった。
そんな空虚な日々が続いたある日、俺はいつも通り現実から目を逸らすために街を歩いていた。
何も考えず街を歩いているとよく警戒区域に足を向けてしまう。それは俺自信自覚してないところでなにかボーダーに未練が残っているのか、単に偶然か。
そんな事を考えながら警戒区域に人が入らないようつけられた有刺鉄線に添って歩いていく。
あの2人がBに上がって以来もうトリガーは持ち歩いていない。ボーダーにも返していないのでこのままだといつか返却しろなんて催促の手紙が来そうだ。
もしその時が来たら今さらボーダーに顔を出すのも恥ずかしいし誰か取りに来てくれないかな。
『
突然ボーダーの警報が鳴り出す。びっくりして警戒区域の方を見ると肉眼でも見えるぐらい近くに門が開く。数は一体、俺が模擬戦闘訓練で倒した白い奴と同じヤツだが、俺が訓練で倒した奴よりデカい。
初めて間近で見る近界民に呆気に取られていると悲鳴が聞こえてきた。
それも、近界民の近くから。
思わず俺は声が聴こえて来た方向を見て固まってしまった。
なぜそんな所にいるのか、どうして逃げてこないのか、ボーダーの隊員はいつくるのか、あの近界民はこっちに来ないだろうか。
頭はよく回る。でも俺の身体は動けなかった。
近界民が首を大きく振り、家を破壊する。
コンクリートの破片や粉が飛び散り、少年の姿がこちらからも近界民からも見えるようになる。
少年は涙を流しながら口を動かした。恐怖からか声も出てなかったし、少年が本当はなんて言ったかも分からないけど、俺はこう聞こえた気がした。『たすけて』と
「こっちだ
大声を出しながら走る。有刺鉄線を越える時に怪我した手が痛む。が、そんな事は気にしてられない。
俺の声が聞こえたのか近界民は俺の方にゆっくりと顔を向け歩いてくる。
いつか訓練で見たそれより大きな姿に恐怖を感じながらも警戒区域の外に行かないように、少年の方に行かないように警戒区域内の奥へ奥へと走っていった。
追いつかれないように全力で駆け回り、瓦礫を飛び越えたり、不安定な道の上を走り何分がたっただろうか。
10分?20分?それともまだ5分も走ってない?もう限界だ。肺が苦しくなり、呼吸がしずらくなってくる。
運動はある程度できるとは思っていたがいつ終わるか分からない追いかけっこを延々と続けるのはキツい。
こんな時トリガーを持っていれば、正体員として戦えていたらどれほど良かっただろう。
あの時折れずに立ち上がっていればこんな惨めに逃げ回らずに済んだのだろうか。
あの時踏ん張っていたらあの少年をかっこよく救えたのだろうか。
出てくるのはあの時の事ばかり。
そんなたらればを考えた所で現実は変わらない。
現実の俺はトリガーを持っておらず、正体員にもなれておらず、近界民に殺されそうなただの一般人だ。
近界民はもうすぐ後ろまで迫っており、疲れからか自身の足も動かなくなってきた。
結局俺は木虎にも緑川にも一度も勝つ事ができず人生を終えそうだ。なんで俺はあの時諦めてしまったんだろう。なんであの時俺は逃げてしまったんだろう。
出てくるのはそんな後悔ばかり。横から自身を押し潰すような衝撃が来る。
おそらくあの近界民が俺を吹き飛ばしたのだろう。
吹き飛ばされ、体の至る所が打ち付けられながらも頭はいやに冷静だった。
しばらく転がった後、俺は立ち上がろうとするが、全身に力が入らない。身体中が痛い。顔以外まともに動かない。
近界民はゆっくりと動けない俺に向かって歩いてくる。
こんなに頑張ったんだあの子供が逃げれるぐらいの時間は稼いだはず。
他人を見下してばかりでロクでも無かった俺の人生。もし次があるなら
「こちら木崎、トリオン兵を排除。対象は大怪我を負っているようだが命に別状はなさそうだ。至急応援求む」
文字数などはどの程度がいいのでしょうか?そういった所も感想欄などで教えていただければ幸いです
次話では主人公の名前を出したい…
追記:細かい所なんですがバムスターが少年から主人公に狙いを変えたのは主人公の叫びに反応した訳ではなく主人公のトリオン量に惹かれただけだったりします